自己紹介が遅れました、大神直宏と申します。
私は福祉系コンサルタントという立ち位置で
これまで数百人の介護相談に乗ってきました。
24歳から『⾼齢者施設の施設⻑』
として介護業界に携わっています。
介護業界に入ってからは8年経ちました。
私の自己紹介も兼ねて、
なぜ介護業界に入ったのか、
その経緯をちょっとだけお話したいと思います。
そもそも、
私が福祉で仕事をするきっかけになったのが、
『おばあちゃんの介護での失敗』 です。
私のおばあちゃんは、
87歳まで田舎で一人暮らしをしていました。
おばあちゃんには夢がありました。
それは、
「長男夫婦が戻ってきて一緒に住みたい!」
(私の父は次男)
「それまでは私が家を守るの!」と、
一人暮らしで、自分で畑を耕し、
毎日のように神社にお参りに行く。
すごく元気なおばあちゃんでした。
そんなある日、おばあちゃんの10年越しの夢が叶いました。
なんと、長男夫婦が戻ってきて同居するというのです。
『おばあちゃんよかったなー』
と親戚中で話題になっていました。
それから1年ほどしておばあちゃんのお家に行くと、
前と様子が激変していました。
いつも綺麗に整理されていたお家が
ゴミ屋敷のようにものが散乱していました。
おばあちゃんも以前のような覇気がなく、
耳が聞こえにくくなっていました。
畑を耕していたのも辞め、
毎日神社に行くのもできなくなっていました。
そして今まで病気一つしなかったおばあちゃんが、
病気がちになり家で寝ていることが多くなっていました。
そして長男である僕のおじさんと、
お嫁さんのおばさんは、
以前はニコニコしていて穏やかだったのが、
怒りっぽくなっていました。
いつもイライラしている状態。
『一体なにが起こってるんだ?』
『このままではいけない。なにかできることはないのか?』
私はビックリして、両親や親戚になにかできることはないのか相談しても全く答えは出ませんでした。
その半年後にまたおばあちゃんのお家に行くと、
家は前以上にモノが散乱していて、
おばさんはイライラしながら慌ただしく動き回り、
ストレスをおじさんや自分の子供にぶつけていました。
そして、おばあちゃんはほとんど自分の部屋で寝ていました。
その日の夜に晩御飯をリビングで食べていると、
おばさんが、
「早くおばあちゃん亡くなればいいのに」
とボソっと私がいる前で言いました。
おばあちゃんは自分の部屋で寝ていましたが、
聞こえるような声でした。
いつも僕に優しくしてくれたおばさんが
「亡くなればいい」って言ったことに
ショックを受けたのと同時に、
そこまでおばさんが追い込まれていたのかと知りました。
その後、半年しておばあちゃんは亡くなりました。
同居してからおばあちゃんが幸せそうにしているのを
見ることがほとんどありませんでした。
更におばさんからずっとグチを言われ
板挟みになっていたおじさんは、
半年ほどしてがんが見つかりました。
医者からは
「ストレスが原因ではないでしょうか」
といわれました。
その後詳しい検査を行い、
おじさんは癌のステージが既に進行してしまっており、
余命を医者から宣告されてしまいました。
これは実話で、
おばあちゃんも、おじさんも、おばさんも、
この中に悪いひとはいません。
みんな優しい素敵な方たちです。
ただ、環境が近すぎることによって全員が苦しむ結果になりました。
『私は何もできなかった。』
『家族がどんどんおかしくなって苦しんでいるときに何もできなかった。』
この思いがおばあちゃんが亡くなってからも私の心に残り続けました。
『どうやったらおばあちゃんの力になれたんだろう』
それが私の心に残ったテーマでした。
それから間もなく、ひょんなキッカケで知人から
「介護施設を作るから管理者をしてくれないか」と
提案されたのです。
未経験で介護の『か』の字も知らなかった私は、
亡くなったおばあちゃんのちょっとでも力になれたらと思い、
その提案を受け、介護施設の施設長になりました。
それから数年して、自分で福祉事業所を新たに作り、現在も運営しています。
ただそれだけではどうしても人数が限られてしまうため、
どうやったらより多くの人に伝えられるだろうとずっと考えていました。
その結果、うまく介護されている方のやり方を
まとめた教材を作ることに決めました。
一人でも多くの人に、家族で傷つけあうんじゃなく、
親も、子供もみんなが無理せず、穏やかに生活できる方法です。
この教材『イージー介護メソッド』では、
介護初心者の方でも無理なく学習できるように、
ベイビーステップで1つづつ、丁寧にお伝えしていきます。
私がおばあちゃんの介護での失敗を経験し、それから多くの高齢者と実際に接してわかったことがあります。
それは、『介護で苦しむかどうか』は、
・お金をどれだけ持ってるかでもなく、
・どんな重度の病気を持っているかでもなく、
『環境』と『考え方』
で決まります。
この『イージー介護メソッド』によって、
○正しい情報を知ってもらい、
○うまくいく考え方を知り、
○親と適切な距離感の環境にいれたら、
介護は苦しまず、みんなが穏やかにできます。