上尾市平方地区は、かつては平方河岸として江戸との舟運を支える重要な位置を占め、
昭和初期まで大きな繁栄を誇っていました。
しかし、鉄道や自動車が運送の主役となり、また、昭和30年の市町村合併で
平方地区が上尾市の西端の一角となる中で、
かつての活気は薄れ、人が行き交う姿もまばらな状況となってしまってきています。
それでも近年、荒川沿いのサイクリングロードを利用したサイクリストが
地区内や近隣の店舗を利用したり、
「どろいんきょ」という地区の祭りが「奇祭」としてマスコミに取り上げられるなど、
新たな風景を築く芽が出始めているように感じます。
そこであらためて街中に目を戻すと、
かつての平方の隆盛を伝える貴重な遺構がところどころに散在しています。
私たちは、こうした貴重な遺産を次世代に伝えつつ、
平方の新たなまちづくりの一つの糧となることを願って、
「(仮称)平方河岸の遺産を活かす会」を発足し、
まずは(旧)石倉家の再生に向けて活動を始めたいと考えております。