素人でも手作りできる!
金属プレス加工業向け

生産管理システムの作り方

有限会社ヤマダプレス 様 編

お伝えしたいこと

小規模事業者向けにシステム化支援を行うことになった理由
※興味がなかったら、飛ばしてください

 以前、勤めていた会社で資材購買を担当していた時、会社の来る2000年に向けてのSCMシステムの構築と主要製品の生産増量計画に向けて、核となる資材調達先(時計の外装部品の担当だったため、ほとんどが従業員50名以下の会社)に訪問し、QCD(品質、コスト、納期)の体制強化を依頼。特に納期が最重要課題であったため、受注後、納品までの流れとデータ処理についてのヒアリングを実施。
 生産管理でのデータ処理においては、手書きと電卓、Excelでの処理がほとんどで、受注処理と納品書、請求書を作成するために販売管理ソフトを併用しているところもあったが、問題は受注から納品までがデータで繋がっておらず、データを転記する!再入力する!状況(調達先の担当者曰く、「うちは、Excelで管理していますから問題ないと思います!」との返答)。また、物の流れを調査したところ、最大で第9次の調達先が関係していることが判明。これでは、当社が第1次の調達先に発注してから、基準の指定納期28日は無理にしても、大幅な納期遅延は想定ができ、生産の増量計画は必達できない!こんな状況、実態を目の当たりにした。
 資材部長の命もあり自分の役目として、主要の調達先数十社に対し、OA化(当時はIT化よりOA化)の支援、指導をすることになった。

すでにシステムを導入していた調達先の声(不満)
※ヒアリングを続けてわかったこと
1.業務にマッチせず使いづらい!
  ・システム業者の提案もあり、費用を抑えるためパッケージを導入
  ・システムに詳しい社員がいないので、業者に任せてしまった
  ・背伸びし過ぎた
  ・結局、Excelも使わざるを得ない、Excelと二重管理となっている
  ・システムのお守りをするのが大変
  ・機能を使いきれない、融通が利かない
  ・得意先の勧めで導入してしまった

2.運用コストが意外とかかる!
  ・保守、更新料が必要
  ・追加、変更時は別途費用がかかる

3.今さら止めることができない!
  ・また費用がかかるし面倒、わかる社員もいない

新たな冒険はできない!したくない!

GKサポートの提案

スキルを身につけ、自らシステムを作る!
まずは現業務を整理する!
そして、スキルを身につけ、身の丈にあったシステムを作り育てていく!

将来、費用をかけて、あるべき姿のシステムを構築するにしても、
システムの専門家と対等の立場で、
費用を抑えた効果大の使いやすいシステムが構築できます。
コロナにより、今後デジタル化がもっと加速し、働き方も変わって行くでしょう。
お客様の様々な対応や販路拡大に向けて、システム化とITスキルも必要となってきます。

ヤマダプレス様の事例を通じて

 ヤマダプレス様には、システム化にあたって数回訪問し、奥様に対して、「自社の業務にマッチしたしくみを自ら作れるよう支援しますので、意識を変えてやってみませんか?」の提案をさせていただきました。奥様は、「自分でシステムを作るってどういうことです?素人のこの私でもできるのでしょうか?」と、とても不安な様子でした。
 相当な労力と時間を要しましたが、作りは簡易的ですが、なんとか自社にマッチした使いやすいシステムになったと思います。そして、自ら追加、変更もできるスキルも身につけられたと思います。

この事例を通じて、システム化に悩まれている方への1つの考え方、方法として参考になれば幸いです。

2020年 12月 本庄 広行

ヤマダプレス様の会社情報

所在地   長野県岡谷市

業種    金属プレス加工業

従業員   12名 ※2020年 11月 現在

事業内容  映像機器、圧力計、車関連、医療機器、時計などの
       精密金属プレス加工、金型の設計、製作

URL   https://yamada-press.co.jp/

ロボットライン
150t プレス機
小型プレス機
水系全自動洗浄機
水系全自動洗浄機

Before システム化する前の状況

先代の義母から受け継いだ手書き台帳と電卓がメインで、
Excelは、補助的に使う程度
納品の一部と請求、売上のみをカシオの楽一で管理。取引先の情報は、年賀状ソフトの筆まめで管理。
将来、事業承継して息子にバトンタッチするにしても、今のやり方ではいけないと感じていた。

After システム化の効果(運用開始、3か月後)

〇支援前の課題点と要望がほぼクリア!
 ・見積、受注から納品、請求・売上までがデータで繋がった!
  ※受注時に採番したLotNo.による管理(納品までのトレーサビリティ)
 ・基礎情報となる取引先、部品、材料、単価、工程、機械、作業者など
  のマスタデータ(コード体系も)の整備
 ・客先と見積りで合意した数量別の単価を受注時に取り込み
 ・工程別に仕掛在庫を次ロットに引当て
 ・経営判断に必要な情報(受注、生産、売上など)が瞬時に集計
〇自分たちでシステムの追加や変更、専用帳票も作れる!
〇1ツールで経営上すべての業務に応用できる!
〇日々蓄積されるデータを活用して、色々な改善ができそう!
〇データ処理作業は苦痛ではなく、早く処理ができる!
〇業務の棚卸し、整理に繋がった!

