ITエンジニア専門の
転職戦略

ITエンジニア専門,転職戦略

転職のポイント


上流工程を目指す転職のポイントは何でしょうか。

最も重要なことは「動きながら考える」ことです。

私の過去の失敗、および企業採用側で多くの職務経歴書等を見てきた身として、これは確信を持っていえます。
上流工程を目指す、未経験の領域に飛び込むときは、考えてから動くよりも、動いて学びながら考えるほうが成功します。
「自己分析や計画が大切」、その通りです。しかし私のように、1ヶ月入念に分析・計画立案をしても書類選考で落ち続ける人が後を立ちません。
正しい手順で努力しないかぎり、成果には結びつかないからです。
誤った道を歩み続けた私は、人のアドバイスで1時間手直しをしたところ、書類・面接が次々通るようになりました。



上流工程転職の手順

まず、上流工程を目指す転職の手順をお伝えします。

まず動き出す→情報収集→自己分析→再び情報収集→履歴書・職務経歴書作成→応募→書類選考・面接→内定・入社

転職したことがある人は、一般的な手順と違うと思ったかもしれません。また、情報収集が多いと感じると思います。
一般的には、自己分析やキャリアプランをまず立て、それから履歴書・職務経歴書を作成し、準備万端になってから求人票参照となります。
しかし自己分析から始める手順は、未経験の上流工程を目指す際、致命的な間違いをしやすくなります。
それは、顧客(求人企業)が求めることを見誤る、なりたい職種や企業のことを理解していないため入社後に後悔する、ということです。
ほしいと思う商品がなければ人は購入しません。しかし全ての人が、品質が最高のものを求めているわけではありません。デザインを重視したり、お金がないから品質は犠牲にしてもいいと思ったり、たまたま目の前にあった商品で間に合わせる人がいたり、それぞれです。
転職も同じです。学歴も経歴も魅力的な人しか転職できないわけではありません。求人企業が求めることは、思っている以上に多種多様です。しかし、何を求めているかは自己分析からは導くことができません。求人票を見たり企業ホームページを見たり、あるいは転職エージェント等で企業側の希望・悩みを聞き出すことで、求めているものが明確になります。

何を求めているかが分かれば、書類選考で重要な職務経歴書も、企業が求めている内容を重点的に書くことで通過しやすくなります。面接も同じです。

また情報を的確に集められれば、転職後の仕事内容も具体的にイメージが湧き、良いことだけでなく悪い点も踏まえて、転職すべきか考えることができます。



上流工程を目指す際のポイント

上流工程を目指す転職のポイントとして、最も重要なことは「動きながら考える」とお伝えしました。

最も重要としたのは、上流工程を目指す人の多くが、最初に入念な自己分析・計画を立ててから転職活動を始め、失敗していくからです。書類が通らない、面接で企業が求めていないことばかり話す、入社して仕事内容に幻滅する、数えだせばキリがありません。

これは求職者の性格も大きく影響します。プログラマーから上流工程SEを目指す人などは、考えることが好きな人が多くいます。また一つのことにのめり込んだり、物事を決めつける傾向があります。私がまさにそうでした。

考え続けた結果、自分に都合良く解釈したり、芯がぶれた整合性のないキャリアプランを作ってしまうことがあります。行動に移すのも遅くなります。

考えたあとで行動に移すと、(自分が描いたバラ色人生とは違う)厳しい現実に怖くなったり、(自分が描いた理想の)企業像や仕事像のみで転職先を決め、入社後に後悔することとなります。

まず動き出して情報収集を始めてみてください。良い点も悪い点もふくめ現実が見えてきます。その後で自己分析やキャリアプランを立てると、理想と現実を冷静に見ながら、自分の進むべき道や転職先を明確にしていくことができます。

情報収集もインターネットだけでは不十分で、客観的に判断できる人に1人以上会ってアドバイスを求めてください。あるいは早い段階で数社応募するのもお勧めです。そうすることで、現実の理解と、自己分析が自然とできていきます。

客観的に判断できる人というのは、家族や友人ではありません。目標にしたい仕事の先輩、あるいは転職エージェント(人材紹介会社の担当者)などを指します。自身で1ヶ月考え続けるよりも、1時間話をしたほうが自分の強み・弱みや、キャリアプランをもとにした目指すべき転職先が見えてきます。書類選考や面接も通りやすくなります。



