フジ住宅の裁判訴訟の行方はいかに!?
フジ住宅裁判情報

フジ住宅の訴訟と裁判 7月2日の判決結果について

今回もフジ住宅の訴訟・裁判に関する情報をお届けします。
今回はフジ住宅の裁判・訴訟の内容から、最新情報をご紹介します。なお、最新情報は公式ホームページから抜粋しています。長いので分割してお届けします。

“このような訴訟指揮をされる裁判長が当裁判において公明正大な判断を示していただくことができるものか、疑念を抱かざるを得ません。

結局のところ、判決では、個別に弊社に明確な違法行為があった事を何一つ提示できていません。
 
ではなぜ、弊社を敗訴に持っていけたのかというと、原告たちが提示している多くの事について、個別には違法でなくとも、
「その態様、程度が最早社会的に許容できる限度を超える場合には違法」と言う発想を使ったからで、弊社を敗訴に追い込む結論は、最初から決まっていたという感触を、裁判推移の中で弊社は持っています。
 
それでは、上記の「その態様、程度が最早社会的に許容できる限度を超える場合」と言うのは誰が決めるのでしょうか。
どの程度なのでしょうか。
会社の配布物を原告に決めてもらえと言う事なのでしょうか。
 
会社が従業員に配布するもので、個別では違法でないが、一定程度以上になると違法になるその程度は、誰が決めるのでしょうか。それでは「その正しい答えを知っている」外部の団体に会社は乗っ取られるのではないでしょうか。
 
もしこの判決を受け容れれば、弊社は今後国際情勢等に関する書籍を、一切、社員に紹介することすら出来なくなってしまうでしょう。少なくとも何を配ってよく、何を配ってはいけないのかを自分で決める事ができなくなるでしょう。
それは弊社の終わり、ゼロから、ここまで育ってきた弊社の生命の根源を封じられる事になります。”

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フジ住宅の訴訟と裁判 7月2日の判決結果について

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“弊社は、当裁判の訴訟指揮において、中垣内裁判長が一貫して「ブルーリボン(バッジ)」を外さなければ、裁判を傍聴する権利を認めなかったことを、違法な訴訟指揮であったと認識しています。これは、弊社を応援し、傍聴してくださる皆様も同じ見解をお持ちです。傍聴人の皆様が我慢に我慢を重ねて、中垣内裁判長の気分を害して、裁判で、弊社が不利な扱いを受けてはいけないとのご配慮から、その都度、常軌を逸しているこの訴訟指揮に従ってくださった事を弊社は良く知っており、深く感謝しています。また、本当に申し訳なく思っております。
 
また、弊社会長今井も、本人尋問において、「ブルーリボンバッジ」を外さなければ、開廷しないと中垣内裁判長に告げられ、裁判が始まらなければ、傍聴に来てくださっている皆様に非常に申し訳ないと思い、また自身の証言もかなわなくなるため、やむなく「ブルーリボンバッジ」を外すという場面がありました。本人尋問中に、法廷内で「なぜ外さなければ開廷できないのか」を、ごく自然に質問した今井に、中垣内裁判長の回答は何もありませんでした。
詳細は以前の当ブログを是非読んでください。今井もまた、中垣内裁判長の対応は、以前もこのブログに示したとおり標記法律に違反しており、違法な訴訟指揮だと考えています。

法律第九十六号(平一八・六・二三)
◎拉致問題その他北朝鮮当局による人権侵害問題への対処に関する法律
 
(国の責務)
第二条  国は、北朝鮮当局による国家的犯罪行為である日本国民の拉致の問題(以下「拉致問題」という。)を解決するため、最大限の努力をするものとする。”

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フジ住宅の訴訟と裁判 7月2日の判決結果について

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“裁判所は、原告が裁判を起こす前の社内環境には違法と言えるような「文書配布」は無かったが、裁判を起こしてからの会社の対応には「原告の自尊感情を著しく傷つけ、在日韓国人が不当に差別を受ける恐れを感じてもおかしくない」対応があったと言っているのです。
まったくの無茶な言いがかりだと言わねばなりません。
弊社は、何度も言っていることですが、現在5名の、被告今井を含む中枢の取締役中、2名が「韓国系日本人」で、そのうち一人は、部長昇進後に帰化されたのです。被告今井はその方々が中枢の幹部になるまで育て上げたのです。判決の理由の説明に「韓国人への著しい嫌悪感」を今井も、会社全体としても持っているような事が断定的に書かれていますが、そのようなことは断じてございません。
判決の判断の大きな誤りを示すのが、判決の以下の部分です。本件配布①と言うのは裁判開始以前の書籍や、文書の配布の事であり、本件配布②と言うのは裁判開始以後の書籍、文書配布の事を意味します。
 
中垣内裁判長は、裁判が始まって以降も、先日の本人尋問が始まるまで、弊社がどれほど苦労して、原告が誰であるか、関係部署以外の全社員に分からないように、原告の名を社内で秘し、原告の人権に配慮をしてきたか、まったく理解してくださらなかったと思えます。「サ」の最後の結論「本件配布②を除き」の部分は、原告を除く恐らく全社員が承服できない判決理由であろうと思います。
 
また、中垣内裁判長は私企業における社員教育の裁量についても、原告以外の全社員の人権についても、弊社とまったく認識を異にしておられる事がよく分かりました。”

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フジ住宅の訴訟と裁判 7月2日の判決結果について

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“もしも、当裁判が一般の「損害賠償請求」を目的とする民事裁判だとすれば、判決主文1に示されたように、原告の請求金額3300万円に対して、その30分の1である、110万円の支払いを命じ、裁判費用についても、原告側が30分の29、当方に請求されるのは30分の1でしかないということは、当方の実質勝訴と言っても良いような判決であると言うこともできます。
 
判決理由の中でも弊社の見解は支持されており、原告は他の社員から在日韓国人であることを理由とする差別的な言動を受けたことはなかったと明瞭に認定されています。
 
ではどういう「差別」を受けた、あるいは受けるかも知れないと、原告が心理的に不安になったと裁判所が考えたのかですが、それは全く不当な判断と言わねばなりません。
中垣内裁判長は原告が当裁判を始めてから、当社社員が書いた感想文などの中に、原告が裁判を起こしたことへの疑問が散見された事、それで原告が不安になった事を「差別事象」と考えたようなのです。
原告の名前は全ての社員に伏せられていたので、一体何が起こっているのだろう、どういうことなのだろう、と多くの社員が不安に思うのは当然でした。原告が誰か、ほぼ全ての社員は知りませんでした。その最中に、原告支援団体の大々的な街宣活動が何度もあり、マスメディア、諸団体が弊社を「ヘイトハラスメント」を行う悪質な企業と繰り返し喧伝し始めました。その従業員の思いが「経営理念感想文」等で散見されるようになりました。その一部を、会社は毎月100名程度の文章を選んで、全社員に配布致します。その「経営理念感想文集(勿論何を書いても自由)」の配布によって「差別」が行われたかのように裁判所が判断する事は、まったく不当だと言わねばなりません。会社は常に適切な「量」、「内容」を選んで従業員に参考までに配布しているのです。しかも裁判に関して書かれる感想文はその中のほんの一部です。最近では、「新型コロナウイルス」の事などが多く書かれています。裁判の件はほんの少しです。けれど、今回不当な判決が出ましたので、今月はまた裁判に関する件が増えるかもしれません。”

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フジ住宅の訴訟と裁判 7月2日の判決結果について

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“皆様。いつも弊社に温かい励ましのお言葉を賜り、また、熱心に裁判の応援を続けてくださり、本当に有り難うございます。心より御礼申し上げます。
 
さて、7月2日(木)、弊社が被告とされている裁判の一審判決が示されました。
この日午後3時より、大阪地方裁判所堺支部において、原告側、被告側、同数割り当てていただいた傍聴席に、当方は定員どおり8名が入廷して傍聴いたしました。
示された判決文主文は以下の通りです。


                主       文
 
1 被告らは,原告に対し,連帯して110万円及びこれに対する平成27年10月8日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
2 原告のその余の請求をいずれも棄却する。
3 訴訟費用は,これを30分し,その29を原告の負担とし,その1を被告らの負担とする。
4 この判決は,第1項に限り,仮に執行する事ができる。


既に大手新聞各社、NHKを始め、テレビニュースでも判決内容について報道が為されていますが、その多くが、判決の公正な説明と言うよりは、まったく原告側の完全勝訴であるかのように読者を誘導する、「偏向報道」に満ちていると弊社では判断しています。
 
そもそも判決主文にも、その理由等にも、弊社が「ヘイト発言」「ヘイトハラスメント」を行ったと言うような事実は一切認定されておらず、そういった事を認めて欲しかった原告側の意図は、
判決主文2
「原告のその余の請求をいずれも棄却する。」
によって、文字通り、完全に棄却されています。
裁判所は弊社を「ヘイトハラスメント」をしているなどと認めたわけではありません。”

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フジ住宅の訴訟と裁判 判決言渡し期日は7月2日(木)午後3時

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“(弊社を応援してくださる皆様へ。念のためのお知らせ。)
判決言渡し期日は7月2日(木)午後3時です。傍聴券の抽選はありません。
 
皆様。いつも弊社に温かい応援のお言葉を賜り、また、熱心に裁判の応援を続けてくださり、有り難うございます。
心より御礼申し上げます。
 
先にお知らせ致しましたように判決言渡し期日は7月2日(木)午後3時です。
新型コロナウイルスの影響で、傍聴券の抽選につきましては、「感染防止」の観点からいわゆる「3密」を避ける必要が継続しており、広く、多数の方への傍聴の呼びかけは当分のあいだ控えることが適切と、裁判所、原告側、被告側の意見が一致しています。
 
また法廷内においても、傍聴席に十分な間隔を置く必要が生じています。判決の日にはマスメディアの取材希望も入っているようで、その席も同様に間隔を置いて確保しなければなりません。
 
それで今回については、裁判所が原告側、被告側に少数の傍聴席を平等に割り当ててくれる事となっています。
 
判決の内容はできる限り早く、このブログや、フェイスブック等で報告いたします。
 
そういうわけで、繰り返しになりますが、今回は当日傍聴券の抽選はなく、裁判所に結集していただく必要はありません。
 
一審判決まで、ずいぶんお待たせすることになりましたが、今後とも、当裁判に弊社が完全勝訴するまで、力強い応援をいただけますと幸いです。
皆様、どうぞ今後とも何卒宜しくお願い申し上げます。
いつも本当に有り難うございます。
 
(編集責任 フジ住宅株式会社)”

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フジ住宅の訴訟と裁判 判決言渡し期日が7月2日(木)午後3時になった事のお知らせ。

今回もフジ住宅の訴訟・裁判に関する情報をお届けします。
今回はフジ住宅の裁判・訴訟の内容から、最新情報をご紹介します。なお、最新情報は公式ホームページから抜粋しています。長いので分割してお届けします。

“皆様。いつも弊社に温かい応援のお言葉を賜り、また、熱心に裁判の応援を続けてくださり、有り難うございます。
心より御礼申し上げます。
皆様に週末、5月8日に当ブログを更新した後、双方弁護士、裁判所で期日の調整が進み判決言渡し期日は7月2日(木)午後3時に決まりました。
 
先にお知らせ致しましたように
新型コロナウイルスの影響で、傍聴券の抽選につきましては、「感染防止」の観点からいわゆる「3密」を避ける必要が継続する事が考えられますので、広く、多数の方に傍聴を呼びかけることは当分のあいだ、原告側、被告側共に控えることになると思います。
詳細はまた追って報告させていただきます。

一審判決まで、ずいぶんお待たせすることになりましたが、今後とも、当裁判に弊社が完全勝訴するまで、力強い応援をいただけますと幸いです。皆様、どうぞ宜しくお願い申し上げます。
いつも本当に有り難うございます。

(編集責任 フジ住宅株式会社)”

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フジ住宅の訴訟と裁判 判決言渡し期日が延期になった事のお知らせ。

今回もフジ住宅の訴訟・裁判に関する情報をお届けします。
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“皆様。いつも弊社に暖かい応援のお言葉を賜り、また、熱心に裁判の応援を続けてくださり、有り難うございます。
心より御礼申し上げます。
 
さて、新型コロナウイルスの影響で、5月14日(木)に予定されていた一審判決の期日が延期されるとの連絡が、昨日5月7日に大阪地方裁判所堺支部よりありました。
現在調整が進んでいますが、まだ正式の決定はありません。決まりましたらすぐに報告させていただきます。
また、傍聴券の抽選につきましては、「感染防止」の観点からいわゆる「3密」を避ける必要が継続する事が考えられますので、広く、多数の方に傍聴を呼びかけることは当分のあいだ、原告側、被告側共に控えることになると思います。
詳細はまた追って報告させていただきます。
 
判決の期日は延期になりましたが、本件裁判の重要性は、「新型コロナウイルス禍」によって、国際情勢も激動している中、益々重要になっていると思います。
繰り返しになりますが、弊社に対し為されている訴えはまったく不当なもので、これを少しでも認めてしまえば、著しい日本国民への言論弾圧、言論の自由への侵害が引き起こされるとの危機意識を弊社は応援してくださる皆様と共有できていると信じています。そういう意味で、弊社の責任は重大であると思っております。

ここまで弊社裁判を支え、応援し続けてくださっている皆様に深く感謝し、心より、重ねて御礼申し上げます。
どうぞ今後とも何卒宜しくお願い申し上げます。
 
(編集責任 フジ住宅株式会社)”

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フジ住宅準備書面12 弊社を弁護。裁判所に提出済み。  別紙 時系列一覧表7

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“ 3 なお、被告今井の補充尋問において、裁判長が被告会社答弁書3頁における「原告は、『正社員の業務日報も全社員に配布している』と主張するが、そのような事実はない」との記載をとりあげて「何でそこを本来、全従業員の目に触れないようなものなのに、全従業員に配ったんですか」と質問している箇所がある(被告今井調書20頁2~3行目)。しかしながら、被告会社答弁書における上記記載の趣旨は、業務日報が常に全社員に配布することになっているわけではないということであり、場合によっては全社員に配布することもあり、実際提訴前にも被告今井から業務日報を全社員宛に配布していることが少なからずあった。したがって、「本来、全従業員の目に触れないようなもの」とまで言うことはできない。
 
第4 「退職勧奨」との主張について
 1 判例上、退職勧奨そのものは違法ではなく、例外的に社会的相当性を逸脱した態様での半強制的ないし執拗な退職勧奨行為について不法行為が成立しうるとされている。近時の裁判例では、「使用者が労働者に対し、任意退職に応じるよう促し、説得等を行うこと(以下、このような促しや説得等を「退職勧奨」という。)があるとしても、その説得等を受けるか否か、説得等に応じて任意退職するか否かは、労働者の自由な意思に委ねられるものであり、退職勧奨は、その自由な意思形成を阻害するものであってはならない。」とされ、「退職勧奨の態様が、退職に関する労働者の自由な意思形成を促す行為として許容される限度を逸脱し、労働者の退職についての自由な意思決定を困難にするものであったと認められるような場合」には、「当該退職勧奨は、労働者の退職に関する自己決定権を侵害するものとして違法性を有し、使用者は、当該退職勧奨を受けた労働者に対し、不法行為に基づく損害賠償義務を負うものというべきである」とされているところである(日本アイ・ビー・エム事件-東京高判平24.1031労経速2172号3頁)。

 2 本件においては、原告と植木副部長とのやり取りが録音されたテープ(丙36~37)において明らかなように、被告会社は原告に対し300万円の支払いと引き換えに退職するという選択肢を提示したに過ぎず、一度も退職を求めるようなことはしていない。しかも、原告が勤務を継続する意思を表示して以降は一切上記選択肢について言及していないのであって、およそ被告会社の行為が社会的相当性を逸脱した態様で行われ、半強制的ないし執拗であったと評価できる余地はない。まさしく原告の自由な意思に委ねていたものであり、その自由な意思形成を阻害した事実も一切存しないところである。
 
第5 結論
 以上のことから、原告の請求はいずれも理由が無く、すみやかに棄却されるべきである。
 
                                   以 上”

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フジ住宅準備書面12 弊社を弁護。裁判所に提出済み。  別紙 時系列一覧表7

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“ 被告会社がこうした社員の心情がつづられた文書を社内配布した主な目的は、訴訟提起やその報道により動揺する社員の間で、前向きな意見を共有することで士気の低下を防ぐことにあり、「報復的非難・社内疎外」の目的などない(もっとも、経営理念感想文等の社内配布は訴訟提起前から日常的に行われていたことであり、訴訟提起直後は訴訟に関する社員の記述が多かったため、必然的に配布文書の中に訴訟に関する記載が多くなったという側面もある)。被告会社にとって、社員の高いモチベーションがライバル会社と対抗するための最大の財産であり、社員のモチベーションが原告の一方的主張が報道されることにより低下してしまうことは、企業の存立そのものを脅かす重大事態だったのである。そのような重大事態への対処としてなされた経営理念感想文等の配布行為は、その目的において十分正当性が認められる。
 また、原告も、被告会社が職場で民族差別を行っているなどという、それ自体被告会社の対外的イメージおよび社員のモチベーションに致命的打撃を与えかねない主張を行って訴訟を提起し、その主張を記者会見を開いて世間に向けて大々的に行っている以上、これに対する対抗言論は当然のことながら一定程度受忍すべきであり、原告第12準備書面別表1における表現は、その受忍限度内にとどまるものである。そして、被告会社においては原告の氏名を社内で伝えず、社員を傍聴のため法廷に派遣しないなど、原告が誰であるかが他の社員にとってわからないようにするための配慮まで行っていたのであり、そのような配慮もあって上記資料配布行為によって原告が「社内疎外」されたというような結果も発生していない。
 したがって、本件において原告が訴訟提起後の配布行為として違法であると主張する資料の配布行為は、違法性が認められないことは明らかである。
 
 2 また、原告は原告第12準備書面別表2記載の表現を含む資料の配布行為について、「被告らによる報復的非難・社内疎外が現在も反復継続されていることを示す背景事情」であると主張する。
      しかしながら、これらの資料配布行為は、原告およびその支援団体によって被告会社が「ヘイトハラスメント」を行っているなどという喧伝が繰り返しなされたりしたことにより(別紙本件時系列一覧表参照、丙16~18)、被告会社の対外的イメージが悪化し、社員に動揺が走って士気が低下する現実的危険が生じたため、その対処としてなされたものである。したがって、原告が列挙する行為は、その目的においても効果においても「被告らによる報復的非難・社内疎外が現在も反復継続されていることを示す背景事情」とはなり得ない。”

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フジ住宅準備書面12 弊社を弁護。裁判所に提出済み。  別紙 時系列一覧表6

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“第2 「教科書動員」について
 1 原告は、教科書展示会への参加を事実上強制されていたと主張する。
 しかしながら、教科書展示会への参加が事実上強制されていたなどという事実はない。このことは、被告会社の元社員である菊池証人、および被告会社における原告の直属の上司である植木証人が以下のとおり一致して明確に証言しているところである。
 
 被告会社代理人「教科書展示会の参加に関し、社員に対して参加が義務づけられてい
         た、強制されていたというふうなことはありましたか。」
 菊池証人   「それはないです。」
              (菊池証人調書7頁)
 
