3年前入院闘病中だった父のお話です。遠く離れている入院中の父と私との交流は主にメールでした。父から届くメッセージの中には「夜中に目を覚ますと、なんだか牢獄の中にいるような暗くて寂しい気持ちになります。」や「笑うことはいいことだってわかってるけど、お父さんは笑えないんだよ。。」など良く本音で話してくれました。
一時帰国で帰った際、色褪せて感じた父の入院生活に少しでも色の刺激を感じて欲しいと思い、父に似合う色のパジャマを買ってプレゼントすることにしました。
その翌日病室に行くと、そのパジャマを着た父がニンマリしながら、「朝からなんと6人からこのパジャマ似合ってますねとか、オシャレで若々しいって褒められた!へへへへへ!」って嬉しい報告がありました。その時の父の嬉しそうな笑顔や抑揚感は忘れられません。
着替えの際も、何セットもあるパジャマの中から、その似合う色のパジャマを選びがちだったようです。ストレスがかかって笑おうと思ってもなかなか笑えなかった父が、いつの間にか自然に笑っていたのです。
あの頃似合う色のパジャマのおかげで、ふつふつと父の生きる力が湧いて出ていたように感じています。今では懐かしい思い出です。
(ARI COLOR HOUSE代表 有川直子)