自己分析で洗い出す


強みと弱み

自己分析では、自身のこれまでの振り返り、経歴まとめ、性格や強みと弱みの洗い出しなどを行います。
ポイントは人からどう評価されているか、正しく理解することです。

物事は見る視点により変わります。もし自己分析を誤り、コミュニケーションが苦手なため上流工程は無理、と結論づけていたらどうなっていたでしょうか。その人は今もプログラマーとして一人黙々と作業していたかもしれません。

人からどう評価されるか把握する方法ですが、家族や友人に聞いてもあまり意味はありません。
どう見られているか感じるには良いと思いますが、重要なことは仕事や転職の精通者に評価してもらうことです。
会社で尊敬する先輩、転職して活躍している元同僚、もしくは転職エージェント担当者がお勧めです。
特に、あなたの強みと弱みを客観的に意見してもらってください。自身が思う自己評価と、人が思う評価が異なることに驚くはずです。

経歴

自己分析では今までの仕事内容(経歴)を振り返ります。
履歴書では、いつどの会社に所属していたかなど時系列でまとめますが、ここではできるだけ細かく洗い出します。メモでもExcelでもいいので書いておくと自身の整理に役立ちます。
関わったプロジェクト(システム導入保守)ごとに、最低限、以下の基本情報を押さえます。
関わったシステムの内容(Web、通販、会計、人事など)関わった期間担当した工程(詳細設計、単体テストなど)プロジェクトに関わった人数、および自身の立ち位置(1プログラマーなど)プログラム言語や環境(Java、PHP、Oracleなど)

また上流工程を目指すためには、上記の基本情報以外に押さえるべきことがあります。

後輩などへの指示・教育・管理などの経験有無後輩などへ働きかけしたこと(後輩のスケジュール管理、OJTによる教育など)納期・品質・コスト遵守のために心がけていること(深夜残業してでもスケジュール遅延を起こさないなど)小さなことでもいいので達成した成果(SQL書き換えでパフォーマンスを34.2%改善など)簿記2級など資格勉強していること

なぜ上記のようなことを問うのでしょうか。
上流工程SEでは、プログラマーへの指示や管理が必要となります。後輩や部下への教育も重要な役割です。
納期・品質・コスト(費用)は非常に重要で、上流工程SEの力量が試される要素でもあります。
納期に遅れるということは通常許されません。品質が悪ければ、業務を止める不具合発生を引き起こしてしまうかもしれません。コスト超過すれば会社の利益を圧迫します。
納期・品質・コストを意識し、小さなことでもいいので遵守を心がけ実施していることがあれば、上流工程SEに適性があると評価されやすくなります。

資格勉強は業務知識を得るために行います。やる気のアピールにもなります。ただ資格勉強していないからといって、転職を待つ必要はありません。転職活動をしながら、今から始めても問題ありません。

上流工程を目指す人は、現在ではなく、将来活躍できると思われるかどうかが大切です。


ITキャリアプランを作成する


キャリアプランとは、自身が最終的にどのような仕事をしたいか、その実現のために経歴(キャリア)の計画(プラン)を立てることです。

最終目標とする仕事

まずは最終的になりたい仕事を決めます。最終目標を決めてぶれないようにすることです。
ITに関わる人にとって、最終的に目標とする仕事としては例えば以下があります。

プログラマー
システムエンジニア
社内SE
ITコンサルタント
自社開発エンジニア
独立起業した社長
フリーランスエンジニア


経歴の計画策定(一般的な例)

ITの仕事として一般的なキャリアプランをいくつか記載します。
参考にしながら、実現したいキャリアプランを作成していただければと思います。

PG→SE→SIerでプロジェクトリーダーやプロジェクトマネージャ
PG→SE→ITコンサルタント
PG→SE→ITコンサルタント→大企業の社内SEか経営企画
ベンチャー企業の自社開発エンジニア→独立起業
PG→SE→中堅企業の社内SE→大企業の社内SE
PG→SE→上流工程に関わるフリーランスエンジニア再情報収集

自己分析とキャリアプラン作成ができたところで、以前実施した情報収集を再度行います。

まず動き出す→情報収集→自己分析→再び情報収集→履歴書・職務経歴書作成→応募→書類選考・面接→内定・入社

まずは以前見た情報や、書き留めたキーワードを再度眺めます。
前と違って見えているのではないでしょうか。

自己分析とキャリアプラン作成をした後に確認すると、情報収集時にあいまいになっていたことが以前より明確に分かるようになります。
また思い込みで自己分析等をしてしまうことがありますが、収集した情報を見返すことで誤りに気づくことがあります。
以前参照した情報を確認したら、次に転職サイトなどで求人票を再度見ていきます。
自分が何者か、どのようなキャリアを築いていきたいか、それらを明確にした後で参照すると、行きたい企業や求人票で注視するポイントが明らかになっていきます。