 被告会社代理人「教科書展示会の参加について、任意であるということは周知しておら
         れましたか。」
 植木証人   「はい、周知しておりました。」
 被告会社代理人「何か強制とか、義務だというようなこと、受け取られるような発言が
         あったという心当たりはありますか。」
 植木証人   「いえ、教科書アンケートに関しては、会社からも重ね重ね希望者のみ
         ということを言われておりましたし、私はそのことを100%理解し
         ておりましたので、そのような発言はしていません。」
              (植木証人調書3頁)
 
 一方、原告からは教科書展示会への参加を事実上強制されていたということを基礎づける具体的事実は何ら主張・立証されていない。そもそも、原告は平成26年以降教科書展示会への参加をしていないのであり、この事実自体が教科書展示会への参加を事実上強制されていたというような事実はなかったことの何よりの証左である。
 
   2 そして、教科書展示会への参加を呼びかけることそれ自体が違法であるとの根拠はない。
 
第3 「原告に対する報復的非難・社内疎外を内容とする資料の配布行為」について
   1 原告が、「原告に対する報復的非難・社内疎外を内容とする資料配布行為」であると主張するのは、2017年10月19日付け原告第12準備書面別表1の内容を含む資料の配布行為であるとのことである(原告第20準備書面)。
 これらはいずれも、被告会社が原告から訴えを提起されたことが原告の主張内容と共に大々的に報道された直後に、被告会社社員がその心情を吐露したものである(別紙本件時系列一覧表参照)。
 この時期に被告会社社員作成にかかる経営理念感想文や業務日報の中に、原告による訴訟提起に関することが多くなるのは、勤務先が訴えられたことにより社員が受けた衝撃の大きさからすれば当然であり、その中で原告に対する批判的心情がつづられるのも、「職場で民族差別」「憎悪表現文書『勤務先が配布』」
 「『民族差別的』表現文書を社内で配布」といった、被告会社社員からすれば全く事実に反する原告の主張が大々的に報道された(丙15の1~5)ことからすれば、これもまた当然である。”

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フジ住宅準備書面12 弊社を弁護。裁判所に提出済み。  別紙 時系列一覧表5

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“(3)一方、原告は閲読を事実上強制されていたと主張するものの、それを基礎づける具体的事実について何ら主張・立証されていない。
 
(4)そもそも、本件裁判において、原告は自身に対しては配布されていない資料までも収集した上で、それらの資料によって精神的苦痛を受けたと主張するが、そのように自ら積極的に収集した資料(この点、原告は、その陳述書(甲110・11頁)においては「いつかのために、資料を残そうという思い」で資料を収集したとのことであったが、当公判廷における供述では「人によっては距離をとるために、誰がどんなことを書いているか知っておく目的で」資料を収集していた旨を供述している-原告調書22頁-。いずれにせよ、自ら積極的に資料収集を行っていたことは明らかである。)によって精神的苦痛を受けたとしても、それが法的に保護されるに値しないことは言うまでもない。
 
  4 原告が主張する精神的苦痛について
 原告によれば、原告は高校生の時に学校で日の丸・君が代に接して「余りにしんどい気持ちになって立っていられなくなり、しゃがみ込んでしまった」ことがあったとのことである。また、「おじいちゃん戦争のことを教えて」という本について、これが戦争を肯定する本だとして、「こんな本を会社で勧めているんだ、会長はこんな考え方をする人なんだと驚き、ショックを受けた」ということもあったようである(原告調書33~38頁)。
 このようなことから、原告は自己の信条と相いれない文化や考えに接した際、過剰なほどに拒絶反応を示す傾向があると言える。本件において原告が問題にしている文書配布についても、自らの信条等と相いれない考え(文書の意味を十分に理解せず、あるいは曲解しているところも散見される)に接したことにより、精神的苦痛を被ったと言い募っているに過ぎない。このような「精神的苦痛」が、表現の自由を制限してまで法的に保護しなければならないものではないことは明らかである。”

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フジ住宅準備書面12 弊社を弁護。裁判所に提出済み。  別紙 時系列一覧表4

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“ 3 「政治的見解等の配布行為」について
(1)原告は、「政治的見解等の配布行為」によっても権利侵害されたと主張するが、要するに見たくもない政治的見解の閲読を事実上強制されることが原告の人格権を侵害するという趣旨のようである。
 しかしながら、被告らの配布する文書を閲読するかどうかは各社員の自由であることは周知されており、原告自身、「部門長会議資料」について平成23年10月21日に配布を希望しない旨申し出、同申出以降は当該文書を配布されていないのである(植木証人調書2頁16~25行目)。したがって、閲読を事実上強制されていたとの事実は認められない。
 
(2)この点、被告会社の元社員である菊池証人、および被告会社における原告の直属の上司(副部長)である植木証人が、以下のとおり一致して閲読が強制されている事実はなく、そもそも読んでいるかどうかを確かめられる機会がないことを明確に証言している。
 
 被告会社代理人「会社から読むことを義務づけられていたというようなことはあるんで
         すか。」
 菊池証人   「それはありません。」
 被告会社代理人「あなた以外の社員の方々も、全ての資料に目を通されていたと思いま
           すか。」
 菊池証人   「それはもう他人のことですし、私は管理する立場にはおりませんでし
         たので、わかりかねます。」
 被告会社代理人「ほかの人が読んだかどうか、確かめる機会というのはありました
         か。」
 菊池証人   「ありませんでしたし、時々雑談で昼の食事なんかとりながらお話して
         いるときに、この方はあの資料を読んではらへんかもわからんなとい
         うふうな感じたことはありました。ただチェックという意味ではなく
         て、そう感じただけです。」
 被告会社代理人「配布された資料を読んだかどうかが、社員の評価につながるというよ
         うなことはあったんでしょうか。」
 菊池証人   「ありませんでした。」
 被告会社代理人「配布された資料の感想を書くように指示されたことはありますか。」
 菊池証人   「ありません。」
              (菊池証人調書6頁)
 
 被告会社代理人「配布した資料について、設計部の社員の方が読んでいるか、読んでい
         ないかということはわかるんでしょうか。」
 植木証人   「いえ、わかりません。」
 被告会社代理人「あなたが、読んでいるかどうか、確認されたことってありますか。」
 植木証人   「いや、確認をしたことはありません。」
 被告会社代理人「読んでいない方もおられたと思いますか。」
 植木証人   「それは恐らくおられたと思います。」
 被告会社代理人「必ず読むようにしなさいというような指導は行わないんでしょう
         か。」
 植木証人   「いえ、それはしません」
            (植木証人調書1~2頁)”

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フジ住宅準備書面12 弊社を弁護。裁判所に提出済み。  別紙 時系列一覧表3

今回もフジ住宅の訴訟・裁判に関する情報をお届けします。

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“(2)また、原告の請求が認められるためには、被告会社が配布した文書によって、被告会社内で人種差別・民族差別が助長されていた事実が必要なはずであるが、かかる事実は認められない。

 この点、被告会社の社員が提出した経営理念感想文等において、一部だけを取り上げれば必ずしも適切とは言い難い表現が含まれていたとしても、当該文書全体の文脈もあわせて考慮すれば人種差別的とまでは言えないものがほとんどであり、少なくとも職場に「人種・民族差別を助長する言動が蔓延」しているとまではおよそ言い難い。

 被告会社には、役員に元在日韓国人が複数存在しており(被告今井調書13頁下から3行目~4頁5行目)、被告らの人種差別を許さないという姿勢は常日頃から職場内にも浸透しており、社員らもこの点は十分理解していた(丙23の1~2)。したがって、被告らが配布する文書のごく一部に原告が指摘するところの人種差別的表現が仮に含まれていたとしても、それによって人種差別・民族差別が助長され、職場内に「人種差別・民族差別を助長する言論が蔓延」するようなことにはならないのである。

 この点、被告会社の元社員である菊池証人も、被告会社内で人種差別・民族差別を助長するような言論が蔓延していたような事実はなかったことを以下のとおり明確に証言しているところである。

 

 被告会社代理人「あなたから見て、被告会社内で、中国人、韓国人を差別するような言

         動が行われているところを見たことはありますか。」

 菊池証人   「全くありません。」

               (菊池証人調書7頁)

 

(3)さらに、原告の請求が認められるためには、被告らによる文書配布行為によって職場内に「人種差別・民族差別を助長する言論が蔓延」することになった結果、原告個人が損害を被ったということが必要になる(札幌地判平成14年6月27日参照)。

 しかしながら、少なくとも原告の属性である在日コリアンに対する差別的言動が職場で蔓延したとの事実は認められず、原告自身そのような主張は行っていないようである。

 そして、原告自身が職場において直接差別的言動を受けたことがないことは、以下のとおり原告自身認めるところである。

 

 被告会社代理人「あなたに対して、このフジ住宅、被告会社の中で直接あなたに向けて

         差別的な言動、発言が行われたことってあるんですか。」

 原告     「私の名前を使ってということですか。」

 被告会社代理人「あなたに対して、直接誰かから言われたりとか。」

 原告     「私自身、個人に対してというのではないですけども。」”

 

次回はこの続きから紹介したいと思います。

フジ住宅準備書面12 弊社を弁護。裁判所に提出済み。  別紙 時系列一覧表2

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“(3)原告側の意図としては、「韓国人は嘘つき」というのは「ヘイト表現」であることを被告今井自身が認めており、そのような「ヘイト表現」を配布すること自体が違法である、との論理を展開したいのではないかと推察される。

 しかしながら、まずもって「ヘイト表現」という言葉自体が定義として曖昧であり、そのような定義の曖昧な「ヘイト表現」にあたるかどうかが合法・違法の線引きになるようなことはない。

 また、原告代理人は「韓国人は嘘つき」という言葉のみを取り上げて、それが「ヘイト表現」にあたるかどうか「端的に」答えるよう被告今井に迫っているが、そもそも文書における表現が違法かどうかは、当然のことながら全体の文脈から判断されることであり、特定の表現のみを切り取ってそれが「ヘイト表現」かどうかについて論じ、「ヘイト表現」にあたれば当該文書が違法となる、というような論理展開は、表現内容の違法性を判断するのにそぐわないものである。

 さらに、被告今井が尋問において度々指摘しているように、原告代理人が指摘する「韓国人は嘘つき」という表現は、被告今井自身の表現ではなく、市販の書籍における表現である。配布する文書の中に仮に違法な表現が入っていたとしても、そのことによって直ちに文書配布行為自体が違法になるわけではなく、文書配布行為が違法となるのは、その違法な表現の拡散を目的として、実際にその違法な表現が拡散したような場合に限られるはずである。

 

 2 「人種的民族的差別を助長する文書の配布行為」について

(1)原告が「人種的民族的差別を助長する」と主張する表現のうち、韓国に言及した表現のほとんどは、従軍慰安婦問題等日本・韓国の両国間に横たわる問題の対応をめぐって、韓国という国家を批判したり、韓国人の国民性を批判したりするものであり、差別云々以前にそもそも人種・民族に関する言論とは言えない。

 原告は、韓国という国家や韓国人の国民性についての言論を、民族性に対する言論と混同し、あるいは同列に論じようとして躍起になっているが、民族性に対する言論と、国家や国民性に対する言論とは、当然のことながら明確に線引きされるべきである。

 この点、原告が民族性に対する言論と、国家や国民性に対する言論、はたまた政治的見解とを区別することなく、自らの主観において意に染まないものという点において一体のものとして問題にしていることは、本人尋問における以下の供述からもうかがえるところである。

 

 被告会社代理人「先ほどから御証言聞いてますと、毎日毎日会社から民族差別的な文書

         が配布されていたというような趣旨の発言かなというふうに聞こえた

         んですけど、違いますか。」

 原告     「感覚的にはそのとおりです。」

 被告会社代理人「でもその中には国に対する批判の話とか、従軍慰安婦の強制連行の有

         無についての見解というのもかなりの部分、入っているんではないで

         すか。」

 原告     「それとでもいっしょになってうそつきとか、ずっと配られてきたとい

         うのはすごくあります。」

 被告会社代理人「あなたの中でそれは全部一緒ということですか、つながっているもの

         だと、こういうことを言いたいわけですか。」

 原告     「私の中でつながる部分はあります。」

                      (原告調書33頁)

   

 結局のところ、原告は、韓国という国家や韓国人の国民性についての批判的言論までも、民族性を貶める言論と同一視し、人種的民族的差別と言い募っているに過ぎない。”

 

次回はこの続きから紹介したいと思います。

フジ住宅準備書面12 弊社を弁護。裁判所に提出済み。  別紙 時系列一覧表

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“平成27年(ワ)第1061号 
損害賠償請求事件
 
準備書面12
 
令和2年1月10日
大阪地方裁判所堺支部
第1民事部合議C係 御中
 
 上記当事者間の頭書事件について、被告フジ住宅株式会社(以下「被告会社」という)は、次のとおり弁論の準備をする。
 
被告会社訴訟代理人
弁 護 士  益  田  哲  生
 
  同    勝  井  良  光
 
  同    中  井     崇
                         

 証人尋問並びに本人尋問の結果を踏まえ、原告の請求が棄却されるべきことについて以下簡潔に被告会社の主張を整理する。
 
第1 職場での文書配布行為について
 1 「ヘイトスピーチに当たることが明らかな資料の配布行為」について
(1)原告は、被告会社が職場で配布した文書の一部が「ヘイトスピーチ」にあたり、そのような文書を流布すること自体が違法であると主張する。しかしながら、被告会社が配布した文書の中に、配布することそれ自体が違法となるような内容のものは存在しない。

(2)この点、原告代理人による被告今井に対する反対尋問の中で、配布された文書の中の一部の表現のみを取り上げて、それが「ヘイト表現」ではないかとの質問を行い、その質問に対し被告今井がその言葉自体は文脈によっては特定の民族に対する嫌悪感をあらわした表現になり得るとの趣旨で「ヘイトになるんでしょう」と発言したことを捉え、「ヘイト表現だと認めた」と決めつけているやり取りがある。具体的には以下のやり取りである。
 
 原告代理人「韓国人は嘘つきというのは、ヘイト表現ではないですか。」
 被告今井 「よく読んでくださいよ。」
 原告代理人「端的に答えていただきたいんですけど。」
 被告今井 「端的じゃなくて。」
 原告代理人「韓国人は嘘つきというのはヘイト表現ですか、そうでないですか。」
 被告今井 「韓国人は嘘つき、それはヘイトになるんでしょうがね。」
 原告代理人「ヘイトにあたりますね。」
 被告今井 「はい。」
 原告代理人「それはヘイトだというふうに認めておられるんですね。」
 被告今井 「韓国が消えても誰も困らない、韓国人は嘘つき、韓国で発売された本です
       よ。10万部超の大ベストセラーが暴露した民族の恥部、オンソンファ
       氏、拓殖大学教授と立派な本じゃないですか。」
         (中 略)
 原告代理人「韓国人は嘘つきというのは、ヘイト表現だというふうに認められたでしょ
       う、先ほど」
 被告今井 「ええ。」
 原告代理人「だからその表現が適切かどうかという判断を。」
 被告今井 「そう言うんやったら著者に言ってください、著者に」
                (被告今井調書19~21頁)”

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フジ住宅の訴訟と裁判 最新情報

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“(5)主たる請求と提訴後の配布行為の関係性
 提訴後の配布行為の違法性の評価においては、主たる請求との関係性にも十分に留意されねばならない。
 すなわち、提訴時の原告の請求は「ヘイトスピーチないしこれに類する資料配布行為」(第1類型)、「政治的見解等の配布行為」(第2類型)、「教科書動員」(第3類型)であった。第4類型の提訴後の配布行為は、提訴後に追加で不法行為として請求がなされたものであり、第1類型から第3類型と、第4類型とは、主従の関係があるといえる。
 具体的には、第4類型は、第1ないし第3類型に関する提訴行為を非難する資料を被告らが社内で配布したこと不法行為と主張するものであるが、第1ないし第3類型の不法行為の成立が認められるかどうかが、第4類型の不法行為の成否の判断を大きく左右する構造となっていると被告らとしては考えている。
 第1ないし第3類型の不法行為の成否も、第4類型の不法行為の成否と合わせて判決で判断が示されるため、あくまで仮定の議論となるが、仮に第1ないし第3類型の不法行為の成立が認められるのであれば、法的に理由のある請求について提訴する行為を相手方(被告ら)が批判することは、正当性が乏しいということになろう。
 しかし逆に、第1ないし第3類型の不法行為の成立が認められないのであれば、法的に理由のない請求について提訴した行為を被告らが批判することは、基本的に正当性が認められてしかるべきであろう。権利がないのに会社を訴えているということであるから、「それはおかしい。間違っている」と会社から指摘されてもやむをえないと思われるからである。
 よって、本件でも結論は分からないが、「ヘイトスピーチないしこれに類する資料配布行為」、「政治的見解等の配布行為」、「教科書動員」といった理由で損害賠償請求が認められないのであれば、「提訴後の配布行為」が違法とされることは原則的になく、違法になるとすれば、配布に関しての動機や資料内容のよほどの悪質性、深刻な現実的被害の発生が認められるようなごく例外的なケースに限られると解されるのである。しかしながら、本件で、かような悪質性や現実的被害は認められない。
 言うまでもなく、提訴行為に対する批判も一つの意見表明として表現の自由の行使そのものであり、安易に違法評価され制限されることがあってはならない。
 その観点からは、請求が棄却されるような訴訟でも、提訴自体が違法と評価されるような「不当訴訟」でなければ相手方(会社側)から請求者(従業員)を社内で非難してはいけないという解釈は、あまりに偏ったものであると思われる。

(6)小括
 以上のような諸要素を総合的に考慮すると、平成27(2015)年9月7日から25日の資料の配布行為について、原告に対する報復的非難・社内疎外として、不法行為請求における違法性や損害が認定されるべきではないことは明らかである。
 
5 まとめ
 以上の次第であり、原告の請求はいずれも理由がなく、速やかに棄却されるべきである。”

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“(2)配布資料の客観的内容
 配布資料の内容について、具体的に人証調べで触れられたものについて吟味すると、「温情を仇で返すバカ者に憤りを感じます」(甲35の1・208頁。原告27頁)、「哀れで愚かで、本当にムカツキます」(甲35の1・238頁。原告27頁)との記載については、当該社員が、本件の提訴とそのマスコミアピールについて憤りや憐憫を感じることや、それを業務日報に書くこと自体は当然ながら問題ではない。「バカ者に憤りを感じる」、「ムカツキます」等の書きぶりも、報復的攻撃や疎外とまではいえない。
 「これから彼女に対して世間から本当の意味でのヘイトスピーチが始まると思います」(甲35の1・324頁。原告27頁。今井40頁)との記載も、その内容は「提訴が世間から批判されるだろう」ということを若干辛辣に述べたものであって、「非難」ではあっても、不当な「報復」とまで評価するのは妥当ではなく、「世間から」という記載からしても「社内疎外を図る記載」と決めつけるのも行き過ぎである。
 「在日韓国人は新規採用しないでおこうという、暗黙のルールができるように思います」(甲35の1・413頁。原告29頁。今井42頁)という記載についても、その部分だけを取り上げて評価されるのは妥当ではない。書き起こすと「今回の訴訟の件ではその他の在日韓国人の方が一番迷惑しているように思えます。多くの事実無根の話で提訴し、会社の信用問題に関わるような事をされた訳ですので、今後、企業側とすれば何もなくてもこのような話がでっちあげられる恐れがあるので、在日韓国人は新規採用しないでおこうという、暗黙のルールができるように思います」というのが当該部分の全体である。
 すなわち、「新規採用しないでおこうという暗黙のルール」は被告フジ住宅内のルールとしてできると書いているのではなく(なお、実態としても、被告フジ住宅内にそういうルールはできていないという点については、今井43、44頁)、企業一般でそういう事態になるのではないかということが想定されるという趣旨である。また、論旨も、在日韓国人の排除(不採用)を進めるべきというものでは全くなく、「この提訴が契機になってそういう事態が生じると、他の在日韓国人の方々が迷惑を受けることになり、気の毒である」という憂慮が所感として記されているのである。記載内容を正当に読み取れば、上記記述も原告に対する報復的非難でも社内疎外でもないことは明白である。”

