プランナー:廣田祐也
犬てつ主宰。大学で美学芸術学・表象文化論を学ぶ。美術館学芸員を経てフリーランスとして評論、キュレーション、編集などを行う。身近なところから生まれる問いに向き合い、考え、実践し、記録をとどめ、発信していく。地域での対話を通じた創造的な場を創る試みを行っている。
犬てつ主宰。大学で美学芸術学・表象文化論を学ぶ。美術館学芸員を経てフリーランスとして評論、キュレーション、編集などを行う。身近なところから生まれる問いに向き合い、考え、実践し、記録をとどめ、発信していく。地域での対話を通じた創造的な場を創る試みを行っている。
これまでの
犬てつ・哲学対話を通して創る未来の運動会
のストーリー
コロナの影響で、5月から開催を予定していた対面でのイベントは延期となりましたが、6月からはプレイベントとして、オンラインでの対話を行うことに決めました。そのときに公開した案内文です。
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新型コロナによってこれまで当たり前と思っていたシステムがほころびをみせ、いろんなことを一から問い直す機運が高まっています。なかでも「学校」は、2月29日という早い時期に一斉休校が要請され、こどもたちや大人の生活や社会に大きな影響を及ぼしました。
学校は勉強を教わる場所?
社会とつながりをもつところ?
給食が食べられる場所?
自由に生きるための力を育む場?
たくさんの問いが浮かぶなか、その再開を心待ちにしてきたこどもや大人たちがいる。何に重点を置くかはいろいろあるとはいえ、こうした場所はあった方がいい。でも、そのシステム自体はいろんなところでほころびをみせはじめている。19世紀末から20世紀初頭にかけて作られてきた近代のシステムを踏襲するのではなく、21世紀の現代に応じてアップデートした方がいいだろう。
そうしたことが改めて感じられます。
2020年度の犬てつでは、こうした学校の在り方を縮図的にあらわしているともいえる「運動会」をキーコンセプトに、「未来の運動会」はどんなものかを、この一年を通して考え、さらに創造したいと思います。
今年度の運動会の中止を決定する学校が続々とでてきています。社会のなかでまっさきに休校が決まった「学校」や、不要不急とされた「文化施設」と同じように、学校における運動会とは一体どんな位置づけにあるのでしょう? 運動会についての問いは、学校、そして教育とは何かについての本質的な問いにもきっとつながってくるでしょう。
そもそも運動会は何のために行うの?
今の時代にあってどんな運動会が可能なの?
遊びと運動の違いは何?
勝ち負けがあると何で楽しい?
こうした根っこのところから問いかけてみたいと思います。
そして、それを考えるだけでなく、社会実装するために、最終回では自分たちで「未来の運動会」を実際に開催します。
「未来の運動会」は、競技・遊びを作る人(デベロッパー)と競技・遊ぶ人(プレイヤー)が一緒になった「デベロップレイヤー」になって、自分たちで競技や遊びを考え、作って、プレイする、今までにないような運動会です。
そのなかで私たちは当然withコロナ時代の新しい運動会のあり様についても模索することになります。
原点を探るような対話を通じて、いったいどんな運動会ができあがるでしょうか?
未来は創れる! 新しい未来のあり方を一緒に創造しませんか?
9月からは犬山市の全小学校にもちらしを配布。
一般からの参加者の募集も行い、12月の未来の運動会本番に向けて対面での「未来の運動会プロジェクト」がはじまりました。
まずは、前回オンラインで話した内容を振り返り、初参加のこどもたちとも共有します。
Q 運動会ってどんなもの?
Q 「未来」の運動会ってどんなもの?
Q 運動会は勝つことが重要なの? 勝ち負けじゃない楽しさは?
Q みんなが楽しめる競技ってどんなもの?
そうした話をするなかで、犬てつで未来の運動会をするならこんな競技を考えたいという案がいくつかでてきました。
①自分のやりたい競技、やりたくなる競技であること
②見ている人も楽しいこと
③本物の身体を使うこと
④テクノロジーの可能性も考えてみること
詳しくはこちらから。
※チラシデザイン cuu design ヤマダクミコ
※対面での未来の運動会プロジェクトは「子ども夢基金2020」助成事業です。
今回は当初は予定していなかった番外編。
11月の対話のなかで出てきた、「まとめるって何?」についてのオンライン哲学対話を行いました。
これまでの犬てつの哲学対話では、一人ひとりの考えを大事に、最後のまとめのようなことはやってきませんでした。
でも、未来の運動会は実際に競技を決めて、運動会をする、というゴールがあるため、それぞれの考えを取りまとめ、決めていかないと先に進んでいきません。
11月にはその違いについて、未来の運動会では、決めないことを大事にしてきた犬てつとは違う方法をとってもいいんじゃないか。だって「未来」の運動会なんだし。といった意見や、新しいことにチャレンジするのも面白そうといった意見が挙がりました。
でも、そうはいっても、じゃあ実際にどうやったら決めていける?というところは保留のまま。これって「まとめるって何?」についての哲学対話して考えてみないとわからない問いだよね、という案が出て、このまま12月に臨んでも、決め方を決めかねるなかで時間はどんどん過ぎていってしまうかもしれない、ということで、オンラインでの対話の時間をもつことになりました。
いわゆる「運動」をしない運動会は可能なのか?
コロナ感染が増え続けるなか、利用予定の施設からそんな課題を与えられることになった未来の運動会。
11月に考えた競技も一旦白紙に戻し、運動会本番は明日だというのに一から競技を考えなおすことになりました。
とはいえ、「犬てつ・哲学対話を通して創る」ではない通例の未来の運動会は、大体2日間くらいで競技創りと本番を行うのが普通なようです。犬てつでは、その前段階にたくさんの対話を積み重ねてきた強みがあります。どんなものになるかはわからないものの、きっと創れないわけがないだろうという気持ちでのぞみます。
そして、未来の運動会本番を迎えました!
こんなプログラムが出来上がりました。
0 ディスタンスじゃんけん列車
1 開会式
2 レッツ!ヒップふりふリレー
3 レッグウォーマー足回し
4 ペーパーブリッジ
5 フェイスしんけいすいじゃく
6 閉会式
詳しくはこちらから。