実はおもしろい フランス語の冠詞
基礎編-冠詞の正体 名詞は【外箱】 冠詞は【中身】
はしがき(一部抜粋)
タイトルにもあるように、フランス語の冠詞は、実はおもしろいんです。“実は”というのは、私の 20 年以上に渡るフランス語指導経験から、多くのフランス語学習者が冠詞に躓(つまづ)き、悩み、避けて通ってきた、あるいは諦めた事実を知っているからです。ところが、しつこいようですが、冠詞は実はおもしろいんです。余談ですが、私はこの冠詞好きが高じて、⾧男が誕生した際、本気で《冠詞(かんし)》と命名しようとして周囲から猛反対をくらった経験があるほどです。
さて、冠詞に限定して言えば、フランス語学習者から寄せられた声で最も多かったのは『⾧年、フランス語を勉強していますが、冠詞が分かっていないような気がします』です。“分かっていないような気”とはつまり、(自分でも)何が分からないのかも分からない状態と推察されます。これは、⾧年に渡り、感覚と習慣でなんとなくフランス語学習を続けてきた当然の結果と言えます。これを解消するには、例えばなぜ「肉が好き」が《aimer une viande》ではなく《aimer la viande》となり、また「肉を食べる」が《manger une viande》ではなく《manger de la viande》となるのかを理論的に理解することが唯一にして絶対の条件だと断言できます。
とにかく学習を続けていれば、いつか自然と冠詞が理解できるようになると思っているフランス語学習者が少なくないことは大変残念で気の毒なことです。。。