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“ そういった原告の、提訴だけではない大々的な社会的アピール等への対抗措置、自衛策の一環として、被告らは前記の社内資料配布をなしたものである。
 本件は、被告らにも言い分が十分にある事件であり、原告の提訴を被告らとしては不当であると受け止めたことを必ずしも責めることはできず、相応の対抗措置等をとることには相当性が認められる。原告としても、単なる訴訟活動を超えて被告らに社会的非難をもたらそうというアピール行為にも及んでいる以上、会社内や、公的な場で、一定のリアクションにさらされるのも当然である。そういう意味では、前記の資料配布が「非難」であったとしても甘受するべきであるし、「報復」とか「社内疎外(の誘導)」というのは、あまりに一方的な被害的受け止めである(実名も出していないし、実際に他の社員から攻撃を受けたりもしていないことは後述)。
 被告今井はその本人尋問において、「フジ住宅や社員を傷付けるという点で提訴が許されない行為だという前提で、他の社員からもこういう批判があることを、全従業員だけでなく、原告本人にも知らせたいという思いもあって、このような資料配布をした」旨を供述したが(原告50頁)、そのような被告今井の意図は、前記の対抗措置、自衛策という目的とも両立するものである。
 また、被告今井は、資料配布により、原告が社内で直接他の社員から攻撃を受けるように仕向けようとか、報復措置として村八分のように原告を疎外してやろうという意図であったと述べたのではなく、「提訴と報道により会社が大きなダメージを受けて、社員も大変傷ついたり憤っていることを、原告にも知らせたい、分かってもらいたい」ということを供述しただけであった。前記の被告今井の供述をもって、一種の加害意図まで認定されるのは行き過ぎである。かような被告今井の配布意図自体も、違法と断じられるようなものではない。
 なお、被告今井に対する補充尋問では、裁判長から、「従前(提訴前)は、社員の『業務日報』は部門長会議資料として配布されるのみで、全社員配布されることは全くなかった(が、提訴後の資料配布においては、原告の提訴を批判する内容の記載のある『業務日報』が全社員に配布されるという、かつてない踏み込んだ行為を被告らがなした)」という前提で、質問がなされたように思われる(今井49、50頁)。
 しかし、今回証拠提出した全社員配布資料の一部(乙25の1ないし11にも明らかなとおり、提訴前の時期にも、正社員の業務日報や業務報告書のうち被告今井の目に留まったものが全社員に配布されることはたびたびあったのであり、裁判長の補充尋問の前提理解が前記のようなものであるならば、それは正しくない。よって、提訴を批判する内容の業務日報類が全社員配布されたことをもって、報復や社内疎外という加害意図のようなものまで認定されることは失当である。
 その点について、被告フジ住宅の答弁書3頁下から5行目にて「原告は『正社員の業務日報も全社員に配布している』と主張するが、そのような事実はない。」等々述べられのは、「業務日報一般は、全社員に配布するものではない」ということと、「ヘイトスピーチ記載があるものとして甲第2号証の2ないし5として証拠提出された業務日報の類は、部門長会議資料として限られた社員に対し配布された」という趣旨の認否である。被告今井がピックアップした一部の業務日報類が全社員配布されることがあることまで否定したものではない。”

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“(3)教科書展示会への参加の「勧奨」が違法評価される基準(原告第19準備書面関係)
 原告は、本件での教科書展示会への参加の「勧奨」について、退職勧奨が違法となる場合を「せいぜい態様等において、社会的相当性を逸脱した態様での半強制的ないし執拗な勧奨行為があったような例外的な場合にのみ」と限定的に判断した下関商業高校事件の最高裁判例の基準を用いて評価することは、場面が違うのだから不当であると主張する(原告第19準備書面7頁)。
 しかし、「退職」という労働者にとってその地位を失う最も重大な行為に関する勧奨ですら、違法とされる場面はそのように限定される。
 「教科書展示会への参加」を「退職」と比べたとき、前者の方が重大性は低いことは明らかであるから、教科書展示会への参加勧奨が違法とされるのは、下関商業高校事件の基準よりもさらにいっそう狭く限定されることは明らかである。
 
4 原告に対する報復的非難・社内疎外を内容とする資料の配布行為(第4類型)に対して
(1)配布目的の正当性
 原告は、平成27(2015)年9月7日から25日の配布行為について、原告に対する報復的非難でありかつ社内疎外を図ることを内容とする資料配布であり不法行為に該当すると主張する(原告第11準備書面43頁、別表4-1)。
 しかし、被告らの配布目的に正当性はあり、配布した文書の内容も原告の権利利益を不当に侵害するようなものではない。
 まず、配布目的の点について述べると、被告らには、当時、原告の提訴に関するマスコミ報道によって生じた社員の大きな動揺を抑え、社内の士気を維持したり、社としての姿勢や主張内容を社員に伝えるという正当な目的があった(今井16、50頁。乙22・31頁。被告フジ住宅第5準備書面13頁以下、被告今井第5準備書面7頁以下、同第6準備書面25頁以下同旨)。
 実際原告は、単に提訴行為をなしただけでなく、提訴直後に記者会見を開いてマスコミにアピールし、その結果、新聞紙上では「育鵬社教科書の採択運動 勤務先で強要され苦痛」、「職場で民族差別」、「憎悪表現文書 勤務先が配布」(丙15)などと、必ずしも実態に沿った内容とはいえない見出しで報道され、被告ら及びその社員らは大きなダメージを受けていた。そして、原告側は、大弁護団を組み、本件訴訟の支援団体を組織して、被告らに対するネガティブキャンペーンを社会に対して延々と喧伝していくこととなった(丙16~18等)。本件訴訟は、原告側によって、単なる労働事件の域を超え、被告今井の歴史観やそれに基づく言論活動に対する政治思想的な闘争として展開されている面が多分にあるのも紛れもない事実である。”

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“(2)原告が受けたとする被害の実情
 「教科書動員」とされる点についても、原告に対しては、「人格的自律権、職場において自由な人間関係を形成する権利」の侵害はなかった。
 1年目の平成25(2013)年は、原告は、乗り合わせ表に原告も入っており1箇所目の岸和田市の展示会に同行することになったが、植木副部長が音声データを部署内で配布し「参加したくない人は申し出るように」とアナウンスしていたのにその録音内容を原告が聞いていなかったために、乗り合わせ表に記載されただけであり、原告が参加を強制されたわけでは全くない(原告23頁、今井36頁)。
 そして原告は、参加した岸和田市の展示会では、「会社から言われてきました。こんなことをさせるような人たちが勧める教科書は選んでほしくないです」との旨アンケートに書いて提出しており、その内容を被告らにチェックされたこともなかった(原告54、60頁)。原告はさらに、2箇所目は不参加とするという意思表明をし、乗り合わせた車に会社に戻ってもらい帰っているし、それにあたり同僚に説得を受けたり責められたりしたこともなく、またその2箇所目不参加については、植木副部長は知らないと思うと述べている(原告55頁。同行した同僚がわざわざ植木副部長に報告したりするとも原告には思えず、また、植木副部長が事後「あなた途中で抜けたらしいね」などと原告を責めたりしなかったためであろう)。
  そのように、1年目も、1箇所目で原告の提出したアンケート内容は自身の意思が反映されたものであり、かつ、2箇所目への参加もその意思が尊重されたものであり、原告が行動を強いられたり何ら不利益を受けたりしたこともなく、人格的自律権の侵害は何らない。また、1年目に原告がとった行動により、上司や同僚に非難されて人間関係の形成に悪影響が出たというような事実も主張立証されていない。
 2年目、3年目の平成26(2014)年、27(2015)年については、原告は不参加であり、人格的自律権の侵害はありえず、職場において自由な人間関係を形成する権利が侵害されたという事実もない。
 植木副部長によると、設計監理課では、1年目は全員が参加したが、2年目は課内では8割、原告と同じCAD担当のグループでは12人中1人のみの参加であり、3年目は課内では約5割、CADでは全員不参加であったとのことである(植木4頁)。1年目は、強制の結果ではなく、被告今井や植木副部長の呼びかけの熱意や新鮮味もあって課内全員参加となったと思われる。
 強制ではなかったことの証左として、被告今井がいっそう呼びかけに力を入れていった2年目、3年目は参加率が下がっていっている。また、原告の人間関係のうえで特に重要なCAD担当のグループの同僚らは、ほとんど参加しておらず、不参加が原告の自由な人間関係を形成に支障をきたしたとは到底思われない。”

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“3 教科書動員との主張(第3類型)に対して
(1)職場環境配慮義務違反との主張に対して
 原告は、「教科書動員」と主張する部分(第3類型)においても、被告らの行為は職場環境配慮義務違反であると述べるが、教科書展示会への参加とアンケートの提出等を呼びかけることもまた、憲法が国民に保障する表現の自由の行使の一つとして極めて重要であり、私企業内で使用者が労働者に対してなす場合であっても、単にそのことだけで表現の自由の保護が及ばないというものではない(なお、教科書アンケートが、「国民の意思を国や自治体を通じて公教育に適切に反映させる仕組み」の一つとしても重要であるという点については、被告今井第3準備書面4頁)。
 表現の自由の行使の違法性判断についてはその目的も重要な要素となるので、被告今井の教科書展示会参加等の呼びかけの動機についても触れておくと、知人から聞き及んで小学校の歴史教科書の南京事件の記載の有り様を知り、こんな教科書で教わっては子どもたちは歪んでしまう、なんとかせねばならないと思ったというのが、こういった活動を開始するきっかけとなった。そして被告今井は、その活動により、教科書の歴史記述が正されたり日本の偉人伝が多く紹介されたりすると、子どもたちが自信と誇りを持ち、いじめや非行等の問題、学力や親との関係性等にも好影響が生じ、子どもがよりよく成長できる可能性が高まると確信している(今井14、15頁。乙22・25頁)。これはまさしく純粋な公益目的である。
 それらの点を考え合わせると、やはり、教科書に関する呼びかけも表現の自由の一環として当然に適法であることが基本となり、もし社内でのそういった呼びかけが違法とされることがあるとするならば、具体的なその呼びかけの態様を吟味し、社員に対する参加の強制や提出するアンケート内容に関する過度な押し付けがある場合に限られるであろう。
 この点に関して尋問から改めて明確になったところとしては、原告にも、他の社員にも、教科書展示会やアンケートについては、希望者のみの自由参加であり任意の協力であることが十分周知され、実態としても参加しなかったり関心を示さない社員も多数おり、不参加であってもそのことが何ら社内の人事査定の資料とされたりなどの不利益な取扱いは全く受けていなかったことが挙げられる(原告24、54~56頁。菊池7頁。植木3、4頁。今井15、36頁)。
 原告は、業務時間内に社有車への乗り合わせで展示会を回って構わないと社内で被告らが打ち出したことをもって、業務性を帯びているかのようにも指摘するが(今井36頁)、失当である。被告今井の意図は、家族を抱えて忙しいパート女性の方など、賛同してくれる社員が展示会に行こうとしたときに、家庭生活やプライベートの時間に負担になるかもしれないので、そうならないように配慮したというところに尽きる(今井15頁)。
 こういう呼びかけの態様を見ると、教科書展示会参加自体にも強制はなく、アンケート記載の意見内容に関しても何ら押し付けはない。社員としては、教科書関係についても受け取った資料はせいぜい表紙を見て内容を確認し、趣旨に賛同できなければ、読まずに処分し、参加もしないという対応が可能である。”

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“2 政治的見解等の配布行為との主張(第2類型)に対して
(1)被告今井の資料配布の意図、目的
本件で原告から問題とされている「政治的見解等の配布行為」(第2類型)についても、被告今井としては、第1類型のヘイトスピーチであることが明らかな資料ないし人種的民族的差別を助長する資料と特に区別して資料配布をしているわけではない。
 よって、被告今井の資料配布の意図、目的は、前記1(2)で述べたのと同じであり、社員や家族のため、顧客や会社のため、社会や国、将来の子どもたちのためといった多様な目的が不可分一体となったものといえる。資料配布は、業務とも間接的な関連性があるというのも、これまで被告らが縷々主張してきたところである。

(2)職場環境配慮義務違反とされる点に対して
  原告の問題意識は、職場という逃れられない閉じられた環境において、使用者という優越的な立場から、特定の思想信条や歴史観に基づいた資料配布が大量になされることは、その内容に異論を有する労働者の就業環境を悪化させるため、違法となりうるというものである。
 一方で、さまざまな場面において、政治的な意見やそれを形成するための情報を発表したり流通させたりすることは、憲法が国民に保障する表現の自由の行使として極めて重要であり、私企業内で使用者が労働者に対してなす場合であっても、単にそのことだけで表現の自由の保護が及ばないというものではない。そのこと自体は、原告も争うものではないと思われる。
 また、被告らが繰り返し主張しているとおり、資料配布等のツールによって私企業の経営者が自身の考えや価値観を従業員に打ち出し影響を与えようとすることは、企業理念の浸透や社員教育とも密接不可分であり、企業活動の一環としても保障されるべきところである。
 結局のところ、もし社内での政治的見解の資料配布が違法とされることがあるとするならば、具体的なその配布の態様を吟味し、社員に対する記載された意見の強制や過度な押し付けがある場合に限られるであろう。
  この点に関して尋問から改めて明確になったところとしては、原告にも、他の社員にも、配布された歴史等に関する資料(政治的見解等)については、読む読まないは自由であると周知され(原告31頁。同37頁でも「完全には読んでいない」と原告は述べる。今井13頁)、読まなくとも何ら不利益処遇を受けることはなく、読んだか読んでいないかを上司や会社が確認することもその手段もなく、読んだかどうかやその意見への賛否を人事査定の資料とされたりすることもなく、歴史等に関するテーマについて感想文を書くようにと指示されることもなく(原告51、52頁。菊池6頁。植木1~3、24頁。今井13頁)、配布された資料を社内で捨ててしまう社員もいる(原告11頁)といった点が重要である。
 こういう配布等の態様を見ると、資料の閲読自体にも強制はなく、記載の意見に関しても何ら押し付けはない。社員としては、受け取った資料はせいぜい表紙や題名を見て内容を確認し、歴史等の記載テーマに関して関心が持てなかったり記述の論旨に賛同できなければ、読まずに処分するという対応が可能である。捨てるにあたり、目立たないようにするという配慮をする者がいたとしても、それが資料配布の違法評価を左右するものとは到底いえない。
 経営理念感想文では、被告今井の配布資料の内容に賛同する意見が多く掲載されるとしても、それは寄せられた感想文の実態を反映したものであり、それをもって意見の強制や押し付けがあると決めつけられるのは失当である。また、経営理念感想文集についても、閲読や感想表明は義務付けられておらず(今井13頁。乙22・29頁)、歴史等に関する資料についての感想文で原告が反発を覚えるものがあれば読まなければ、それにより特段の不都合はない。
 原告は、社員の感想文が被告今井の思想に賛同する内容ばかりであり、それが自分にとって圧迫的に感じたとの旨を主張しているが、社員が被告今井に感化されている実態が感想文集にそのまま表れているのであり、それは、思想の伝播、それを受けた呼応、感想文集という形での伝播呼応状況の発表の全ての局面において被告らと社員らの自由領域の問題であって、そういう実態自体を問題視するのもおかしい。
 原告は、配布資料の量的な面にもっぱら着目し、それを資料配布の違法性の中核とするようであるが、内容自体に問題がなく、相手への強制でもない表現が、量的な理由のみで違法評価された例はかつてないと思われる。職場というだけで、そういう表現の「内容規制」が許容されるのかは、大いに疑問である。”

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フジ住宅の訴訟と裁判 最新情報

今回もフジ住宅の訴訟・裁判に関する情報をお届けします。
今回はフジ住宅の裁判・訴訟の内容から、最新情報をご紹介します。なお、最新情報は公式ホームページから抜粋しています。長いので分割してお届けします。

“イ 原告の主張する被侵害利益への疑念
 被告フジ住宅の職場環境配慮義務違反という形で原告が訴えている被害の実体は、結局のところ、感情的反感や政治思想的反発である(原告第6準備書面13頁以下。今井40頁でも、原告代理人は「世界観とか、自分の思想にかわるような内容とか、そういう資料の配布はやめてくれというふうに言うのは、正当な権利だというふうに思いませんか。」と問うている)。
 かかる被害の内実は、原告の主張する「差別的な言動にさらされずに就労する権利、人格的自律権、職場において自由な人間関係を形成する権利」という被侵害利益とは異なるものである。つまり、原告に対しては、「差別的な言動にさらされずに就労する権利、人格的自律権、職場において自由な人間関係を形成する権利」の侵害はない。
 1つめの「差別的な言動にさらされずに就労する権利」というものは「権利」と呼ぶべきかはさておいても、そのような法的保護に値する切実な利益が憲法13条の幸福追求権を根拠として認められうるであろうが、既述のとおり、被告らが社内配布した資料はヘイトスピーチでも差別助長文書でもなく、法的に許容される政治的意見論評ばかりであり、かつ、原告個人に向けた言論でもなく、原告が就労の場面において「差別的な言動にさらされた」という事実もない
 2つめの「人格的自律権」の侵害という点については、原告主張は、配布文書を閲覧したり、それに文書作成で応答したりすることが、「人格的自律を害する」というものであるが(原告第11準備書面7頁以下)、被告今井としては理解できない。人格的自律権というのは、言い換えると自己決定権であるが、配布文書の記載という他人の表現に触れただけで、仮にその者が不快を感じたとしても、何ら自己決定が侵されたわけではない。もし、無理矢理に特定の思想内容の文書の作成と発表を強制されたら、自己決定権の侵害が生じるということは考えられるが、原告からはそのようなエピソードは一切主張されていない。
 原告が述べたいのは、原告の思想信条を侵される危険があったということかもしれないが、それを過度に重視し規制すると表現の自由が無になる。表現の自由の本質が他人の内心に働きかけるというものだからである(被告今井第5準備書面8頁以下、同第6準備書面11頁以下)。また何より実態として、本件の資料配布によっても、原告の思想信条自体は何ら侵されてはおらず、尊重されている。
 3つめの「職場において自由な人間関係を形成する権利」というものも、一般論として、「権利」と呼ぶべきかはともかく、幸福追求権の一環としてその種の法的保護に値する利益はあるであろうが、本件では、原告に「職場において自由な人間関係の形成が阻害された」という具体的事実は見当たらない。
 結局のところ、原告が主張する人格権侵害の内実たる3種の利益の侵害は、立証されていない。”

