二度と失敗したくない起業家の方へ

「開業できればうまく行くと思った」「著名人のセミナーで言われたとおりにやってみたけど、うまく行かなかった」「高額な教材で学んだが、成果がでなかった」といったことに心あたりのある方へ、確実に成功するノウハウをお伝えします。

なぜ、失敗するのか?

事業の成功要因を知っている人は少ない

「事業は始めればうまく行く」と思っている方は、例えば自分のアイディアがすばらしいと考えている方でしょう。そして、そのアイディアはすばらしいものであることが多いと私も考えています。しかし、事業は経営者のアイディアが良ければ成功するわけではありません。事業の仕組みの良し悪しが決め手になります。このことを開業前に理解している方は意外と少ないのです。

売れるための決め手は?

商品やサービスの良さだけでは売れない

自社が扱う商品やサービスは、もちろん経営者が高く評価するものでしょう。そこで、「この商品は良い商品だ。この商品の良さがわかる人がいれば、きっと売れるはずだ」とお考えになるでしょう。しかし、この考え方では実際にはうまく行きません。「あなたの会社の商品の良さを理解する人がいたとして、それでは、その人があなたの会社からその商品を買うとすれば、それはなぜでしょうか?」という問いに答えられる人は多くありません。商品やサービスが売れるかどうかは、商品やサービスそのものの良さではなく、売る人や売る会社が評価されているかどうかで決まるのです。

業績が上向かない状態から抜け出すには?

事業は継続のカギは仕組みづくり

業績が上向かない会社の経営者の方は、「売れていたのは初めのうちだけ」「経営者の思いが従業員に十分に伝わらない」という悩みをお持ちです。事業は、商品やサービスを売ることが目的ですが、それを持続させるためには、事業をじょうずに動かす仕組みが必要です。この仕組みがなければ、どんな商品やサービスを提供しても、それは売れないか、または一時的にしか売れなくなってしまいます。だからこそ、経営者が取り組まなければならない課題は、この売れ続ける仕組みをつくることです。しかし、このことを認識せずに事業を始めてしまう方がまだまだ多いようです。

起業の動機は「自分の思い通りの事業をしたい」が圧倒的に多い

事業を起こす方の動機の多くは、「●●を製造したり販売したりしたい」「●●屋さんになりたい」というものです。すなわち、事業の現場で活躍したいというものです。野球のチームに例えれば、プレーヤーとして活躍したいということでしょう。
しかし、会社はひとつの組織です。組織である以上、それをまとめるリーダーが必要です。会社の業績は、良い製品を作ったり売ったりするだけでなく、良い組織でなければなりません。野球のチームに例えれば、優秀な選手が集まるだけでは必ずしもチームが強くなるとは限りません。良いチームプレーができるように、監督が選手を上手にまとめることが必要です。
ところが、事業を起こそうとする人には、名プレーヤーになろうと考えている人は多い者の、名監督になろうとする人はまだまだ少ないようです。

名プレーヤーが名監督になれるとは限らない

日本には経営者と呼ばれる方がたくさんいます。そして、その人たちもかつては小さな会社を起こし、自身も事業の現場にいました。そこから、経営者としての経験を積みながら事業を大きくしていき、名経営者となりました。
ですから、プレーヤーになりたくて起業した人が、名経営者になることも十分に考えられます。しかし、経営者のポジションに就くことは簡単ですが、経営者としての役割を果たすことは容易なことではないようです。プロ野球でも、名プレーヤーであった人が監督に就任しても、必ずしも監督して優秀な成績を残すことができるとは限りません。プレーヤーとしての資質と監督としての資質はまったくことなるからです。
だからこそ、会社を起こして事業を大きくしたい方は、経営者としての資質は何かということを理解し、そしてそれを身に着ける必要があります。

ますます経営者の役割が大切な時代に

かつては、「作れば売れる」という時代がありました。そういった時代は、製品を作ることができれば十分に事業がうまく行きました。しかし、いまの日本では、品質の良い製品にあふれています。良い製品を作ることはあたりまえで、それ以外の面で勝負しなければならなくなっています。
すなわち、「どの会社の製造した製品か」「製品を使うとどんな満足が得られるのか」「どんな方法で販売されているのか」といった、製品の物理的な機能ではなく、製品を買うことで得られる無形の便益が評価の対象となっています。
これは、「何で顧客を満足させるのか」ではなく「どうやって顧客を満足させるのか」ということで勝敗がきまるということであり、「製品での勝負」ではなく「仕組みでの勝負」ということです。
だからこそ、経営者のとしての役割である「仕組みづくり」が問われる時代になっているのです。