1. システム化の進め方(基本)

1. 現状把握、聞き取り

・製造現場、事務現場の見学
・受注から出荷までの業務の確認
  使用している台帳、帳票類の処理方法の確認
・困り事と要望の聞き取り
  目指すゴール(システム化の範囲)の確認

2. データベースの基礎

・システムとは?、データとは?、CSV形式とは?
・文字列と数値、半角と全角、日付の考え方 など
・データ入力(データベースの作り方)の注意点
・コード化、キー、正規化、リレーションなどの専門概念の理解

3. データベースの設計

・各種のコード体系の整備
  取引先、部品、材料、機械、作業者、工程などのコード体系
  見積No、LotNo、発注No、納品No、請求Noなどの体系
・必要性、処理、活用、管理のしやすさを意識した設計
・マスタ(基本データ)、トランズ(都度発生データ)に区別した設計
  取引先、部品、材料、機械、作業者、工程などのマスタ
  見積、受注、発注、生産指示などのトランズ

4. データベースの活用

・使用ツール(桐10s)の機能と操作
  データの絞り込み、結合、印刷
・Excelデータの出力
・専用帳票(一覧表、伝票、単票、タックシール)の作成
  客先の指定伝票、専用伝票の作成

5. データ処理フローの作成

・フローチャートの書き方
・業務処理ごとにデータベースの関連付け
・単体テスト

6. システム化

・全業務のデータベースの関連付け
・半自動処理、メニューの作成
・月度、年度処理の方法
・総合テスト

2. データベースの基礎

・システムとは?、データとは?、CSV形式とは?
・文字列と数値、半角と全角、日付の考え方 など
・データ入力(データベースの作り方)の注意点
・コード化、キー、正規化、リレーションなどの専門概念の理解

2. 手作りした生産管理システム

徹底して理解してもらったこと!

最初のうちは、カードを活用して徹底!

システム化の範囲

システムフロー
主な機能
 ・受注時に採番したLotNo.によるロット管理
  ※請求までのトレーサビリティ
 ・見積で合意した数量別の単価

 ・受注数と指定納期による工程別管理
 ・工程別の仕掛在庫を次ロット以降に引当て
 ・バーコードによる部品棚卸、材料の受入管理
 ・画像を取り込んだ部品管理

主な仕様

メインメニュー (システム名:PRESSLY)
・マスタ管理
・トランズ管理
・コード管理
・利益管理
・システム管理
部品マスタ
部品コード、部品名、規格名、工程コード、使用材料、参考単価、特記事項などの基本データを登録。
部品、図面もサムネイル画像で管理。
工程マスタ
工程別(最大12工程)に生産場所(外注先も含む)、機械、作業者、能力、不要率、余裕日を登録。
受注時の客先からの受注数と指定納期により、工程別の生産数と上り予定日を算出に使用。
受注から生産指示までのデータ処理フロー
通常受注(量産)の場合、取引先、部品、材料、単価などのマスタデータ、現在庫を取り込む。※新規の場合は見積データを反映

客先からの受注数と指定納期、それと工程マスタの各データ、稼働日データを元に自動的に生産指示データを作成。これを基に、工程別に仕掛在庫を引当て、生産調整も反映させる。



生産指示書
受注、部品、材料、在庫情報と併せて、工程別(最大12工程)に工程名、生産場所、機械、指示数、上り予定日を算出。

加工日、加工数、機械名、作業者、不良内容は記入。

PRESSLY の 特長 ※手作りだからこそ、ここまでできた!