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フジ住宅の訴訟と裁判 最新情報

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“ 原告は、自身が小中学校時代に受けた平和学習(甲110・3頁)のようなものは、中身によっては会社内で行われることも許容されうると考えるようである。少なくとも全否定はしていない(原告35頁)。しかし、それは、教育や配布資料の内容が、自分が肯定できるものは許容するし、自分が認め難いものは排除するという一方的なダブルスタンダードであり、職場環境という一見ニュートラルな立論には恣意が多分に含まれている。
 何より重要なのは、具体的に原告個人が社内で差別的言動に曝されたというエピソードがないことである。そのことは、原告も明確に自認している(原告38、39頁)。
 「社内で差別を受けるという被害」については、資料が配られている事実以外では、原告が「そんな韓国人はうそつきとか、そういったものが増えていく状況は本当に怖かったし、このまま広がっていったらどうしようかな、私どうしたらいいだろうという不安と、本当にみんな、そんなことを思い出したらどうしようという怖さがありました」(原告14頁)というように内面に生じた漠たる心配や思いを語るだけである。原告の陳述書(甲110)を見ても、「その攻撃が『私に向けられているのではないか?』と感じても」(17頁)とか、「従業員の中にも、実は私のような存在を批判的な目で見る人もいるのではないかと思うようになり」(18頁)、「上司の影響を受けて韓国人等に対して憎悪感情を持つ人が増えていくのではないかという不安の中で、同僚を信じて自由に話すことができない」(22頁)などと、自身の内面の被害的受け止めや不安が綴られているのみで、客観的な被害事象は何も起きていない。
 証人菊池も、被告フジ住宅内で、中国人、韓国人を差別するような言動が行われているところは見たことがないと証言している(菊池証人尋問調書7頁。以下、同調書の記載について、「菊池○頁」と記載する)。
 実際のところ、韓国批判の資料が配布されてそれを閲読したからといって、在日韓国人の同僚に対する憎悪感情を生じさせるような浅はかな思考をする社員は被告フジ住宅にはいないし、一般的にも、対韓関係の悪化やそれに伴う韓国(人)批判に影響を受けて、身近な在日韓国人に敵意を抱くような人間は、極めて例外的であろう。
 従軍慰安婦問題に関する韓国(人)の姿勢と、自分の隣にいる在日韓国人の人間性を結びつけて考えたりは普通しないし、在日韓国人も世代を経るほどに民族性は薄まり、3世、4世といった代になると本国の韓国人との感覚や考え方は非常に異なるものになっているのが実情であることは、広く知られている(あるいは容易に想像できる)からである。
 原告は、在日特権に関する資料を配布された際に同僚に「あなたも税金払ってないのと聞かれました」(原告12頁)と供述するが、具体的にそのエピソードの説明を求められても、極めて曖昧な説明しかできなかったし(原告52~54頁)、そもそも身近な同僚にかように不躾な質問を「素直に聞く」(原告53頁)などという社員がいるとも考えにくく、何よりかかる重要なエピソードが陳述書(甲32、110)にも一切書かれていないのも非常に不審であること等も考え合わせると、原告供述は事実とは到底認め難い。
 原告が、著しい苦痛を受け、部門長会議資料の配布不要を申し出てそれが尊重されたにもかかわらず、自ら同僚から部門長会議資料をこまめに収集していた(原告21、22、40、54頁等)。原告は、「人によっては距離をとるために、誰がどんなことを書いているか知っておく目的で」入手していたと述べるが(原告22頁)、陳述書ではそれと異なり、「いつかのために、資料を残そうという思いだけ」だったと書かれている(甲110・11頁)。そのことからしても、実際は、労働基準監督署への持込や訴訟を意識しての収集、保存の行動だったと思われる。それ自体を被告らは非難するつもりはないが、部門長会議資料については「受け取りたくも読みたくなかった資料に、環境的に逃れられず、嫌々ながら曝された」というような被害の実情ではなかったことには、留意されるべきである。
 原告は、自身がパートのサブリーダーの任を解かれたことについて、その態度が反抗的に映ったためではないかとの旨も述べるが(原告44~46頁、甲110・19頁)、差別を受けた結果という主張ではない。また、実際は、原告が部門長会議資料を受け取らなかったからではなく、原告の仕事ぶりが立場にふさわしいものではなかったからである(植木証人尋問調書6頁。以下、同調書の記載について、「植木○頁」と記載する)。”

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“オ 大阪弁護士会の勧告について
 原告のなした人権救済申立に対して今般大阪弁護士会がなした勧告(甲125)の内容には、被告らは承服できない。人権侵害があったかどうかは、この裁判で判断されることである。
 ただ、弁護士会の今回の勧告書においても、資料配布の目的や、資料受領の強制の有無について「確かに、被申立人による上記資料配布は、申立人を被申立人の職場から排除することや申立人の人格権を侵害することを直接の目的とするものではなく、また、配布された文書を申立人が受領することが強制されていた事実は認められない。」(甲125・3頁)と事実認定がされている点は正当かつ重要である。

(3)職場環境配慮義務違反とされる点に対して
原告は、ヘイトスピーチないしそれに類する差別助長の資料の配布行為に関する被告フジ住宅の違法性ないし責任根拠として、職場環境配慮義務違反を主張しているが、被告らとしては、ヘイトスピーチないしそれに類する差別助長の資料の配布行為とされるものは、ヘイト性も差別助長性も否定される結果、せいぜい第2類型の「政治的見解等の配布行為」の一部に位置づけられることになると考えている。
 その「政治的見解等の配布行為」においても、違法性ないし責任根拠として職場環境配慮義務違反が主張されているので、そちらの項(後述2)で、補充の反論をする。

(4)原告の被害の実情
ア 主観的な被害感情のみ
 原告の陳述書(甲32、110)提出を経て、原告本人尋問を経ていっそう明らかになったのは、原告が受けた被害とされるものが、結局は、自身の主義主張に相容れない表現に接して主観的に不快であったということに尽きるという点である。
 原告が象徴的な例として挙げた「日狂組の教室」という漫画や、従軍慰安婦に関連する論考等に接したときに、原告は大きな苦痛を覚えた旨を供述したが(原告6~11頁等)、その内実は、歴史認識や思想性の違いからくる不快感や感情的反発に過ぎない。また、原告の受け止めに関しても、「ついには『戦争してくださってありがとう』という感想文が経営理念感想文に選ばれるに至りました(甲19の99頁等他多数)。」などと述べられているが(甲110・16頁)、甲第19号証の99頁の感想文を見ても、先の戦争の文脈とは別に「国作りをしてくれた先人達に感謝して」と書かれているのみであり、原告による要約は全く理解し難い。原告は被告らの資料配布について、「韓国人はうそつきとか、日本人は正しくて美しいと思えないのは反日だ、異国だ、売国奴みたいなことを広めだして」と一言でまとめるが(原告20頁。原告本人尋問調書の原文ママ。なおこの部分の「異国」という調書記載は「売国」が正しいと思われる)、それもあまりに一方的な総括であり、被告らからすると原告の曲解以外の何物でもない。被告らとしては、同様の曲解が原告には多いのではないか、そして特定の表現に対する曲解に基づく不快感まで法的保護の対象にせよというのは不当なのではないかとの強い疑問を拭えない。”

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“ウ 今井の有する思想そのものに対する非難(原告第19準備書面)に対して
 原告第19準備書面で書きぶりが最も激烈なのは、被告今井の意図する「自虐史観の払拭」というものに対する思想的な面からの非難であった。
 原告は、「世界の歴史学の認識」だとか「日本及び世界の歴史学者が認める歴史的事実」として、戦前の日本に対する典型的な東京裁判史観にそのまま則った批判をなしているが(原告第19準備書面8頁以下)、「世界の歴史学」とか「日本及び世界の歴史学者」とは一体何を指しているのであろうか。世界と日本のスタンダードとなっているそのような史観や歴史的事実が、本当にあるとは被告らには思えない。
 大東亜戦争の評価に関して言うと、戦勝国が国際法を無視して敗戦国日本の戦争犯罪を一方的に裁いた東京裁判においても、判事の中で唯一国際法の専門家だったインドのパール判事が、開戦に至るまでの経緯を仔細に検討し、「ハルノートのようなものつきつけられたら、モナコやルクセンブルクでも戈をとってアメリカに立ち向かうだろう」と述べて、A級戦犯の被告人全員に対する無罪判決を出し、後世においても評価されている。そのパール判事も歴史修正主義者なのであろうか。
 また、原告は、大日本帝国と戦後の日本国は別であるという前提で、今井の思想を弾劾するが、被告今井としては、戦前の日本と戦後の日本の同一性も否定するような議論には全く同意できない。江戸時代以前から、明治期、大正期、戦前、戦中も含めて、我が国の父祖が必死に築いてきたものの積み重ねの上に今の日本の繁栄と平和があると謙虚に受け止め、感謝すべきというのが被告今井の考えである。

エ 顕わになった本件訴訟の本質、原告の目的(原告第19準備書面関係)
 原告側と異なり、被告らは思想そのものの当否を議論したいわけではない。思想や信念の違いが埋まらないのは、やむをえないことである。
 被告らとして指摘したいのは、原告第19準備書面の主張により、本件訴訟の本質や原告の目的が、「特定の思想に対する抑圧」であることが顕わになったという点である。
 原告が述べるところは、「被告今井は『大日本帝国』の思想を信奉する者」で、「被告今井が信奉する思想は非常に危険なもの」であり(原告第19準備書面10、12頁等)、そういった危険思想に基づく資料を自ら経営する職場内で多数配布することは職場環境を悪化させるもので違法だというものである。
 その主張の本質は、「今井の思想が危険だから広めるな」というものであり、職場環境云々は、実は従たる要素に過ぎない。
  もし仮に、今井が配布していた資料が、左派とか革新の思想傾向のものであったならば、原告は決して違法だとは主張しないであろう。原告の言う「正しい」歴史認識というものに則った資料は、職場環境を悪化させないからである。
 しかし、それは露骨なダブルスタンダードであり、フェアな法律論とは言えない。特定の思想表現に対する、訴訟を利用した抑圧である。
 政治的な意見や言論に対し、危険思想などとレッテルを貼って弾圧するようなことは決して許さないというのが、現行憲法の表現の自由のはずである。”

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“イ 業務との間接的な関連性
 原告からは、業務と関連性のない内容の資料を社内配布するのは問題であるとの主張も繰り返されているが、「自虐史観の克服」という被告今井の思いや信念と、社員の成長、会社の業績向上は、合理的につながっているというのが被告今井の認識である。具体的に要約すると、次のようなものである(今井10~12頁)。
 「社員のため、社員の家族のため、顧客・取引先のため、株主のため、地域社会のため、ひいては国家のために当社を経営する」というのが被告フジ住宅の理念である。同社は、顧客満足度日本一を目指しているが、社員が不幸で価値観が低いと、お客様の幸せを考えられない。社員が自信や誇りを持ち、家族と一緒に幸せになり、親兄弟や親友に家を買ってもらうような気持ちで顧客サービスができれば、顧客も満足し幸せになる。読んだ社員が見識と器量を高め、日本の良さをいっそう知ってこの国を好きになり、それにより自信や誇りを持ち、幸せになることにつながると考えて、資料を配っている。そういう意味で、資料配布は、結果として(間接的ではあるが)会社の業績にもつながる。
 被告今井の考えるそのような因果関係を図式化すると、「資料配布 → 読んだ社員の見識と器量(価値観)の向上、日本人としての自信や誇りの獲得 → 社員やその家族の幸せ → 顧客サービスの充実 → 顧客の幸せ、満足 → 会社の業績向上」ということになる。
 上記の意味で、「業務と全く関連性のない内容の資料が社内配布されている」という原告の指摘は当たらない。もちろん、「業務と関連性があるのかどうか」という判断は、立場や考え方によって違いが生じるものであろうが、社風の確立の仕方、社員教育のあり方、業績向上に向けた理念と実践方法などが直接反映される社内資料の配布判断については、民間企業の私的自治の中で、経営者の広い裁量が尊重されてしかるべきであって、簡単に違法評価されるべきではない(被告今井第5準備書面1頁以下、同第6準備書面15頁以下、19頁以下、同第7準備書面6頁以下、9頁以下等参照)。”

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フジ住宅の訴訟と裁判 最新情報

今回もフジ住宅の公式サイトから、最新情報をご紹介します。訴訟や裁判に関する内容は、サイトから文章を抜粋しています。

“エ 問題ある文書が半年間で約400個も存在するとの主張(原告第19準備書面)に対して
 原告は、2013年の2月から8月と10月に配布されただけで、385個のヘイトスピーチないし人種的民族的差別を助長する記載のある問題文書が存在したと主張するが(原告第19準備書面3頁)、「問題がある」というのは原告が一方的に決めつけて数えあげた結果に過ぎない。原告が指摘する記述は、国家間の歴史的政治的課題や、現代韓国の実情やエピソードを題材とした政治的意見論評であり、差別言論ではない。言葉狩りをするのではなく、一つ一つの記述の文脈と真意が丁寧に吟味されねばならない。

(2)被告今井の資料配布の意図、目的
ア 被告今井の意図、目的に差別意識はないこと
 被告今井の本人尋問においていっそうに明らかになったことは、被告今井の思いの純粋性や、資料配布の意図、目的の公益性である。
 被告今井は、中国(人)、韓国(人)を差別する意識のもとで資料配布をしていたのでは全くなく(今井10頁)、根本は、社員に人生の成功者になってほしい、家族ともども幸せになってもらいたいという思いから、自己啓発分野(丙12、13等)、教育や子育ての分野(丙14の1等)、日本の偉人伝などの道徳、日本文明や文化といった分野(甲39参照)等の広いテーマの資料を配布してきた(今井3~5頁。乙22・5頁)。日本に関する資料の配布が多いのは、日本にはこういう素晴らしい人たちがいたとか、日本の道徳や文化の素晴らしさを、社員にも知ってもらい、日本人としての誇りや自信を持って生きてもらいたい、それが、社員が成功したり幸せになるために重要であるし、同時に被告フジ住宅の国や社会への貢献でもあるという認識からである。
 その延長上で、自虐史観のはびこりへの憂慮から、それを克服する参考となる書籍や資料も被告今井は配布してきたのであり、目的は全く同じである(被告今井第2準備書面1頁以下、同第7準備書面2頁以下等参照)。近年、韓国批判の内容が増えたのは、国際社会の情勢によるものであり、具体的には、近年アメリカでは、韓国系の市民団体が議員やマスコミに働きかけて、日本軍は14歳から20歳までの少女を強制連行したとか、その慰安婦を天皇に献上したとかいった真実に反する史実を宣伝している等々の状況がある。そのためそういった内容がアメリカの教科書に書かれ広く信じられていて、現地の日本人子女が虐められたりしている。被告今井はそれに大変憤慨し、真実の歴史をみんな知ってほしい、せめて、社員や関係者にだけでも拡散したいという思いから、資料配布をしているのである(今井5、6、9、10頁等。乙22・8~12頁)。
 また、被告今井は、特定の政治的問題に表れた韓国政府の姿勢や韓国人の国民性の良くないと思われる部分については批判はするが、個々の(在日)韓国人を非難したり侮蔑したりは一切していない(今井31頁)。
 被告今井が民族差別主義者ではないことは、(元)在日韓国人である   取締役や   取締役を、その出自などは全く考慮せず、採用し、経営陣の一人として登用している事実にも直截に表れている(今井13頁、乙22・23頁)。”

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今回はフジ住宅の裁判・訴訟の内容から、最新情報をご紹介します。最新情報はフジ住宅の公式サイトから引用しています。

“イ 被告今井の本人尋問での供述について
 原告は、被告今井が「在日は死ねよ」という言葉だけでなく、「韓国人は嘘つき」、「野生動物と同じ」といった表現をヘイトスピーチであると述べた(今井17~19頁)ことをもってヘイトスピーチ該当性が明らかになったと主張すると思われるが、ヘイトスピーチないし違法言論に該当するかという点は、法的評価の問題であって、仮に被告今井が尋問に際してそれを認めたとしても、そのことから直ちに結論が決まるというものではない。
 ヘイトスピーチの定義が確立、共有されていない中で、一般論として「韓国人は嘘つき」、「野生動物と同じ」等の断片的な表現がヘイトスピーチに該当するか聞かれた被告今井は、「その言葉自体は、きつい批判の表現ではある」というくらいの意図で肯定したにすぎず、被告今井の供述の全体的趣旨からは、本件での被告らの具体的な配布資料の記載がヘイト表現であったことは否定している。

ウ タイトルを消して配布すべき/民族性は否定してはならない等の指摘に対して
 被告今井に対する反対尋問においては、原告代理人から、甲第127号証のような資料(韓国で近時「反日種族主義」という本がベストセラーになっていることを紹介する雑誌WiLL掲載の論考)を配布するにあたっては、「韓国が消えても誰も困らない」、「韓国人は嘘つき」といったタイトルを消して中身を紹介して配るべきであるという考え方に沿った尋問がなされた(今井18~22頁)。
 このような資料は内容的には問題がないが、攻撃的なタイトルは違法性を帯びるというのが原告代理人の見解のようであるが、内容自体は許容されるという部分は、原告の従来主張(「反日言論」に対抗する主張は「歴史修正主義」であり人種的民族的差別を助長するもので問題)から大きく後退している。
 また、全体として表現の内容は許容されるものであってもそこに含まれる攻撃性の強い言葉があれば、その一部分はヘイトスピーチに該当するというような解釈は、原告がこれまで主張してきたヘイトスピーチの定義(原告第11準備書面10頁以下等)からも逸脱している。”

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今回はフジ住宅の裁判・訴訟の内容から、最新情報をご紹介します。なお、この最新情報はフジ住宅のホームページから抜粋しています。長いので、分割して紹介していきます。

“イ 被告今井の本人尋問での供述について
 原告は、被告今井が「在日は死ねよ」という言葉だけでなく、「韓国人は嘘つき」、「野生動物と同じ」といった表現をヘイトスピーチであると述べた(今井17~19頁)ことをもってヘイトスピーチ該当性が明らかになったと主張すると思われるが、ヘイトスピーチないし違法言論に該当するかという点は、法的評価の問題であって、仮に被告今井が尋問に際してそれを認めたとしても、そのことから直ちに結論が決まるというものではない。
 ヘイトスピーチの定義が確立、共有されていない中で、一般論として「韓国人は嘘つき」、「野生動物と同じ」等の断片的な表現がヘイトスピーチに該当するか聞かれた被告今井は、「その言葉自体は、きつい批判の表現ではある」というくらいの意図で肯定したにすぎず、被告今井の供述の全体的趣旨からは、本件での被告らの具体的な配布資料の記載がヘイト表現であったことは否定している。

ウ タイトルを消して配布すべき/民族性は否定してはならない等の指摘に対して
 被告今井に対する反対尋問においては、原告代理人から、甲第127号証のような資料(韓国で近時「反日種族主義」という本がベストセラーになっていることを紹介する雑誌WiLL掲載の論考)を配布するにあたっては、「韓国が消えても誰も困らない」、「韓国人は嘘つき」といったタイトルを消して中身を紹介して配るべきであるという考え方に沿った尋問がなされた(今井18~22頁)。
 このような資料は内容的には問題がないが、攻撃的なタイトルは違法性を帯びるというのが原告代理人の見解のようであるが、内容自体は許容されるという部分は、原告の従来主張(「反日言論」に対抗する主張は「歴史修正主義」であり人種的民族的差別を助長するもので問題)から大きく後退している。
 また、全体として表現の内容は許容されるものであってもそこに含まれる攻撃性の強い言葉があれば、その一部分はヘイトスピーチに該当するというような解釈は、原告がこれまで主張してきたヘイトスピーチの定義(原告第11準備書面10頁以下等)からも逸脱している。”

