【誰もが最期の瞬間まで思い出を語り合える世界をつくる】
僕は今、不眠症を専門とした治療を行っています。
なぜ不眠症専門をかかげているのか、その理由をお話します。
どうか最後まで読んで頂けたら、とても嬉しいです。
突然ですが、一般的に死について考えたり、話し合ったりすることは敬遠されることが多いと思いますが、僕は死について考えることはとても有益なことだと思っています。
なぜなら人は、死に向き合った時、自分の人生にとって何が大切なのか、はっきり見えるようになるからです。
自分にとってお金が一番大切でしょうか?
もちろん生きていく中でお金はとても大切なものですが、亡くなってしまえば、あの世に持っていくことはできません。
それでは、人生にとって最も大切なものは何なのでしょう?
僕にとって一番大切なもの、それは「思い出」です。
今までの人生で作ってきた、心に残る思い出です。
誰かと恋をしたり、笑ったり、涙を流したり、慰め合ったり、美味しいものを食べて満足したこと、キレイな景色を見て心が動いたこと、仕事でイヤなことがあって逃げ出したいと思ったこと‥色んなことがありました。
死を目の前にして、きっと思うことは、すべては素晴らしい経験だったということ。
そんな経験や思い出話を、大切な人と語り合い、
「そうそう、あの時、こんなことしたよね」
「あの場所で見たあの景色、最高だったよね」
と共有しながら逝けたら、こんなに幸せなことはないと思っています。
自分の死期が自分で分かり、関わってきてくれた一人一人に「今まで本当にありがとう」と目を見て伝えることができて、そんな大切な人たちに看取られる。
「いろんなことがあったけど、僕の人生は最高に楽しかった」と言って一生を終える。
それが僕にとっての目指す場所であり、幸せなのだと思っています。
きっと誰にとっても、自分の人生を振り返り、その思い出を共有するという行為は、自分がこの世に生きてきた証というのを実感できるものだと考えています。
そんな、大切な大切な思い出が全て失われてしまう、
自分が何者であるのか、誰と何をして生きてきたのか、楽しかったことも辛かったことも何もかも忘れてしまう。
そして大切な人のことさえも。
それが「認知症」です。
こんなに悲しいことが、この世にあっていいのでしょうか?
僕は絶対に許せません。
今ある認知症の薬も、発症を遅らせることはできても治すことはできない。
認知症になってしまったら、できることは限られてしまっているのが現状なのです。
しかし、認知症にならないように予防することはできます。
現在日本では、4人に1人が不眠症と言われています。
そして不眠症と診断されて処方される「睡眠導入剤」。
別名「ゲートウェイ・ドラッグ」とも言われ、投薬をきっかけにうつ病、認知症に発展していくケースがとても多いのです。
急に認知症になる訳でないのです。
僕はまずこの不眠症を解決したい。
睡眠導入剤に頼らず、正しい睡眠を取り戻すことに特化した治療を行うことで、認知症を防ぐことができる。
誰もが最期の瞬間まで思い出を語り合える世界をつくる。
それが、僕が不眠症専門の治療を行っている理由です。