健康ブーム、オーガニックブームで白熱している近年、今まで一部の理美容業界やエステ業界のプロフェッショナルな方くらいしか知らなかった『フルボ酸』という新成分が脚光を浴びつつあります。
フルボ酸とは、恐竜が地球を席巻していたおよそ1億年前の腐植土と呼ばれる堆積層から抽出したオーガニック素材で、自然界での奇跡的な条件下で形成されたかなり希少で高価な有機酸です。その中には自然界が蓄えた約70種類の希少なミネラルも含まれているようで、鉱物ミネラルが主体のサプリメント等の体内吸収率が2%程度なのに比べ、野菜と同じ植物性ミネラルが主体のフルボ酸ミネラルの体内吸収率はなんと96%!健康面の効果が期待できる飲料なども商品化されているようです。
このフルボ酸のミネラル吸収率に着目して、シャンプーなどが商品化。ネットで探しただけでも、種類や効果が多様だったり、金額の幅も広いためどれを選べば良いか分からないほどフルボ酸シャンプーが溢れ返っています。
実際、フルボ酸は頭皮を健康にして毛髪を育てる栄養素の体内吸収を促進させる効果があるらしく、頭皮や髪で悩んでいる方、特に将来的な抜け毛や薄毛を予防したい方や、現状の頭皮と毛髪状態の維持と改善をしたい方に人気があるそうです。
ここでは、通販で人気があるフルボ酸シャンプーの中でも「フルボ酸表示のある」シャンプーに厳選してランキング紹介したいと思います。フルボ酸シャンプーの中で「フルボ酸表示のある」とはどういうこと?って、思われた方もいらっしゃるかもしれませんが、実はフルボ酸含有シャンプーとキャッチコピーに記載がありながら、裏面の成分表示に「フルボ酸」の素材表記がない商品がほとんどでした。
これには調査開始した筆者も驚いたのですが、流通していたほとんどフルボ酸といわれるシャンプーに「フルボ酸」と表示できる素材が使われていませんでした。大抵は「フムスエキス」とか「フルボ酸エキス」という素材が代わりに使われているようです。
そこでこれらの素材は何んだろうかと、化粧品素材に詳しい日本化粧品工業連合会のインキコードを調べたところ、「フムスエキス」は「土壌の栄養分を抽出したエキス」と注釈があったものの、フルボ酸の含有量はおろか、フルボ酸成分の有無にも言及されていませんでした。恐らく、土壌の中には微量ながらフルボ酸も入っているという解釈なのでしょうか。フルボ酸の含有量は不明のようです。
「フルボ酸エキス」については、日本化粧品工業連合会のインキコードには登録されていませんでした。つまり、化粧品の素材かどうか不明な素材? そもそもフルボ酸にエキスというものが存在しそうにないので内容成分の調査もできませんでした。
また、「フムスエキス」や「フルボ酸エキス」を使用した商品で「フルボ酸の高配合」と大々的に表示している商品がありますが、そもそも元の素材のフルボ酸含有量が不明なため意味がないと思われます。
このようにフルボ酸商品が市場に溢れだしてくるようになると、色々な商品が出回っているようです。
フルボ酸シャンプーの一番の売りは、自然治癒力を高めるといったところが評価できるポイントだと感じます。スカルプケアの商品もたくさん出回っているし効果も高いですが、いずれも「現在的」に効果が認められそうですが「将来的」にどうなるかまで言及されていないのが悩ましいところです。フルボ酸の場合は、もともと自然界では土や植物を育て上げるために必要な物質なので、現在は目立つような効果が発揮できなくても、将来的に維持されたり改善される自然治癒力アップがポイントだと思われます。なので「将来はともかく今だけ何とかしたい」と考えている方にはあまりお勧めできない気がします。
基本的には抜け毛や薄毛の予防、頭皮や毛髪状態を維持と改善に効果があるようです。
また、「保湿効果」や「保水効果」、「乾燥してパサパサしている髪」に勧めているレビューもあるみたいですが、これはフルボ酸自体の効果ではなく、フルボ酸と結合した配合成分の効果である場合が多いので、商品選びの際は、その他の配合成分も見て「保湿」や「保水」、「乾燥髪」に効果のある成分が含まれているか調べた方が良さそうです。
さらに白髪への効果ですが、日本毛髪協会の会員様にも伺ったところ、白髪の場合は精神的なストレスや、食事摂取状況など、複合的な要因が圧倒的に高いそうで、シャンプーで改善されることはそもそもないそうです。中には抗酸化作用で白髪が予防されるという方もいるので、信憑性には留意した方が良さそうですね。 フルボ酸に限らず、オーガニック系のシャンプーで「泡立ち」や「使用感」を過度に追及するのは止めた方が良さそうです。
そもそも泡立ちを良くしている成分は洗浄剤であり、肌に悪影響を及ぼしやすい洗浄成分ほど、泡立ちが良く洗えた気分になります。あと、使用感についてもオーガニックに近いほど不具合も多いのが現実です。
シャンプーメーカーも、それらを気にしてオーガニック系でも「泡立ち」や「使用感」をなるべく高めようとしていますが、限度があることを私たち使用者も理解したほうが良いかもしれません。