専門的な経営者の登場する時代だからこそ

仕組みづくりが大切な時代になってきて、仕組みづくりの専門家、すなわち専門的な経営者が多く見られるようになりました。その代表的な方は、稲盛和夫さんです。稲盛さんの創業した京都セラミック(現、京セラ)はセラミックの製造業でしたが、その後、稲盛さんは通信会社を起こし、巨大な会社に育て上げただけではなく、航空会社の再生にも成功しました。そして、専門的な経営者は、稲盛さんだけでなく、コンビニエンスストアの社長から酒類メーカーの社長に招聘された方や、そのコンビニエンスストアの経営者にファストフードの経営者から招聘された方など、枚挙にいとまがありません。しかし、このような専門的な経営者の数は、日本の会社の経営者の全体の数から見れば、依然として少数派でしょう。とはいえ、社長の役割は仕組みづくりであるということに気づいている経営者の方は増えてきていると思います。「良いサービスを提供するには、まず、従業員が働いていて満足する会社にしなければならない」とお話しする経営者の方はあちこちで見られるようになっています。だからこそ、経営者の役割を認識し、経営者に就いた方は、経営者としての仕事を最優先課題として取り組むことが求められています。

仕組みづくりでは、具体的に何をするのか

会社の事業や環境が千差万別であることから、会社の仕組みづくりの方法もさまざまです。
でも、仕組みづくりを行って業績を上げている会社に共通していることがあります。それはPDCAの実践です。これを聞いて、「PDCAくらいで業績が上がるのか」と感じる方も多いでしょう。正直なところ、これは経験的に感じていることであり、私もPDCAの実践と業績の向上の直接的な因果関係を明らかにできません。
しかし、ここで2つ述べたいことがあります。ひとつは、「PDCAくらいだったら、すぐにできる。それに、そんなことをしても業績が上がるかどうかは分からないので、実践すること自体意味がない」と考える方がいらっしゃるとすれば、ぜひ、PDCAを実践してみてください。「PDCAの実践は簡単であり、意味がない」と述べておられながら、継続して実践できる方は意外と少ないのです。例えば、「明日からダイエットを始める」といいつつ、いつになっても始められない人が多いのと同じであると思います。PDCAは簡単なように思えますが、継続して実践することはそう簡単なことではないようです。
ふたつめは、日々の行動が効率的になるということです。一般的に、PDCAは1か月ごとに計画と実績の乖離について確認を行いますが、このことにより、日々の行動を長期的な目標を達成するためのものに集約することができます。逆に、もし、定期的に状況の確認をしていなければ、日々の行動は成り行き的になり、長期的な目標があったとしても、そのための行動はなかなか行われにくくなるでしょう。私は、PDCAの意義はここにあると考えています。

PDCA以外には、どんなことをするのか

仕組みづくりは奥が深いので、すべてを述べることは難しいのですが、PDCAの次はBSC(バランス・スコア・カード)の導入を薦めています。
BSCといっても、最初から大掛かりなことはしません。経営理念策定→経営戦略策定→長期計画策定→年間計画策定→目標数値(KPI)設定という手順を踏み、それを毎月確認していきます。すなわち、PDCAの応用です。
そして、KPIを会社から部→課→係→社員とおろしていくことで、各自が何をすべきかが明確になり、効率的な仕組みが出来上がっていきます。また、社員や係といった小さな単位での活動がどのように会社の業績に貢献しているのかということも明確になり、社員の方たちのモラールの向上にもつながります。
ただし、ここで難しいことは、どのような戦略を行うのかといったことや、組織全体を動かすためのコミュニケーションの維持です。これは経営者の方の役割ですが、「自分の考えは社員にも伝わっている」と思っている方は多いようです。しかし、経営者の思いは繰り返し伝えないと社員の方には理解してもらえません。BSCが魂のこもったものとなるためには、経営者のBSCをうまく活用しよう、そして自分の思いを伝えようという熱意が大切です。