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“「韓国は永遠に捏造する国家であり、日本国は全ての支援を切り、断交すればよいと思います。自国の歴史を整形するような国は、自滅するのみです。」(甲22・1004頁。原告第11準備書面別表4-1番号25)との配布資料の記載も原告は問題視するが(今井30頁)、「韓国の大統領がアメリカ議会で日本を『正しい歴史認識がなければ明日はない』と批判していた」ことに対する意見であり、ヘイト言論などではなく韓国の対日外交姿勢に関する政治的な意見論評であることは明らかであって、意見内容が厳しいものであったとしても、当然に表現の自由により保護されるべきものである。「国交断絶」が政治的意見として良いものかどうかは、表現の自由市場での淘汰に委ねられるべき事柄である。また、被告今井も、韓国という国家の対日姿勢に関する批判意見の一つを紹介する趣旨で配布しただけであり、会社として日本国が韓国と国交断絶をすべきと考えているわけでもない(今井30頁)。
 『おじいちゃん、戦争のことを教えて』(甲24・107頁以下。原告第11準備書面別表4-2番号106~111)については、原告は、「戦争を正当化する感じ」はあるものの、民族差別的な文章には当たらないと述べており(原告33、34頁)、違法とされる要素がどこにあるのかもよく分からない。なお、被告らとしては、「戦争を正当化する」書物であるというまとめも、乱暴すぎる決めつけであるということは付言しておきたい。
 以上のように、最も悪質なものとして尋問で取り上げられた例を拾っても、ヘイトスピーチや、意図的な差別表現とは言い難いものばかりであり、むしろ本来的に表現の自由によって保護されるべき政治的意見やそれを支える学究成果が、配布資料の内実である。”

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“「中国や韓国は『騙される方が悪い』『嘘も100回言えば本当になる』と信じている国民」等の記載(甲23・185頁)も原告主張では「特定の国の民族性を直接非難するもの」で人種的民族的差別を助長するものだとされ(原告第11準備書面別表4-1番号95)、原告本人も憤りを表明するが(原告9頁)、これも、韓国人が、従軍慰安婦が強制連行による性奴隷であったという真実に反する事実を国際社会に喧伝していることに対する批判の文脈での中山成彬議員の発言であって、単に中韓の民族性を貶めているものではない(今井47頁)。
  「野生動物」(甲24・89頁。原告第11準備書面別表2番号4)という記述は、配布DVDの「櫻井よしこ氏 従軍慰安婦の嘘を暴く」というYouTube映像の紹介目的の資料配布であり、そもそも被告今井は当該部分を意識もせずに配布していたし(被告今井本人尋問調書7頁。以下、同調書の記載について、「今井○頁」と記載する)、内容に鑑みても、ヘイトスピーチとは到底いえない(被告今井第4準備書面7頁、同第6準備書面5頁同旨)。
 「在日は死ねよ」(甲23・83頁。原告第11準備書面別表2番号1、同別表4-1番号91)という記述も同様で、被告今井や被告会社社員の書いたものではなく、被告今井の意図とは別に、配布資料にたまたま混入したというのが実態であり、それは配布を受けた者が文書全体を見ると容易に理解できることである(乙22・15頁。被告今井第4準備書面4頁、同第6準備書面2頁同旨)。
  在日特権に関する資料(甲40の8・756頁、87、88頁)やそれに関する感想(甲6)は、部門長会議資料に含まれていたもので原告は配布対象ではないことに争いはないし、在日特権に関する資料配布はそれらが唯一であって、被告今井に特段強い問題意識があって配布したものでもなく(今井23、47頁。乙22・19頁)、また、本件紛争の実質的争点でもない。そもそも、この点を原告は本件の不法行為に基づく損害賠償請求の根拠事実として主張していない(原告第11準備書面別表4-3に含まれていない)。”

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今回も、フジ住宅の訴訟・裁判に関する情報をお届けします。
今回はフジ住宅の裁判・訴訟の内容から、最新情報をご紹介します。なお、この最新情報は量が多いため分割してご紹介していきます。

“「彼らは、歴史を捏造してでも相手を謝罪させることによって、常に立場の優劣をはっきりさせねば気が済まない民族なのである。朝鮮民族の特性として、自分らが強い立場になると弱い者を徹底的に攻撃する習性がある」(甲24・98頁)等の文についても、原告はヘイトスピーチであると主張し(原告第11準備書面別表2番号5)、原告本人も「誰がこんなことを書いているんだと思いました」等の感情的反発を述べる(原告8頁)。しかしこれは、「従軍慰安婦強制連行の嘘 従軍慰安婦とは高給取りの戦時売春婦です」という論考において、筆者が、従軍慰安婦に「強制連行」はなかったにもかかわらずそれを認めず、日韓基本条約締結とそれによる賠償金支払いにより解決した問題についてさらに賠償金を要求する韓国の姿勢はおかしいという認識のもと、そのような姿勢に表れている民族としての特性の良くない形の発露について、自身なりの意見論評を述べている文脈でのものである(被告今井第6準備書面6頁同旨)。
  原告本人は、従軍慰安婦が強制連行された性奴隷という認識を有し、その認識と異なる文書の社内配布はやめてほしいという考えで(原告56頁)、「売春婦とか、高給取りとか」(原告9頁)書かれたこの資料の配布をけしからんと述べているに過ぎない。一方的な見解に立った主張と言わざるをえないし、史実(具体的に、従軍慰安婦が商業的な契約に基づいていた実態や、その給与と兵士の月給との比較などが史料に基づいて述べられている)とそれに関連する言論がヘイトスピーチと断じられてよいはずがない(今井45頁)。
  原告自身も、本人尋問において「軍による強制連行がなかったという内容の意見は、民族差別的文章なのか」との問いに、肯定できず、沈黙せざるをえなかった(原告32、33頁)。”

次回はこの続きから紹介したいと思います。

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フジ住宅の訴訟と裁判 最新情報

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” 今井会長 第9準備書面 今井会長を弁護。裁判所に提出済み。

平成27年(ワ)第1061号 損害賠償請求事件

原 告 
被 告 今井光郎、フジ住宅株式会社
 
被告今井第9準備書面
 
令和2年1月10日
 
大阪地方裁判所堺支部第1民事部合議C係 御中
 
被告今井光郎訴訟代理人
弁護士         中  村  正  彦
 
  人証調べの成果も踏まえ、また、原告第19準備書面の主張に対する反論も含めて、被告今井は、次のとおり総括の主張をなす。原告の請求の構造は基本的に原告第13準備書面の別表にまとめられたものが維持されているので、それに対応して主張を記載する。
 
1 ヘイトスピーチないしそれに類する資料配布行為との主張(第1類型)に対して
(1)客観的に、ヘイトスピーチでもなく、人種的民族的差別を助長する文書でもない
ア  人証調べで触れられた表現について
 原告は、被告らの配布した多数の文書が、ヘイトスピーチであることが明らかな資料ないし人種的民族的差別を助長する資料であると主張するが(第1類型)、全く失当である。
 具体的に人証調べで触れられたものについていうと、「日狂組の教室」(甲22・213頁以下)は、原告本人によれば「あの戦争を正当化、美化している、とてもひどい」資料であり(原告本人尋問調書7頁。以下、同調書の記載について、「原告○頁」と記載する。甲110・10頁参照)、原告主張では「歴史修正主義」により人種的民族的差別を助長するものだとされる(原告第11準備書面別表4-2番号10)。しかしながら、その実際の内容は、南京大虐殺や従軍慰安婦に関する事実に反する言説に客観的な事実をもって反駁し、日教組などが進めてきた偏向歴史教育を批判しようとする公益的な資料であり(乙22・14頁)、「戦争を美化する」などと乱暴に括られたり、配布が違法とされるような「ひどい」ものとは到底いえない。”

次回も続きから紹介していきます。

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”  よって、本件でも結論は分からないが、「ヘイトスピーチないしこれに類する資料配布行為」、「政治的見解等の配布行為」、「教科書動員」といった理由で損害賠償請求が認められないのであれば、「提訴後の配布行為」が違法とされることは原則的になく、違法になるとすれば、配布に関しての動機や資料内容のよほどの悪質性、深刻な現実的被害の発生が認められるようなごく例外的なケースに限られると解されるのである。しかしながら、本件で、かような悪質性や現実的被害は認められない。

 言うまでもなく、提訴行為に対する批判も一つの意見表明として表現の自由の行使そのものであり、安易に違法評価され制限されることがあってはならない。

 その観点からは、請求が棄却されるような訴訟でも、提訴自体が違法と評価されるような「不当訴訟」でなければ相手方(会社側)から請求者(従業員)を社内で非難してはいけないという解釈は、あまりに偏ったものであると思われる。

 

(6)小括

 以上のような諸要素を総合的に考慮すると、平成27(2015)年9月7日から25日の資料の配布行為について、原告に対する報復的非難・社内疎外として、不法行為請求における違法性や損害が認定されるべきではないことは明らかである。

 

5 まとめ

 以上の次第であり、原告の請求はいずれも理由がなく、速やかに棄却されるべきである。

 

                                                                                   以 上”

 

次回も続きから紹介していきます。

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” (4)資料配布後、実際に原告が社内で攻撃されたり疎外されたりしていないこと

 提訴後の資料配布を経ても、原告が社内で、他の社員から直接に攻撃されたり、所属部署やグループの中で疎外されたりしたという具体的事実が一切ないことも、極めて重要である。

 そのこと自体が何より、配布資料が原告への報復や社内疎外の現実的効果をもたらす内容ではなかったこと、そして被告らにもそういう加害意図はなかったことを裏付けるものである。

 原告は提訴後の資料配布により被った被害を強調するが、被告らの配慮に加え、被告今井が作った被告フジ住宅の社風の穏やかさやその社員らの優しさもあって、原告は、資料配布とは関係なく現在も平穏に就労を継続できているというのも事実である。

 

(5)主たる請求と提訴後の配布行為の関係性

 提訴後の配布行為の違法性の評価においては、主たる請求との関係性にも十分に留意されねばならない。

 すなわち、提訴時の原告の請求は「ヘイトスピーチないしこれに類する資料配布行為」(第1類型)、「政治的見解等の配布行為」(第2類型)、「教科書動員」(第3類型)であった。第4類型の提訴後の配布行為は、提訴後に追加で不法行為として請求がなされたものであり、第1類型から第3類型と、第4類型とは、主従の関係があるといえる。

 具体的には、第4類型は、第1ないし第3類型に関する提訴行為を非難する資料を被告らが社内で配布したこと不法行為と主張するものであるが、第1ないし第3類型の不法行為の成立が認められるかどうかが、第4類型の不法行為の成否の判断を大きく左右する構造となっていると被告らとしては考えている。

 第1ないし第3類型の不法行為の成否も、第4類型の不法行為の成否と合わせて判決で判断が示されるため、あくまで仮定の議論となるが、仮に第1ないし第3類型の不法行為の成立が認められるのであれば、法的に理由のある請求について提訴する行為を相手方(被告ら)が批判することは、正当性が乏しいということになろう。

 しかし逆に、第1ないし第3類型の不法行為の成立が認められないのであれば、法的に理由のない請求について提訴した行為を被告らが批判することは、基本的に正当性が認められてしかるべきであろう。権利がないのに会社を訴えているということであるから、「それはおかしい。間違っている」と会社から指摘されてもやむをえないと思われるからである。”

 

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” (3)配布資料に実名等は一切出していないこと

 提訴後の配布行為に関する配布資料の客観的内容においてもう一つ非常に重要なのは、原告の実名や、個人を特定する情報は一切掲載していないという点である。

 そのため、挙げられている資料の配布があっても、被告フジ住宅内の社員1000人の中のどの在日韓国人の社員なのかは、各社員には分からないというのが実情であった。

 原告個人が特定されていなければ、「報復」や「社内疎外」という効果は、少なくとも客観的には生じない。誰か分からなければ、社内で他の社員が原告に対して非難の目を向けたり、疎外したりしようがないからである。

 原告の主観としては、自分の提訴が被告らや社員の一部から批判的に受け止められている認識は生じるわけであり、そういう意味では原告の内心にも影響はあることは否定しないが(但し、そこまで法的保護の対象とせねばならないとは思われない)、配布文書内で個人が特定されているかどうかで、当該個人に対する影響の質は、全く異なる。

 一般社会でも、個人が実際は特定されていても、実名を出さずに、不適切な行為を止めるように張り紙等でアナウンスしている例は多い(例えば、マンションなどの共同住宅において)が、それは、当該個人に対する制裁や村八分のような効果を生まないようにという配慮である。

 被告らがそのように、前述のような対抗措置や自衛策を講じつつも、実名等を出さないという形で、原告個人に対する配慮も相応にしていたことは、提訴後の配布行為の違法性の評価において重視されるべきである。”

 

次回も続きから紹介していきます。

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今回はフジ住宅の裁判・訴訟の内容から、最新情報をご紹介します。

“(2)配布資料の客観的内容
 配布資料の内容について、具体的に人証調べで触れられたものについて吟味すると、「温情を仇で返すバカ者に憤りを感じます」(甲35の1・208頁。原告27頁)、「哀れで愚かで、本当にムカツキます」(甲35の1・238頁。原告27頁)との記載については、当該社員が、本件の提訴とそのマスコミアピールについて憤りや憐憫を感じることや、それを業務日報に書くこと自体は当然ながら問題ではない。「バカ者に憤りを感じる」、「ムカツキます」等の書きぶりも、報復的攻撃や疎外とまではいえない。
 「これから彼女に対して世間から本当の意味でのヘイトスピーチが始まると思います」(甲35の1・324頁。原告27頁。今井40頁)との記載も、その内容は「提訴が世間から批判されるだろう」ということを若干辛辣に述べたものであって、「非難」ではあっても、不当な「報復」とまで評価するのは妥当ではなく、「世間から」という記載からしても「社内疎外を図る記載」と決めつけるのも行き過ぎである。
 「在日韓国人は新規採用しないでおこうという、暗黙のルールができるように思います」(甲35の1・413頁。原告29頁。今井42頁)という記載についても、その部分だけを取り上げて評価されるのは妥当ではない。書き起こすと「今回の訴訟の件ではその他の在日韓国人の方が一番迷惑しているように思えます。多くの事実無根の話で提訴し、会社の信用問題に関わるような事をされた訳ですので、今後、企業側とすれば何もなくてもこのような話がでっちあげられる恐れがあるので、在日韓国人は新規採用しないでおこうという、暗黙のルールができるように思います」というのが当該部分の全体である。
 すなわち、「新規採用しないでおこうという暗黙のルール」は被告フジ住宅内のルールとしてできると書いているのではなく(なお、実態としても、被告フジ住宅内にそういうルールはできていないという点については、今井43、44頁)、企業一般でそういう事態になるのではないかということが想定されるという趣旨である。また、論旨も、在日韓国人の排除(不採用)を進めるべきというものでは全くなく、「この提訴が契機になってそういう事態が生じると、他の在日韓国人の方々が迷惑を受けることになり、気の毒である」という憂慮が所感として記されているのである。記載内容を正当に読み取れば、上記記述も原告に対する報復的非難でも社内疎外でもないことは明白である。”

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”  また、被告今井は、資料配布により、原告が社内で直接他の社員から攻撃を受けるように仕向けようとか、報復措置として村八分のように原告を疎外してやろうという意図であったと述べたのではなく、「提訴と報道により会社が大きなダメージを受けて、社員も大変傷ついたり憤っていることを、原告にも知らせたい、分かってもらいたい」ということを供述しただけであった。前記の被告今井の供述をもって、一種の加害意図まで認定されるのは行き過ぎである。かような被告今井の配布意図自体も、違法と断じられるようなものではない。

 なお、被告今井に対する補充尋問では、裁判長から、「従前(提訴前)は、社員の『業務日報』は部門長会議資料として配布されるのみで、全社員配布されることは全くなかった(が、提訴後の資料配布においては、原告の提訴を批判する内容の記載のある『業務日報』が全社員に配布されるという、かつてない踏み込んだ行為を被告らがなした)」という前提で、質問がなされたように思われる(今井49、50頁)。

 しかし、今回証拠提出した全社員配布資料の一部(乙25の1ないし11にも明らかなとおり、提訴前の時期にも、正社員の業務日報や業務報告書のうち被告今井の目に留まったものが全社員に配布されることはたびたびあったのであり、裁判長の補充尋問の前提理解が前記のようなものであるならば、それは正しくない。よって、提訴を批判する内容の業務日報類が全社員配布されたことをもって、報復や社内疎外という加害意図のようなものまで認定されることは失当である。

 その点について、被告フジ住宅の答弁書3頁下から5行目にて「原告は『正社員の業務日報も全社員に配布している』と主張するが、そのような事実はない。」等々述べられのは、「業務日報一般は、全社員に配布するものではない」ということと、「ヘイトスピーチ記載があるものとして甲第2号証の2ないし5として証拠提出された業務日報の類は、部門長会議資料として限られた社員に対し配布された」という趣旨の認否である。被告今井がピックアップした一部の業務日報類が全社員配布されることがあることまで否定したものではない。”

 

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”  実際原告は、単に提訴行為をなしただけでなく、提訴直後に記者会見を開いてマスコミにアピールし、その結果、新聞紙上では「育鵬社教科書の採択運動 勤務先で強要され苦痛」、「職場で民族差別」、「憎悪表現文書 勤務先が配布」(丙15)などと、必ずしも実態に沿った内容とはいえない見出しで報道され、被告ら及びその社員らは大きなダメージを受けていた。そして、原告側は、大弁護団を組み、本件訴訟の支援団体を組織して、被告らに対するネガティブキャンペーンを社会に対して延々と喧伝していくこととなった(丙16~18等)。本件訴訟は、原告側によって、単なる労働事件の域を超え、被告今井の歴史観やそれに基づく言論活動に対する政治思想的な闘争として展開されている面が多分にあるのも紛れもない事実である。

 そういった原告の、提訴だけではない大々的な社会的アピール等への対抗措置、自衛策の一環として、被告らは前記の社内資料配布をなしたものである。

 本件は、被告らにも言い分が十分にある事件であり、原告の提訴を被告らとしては不当であると受け止めたことを必ずしも責めることはできず、相応の対抗措置等をとることには相当性が認められる。原告としても、単なる訴訟活動を超えて被告らに社会的非難をもたらそうというアピール行為にも及んでいる以上、会社内や、公的な場で、一定のリアクションにさらされるのも当然である。そういう意味では、前記の資料配布が「非難」であったとしても甘受するべきであるし、「報復」とか「社内疎外(の誘導)」というのは、あまりに一方的な被害的受け止めである(実名も出していないし、実際に他の社員から攻撃を受けたりもしていないことは後述)。

 被告今井はその本人尋問において、「フジ住宅や社員を傷付けるという点で提訴が許されない行為だという前提で、他の社員からもこういう批判があることを、全従業員だけでなく、原告本人にも知らせたいという思いもあって、このような資料配布をした」旨を供述したが(原告50頁)、そのような被告今井の意図は、前記の対抗措置、自衛策という目的とも両立するものである。”

 