1.数量別の見積と単価
   見積時に数量別の単価設定が可能で、お客様と合意した数量別の単価をマスタ化し、
   受注時に受注数に応じて、その単価を反映できる。

2.時系列の在庫管理
   部品(生産)と材料(購入)の在庫管理を事象(入庫、出庫、返品、返戻、調整)の都度、
   データを更新し、リレーションの都度、部品や材料別に現在庫数で使用する。

3.工程別の能力と不良率による工程日程管理
   工程ごとに使う機械、担当する作業者、そして能力、不良率、マージン日数を設定し、
   客先の指定納期と受注数に応じて、生産指示時に工程ごとの必要数、開始日を算出する。
   同時に、第1工程で必要となる板材やコイル材の所要量も算出する。

4.生産指示時の負荷管理
   生産指示時に、客先納期と指示数(受注数-在庫数+政策数)により、
   先々の機械、作業者、および外注先の負荷状況が分かるデータを算出する。

5.仕掛品の引当管理
   工程ごとに仕掛品(半製品)数を把握し、同部品の次ロット以降に引当てる。

6.金額のまるめ処理
   納品と請求時において、通常の金額と税額の切り捨て、四捨五入の処理が
   No.ごとと総合計額で可能。

システム化の推奨ツール(ソフト)

桐10s ※国産のデータベースシステム
推奨理由
 1. 初めての方や中高年の方でも理解しやすく、使いやすい
 2. 日本の業務処理(伝票や印刷の文化)に最適
 3. 大量(数万件)データの処理でもストレスを感じさせない
 4. 1986年の誕生から30年を超えても信頼できるツール

システム化を推進したお二人

最初、「自分でシステムを作るってどういうこと? 素人のこの私でも本当にできるのか?」とても不安でした。相応な苦労と時間はかかりましたが、諦めずに取り組んで本当に良かったです!
今後は自分でバージョンアップ,マニュアル類も整備していきます。
社長の奥様 山田和江さん
推進途中から、レポート(専用帳票)類の作成を担当しました。
初めは、業務やシステムなど何もわからなかったのですが、基礎から教えてもらい作成することができました。今後は、システム全体を深く学んでいきたいです。
次男 山田敬太さん
推進途中から、レポート(専用帳票)類の作成を担当しました。
初めは、業務やシステムなど何もわからなかったのですが、基礎から教えてもらい作成することができました。今後は、システム全体を深く学んでいきたいです。
次男 山田敬太さん

3. システム化を成功させるには

失敗しない!システム化のポイント

  • アナログ的なやり方を否定した意識改革
  • システム化の範囲を決めて身の丈あったもの
  • 専門家に丸投げせず、自らも考える
  • 経営者の理解と参加
  • 自らシステムの追加・変更もできるスキルの習得
  • システム化は短期間(1年くらい)で推進
  • 実運用は1つのツールで済ませる
  • システム化の範囲を決めて身の丈あったもの

4. 予想される質問

  • Q
    素人でも自分たちでシステム化できるスキルが身につくのでしょうか?
    A
    システム化ができるように基礎から、また後で追加・変更できるように、そして、データを分析して各種改善できるように活用方法なども伝授します。日ごろ、Excelを使っている方なら大丈夫です。問題ありません。
  • Q
    なぜ、回数が30~40回もかかることがあるのでしょうか?
    A
    システム化するにあたって、システムとは?の理解から始まり、要望をお聞きし、そして、その企業様の業務にマッチしたシステム化に必要なマスタデータ(基本情報)とトランズデータ(随時情報)、これら2つを関係付ける各種のコード体系の整備に考えて検討していただく必要がありますので、相当な時間を要します。推進途中からどうしても欲が出てしまいます。仕様が追加となれば、ゴールが伸びてしまいます。その他、推進される方のスキルや体制などにも影響します。
  • Q
    アフターフォローについて教えてください。
    A
    基本はメールでの対応とさせていただいております。データベース、画面、帳票の作成や技術的なことをともなわない場合は無償対応となります。有償となる場合は、別途ご連絡させていただきます。
  • Q
    なぜ、回数が30~40回もかかることがあるのでしょうか?
    A
    システム化するにあたって、システムとは?の理解から始まり、要望をお聞きし、そして、その企業様の業務にマッチしたシステム化に必要なマスタデータ(基本情報)とトランズデータ(随時情報)、これら2つを関係付ける各種のコード体系の整備に考えて検討していただく必要がありますので、相当な時間を要します。推進途中からどうしても欲が出てしまいます。仕様が追加となれば、ゴールが伸びてしまいます。その他、推進される方のスキルや体制などにも影響します。

GKサポートが提案する生産管理システムは、

素人でも作れる!簡易的な作りですが、
構造的は大手企業のシステムようなきちんとした作りになります!

業務にマッチしたフレキシブルな使いやすいシステムによって
事務の効率化、省力化となり、
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5年、10年で考えると数百万円、数千万円の価値になりえます。

システムを作るなんて、本当に素人の自分たちでもできるのか?
大丈夫です!
GKサポートがサポートします!

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