再情報収集で頭の整理がついたら、いよいよ履歴書と職務経歴書作成に移ります。


ITエンジニアの履歴書と職務経歴書にかける労力


ITエンジニアの履歴書作成

履歴書は、自分自身の年齢や学歴・職歴などを記述します。
つまり自身の歴史そのものです。

しかし転職活動で重視されるのは職務経歴書のため、歴史は軽く書くくらいの気持ちでまとめます。

履歴書と職務経歴書にかける時間ですが、履歴書は職務経歴書の1/10くらいの労力で構いません。

語弊がある言い方かもしれませんが、そのくらい履歴書ではなく職務経歴書に力を注ぐべきということです。

IT以外の業界では、履歴書の顔写真や、誤字脱字がないかなど形式を厳しくチェックする会社もあります(古い業界などで今も多く存在します)。

しかしIT業界では履歴書はそこまで重視されません。

誤字脱字があまりに多い、ほとんど何も書いておらずやる気があるか分からない、などは論外ですが、基本的に自身の歴史を淡々と記述して問題ありません。

※例外的に社会人経験が1年未満の人は、経歴が少ないため履歴書を重視することもあります。また社内SEを目指す人は、求人企業がIT以外の業界となるため、履歴書の見た目・誤字脱字にも注意を払ってください。

「将来こんな仕事をしたいからこの会社で働きたい」という動機は具体的に記述すべきということです。
入りたい会社ではなく、やりたい仕事を目的とした動機を書いていきます。

ただし、ベンチャー企業や事業会社(社内SE)は少し事情が異なります。
特にベンチャーは自社に入りたい理由を重視されます。
ベンチャーは、激務、薄給、向上心がないと精神的に続かない、など独特な世界です。

採用担当もその点を理解していますので、強い入社動機があるか、他ではない自社にしかない技術や社風に惹かれているか否か、入社理由が明確ですぐ退職しないか、を鋭く嗅ぎ分けます。

私がベンチャー企業で採用担当をしていた頃も、経歴以上にやる気や志望動機を見ていました。
また、事業会社の社内SEも志望動機を重視されます。

IT業界は会社への忠誠心や帰属意識は低いですが、小売・製造業などの事業会社では、今でも忠誠心等を求める会社は多いのが実情です。

私が大企業社内SEに転職したときも、なぜ自社か、ということを面接担当のマネージャー・部長・役員から何度も問われました。

一方、SIerや外資系企業などは「将来こんな仕事をしたいからこの会社で働きたい」を重要視します。

求人に応じた志望動機を用意するのがベストですが、少なくともキャリアプランをもとにした「将来こんな仕事をしたいからこの会社で働きたい」はどの企業でも求められますので、明確にしておいてください。




転職で重視される職務経歴書

転職時は履歴書より職務経歴書が重視されます。
履歴書作成にかける労力を1とすると、職務経歴書は10倍かけても足りないくらいです。
よくしてしまう誤りは事実を淡々と記述することです。

アピールできる実績や成果がある人はそれでも問題ありませんが、事実の箇条書きのみで書類通過できる人は多くありません。
採用担当者は思っているよりも世の中を知らないと思ってください。

誰もが知る大企業、「1000人月の大規模プロジェクトマネージャーとしてプロジェクト全体を統括・完遂」などの分かりやすい実績でないかぎり、職務経歴書に具体的に記述していなければ評価されません。
具体的に書く内容ですが、ITエンジニア転職として必ず書くべき内容と、上流工程を目指すときに追加で記述すべきことがあります。


ITエンジニア転職の職務経歴書の書き方

上流工程を目指す・目指さないに関わらず、ITエンジニア転職で書くべき内容はほぼ決まっています。
逆に、これらが記載されていなければ誤った評価を受ける可能性があります。
関わったプロジェクト(システム導入保守)ごとに、最低限、以下の基本情報を押さえていきます。

関わったシステムの内容(Web、通販、会計、人事など)関わった期間担当した工程(詳細設計、単体テストなど)導入規模・関わった人数、および自身の立ち位置(1プログラマーなど)プログラム言語や環境(Java、PHP、Oracleなど)