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” (3)教科書展示会への参加の「勧奨」が違法評価される基準(原告第19準備書面関係)
 原告は、本件での教科書展示会への参加の「勧奨」について、退職勧奨が違法となる場合を「せいぜい態様等において、社会的相当性を逸脱した態様での半強制的ないし執拗な勧奨行為があったような例外的な場合にのみ」と限定的に判断した下関商業高校事件の最高裁判例の基準を用いて評価することは、場面が違うのだから不当であると主張する(原告第19準備書面7頁)。
 しかし、「退職」という労働者にとってその地位を失う最も重大な行為に関する勧奨ですら、違法とされる場面はそのように限定される。
 「教科書展示会への参加」を「退職」と比べたとき、前者の方が重大性は低いことは明らかであるから、教科書展示会への参加勧奨が違法とされるのは、下関商業高校事件の基準よりもさらにいっそう狭く限定されることは明らかである。
 
4 原告に対する報復的非難・社内疎外を内容とする資料の配布行為(第4類型)に対して
(1)配布目的の正当性
 原告は、平成27(2015)年9月7日から25日の配布行為について、原告に対する報復的非難でありかつ社内疎外を図ることを内容とする資料配布であり不法行為に該当すると主張する(原告第11準備書面43頁、別表4-1)。
 しかし、被告らの配布目的に正当性はあり、配布した文書の内容も原告の権利利益を不当に侵害するようなものではない。
 まず、配布目的の点について述べると、被告らには、当時、原告の提訴に関するマスコミ報道によって生じた社員の大きな動揺を抑え、社内の士気を維持したり、社としての姿勢や主張内容を社員に伝えるという正当な目的があった(今井16、50頁。乙22・31頁。被告フジ住宅第5準備書面13頁以下、被告今井第5準備書面7頁以下、同第6準備書面25頁以下同旨)。”

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”  そして原告は、参加した岸和田市の展示会では、「会社から言われてきました。こんなことをさせるような人たちが勧める教科書は選んでほしくないです」との旨アンケートに書いて提出しており、その内容を被告らにチェックされたこともなかった(原告54、60頁)。原告はさらに、2箇所目は不参加とするという意思表明をし、乗り合わせた車に会社に戻ってもらい帰っているし、それにあたり同僚に説得を受けたり責められたりしたこともなく、またその2箇所目不参加については、植木副部長は知らないと思うと述べている(原告55頁。同行した同僚がわざわざ植木副部長に報告したりするとも原告には思えず、また、植木副部長が事後「あなた途中で抜けたらしいね」などと原告を責めたりしなかったためであろう)。
  そのように、1年目も、1箇所目で原告の提出したアンケート内容は自身の意思が反映されたものであり、かつ、2箇所目への参加もその意思が尊重されたものであり、原告が行動を強いられたり何ら不利益を受けたりしたこともなく、人格的自律権の侵害は何らない。また、1年目に原告がとった行動により、上司や同僚に非難されて人間関係の形成に悪影響が出たというような事実も主張立証されていない。
 2年目、3年目の平成26(2014)年、27(2015)年については、原告は不参加であり、人格的自律権の侵害はありえず、職場において自由な人間関係を形成する権利が侵害されたという事実もない。
 植木副部長によると、設計監理課では、1年目は全員が参加したが、2年目は課内では8割、原告と同じCAD担当のグループでは12人中1人のみの参加であり、3年目は課内では約5割、CADでは全員不参加であったとのことである(植木4頁)。1年目は、強制の結果ではなく、被告今井や植木副部長の呼びかけの熱意や新鮮味もあって課内全員参加となったと思われる。
 強制ではなかったことの証左として、被告今井がいっそう呼びかけに力を入れていった2年目、3年目は参加率が下がっていっている。また、原告の人間関係のうえで特に重要なCAD担当のグループの同僚らは、ほとんど参加しておらず、不参加が原告の自由な人間関係を形成に支障をきたしたとは到底思われない。”

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”  原告は、業務時間内に社有車への乗り合わせで展示会を回って構わないと社内で被告らが打ち出したことをもって、業務性を帯びているかのようにも指摘するが(今井36頁)、失当である。被告今井の意図は、家族を抱えて忙しいパート女性の方など、賛同してくれる社員が展示会に行こうとしたときに、家庭生活やプライベートの時間に負担になるかもしれないので、そうならないように配慮したというところに尽きる(今井15頁)。
 こういう呼びかけの態様を見ると、教科書展示会参加自体にも強制はなく、アンケート記載の意見内容に関しても何ら押し付けはない。社員としては、教科書関係についても受け取った資料はせいぜい表紙を見て内容を確認し、趣旨に賛同できなければ、読まずに処分し、参加もしないという対応が可能である。

(2)原告が受けたとする被害の実情
 「教科書動員」とされる点についても、原告に対しては、「人格的自律権、職場において自由な人間関係を形成する権利」の侵害はなかった。
 1年目の平成25(2013)年は、原告は、乗り合わせ表に原告も入っており1箇所目の岸和田市の展示会に同行することになったが、植木副部長が音声データを部署内で配布し「参加したくない人は申し出るように」とアナウンスしていたのにその録音内容を原告が聞いていなかったために、乗り合わせ表に記載されただけであり、原告が参加を強制されたわけでは全くない(原告23頁、今井36頁)。”

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” 3 教科書動員との主張(第3類型)に対して

(1)職場環境配慮義務違反との主張に対して

 原告は、「教科書動員」と主張する部分(第3類型)においても、被告らの行為は職場環境配慮義務違反であると述べるが、教科書展示会への参加とアンケートの提出等を呼びかけることもまた、憲法が国民に保障する表現の自由の行使の一つとして極めて重要であり、私企業内で使用者が労働者に対してなす場合であっても、単にそのことだけで表現の自由の保護が及ばないというものではない(なお、教科書アンケートが、「国民の意思を国や自治体を通じて公教育に適切に反映させる仕組み」の一つとしても重要であるという点については、被告今井第3準備書面4頁)。

 表現の自由の行使の違法性判断についてはその目的も重要な要素となるので、被告今井の教科書展示会参加等の呼びかけの動機についても触れておくと、知人から聞き及んで小学校の歴史教科書の南京事件の記載の有り様を知り、こんな教科書で教わっては子どもたちは歪んでしまう、なんとかせねばならないと思ったというのが、こういった活動を開始するきっかけとなった。そして被告今井は、その活動により、教科書の歴史記述が正されたり日本の偉人伝が多く紹介されたりすると、子どもたちが自信と誇りを持ち、いじめや非行等の問題、学力や親との関係性等にも好影響が生じ、子どもがよりよく成長できる可能性が高まると確信している(今井14、15頁。乙22・25頁)。これはまさしく純粋な公益目的である。

 それらの点を考え合わせると、やはり、教科書に関する呼びかけも表現の自由の一環として当然に適法であることが基本となり、もし社内でのそういった呼びかけが違法とされることがあるとするならば、具体的なその呼びかけの態様を吟味し、社員に対する参加の強制や提出するアンケート内容に関する過度な押し付けがある場合に限られるであろう。

 この点に関して尋問から改めて明確になったところとしては、原告にも、他の社員にも、教科書展示会やアンケートについては、希望者のみの自由参加であり任意の協力であることが十分周知され、実態としても参加しなかったり関心を示さない社員も多数おり、不参加であってもそのことが何ら社内の人事査定の資料とされたりなどの不利益な取扱いは全く受けていなかったことが挙げられる(原告24、54~56頁。菊池7頁。植木3、4頁。今井15、36頁)。”

 

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”  結局のところ、もし社内での政治的見解の資料配布が違法とされることがあるとするならば、具体的なその配布の態様を吟味し、社員に対する記載された意見の強制や過度な押し付けがある場合に限られるであろう。
  この点に関して尋問から改めて明確になったところとしては、原告にも、他の社員にも、配布された歴史等に関する資料(政治的見解等)については、読む読まないは自由であると周知され(原告31頁。同37頁でも「完全には読んでいない」と原告は述べる。今井13頁)、読まなくとも何ら不利益処遇を受けることはなく、読んだか読んでいないかを上司や会社が確認することもその手段もなく、読んだかどうかやその意見への賛否を人事査定の資料とされたりすることもなく、歴史等に関するテーマについて感想文を書くようにと指示されることもなく(原告51、52頁。菊池6頁。植木1~3、24頁。今井13頁)、配布された資料を社内で捨ててしまう社員もいる(原告11頁)といった点が重要である。
 こういう配布等の態様を見ると、資料の閲読自体にも強制はなく、記載の意見に関しても何ら押し付けはない。社員としては、受け取った資料はせいぜい表紙や題名を見て内容を確認し、歴史等の記載テーマに関して関心が持てなかったり記述の論旨に賛同できなければ、読まずに処分するという対応が可能である。捨てるにあたり、目立たないようにするという配慮をする者がいたとしても、それが資料配布の違法評価を左右するものとは到底いえない。
 経営理念感想文では、被告今井の配布資料の内容に賛同する意見が多く掲載されるとしても、それは寄せられた感想文の実態を反映したものであり、それをもって意見の強制や押し付けがあると決めつけられるのは失当である。また、経営理念感想文集についても、閲読や感想表明は義務付けられておらず(今井13頁。乙22・29頁)、歴史等に関する資料についての感想文で原告が反発を覚えるものがあれば読まなければ、それにより特段の不都合はない。
 原告は、社員の感想文が被告今井の思想に賛同する内容ばかりであり、それが自分にとって圧迫的に感じたとの旨を主張しているが、社員が被告今井に感化されている実態が感想文集にそのまま表れているのであり、それは、思想の伝播、それを受けた呼応、感想文集という形での伝播呼応状況の発表の全ての局面において被告らと社員らの自由領域の問題であって、そういう実態自体を問題視するのもおかしい。
 原告は、配布資料の量的な面にもっぱら着目し、それを資料配布の違法性の中核とするようであるが、内容自体に問題がなく、相手への強制でもない表現が、量的な理由のみで違法評価された例はかつてないと思われる。職場というだけで、そういう表現の「内容規制」が許容されるのかは、大いに疑問である。”

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” 2 政治的見解等の配布行為との主張(第2類型)に対して

(1)被告今井の資料配布の意図、目的

本件で原告から問題とされている「政治的見解等の配布行為」(第2類型)についても、被告今井としては、第1類型のヘイトスピーチであることが明らかな資料ないし人種的民族的差別を助長する資料と特に区別して資料配布をしているわけではない。

 よって、被告今井の資料配布の意図、目的は、前記1(2)で述べたのと同じであり、社員や家族のため、顧客や会社のため、社会や国、将来の子どもたちのためといった多様な目的が不可分一体となったものといえる。資料配布は、業務とも間接的な関連性があるというのも、これまで被告らが縷々主張してきたところである。

 

(2)職場環境配慮義務違反とされる点に対して

  原告の問題意識は、職場という逃れられない閉じられた環境において、使用者という優越的な立場から、特定の思想信条や歴史観に基づいた資料配布が大量になされることは、その内容に異論を有する労働者の就業環境を悪化させるため、違法となりうるというものである。

 一方で、さまざまな場面において、政治的な意見やそれを形成するための情報を発表したり流通させたりすることは、憲法が国民に保障する表現の自由の行使として極めて重要であり、私企業内で使用者が労働者に対してなす場合であっても、単にそのことだけで表現の自由の保護が及ばないというものではない。そのこと自体は、原告も争うものではないと思われる。

 また、被告らが繰り返し主張しているとおり、資料配布等のツールによって私企業の経営者が自身の考えや価値観を従業員に打ち出し影響を与えようとすることは、企業理念の浸透や社員教育とも密接不可分であり、企業活動の一環としても保障されるべきところである。”

 

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” イ 原告の主張する被侵害利益への疑念

 被告フジ住宅の職場環境配慮義務違反という形で原告が訴えている被害の実体は、結局のところ、感情的反感や政治思想的反発である(原告第6準備書面13頁以下。今井40頁でも、原告代理人は「世界観とか、自分の思想にかわるような内容とか、そういう資料の配布はやめてくれというふうに言うのは、正当な権利だというふうに思いませんか。」と問うている)。

 かかる被害の内実は、原告の主張する「差別的な言動にさらされずに就労する権利、人格的自律権、職場において自由な人間関係を形成する権利」という被侵害利益とは異なるものである。つまり、原告に対しては、「差別的な言動にさらされずに就労する権利、人格的自律権、職場において自由な人間関係を形成する権利」の侵害はない。

 1つめの「差別的な言動にさらされずに就労する権利」というものは「権利」と呼ぶべきかはさておいても、そのような法的保護に値する切実な利益が憲法13条の幸福追求権を根拠として認められうるであろうが、既述のとおり、被告らが社内配布した資料はヘイトスピーチでも差別助長文書でもなく、法的に許容される政治的意見論評ばかりであり、かつ、原告個人に向けた言論でもなく、原告が就労の場面において「差別的な言動にさらされた」という事実もない

 2つめの「人格的自律権」の侵害という点については、原告主張は、配布文書を閲覧したり、それに文書作成で応答したりすることが、「人格的自律を害する」というものであるが(原告第11準備書面7頁以下)、被告今井としては理解できない。人格的自律権というのは、言い換えると自己決定権であるが、配布文書の記載という他人の表現に触れただけで、仮にその者が不快を感じたとしても、何ら自己決定が侵されたわけではない。もし、無理矢理に特定の思想内容の文書の作成と発表を強制されたら、自己決定権の侵害が生じるということは考えられるが、原告からはそのようなエピソードは一切主張されていない。

 原告が述べたいのは、原告の思想信条を侵される危険があったということかもしれないが、それを過度に重視し規制すると表現の自由が無になる。表現の自由の本質が他人の内心に働きかけるというものだからである(被告今井第5準備書面8頁以下、同第6準備書面11頁以下)。また何より実態として、本件の資料配布によっても、原告の思想信条自体は何ら侵されてはおらず、尊重されている。

 3つめの「職場において自由な人間関係を形成する権利」というものも、一般論として、「権利」と呼ぶべきかはともかく、幸福追求権の一環としてその種の法的保護に値する利益はあるであろうが、本件では、原告に「職場において自由な人間関係の形成が阻害された」という具体的事実は見当たらない。

 結局のところ、原告が主張する人格権侵害の内実たる3種の利益の侵害は、立証されていない。”

 

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”  原告は、在日特権に関する資料を配布された際に同僚に「あなたも税金払ってないのと聞かれました」(原告12頁)と供述するが、具体的にそのエピソードの説明を求められても、極めて曖昧な説明しかできなかったし(原告52~54頁)、そもそも身近な同僚にかように不躾な質問を「素直に聞く」(原告53頁)などという社員がいるとも考えにくく、何よりかかる重要なエピソードが陳述書(甲32、110)にも一切書かれていないのも非常に不審であること等も考え合わせると、原告供述は事実とは到底認め難い。

 原告が、著しい苦痛を受け、部門長会議資料の配布不要を申し出てそれが尊重されたにもかかわらず、自ら同僚から部門長会議資料をこまめに収集していた(原告21、22、40、54頁等)。原告は、「人によっては距離をとるために、誰がどんなことを書いているか知っておく目的で」入手していたと述べるが(原告22頁)、陳述書ではそれと異なり、「いつかのために、資料を残そうという思いだけ」だったと書かれている(甲110・11頁)。そのことからしても、実際は、労働基準監督署への持込や訴訟を意識しての収集、保存の行動だったと思われる。それ自体を被告らは非難するつもりはないが、部門長会議資料については「受け取りたくも読みたくなかった資料に、環境的に逃れられず、嫌々ながら曝された」というような被害の実情ではなかったことには、留意されるべきである。

 原告は、自身がパートのサブリーダーの任を解かれたことについて、その態度が反抗的に映ったためではないかとの旨も述べるが(原告44~46頁、甲110・19頁)、差別を受けた結果という主張ではない。また、実際は、原告が部門長会議資料を受け取らなかったからではなく、原告の仕事ぶりが立場にふさわしいものではなかったからである(植木証人尋問調書6頁。以下、同調書の記載について、「植木○頁」と記載する)。”

 

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”  「社内で差別を受けるという被害」については、資料が配られている事実以外では、原告が「そんな韓国人はうそつきとか、そういったものが増えていく状況は本当に怖かったし、このまま広がっていったらどうしようかな、私どうしたらいいだろうという不安と、本当にみんな、そんなことを思い出したらどうしようという怖さがありました」(原告14頁)というように内面に生じた漠たる心配や思いを語るだけである。原告の陳述書(甲110)を見ても、「その攻撃が『私に向けられているのではないか?』と感じても」(17頁)とか、「従業員の中にも、実は私のような存在を批判的な目で見る人もいるのではないかと思うようになり」(18頁)、「上司の影響を受けて韓国人等に対して憎悪感情を持つ人が増えていくのではないかという不安の中で、同僚を信じて自由に話すことができない」(22頁)などと、自身の内面の被害的受け止めや不安が綴られているのみで、客観的な被害事象は何も起きていない。

 証人菊池も、被告フジ住宅内で、中国人、韓国人を差別するような言動が行われているところは見たことがないと証言している(菊池証人尋問調書7頁。以下、同調書の記載について、「菊池○頁」と記載する)。

 実際のところ、韓国批判の資料が配布されてそれを閲読したからといって、在日韓国人の同僚に対する憎悪感情を生じさせるような浅はかな思考をする社員は被告フジ住宅にはいないし、一般的にも、対韓関係の悪化やそれに伴う韓国(人)批判に影響を受けて、身近な在日韓国人に敵意を抱くような人間は、極めて例外的であろう。

 従軍慰安婦問題に関する韓国(人)の姿勢と、自分の隣にいる在日韓国人の人間性を結びつけて考えたりは普通しないし、在日韓国人も世代を経るほどに民族性は薄まり、3世、4世といった代になると本国の韓国人との感覚や考え方は非常に異なるものになっているのが実情であることは、広く知られている(あるいは容易に想像できる)からである。”

 

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” (3)職場環境配慮義務違反とされる点に対して
原告は、ヘイトスピーチないしそれに類する差別助長の資料の配布行為に関する被告フジ住宅の違法性ないし責任根拠として、職場環境配慮義務違反を主張しているが、被告らとしては、ヘイトスピーチないしそれに類する差別助長の資料の配布行為とされるものは、ヘイト性も差別助長性も否定される結果、せいぜい第2類型の「政治的見解等の配布行為」の一部に位置づけられることになると考えている。
 その「政治的見解等の配布行為」においても、違法性ないし責任根拠として職場環境配慮義務違反が主張されているので、そちらの項(後述2)で、補充の反論をする。

