東洋医学の診方として、古典では
『金匱要略』での痙病、『素問』での「諸痙項痛は皆湿に属す」、『傷寒論』では「項背強張ること几几」とあります。
また、東洋医学では病因を外因、内因、不内外因と鑑別しますが
①外因 風寒湿等の邪気が手足の太陽、少陽、陽明に侵襲し三陽の経絡が阻まれると気血の運行が悪くなり、頸項肩部の
経筋を滋養できず拘急して肩こりが起こる。
②内因 感情が伸びやかではなく、憂鬱で喜びに欠けたり、怒り、イライラを抑圧しすぎると脾気や肝気の疏泄作用が悪くなり、 気の滞りと血瘀(血流が悪くなり汚れている状態)を引き起こす。そのため、筋を滋養できず肩こりが起こる。
③不内外因 生冷飲過食過多により胸郭部に寒飲が停滞したり美食による食積などから肩背部の気血の運行が悪くなり肩こりになったり眼精疲労や産後の気血不足のため頸肩部の経絡の気血の流れが悪くなり筋が固くなり起こるもの、さらに疲労、房事過多による陰虚のため肝陽が亢進し頸肩に上昇するため肩こりが起こる場合もある。
となります。
生活法として
①日頃から衣食住を正し、身体のゆがみをできるだけ少なくしておくと共に心身に鎧を付けずリラックスできるようにし、自分なりの健康法を生活の中に取り入れる。
②発汗後は風に当たらぬようにする。
③頸椎症、高血圧等によるものは必ず原因疾患の治療に注意すること。
④呼吸に意識をおく。
⑤飲食 よく噛む 陰陽、四季、五味の調和
⑥体の操作 気功、太極拳、ヨガ、ウォーキング
⑦心と感情のコントロール リラックス、肯定的理解
⑧環境 自然との調和、社会、家庭、個人環境の和
が必要となります。
単なる、『肩こり』でも様々な診方をするのが東洋医学的な治療となります。
当院では整形外科的な理学検査もしっかり行なった上で、
東洋医学的なアプローチ、こころのアプローチを行います。
肩こりにお悩みの方は一度はりきゅう施術をお試しください。