自分が作った会社なのにそこまでしなければならないのか

業績を上げるためには仕組みづくりが大切と伝えてきましたが、「自分の考える通りの事業をやりたいから会社を作ったのに、そんな面倒なことが必要なのか」と感じる経営者の方もいるかもしれません。
このように考える方は、組織運営についての経験が浅い方ではないかと思います。事業は組織で行う以上、組織運営をする人が必要であり、経営者はその役割から逃れることはできません。そして、現在は、その組織運営の良し悪しが事業の業績の良し悪しに大きく影響する時代になっているのです。
つぎに、「うちの会社は、自分一人でやっている」または「家族だけでやっているから、組織運営はあまり関係ない」とお考えになる経営者の方もいると思います。これは「組織」を会社組織と考えていればその通りです。一般的に会社組織は、経営者と従業員の集まりを指します。
しかし、事業経営の観点では組織とはステークホルダーを指します。ステークホルダーとは利害関係者のことで、役員・社員だけでなく、販売先、仕入先、株主、銀行、社会を指します。仮に、事業は社長1人だけで携わっているとしても、販売先、仕入先、銀行との関わりは避けられません。この方たちからの協力を得るためには、やはり仕組みづくりは組織運営の役割は避けられません。
かつては「工務店の社長は大工道具の使い方がいちばん上手な人」であったかもしれませんが、いまは「工務店の社長であっても組織運営がじょうずでなければ事業は傾く」という時代になったと私は考えています。

組織運営に自信がないときはどうすればよいのか

正直なところ、すべての人が組織運営を上手にできると私は考えていません。とはいえ、自信がないから開業してはならないと考えているわけではありません。経営者になって初めてわかるということもたくさんあります。むしろ、わからないことがたくさんあるからこそ、経営者になる醍醐味があると思います。
安易に開業することはお薦めしませんが、しっかりとした準備と心構えを持って開業すれば、成功する確率は格段に高まります。

長嶋選手のバットを買うことはできても、ヒットを打つことはできない

靴下の卸売業であるタビオ(東証2部上場)の会長である、越智直正さんは、「長嶋選手(現、読売巨人軍終身名誉監督)のバットを買うことはできても、ヒットを打つことはできない」とお話しされています。チャンスのときにヒットを打ってチームの勝利に貢献していた長嶋選手のようにヒットを打てるようになるには、彼が使っているものと同じバットを買えばよいのではありません。彼のように猛練習を重ね技術と経験を積み重ねなければなりません。このことは多くの方に容易に理解できるでしょう。しかし、事業運営に関しては、「他社が●●を販売して売上を伸ばしている」とか、「他社が●●というシステムを導入して業務を効率化した」という情報を聞きつけては、それをまねようとする方が多いことを越智さんは指摘しています。事業の経営にあたって、ツールは大切ですが、それ以上に大切なことは、そのツールを使いこなす能力です。そして、経営者の真の役割は、会社にその能力を涵養することです。確かに、目の前に多くの課題があることも事実ですが、事業の勝敗は長期戦で決まります。だからこそ、長期的な戦いに勝てる組織づくりを目指すことがいまの時代に求められています。
中小企業診断士六角明雄事務所では、
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プロフィール

中小企業診断士 六角明雄

昭和41年栃木県生まれ
昭和63年地方銀行入社 融資渉外係として10か年で約800社の中小企業の担当。その後、本部融資事務部門に異動し、融資事務
規則作成、システム開発等を担当。
平成12年中小企業診断士登録
平成14年ITコーディネータ登録
平成19年中小企業診断士事務所開業
平成24年2月「図解でわかる在庫管理いちばん最初に読む本」出版
平成25年1月「図解でわかる小さな会社の経営戦略いちばん最初に読む本」出版
平成26年8月「図解でわかるリースの実務いちばん最初に読む本」出版
平成27年11月「図解でわかる小さな会社の経営に活かす会計いちばん最初に読む本」出版
平成28年5月「図解でわかる棚卸資産の実務いちばん最初に読む本」出版
その他、豊富な経営コンサルティングの経験を活かし、商工会議所・システム開発会社などの主催するセミナー講師としての登壇や雑誌への寄稿多数。

コンサルティング実績
●旅館業経営計画作成支援
●飲食業IT導入支援
●リネンサプライ業資金調達支援・管理会計導入支援
●不動産業事業計画作成支援
●建設会社創業融資支援
●デイケアセンター助成金申請支援
●歯科医院助成金申請支援
●美容院創業融資申請支援
●農業生産法人幹部育成支援
●保育所幹部育成支援
●内装業幹部育成支援
●クリーニング業情報武装化支援