(4)原告の被害の実情
ア 主観的な被害感情のみ
 原告の陳述書(甲32、110)提出を経て、原告本人尋問を経ていっそう明らかになったのは、原告が受けた被害とされるものが、結局は、自身の主義主張に相容れない表現に接して主観的に不快であったということに尽きるという点である。
 原告が象徴的な例として挙げた「日狂組の教室」という漫画や、従軍慰安婦に関連する論考等に接したときに、原告は大きな苦痛を覚えた旨を供述したが(原告6~11頁等)、その内実は、歴史認識や思想性の違いからくる不快感や感情的反発に過ぎない。また、原告の受け止めに関しても、「ついには『戦争してくださってありがとう』という感想文が経営理念感想文に選ばれるに至りました(甲19の99頁等他多数)。」などと述べられているが(甲110・16頁)、甲第19号証の99頁の感想文を見ても、先の戦争の文脈とは別に「国作りをしてくれた先人達に感謝して」と書かれているのみであり、原告による要約は全く理解し難い。原告は被告らの資料配布について、「韓国人はうそつきとか、日本人は正しくて美しいと思えないのは反日だ、異国だ、売国奴みたいなことを広めだして」と一言でまとめるが(原告20頁。原告本人尋問調書の原文ママ。なおこの部分の「異国」という調書記載は「売国」が正しいと思われる)、それもあまりに一方的な総括であり、被告らからすると原告の曲解以外の何物でもない。被告らとしては、同様の曲解が原告には多いのではないか、そして特定の表現に対する曲解に基づく不快感まで法的保護の対象にせよというのは不当なのではないかとの強い疑問を拭えない。
 原告は、自身が小中学校時代に受けた平和学習(甲110・3頁)のようなものは、中身によっては会社内で行われることも許容されうると考えるようである。少なくとも全否定はしていない(原告35頁)。しかし、それは、教育や配布資料の内容が、自分が肯定できるものは許容するし、自分が認め難いものは排除するという一方的なダブルスタンダードであり、職場環境という一見ニュートラルな立論には恣意が多分に含まれている。
 何より重要なのは、具体的に原告個人が社内で差別的言動に曝されたというエピソードがないことである。そのことは、原告も明確に自認している(原告38、39頁)。”

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”  それらはおいても、内容は許容されるものをタイトルだけは削除して配布すべしという考え方自体、表面的な「言葉狩り」であり言論の過剰な抑圧であるといわざるをえない。タイトルや見出しはトータルな一つの表現の極めて重要な要素であり、それをカットするというのは当該表現の本質を毀損するものであり、表現者に対する著しい非礼でもある。実際的にも、甲第127号証のような資料を配布する際に、タイトル部分を黒塗りすると異様な体裁になってしまう。さらに、タイトルがいけないというのであれば、それと同趣旨の本文の表現を黒塗りせねばならないが、それを実行すると、本文中にも黒塗りが多々ある資料となる。しかし、そうまでせねば、適法に配布できないような禁断の内容なのであろうか。当該論考にしても、WiLLの特集にしても、近時の韓国内の情勢を紹介し、日韓の摩擦に関して日本のスタンスはこうあるべきだと主張する公益目的かつ公益性を十分に有する内容の資料なのである。

 同様の文脈で、韓国批判はよいとしても民族性を否定する言葉は配布するべきでないとの趣旨の原告代理人からの被告今井に対する質問もあったが(今井31頁)、具体的内容はよいが、民族性に否定的に論及してはいけないというのも、表現の自由の解釈として誤っている。国家や国民性と密接に関わるテーマの場合、その国家や国民性を論評するにあたって、当該国家を構成する民族の特性に触れざるをえないことも多いからである。そういったことは何ら差別ではない。被告フジ住宅準備書面12でも述べられたように、原告は、韓国という国家や韓国人の国民性についての批判的言論を、あらゆる前提抜きで単に民族性を貶める言説と混同しているのである。

 そういった問題の参考になる、意見・論評による名誉毀損の成否の議論においても、真実である事実を前提とした意見・論評については、「人身攻撃に及ぶなど意見ないし論評としての域を逸脱したもの」でなければ適法とされる(ロス疑惑訴訟『夕刊フジ』事件に関する最高裁平成9年9月9日第3小法廷判決)。その理由は「意見ないし論評については、その内容の正当性や合理性を特に問うことなく、人身攻撃に及ぶなど意見ないし論評としての域を逸脱したものでない限り、名誉毀損の不法行為が成立しないものとされているのは、意見ないし論評を表明する自由が民主主義社会に不可欠な表現の自由の根幹を構成するものであることを考慮し、これを手厚く保障する趣旨によるものである」(脱ゴーマニズム宣言事件に関する平成16年7月15日最高裁判所第一小法廷判決。下線部は被告今井代理人)(被告今井第4準備書面2頁以下同旨)。”

 

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” イ 被告今井の本人尋問での供述について

 原告は、被告今井が「在日は死ねよ」という言葉だけでなく、「韓国人は嘘つき」、「野生動物と同じ」といった表現をヘイトスピーチであると述べた(今井17~19頁)ことをもってヘイトスピーチ該当性が明らかになったと主張すると思われるが、ヘイトスピーチないし違法言論に該当するかという点は、法的評価の問題であって、仮に被告今井が尋問に際してそれを認めたとしても、そのことから直ちに結論が決まるというものではない。

 ヘイトスピーチの定義が確立、共有されていない中で、一般論として「韓国人は嘘つき」、「野生動物と同じ」等の断片的な表現がヘイトスピーチに該当するか聞かれた被告今井は、「その言葉自体は、きつい批判の表現ではある」というくらいの意図で肯定したにすぎず、被告今井の供述の全体的趣旨からは、本件での被告らの具体的な配布資料の記載がヘイト表現であったことは否定している。

 

ウ タイトルを消して配布すべき/民族性は否定してはならない等の指摘に対して

 被告今井に対する反対尋問においては、原告代理人から、甲第127号証のような資料(韓国で近時「反日種族主義」という本がベストセラーになっていることを紹介する雑誌WiLL掲載の論考)を配布するにあたっては、「韓国が消えても誰も困らない」、「韓国人は嘘つき」といったタイトルを消して中身を紹介して配るべきであるという考え方に沿った尋問がなされた(今井18~22頁)。

 このような資料は内容的には問題がないが、攻撃的なタイトルは違法性を帯びるというのが原告代理人の見解のようであるが、内容自体は許容されるという部分は、原告の従来主張(「反日言論」に対抗する主張は「歴史修正主義」であり人種的民族的差別を助長するもので問題)から大きく後退している。

 また、全体として表現の内容は許容されるものであってもそこに含まれる攻撃性の強い言葉があれば、その一部分はヘイトスピーチに該当するというような解釈は、原告がこれまで主張してきたヘイトスピーチの定義(原告第11準備書面10頁以下等)からも逸脱している。”

 

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”  在日特権に関する資料(甲40の8・756頁、87、88頁)やそれに関する感想(甲6)は、部門長会議資料に含まれていたもので原告は配布対象ではないことに争いはないし、在日特権に関する資料配布はそれらが唯一であって、被告今井に特段強い問題意識があって配布したものでもなく(今井23、47頁。乙22・19頁)、また、本件紛争の実質的争点でもない。そもそも、この点を原告は本件の不法行為に基づく損害賠償請求の根拠事実として主張していない(原告第11準備書面別表4-3に含まれていない)。

 「韓国は永遠に捏造する国家であり、日本国は全ての支援を切り、断交すればよいと思います。自国の歴史を整形するような国は、自滅するのみです。」(甲22・1004頁。原告第11準備書面別表4-1番号25)との配布資料の記載も原告は問題視するが(今井30頁)、「韓国の大統領がアメリカ議会で日本を『正しい歴史認識がなければ明日はない』と批判していた」ことに対する意見であり、ヘイト言論などではなく韓国の対日外交姿勢に関する政治的な意見論評であることは明らかであって、意見内容が厳しいものであったとしても、当然に表現の自由により保護されるべきものである。「国交断絶」が政治的意見として良いものかどうかは、表現の自由市場での淘汰に委ねられるべき事柄である。また、被告今井も、韓国という国家の対日姿勢に関する批判意見の一つを紹介する趣旨で配布しただけであり、会社として日本国が韓国と国交断絶をすべきと考えているわけでもない(今井30頁)。

 『おじいちゃん、戦争のことを教えて』(甲24・107頁以下。原告第11準備書面別表4-2番号106~111)については、原告は、「戦争を正当化する感じ」はあるものの、民族差別的な文章には当たらないと述べており(原告33、34頁)、違法とされる要素がどこにあるのかもよく分からない。なお、被告らとしては、「戦争を正当化する」書物であるというまとめも、乱暴すぎる決めつけであるということは付言しておきたい。

 以上のように、最も悪質なものとして尋問で取り上げられた例を拾っても、ヘイトスピーチや、意図的な差別表現とは言い難いものばかりであり、むしろ本来的に表現の自由によって保護されるべき政治的意見やそれを支える学究成果が、配布資料の内実である。”

 

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”  原告本人は、従軍慰安婦が強制連行された性奴隷という認識を有し、その認識と異なる文書の社内配布はやめてほしいという考えで(原告56頁)、「売春婦とか、高給取りとか」(原告9頁)書かれたこの資料の配布をけしからんと述べているに過ぎない。一方的な見解に立った主張と言わざるをえないし、史実(具体的に、従軍慰安婦が商業的な契約に基づいていた実態や、その給与と兵士の月給との比較などが史料に基づいて述べられている)とそれに関連する言論がヘイトスピーチと断じられてよいはずがない(今井45頁)。

  原告自身も、本人尋問において「軍による強制連行がなかったという内容の意見は、民族差別的文章なのか」との問いに、肯定できず、沈黙せざるをえなかった(原告32、33頁)。

  「中国や韓国は『騙される方が悪い』『嘘も100回言えば本当になる』と信じている国民」等の記載(甲23・185頁)も原告主張では「特定の国の民族性を直接非難するもの」で人種的民族的差別を助長するものだとされ(原告第11準備書面別表4-1番号95)、原告本人も憤りを表明するが(原告9頁)、これも、韓国人が、従軍慰安婦が強制連行による性奴隷であったという真実に反する事実を国際社会に喧伝していることに対する批判の文脈での中山成彬議員の発言であって、単に中韓の民族性を貶めているものではない(今井47頁)。

  「野生動物」(甲24・89頁。原告第11準備書面別表2番号4)という記述は、配布DVDの「櫻井よしこ氏 従軍慰安婦の嘘を暴く」というYouTube映像の紹介目的の資料配布であり、そもそも被告今井は当該部分を意識もせずに配布していたし(被告今井本人尋問調書7頁。以下、同調書の記載について、「今井○頁」と記載する)、内容に鑑みても、ヘイトスピーチとは到底いえない(被告今井第4準備書面7頁、同第6準備書面5頁同旨)。

 「在日は死ねよ」(甲23・83頁。原告第11準備書面別表2番号1、同別表4-1番号91)という記述も同様で、被告今井や被告会社社員の書いたものではなく、被告今井の意図とは別に、配布資料にたまたま混入したというのが実態であり、それは配布を受けた者が文書全体を見ると容易に理解できることである(乙22・15頁。被告今井第4準備書面4頁、同第6準備書面2頁同旨)。”

 

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” 平成27年(ワ)第1061号 損害賠償請求事件

 

原 告 

被 告 今井光郎、フジ住宅株式会社

 

被告今井第9準備書面

 

令和2年1月10日

 

大阪地方裁判所堺支部第1民事部合議C係 御中

 

被告今井光郎訴訟代理人

弁護士         中  村  正  彦

 

  人証調べの成果も踏まえ、また、原告第19準備書面の主張に対する反論も含めて、被告今井は、次のとおり総括の主張をなす。原告の請求の構造は基本的に原告第13準備書面の別表にまとめられたものが維持されているので、それに対応して主張を記載する。

 

1 ヘイトスピーチないしそれに類する資料配布行為との主張(第1類型)に対して

(1)客観的に、ヘイトスピーチでもなく、人種的民族的差別を助長する文書でもない

ア  人証調べで触れられた表現について

 原告は、被告らの配布した多数の文書が、ヘイトスピーチであることが明らかな資料ないし人種的民族的差別を助長する資料であると主張するが(第1類型)、全く失当である。

 具体的に人証調べで触れられたものについていうと、「日狂組の教室」(甲22・213頁以下)は、原告本人によれば「あの戦争を正当化、美化している、とてもひどい」資料であり(原告本人尋問調書7頁。以下、同調書の記載について、「原告○頁」と記載する。甲110・10頁参照)、原告主張では「歴史修正主義」により人種的民族的差別を助長するものだとされる(原告第11準備書面別表4-2番号10)。しかしながら、その実際の内容は、南京大虐殺や従軍慰安婦に関する事実に反する言説に客観的な事実をもって反駁し、日教組などが進めてきた偏向歴史教育を批判しようとする公益的な資料であり(乙22・14頁)、「戦争を美化する」などと乱暴に括られたり、配布が違法とされるような「ひどい」ものとは到底いえない。

 「彼らは、歴史を捏造してでも相手を謝罪させることによって、常に立場の優劣をはっきりさせねば気が済まない民族なのである。朝鮮民族の特性として、自分らが強い立場になると弱い者を徹底的に攻撃する習性がある」(甲24・98頁)等の文についても、原告はヘイトスピーチであると主張し(原告第11準備書面別表2番号5)、原告本人も「誰がこんなことを書いているんだと思いました」等の感情的反発を述べる(原告8頁)。しかしこれは、「従軍慰安婦強制連行の嘘 従軍慰安婦とは高給取りの戦時売春婦です」という論考において、筆者が、従軍慰安婦に「強制連行」はなかったにもかかわらずそれを認めず、日韓基本条約締結とそれによる賠償金支払いにより解決した問題についてさらに賠償金を要求する韓国の姿勢はおかしいという認識のもと、そのような姿勢に表れている民族としての特性の良くない形の発露について、自身なりの意見論評を述べている文脈でのものである(被告今井第6準備書面6頁同旨)。”

 

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” 明けましておめでとうございます。
弊社を応援してくださる皆様。
旧年中は、皆様のご支援のおかげで、当裁判を有利に進める事ができました。
本当に有り難く、心より御礼申し上げます。
本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。
 
さて、一審裁判は前回の報告でお知らせいたしました通り、1月30日(木)に結審(判決前の最終の裁判期日)を迎え、あとは判決を待つのみとなります。
1月30日(木)の開廷時間は午後2時。傍聴券の抽選がありますので、弊社を応援してくださる皆様は、午後1時に裁判所にお越しいただけるとありがたいです。
裁判が非常に長期に渡ったため、今回、最終の期日に向けて、当方は裁判官に、確実、正確な事実経過に基づいて判断してもらえるよう、
「最終準備書面」と共に、当訴訟の最初から、現在に至るまでの非常に詳しい「年表」を時系列で作成して、「証拠」として裁判所に提出しています。

弊社に対し為されている訴えはまったく不当なもので、これを少しでも認めてしまえば、著しい日本国民への言論弾圧、言論の自由への侵害が引き起こされるとの危機意識を弊社は応援してくださる皆様と共有できていると信じています。そういう意味で、弊社の責任は重大であると思っております。
ここまで弊社裁判を支え、応援し続けてくださっている皆様に深く感謝し、心より、重ねて御礼申し上げます。
 
以下、繰り返しになりますが、
次回裁判期日は 
令和2年1月30日(木)午後2時開廷。傍聴券獲得には午後1時に堺の裁判所(大阪地裁堺支部)にお越しください。
今回は、双方の弁護士が「最終準備書面」に基づき、口頭弁論を交わすだけで、弊社役員や、証人の出廷はありません。
どうぞ、皆様、今後とも変らぬご指導、ご鞭撻を賜りますよう、従業員一同、心よりお願い申し上げます。
 
(編集責任 フジ住宅株式会社)”

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” 10月31日(木)の第16回期日は弊社を支持し、応援してくださる皆様が裁判所を取り囲むような形でこの日を迎えることができました。この日、貴重な時間を有給休暇を取って裁判所に駆けつけてくださった社員の皆さん、そして、弊社の名誉と国家の存亡がかかっているこの裁判に、弊社と何の利害関係もないのに、国家存亡の危機を感じ取り、弊社を強く支援してくださっている皆様に、心から御礼申し上げます。本当に有り難うございました。

 

この日、傍聴券獲得に裁判所に集まった人々は、傍聴抽選券の最終番号が749番。そのうち、概数しか分かりませんが、弊社社員500名ほど、弊社社員のご家族や親戚、友人の皆様が100名ほど、それ以外で、いつも弊社を応援、支援してくださっている皆様が50名ほど、併せて弊社側の支援者は650名ほどで、原告側を圧倒していたと思います。

 

原告側の支援者の方は恐らく100名以下で、裁判所の50席の傍聴席の大半は弊社支援者で占めることができました。原告側で、入廷できた傍聴人は5、6名だったと、原告側の支援団体がご自身のホームページにも書いておられるので、上記の概数はほぼ間違いないと考えられます。”

 

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”  そういった原告側の活動で、順調に進んでいた商談が破談になったり、当社の顧客が動揺したり、新たな社員の採用活動に悪影響が生じたり、何より、社員たちにも、不安や動揺が広がり、士気の低下も懸念される状況が生じました。

 社内にそのような影響が生じる中、特に本件訴訟が提起された直後と、当社が対外的に本件訴訟についての見解を発した直後は、社員にとって大きな関心事であったこともあり、本件訴訟についての感想・意見が書かれた経営理念感想文等が数多く提出されました。当社としては、本件訴訟提起の報道および原告側支援者の活動によって社員に不安と動揺が広がる中、他の社員が本件訴訟について考えていることを伝えることは社員を元気づけるものですし、当社にとっても社員に誇りをもって仕事をしてもらい、士気の低下を抑えるという観点から有益であると考え、その一部を全社員配布の対象としたものです。特に原告に対する「報復的非難」や「社内疎外」を意図したものでは全くありません。原告の実名は社内配布資料にも出していませんし、原告を攻撃したり排除するというような感想文でもありません。提訴への憤慨は表現されていても、原告に対する人格攻撃や差別中傷表現などもないはずです。

 当社は、本件訴訟が提起された後も、従前と何ら変わらず原告を処遇しています。原告に不利益な取扱いをしたことはありません。

 当社としては、原告が裁判を行う一方で社員として勤務を続けていることを斟酌して、本件訴訟についての当社としての見解を対外的に発信することは控えていました。しかし、原告側支援団体の活動はますますエスカレートしていき、当社としても世間から「何も反論できることがないから黙っているのではないか」と受け止められかねないため、当社は本件訴訟についての見解を対外的に発信することとし、ホームページにおいて平成29年4月から順次、当社の見解を掲載するようになりました。

 

                                     以 上”

 

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” 原告に対する退職勧奨について

 この裁判では、原告に対して植木副部長が選択肢を提示したことについて当社による違法な退職勧奨であるとも主張されています。

私の資料配布や教科書関係の呼びかけが原告にストレスになっているのであれば、退職を選んでいただくのもお互いのための一つの選択肢かと思い、それに伴い300万円をお支払いする解決を、植木副部長を通じて当社は提案しました。その金額は、原告にも相応の配慮をしたつもりです。

 しかしながら、当社から原告に対し、何度も退職を勧めたり、退職に追いこむような圧力をかけたことはありませんし、そのことは、植木副部長が電話で話されている内容や話しぶりを聞いていただければ、一目瞭然だと思います。

 

訴訟提起後の資料配布行為が違法と主張されていることに対して

 本件の訴訟提起後に、提訴の事実や原告の主張内容に対する所感を社員が述べた経営理念感想文や業務日報類などを当社が社内で配布した点も、違法だと主張されています。

 この裁判は、当初より「ヘイトスピーチ」「ヘイトハラスメント」などという極めてネガティブな言葉で、当社がいかにも人種・民族差別を行う会社であるかのようなレッテルを貼ることに力点が置かれたものでした。このため、提訴を伝える報道も、一般の人が見れば当社が差別を行い、社員に特定の思想を強要している会社であるかのような印象を持ちかねない内容でした。

 また、原告側支援団体は、「ヘイトハラスメント裁判を支える会ホームページ」を立ち上げて、ひどいネガティブキャンペーンを継続しています。

 原告側支援団体は岸和田駅を含めて街頭でも活動を展開しており、労働組合や個人から署名を集める活動も行っています。”

