トーマス・ラッキー (Thomas Donnell Luckey、1919年5月15日 - )は、アメリカ合衆国の生化学者。仮説放射線ホルミシスの提唱者。
経歴[編集]1946年‐1954年、ノートルダム大学助教授、准教授。1954年‐1968年、ミズーリ大学コロンビア校生化学講座主任教授。のち同大学名誉教授。1968年NASAの宇宙飛行士に講義をしたのをきっかけにアポロ計画に協力し、アポロ11-17号ののべ17のミッションで栄養学コンサルタントを務めた。
1959年、あらゆる劇薬などの少量投与がもたらす促進作用を指すホルミシスという言葉に遭遇。文献を調べてみると、物理的、化学的、生物的な薬剤の少量投与が促進効果を示す事例が大量に存在していることが分かったという。地上の数百倍の宇宙放射線環境内での安全性を追求する中で、適度の放射線被曝は「人体に恩恵をもたらす」可能性を発見したと主張し、1980年、放射線のホルミシスに関するものをまとめた Radiation hormesis (『放射線ホルミシス』)を発表した。