また経歴は、上から順番に新しいプロジェクト→古いプロジェクトの順に書きます。最新の経歴ほど最初に目に止まるようにします。

とくにIT業界は技術変動が激しく、直近の経歴が重視されるためです。



ITベンチャーの年収と転職時の交渉


ITベンチャーの年収私の実例

まず、私がITベンチャーで働いたときの実際の年収ですが、708万円となります。

残業が多かった年は年収800万円を超えたこともありました。当時20代半ばにしては多いほうかもしれません。

ただし、以前体験談でもお話したとおり、ベンチャー企業は激務のため残業代が大きくなります。

残業代がもし0円であれば、年収は600万円弱となります。



有名ベンチャーや零細ベンチャーの年収

ベンチャー企業の年収は、企業規模と社風により大きく異なります。

企業規模ですが、大体の目安として従業員10名未満、10〜100名未満、100名以上に分かれます。

20代後半のエンジニアで、10名以下が年収400万円代、10〜100名未満で450〜500万円、100名以上で500〜600万円が平均的です。

社風も影響します。社長の考え方一つで、金払いのいい会社と、安月給で働かせる会社に分かれます。

有名なベンチャーのうち、上場している会社は平均年収が公開されています。

ある年の年収例は以下のとおりです。

メルカリ:502万円(平均年齢30.3歳)サイバーエージェント:703万円(31.9歳)ぐるなび:574万円(同35.8歳)クックパッド:650万円(同32.5歳)

この平均年収ですが、実情と異なることも多いため注意が必要です。

特に従業員の少ない会社は、社長や役員などが高額報酬を得て、平均年収を押し上げることがあるためです。

一社員の年収はもっと低いということもあります。

従業員が少ない、もしくはスタートアップと呼ばれる創業間もない零細ベンチャーでは、年収が200万円代というところもあります。

若手の正社員が、アルバイトとほぼ変わらない給与で働くこともあります。

ITベンチャー企業の年収ですが、有名ベンチャー企業であっても世間一般と比べると低めです。

以下の私のベンチャー体験談でもお話したとおり、激務かつ精神的なプレッシャーに押しつぶされそうになることもあります。お金だけで言えば、給与に見合わない仕事内容です。

それでも、得られるキャリアは非常に大きなものがあり、年収だけでは計れない貴重な経験を積むことができます。

私が年収276万円の下請けPGから、年収1837万円のITコンサルタントまで転職でステップアップできたのは、ひとえにITベンチャーでの経験があればこそです。



転職時の給与交渉

ITベンチャー転職時ですが、内定が出た後、給与交渉することをお勧めします。

内定が出た後としているのは、内定前に給与の話をすると、嫌がる会社があるためです。

内定が出るまでは、採用可否を決める企業側が有利となります。

しかし内定が出てから入社意思を伝えるまでの間は、応募者の希望が通りやすい期間です。

なぜなら、内定を出すということは採用する人を絞り込んでいるため、万が一内定辞退されると企業側の費用・時間が無駄になるためです。

給与交渉ですが、組織や制度がしっかりしている会社ではあまり効果はありません。

そのような会社は、給与テーブルが決まっていることも多く、断られるか、できても年収50万円アップくらいしかできません。

一方、創業間もない会社や小規模な会社は、制度がしっかりしていない分、社長や役員のさじ加減で給与が変わることもあります。

本当に必要とされる人材であれば、交渉だけで年収100万円以上アップすることも珍しくありません。

私は給与交渉をあまりオススメしないことが多いのですが、ベンチャーの場合は例外的に勧めています。

ベンチャーは給与水準が低めであることと、例えばYahooなどのように、入社時に決めた年収からほとんど昇給しない会社もあるためです。

給与に占める残業代の割合が高いため、残業代を除くと、年収300万円を切る会社も珍しくないのです。

しかし、給与交渉はしたことがなく不安、そもそも交渉事は苦手と思うかもしれません。

私も控え目な性格が災いし、これらの交渉は苦手でした。

もし不安があれば、転職エージェント経由で応募し、エージェントに交渉をお願いするとスムーズに話が進みます。

対個人の交渉は相手にしない会社も、対企業(エージェント)の交渉は柔軟に対応することがあります。

今や中途採用における転職エージェントの力は強く、求人企業も断りにくいのです。