➡映画「黒いオルフェ」に出てくる水道橋には、現在も市電が走っているのだろうか?
➡ライト兄弟よりも実質、世界初の空を飛んだ男と言われる英雄はブラジル人だった!
➡日系移民はどのように南米諸国で成功を収め、高い評価を獲得出来るようになったのか?
➡ビーグル号で南米探検に出た、若きダーウィンが何を見てどんな思いを巡らしていたのか?
➡インカ帝国の征服者、冷酷無比なピサロは雌豚の乳を吸って育ち、豚飼いを職としていた。
➡マチュピチュの遺跡は何時、誰がどのようにして発見したのだろうか?
➡実はコロンブスより先に西インド諸島に到達した船乗りがいたという驚愕の事実が……
➡アルゼンチンの聖女伝説・エビータは今でも熱烈な崇拝者が絶えない。
➡パンパ(大草原)の牧童・ガウチョはサムライにも似た精神の持ち主のようだ。
➡アルゼンチン人が言うところの自国民の次に世界で二番目にタンゴを愛好する人種は?
➡ウルグアイの古都コロニア・デル・サクラメントには「溜息通り」という街路がある。
➡日本に輸入されているチリサーモンのご先祖様は道産子の鮭だった。
➡三百年に亘って、スペイン統治者及びチリ政府と戦い続けた勇猛なマプチェ族とは?
➡日清・日露戦争はアルゼンチン・チリの協力があったからこそ勝利出来た。その訳は?
➡中南米諸国はスペイン・ポルトガルに蹂躙・支配されたが、吾が国は何故免れられたのか?
エッセイと言うには強烈すぎる。すごいパンチ力だ。
一気に読了。実に面白く、いろいろな事を感じさせる本だと思った。この様な文章が書けるのは、このエンドレスな世界や人生への想いと人への強い関心によるものだろう。大事なことは頭の中で考えて書くのではなく、筆者が身体を実際に動かして体験したという事だ。観察眼の鋭い文章はなかなかのものだ。ずしんと来る内容をも軽妙洒脱に表現している。どのページを読んでも書かれている事は、エッセイと言うにはあまりにも強烈すぎる。これはエネルギーに満ちた文化論とコミュニケーション論と自分の人生論である。 樋之口靖一郎 東京都
あたかも一緒に旅している感じがする。目眩くするような速度感が爽快だ。
なにより驚いたのは、クスコ地方にある都市遺跡マチュピチュを訪れたその記述です。きっとどんな旅行ガイドブックよりも詳しく、読んでいると一緒に旅をしているかのように誘ってくれる詳細な記述には、地球を駆け廻っている片岡陽介という作家のセンスが活写されていて小気味よいまなざしが、その目眩くするような速度感が爽快だ。しかしながらひとつ寂しいのは、街の女性たちの描写がこれまでになく妖艶さ、淫靡さを意識的に抑えていると思われることです。 サトウ・タカシ 北海道
噛み締めながら読んで、洗練された言葉の羅列に痺れた。
内容濃密で、何度も噛み締めながら読み進み、最後の章チリのエンディングが、全体の終わりも兼ねているようで痺れました。「さらば南米!」とも受け取れました。各国ごとに表現の仕方にも良い意味での強弱や濃淡があり、それぞれの国のカラ―を感じ取れる一冊だと思います。そして「洗練された」という言葉以外に良い表現が見つかりません。あとがきにも深く感銘を受けました。知識あること、それは旅を人一倍楽しめること=人生を深い感受性を持って生きるということに改めて気がつきました。 H.T 熊本県
読み進めるにつれて、見知らぬ南米への想いが大きく膨らんでいく。
旅の情景と圧倒的な情報収集による歴史的背景に引き込まれ非常に興味深く読め、見知らぬ南米の地への想いが大きく膨らむものとなりました。旅とその場の歴史は否が応でも意識させられるものなので、非常に勉強になりました。「南米大陸は自分にとって、ずっと観念そのものであった」は印象的な言葉であり、遥か遠い地への自身の想いもそうかもしれません。コロナ収束後、ブラジリアへオスカー・ニーマイヤーの建築を見学に行こうと考えていますが、その際には本編の「オルフェの水道橋」も是非訪れたいと思います。 N.N 大阪府