 

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”  なおこれらは単純に合算しますと659名ということになりますが、複数の市に同じ人が行っている場合がかなり多いことから、この数字を前提としましても、当社の社員は当時約1000人おりましたので、教科書アンケートに参加してくれていたのは、当社全体としては、3年間とも、社員の何分の1かという人数だろうと思います。
 なお、教科書展示会への参加の社内での呼びかけは、平成27年を最後に、その後行っておりません。教科書や公教育を良くしたいという強い思いで3年間行った活動だったのですが、かなり労力を投入し、皆さんにも協力していただいて頑張っても、具体的な成果としては私の満足できるものではなく、かける労力と効果を天秤にかけたときに、もっと別の活動に力を投入した方がよいのではないかと思ったからです。
 
経営理念感想文について
 本件で、原告が違法な資料配布として主張しているものに多く含まれるのが、経営理念感想文です。
  この経営理念感想文については、社員が自ら文章を綴ることによる研鑽、他の社員の業務体験や日常所感を読むことによる知見の拡大や感化、愛社精神や業務意欲の向上、会社全体のコミュニケーションや一体感の促進、社外の関係者にも配布することによる社への信頼の醸成等々、さまざまなプラスの作用を私としては期待しており、実際に効果を上げています。
 感想文の内容が、業務に直接関係しないものも含めて多岐にわたるのもそういった趣旨に由来するものです。
 宮脇社長の表現では、選定の基準は、①「真似・イズ・マネー」(良い先達のしていることを真似ることで、自分も立派な人間に近づくことができ、それが業務上の成果向上につながるという意味)、②「活用できる」(書かれていることが、具体性があり、実地に有効に活用できる内容であること)、③「モチベーションアップ」(読んだ人の業務や日常生活におけるモチベーションが上がるような、前向きな内容であること)というものです。
 原告が本件訴訟で問題としている経営理念感想文も、これを読んだ者が、自身も真似や活用ができたり、モチベーション(そこには会社の名誉を背景とした愛社精神も含まれます)を高めたりできるといった効能が期待できると宮脇社長が考えて選んだものなのです。”

次回も続きから紹介していきます。

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”  教科書展示会への参加の呼びかけをしたきっかけや意図について
平成25年6月後半の教科書展示会への参加の促しを私が開始したきっかけは、知人の教示や文献などから、小学校の歴史教科書における南京事件の記載の有り様を知ったことでした。
 教科書展示会という制度があることも知った私は、史実の曲げられた教科書により子どもたちが自虐史観を植え付けられて誇りや自信を失うことにならぬようにという思いから、平成25年の教科書展示会の時期に向けて、同年春から、教科書展示会への参加の呼びかけを社内で開始したのでした。
 育鵬社や明成社の歴史教科書を私が推したのは、ひとえに「子供達の未来の為に、日本人としての自信と誇りが持てるように」(甲27)という思いからです。両社の教科書は、歴史を公正に見つめ史実も客観的事実に基づいて叙述され、日本の伝統や文化の価値も十分に示された内容だと思います。
 教科書展示会参加の呼びかけに関する私のそういう思いは、3年間ずっと同じでした。正しい歴史を知り、自国に誇りを持つことは、子どもにそういうプラス効果をもたらすのだと私は思っています。
 平成25年6月14日ころ、私は岸和田市と泉佐野市に会場があった教科書展示会に行ってみたところ、そのあまりの閑散ぶりに困惑しました。そして、大切な教科書の問題についての、市民・府民の関心の低さや、行政の周知の意欲の乏しさを何とかしたいという思いをいっそう強め、社内での呼びかけを継続していきました。
 
教科書展示会への参加は強制ではないとも周知したこと
 私はそのような思いから社内で教科書展示会への参加の呼びかけを開始しましたが、その参加自体は業務ではなく、また社員個々人の考え方もあるのは当然のことですので、社員に業務として参加を命じたり強いたりできるものではないこともよく分かっていました。
 そのため、呼びかけと合わせて、あくまでこれは任意の協力のお願いであり、応じる応じないは各人の自由であり、趣旨に賛同してくれる社員の方が参加してくれればよいということも、都度都度で周知していました。
  たとえば、「念のため強制ではありませんので、、、」「勿論この件も強制ではありませんので、記入してあげたいと思われた方が行ってくだされば良いと思います。」「『育鵬社』の教科書が採択されるように、是非アンケートにご記入いただければと思います。」というように、業務命令ではなく「お願い」という形で伝達しました。
 さらに、私は、配布書類では呼びかけはなすものの、直接個々の従業員に接して、協力するよう説得などを行ったこともありません。
 業務時間内に教科書展示会に行くとか、各部署で「乗り合わせ」をして行くのも良いとはしましたが、行った人数について社内報告を求めて把握したり、行かなかった人をチェックしたりなどしていません。各部署に報告を義務付けて組織的にトータルに人数や参加した者を把握したりはしていないのです。
 配布資料(平成27年5月30日)「G」の部分に「昨年、一昨年と、岸和田市であれば257名、泉佐野市は202名、貝塚市も200名くらい、教科書アンケートに行って下さいましたが」と私が書いたのは、記憶も定かではないのですが、アンケートに行ってくださった社員が展示会場でアンケートを数えて報告してくれた数字ではないかと思います。”

次回も続きから紹介していきます。

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” (6)その他、各個別の資料の記載について

  原告が「言葉狩り」をして拾っているのは無数にあるので、全てここでコメントできませんが、韓国(人)や中国(人)をただ単に憎悪し、貶め、排除するような内容の資料を配布したことはありません。どれも、歴史上の問題や史観、内外の政治課題、国際情勢、社会的事件などに関連した公共性のある内容であり、社員に情報と見識を得てもらおうという目的で、配布したものです。

  私はそういう意識ですので、在日韓国人の社員が読んで不愉快だろうというような認識は持っていませんでした。

 もちろん、内容に賛同できないとか関心のない社員もいるだろうとは思っていましたが、そういう方は読まずに処分されても一向に差し支えないのであり、強制や押し付けをしたことはないのです。

 

(7)補足-「在日特権」のことが記載された資料

 なお、原告は、「在日特権」のことが記載された資料やそれに対する感想が配布されたことも問題であり、それが在日コリアンである原告を萎縮させ、偏見・憎悪を生む行為であると指摘します。

  私は、税金や社会保険の関係で、本当に在留外国人よりも日本人の方が不利になっているなら問題だと思い、「部門長会議資料」(原告は配布対象外)に入れたのですが、私は「在日特権」にさしたる問題意識はありませんし、そういう議論や情報に詳しくもありません。私の膨大な配布資料の中で、在日特権のことが記載されていたものは、上記の2点のみです。

 前記の資料の内容が真実でないのならば、それは甘んじて受け止めますが、在日特権云々が、本件紛争の本質ではありません。

 

業務や経営と資料配布の関係

  この裁判では、原告からは不動産業という会社の業務に関係のない資料を社内配布するのはおかしいとも言われています。

  しかし私は、真実の歴史を知り、日本人としての誇りを取り戻すことは、個々の社員の自信や能力を高めることにつながり、さらには愛社精神を高めることにも直結し、社としての業績も上がると確信しています。

  そういう意味では、資料の配布は、間接的には業務に関係していますし、どういう資料を配布するかということも経営者の重要な裁量だろうと思います。

 ただし、当社では、社内で下記のような点を周知しています。

① 配布された資料を読む、読まないは、社員それぞれの自由である。資料を読まずに処分しても、全く差し支えないし、個々人の業務評価の対象とするものでもない。資料を読むこと、記載内容と同じ考えを持ったり賛同の意見を表明することなどを強いるものでは全くない。

② 従業員は、まずは、生活の糧として仕事を覚えること、業績を上げることに集中するべきである。歴史認識の勉強をする前に、自身の本来業務に精励することのほか、家庭のことや子どもの教育など、より優先してなすべきことが、それぞれ多くあるはずであり、それらがきちんとできたうえで、キャパシティーに余裕があれば、歴史などの勉強をされればよい。

 

在日の社員の雇用、役員の登用

  私が、(在日)韓国人や中国人に対して民族差別主義者で、ヘイトスピーチをしているなどと主張されるのは、大変心外なことであります。

  私とフジ住宅は、在日(元在日)韓国人の人たちを、社員や役員として差別なく雇用、登用しています。”

 

次回も続きから紹介していきます。

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” (4)「息を吐くように嘘をつく」等の文言
 原告は、「息を吐くように嘘をつく」、「自分たちの悪事を批判されるとすぐに『差別ニダ!』と大騒ぎする在日朝鮮族」との記載をもってヘイトスピーチであると主張します。
 しかし、前者の記載は、中宮崇氏が金明秀関西学院大学教授について「小泉訪朝当日まで北による拉致犯罪を否定していた」事実や「北朝鮮を批判する者に罵詈雑言を浴びせ脅し続け、嘘がバレるや証拠となるネット掲示板を閉鎖してそしらぬ顔を決め込んだ」事実について「息を吐くように嘘をつく反日サヨク」という表現をもってなした批判です。単なる民族への侮辱ではありません。
 後者の記載は、金教授がエジプト人タレントフィフィ氏に対し脅迫ともとれる発言をしたことを応援する勢力に対する批判としての表現として、「自分たちの悪事を批判されるとすぐに『差別ニダ!』と大騒ぎする在日朝鮮族とサヨクプロ市民連中」と書いているのであって、これも事実を題材とした一つの意見であって、ヘイトスピーチではありません。

(5)「韓国のずるさ、卑劣や嘘つきぶりは世界でも類を見ないであろう」/従軍慰安婦問題について
 原告は、この記載をもってヘイトスピーチであると主張します。
 しかし、これは、従軍慰安婦問題について、真実を曲げて日本を非難する韓国の姿勢を批判し、正しい事実を伝えた記事なのです。
 この筆者は、従軍慰安婦に「強制連行」はなかったし、日韓基本条約締結とそれによる賠償金支払いにより解決した問題についてさらに賠償金を要求する韓国の姿勢はおかしい旨を訴え、その憤りを表明するにあたり、「ずるさ、卑劣や嘘つきぶり」という言葉を使っているのです。単なる民族差別とかヘイトというものではありません。
 従軍慰安婦問題については、吉田清治がなしていた「慰安婦狩り」の証言に則った報道が全面的に誤りだった、それ以外にも強制連行を裏付ける証拠はなかった等として、朝日新聞が、平成26年に訂正報道と謝罪に追いこまれ、社会的に甚大な非難に曝されました。
 日本政府も、平成28年、慰安婦問題について、国連女子差別撤廃委員会(スイス・ジュネーブ)に「政府の調査では、日本軍や政府による慰安婦の『強制連行』は確認できなかった」とする答弁書を提出しました。
  また近年は、韓国においてすら、例えば、朴裕河世宗大教授が「帝国の慰安婦」という学術書で従軍慰安婦について、「日本軍に強制連行された少女ら20万人が性奴隷にされた」という言説と実態の違いを指摘する研究を発表するなどの動きが出てきています。
  それらのような、従軍慰安婦問題に関する近年の出来事や刷新されてきている知見を、原告は無視しています。”

次回も続きから紹介していきます。

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” (3)「在日は死ねよ」という文言

 原告は、「平成25年6月5日に配布されたYouTubeのページのコメント欄には『在日支配売国マスコミ』『在日は死ねよ』など記載されている」と主張し、原告に苦痛をもたらした例であると主張しています。

 確かに配布資料にはかかる記載はありますが、このときの資料配布は、中山恭子参議院議員が「ウズベキスタンと日本を語る」というテーマで話しているYouTube映像を紹介するために、ウェブ上のYouTubeの当該ページを刷りだしたうえで配布するDVDに添えたということでした。在日韓国・朝鮮人というテーマに関し何か伝えるべく配布したものではありません。

 YouTube感想欄への書き込み投稿の細かい字まで、私はチェックしきれず、「部門長会議資料」を作成するにあたりカットできなかっただけです。気付いていれば、カットしていました。「在日は死ねよ」などという言葉は、私の主張などでは全くなく、当社の社員がそういうことを書いたものでもありません。

 私の配布意図は、配布趣旨の説明文の中に、次のように記載していることからもお分かりいただけると思います。

「標題の件、DVDお渡しさせて頂きます。

A)『日いづる国より』のユーチューブで視聴できる分の一覧の一部をお渡しさせて頂きます。(添付①)

B)その中で、中山恭子さんの『中山恭子ウズベキスタンと日本を語る』(約29分24秒)をDVDに致しましたので、お渡しさせて頂きます。(添付②)

 ウズベキスタンのお話から、拉致問題そして憲法改正のお話がありました。『国が国民を守る、領土を守る、これが出来なければ当たり前の国家と言えない。』と仰っていました。

 又、最後のほうで「何かの役に立つのであれば、全てを捧げて尽くす」と仰っておられ、本当に日本になくてはならない人だと強く感じました。」

 以上のようなことは、配布された資料を見れば誰でもすぐに分かることです。それにもかかわらず、原告は、まるで当社が率先してそのような文言を社内で拡散しているかのように訴え、原告の支援団体は、当社が「在日は死ねよ」という文言を社内で広く拡散しているかのようなフェイク情報をネット上で拡散しています。社員のうちの誰かが原告にむかって「在日は死ねよ」と発言したことなど決してありません。私を含め、当社の誰一人として「在日は死ねよ」などと、一瞬たりとも心に思い浮かべるような人はいないと、私は確信しています。そんな残忍な考え方をする社員がいられるような会社ではないと私は思っています。当社の社員なら、そんなことは当たり前であり、原告がどうしてそう理解できないのか不思議でなりません。”

 

次回も続きから紹介していきます。

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” 本件訴訟で原告から批判されている資料の記載についての反論

(1)書籍『おじいちゃん 日本のことを教えて』 

 原告は「『こんな本を会社で薦めているんだ』と驚き、ショックを受けた」と批判し、違法な資料配布だとしています。しかし、その批判は、原告のイデオロギーに基づく一方的な主観に過ぎません。

 この本は、「アサヒビール中興の祖」と呼ばれている中條高徳さんが、アメリカの学校に通う孫娘と手紙のやり取りをされた内容が詳細に語られている書物で、ベストセラーとなった本です。祖父と孫娘の深い信頼と愛情に満ちており、どの様な立場の人が読んでも、得られるところが多いと思います。

 私は、歴史には、陰と陽の両面があって当然だと考えていますが、戦後日本の教育やマスコミは、「陰」の部分ばかり強調する一方、「陽」の部分を語ろうとする者がいると「歴史修正主義者」などと非難して、国民や子どもたちの見識や心情を歪めています。そういう呪縛を解いてくれるのが『おじいちゃん 日本のことを教えて』という本です。

ところが、原告はこの名著について、「こんな本を会社で薦めているんだ。」と驚き、ショックを受けたとのことです。そういう感受性を持つことはもちろんご本人の自由ですが、その発想を会社や私に押し付けて、こういう本の配布を違法なことだと主張するのは、誤りだと私は思います。

 

(2)書籍『日狂組の教室』

  また、原告は大和撫吉さんが書かれた『日狂組の教室』という漫画の中の「サヨク教師の『特別平和授業』」という章を配布したことも激しく批判し、違法な資料配布だとしています。

 しかし、この批判もやはり、原告のイデオロギーに基づく一方的な主観に過ぎません。原告の信じる思想で、私の信じる思想を非難しているだけです。思想がぶつかるのは仕方ないとして、こんな思想の本を配布してはいけない、違法だと裁判で言われるのは、おかしなことだと思います。

 この本は、近年の学校における「自虐・反日」教育の実態を漫画で分かりやすく述べている本だから、配布したのです。”

 

次回も続きから紹介していきます。

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” 陳述書の要約 

 

経営理念と従業員の意識

 当社の経営理念は、「社員のため、社員の家族のため、顧客・取引先のため、株主のため、地域社会のため、ひいては国家のために当社を経営する」というものであり、私は、本心からそういう理念に則ってこれまでフジ住宅を経営し育てあげて参りました。

 社員を徹底的に大事にし、その成長の手助けをすることにより、当社にとって最大の財産の一つである意識の高い社員群が築かれ、フジ住宅も会社として躍進することができたのです。

 

いわゆる自虐史観の克服という願い

  原告から「ヘイトスピーチにあたる資料」とか「人種的民族的差別を助長する文書」と批判されるものは、(在日)韓国・朝鮮人に対する差別意識や憎悪感情を表現しそれらを広める意図で配布しているものでは全くありません。

一言で言いますと、私が近年、「自虐史観の克服」ということが、日本にとって決定的に重要であると考えているということが、配布の動機です。

 我が国の子どもたちが、「親・教師を尊敬するか」という質問への否定的回答や自分に対する低評価というネガティブな意識を他国と比べて強く有することになった要因としては、日本の歴史の負の部分をことさらに強調する一方で、正の部分を過小評価し自国を貶める偏頗な歴史認識(いわゆる「自虐史観」)が長年はびこり、重要な史実について教育現場や国際社会においても誤った認識が広まっていること、我が国の豊かな文化や高度な道徳の継承が十分にできていないこと、それらの背景として日本の公教育やマスコミのあり方に深刻な問題があることなどがあると私は考えています。

 そのような思いを有する私は、フジ住宅の役員、社員らにも日本の文化・道徳・歴史について正しい知識や認識を広めることにより、微力ながら我が国の子どもたちの将来を明るいものにできる一助になればという目的、意図から、社内での資料配布を行っています。”

 

次回も続きから紹介していきます。

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” フジ住宅従業員の皆様へ
 
                           フジ住宅株式会社
                           代表取締役会長 今井 光郎
 
フジ住宅と私が従業員から資料配布や教科書展示会への参加で精神的苦痛を受けたとして損害賠償請求を受けている事件で、この度、私の考えをまとめた33頁にわたる陳述書を裁判所に提出しました。原告の支援団体が当社批判の宣伝を活発に行っていますので、私の陳述書を編集して、フジ住宅が目指すものと私の真意を改めてお伝えしておきます。
フジ住宅を一言で表すなら、「家族や地域社会や国を愛する会社」かなあと私は思います。人の生まれ、育ちによる国家観、歴史の見方の違いを否定するつもりはありませんし、私の世界観、人生観にすべて同意していただく必要もありません。ただ、私が日本や日本人に対する反日批判への反論記事や書籍等を紹介したことが、別の世界観から「差別」「ハラスメント」と非難され、さらには支援団体によって「ヘイト」企業というレッテルを貼られて当社の信用が棄損されているのです。
 私もフジ住宅も、人種差別・民族差別やそれに基づく個人の差別的扱いなど一切行っていないことは従業員の皆さんが一番よく知っていると思いますし、皆さんもそのような差別はしていないと思います。
 また、私が啓発用に配布する様々な資料はあくまで参考資料であり、読む・読まない、利用する・しない等はすべて従業員の自由であり、そのことについて何の利益・不利益もありません。
仮に疑問や不満があれば、今後も「聞けばいいだけ、言えばいいだけ」をぜひ身近なところから実践してくだされば、よりよい解決策が見つかると思います。
裁判を機に会社の経営理念をよりよく理解していただき、この困難を乗り越えてより業績をあげ、皆さんや家族、地域、国にその成果をお渡しできるよう、ともに成長していくことができればうれしく思います。”

次回も続きから紹介していきます。

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今回も、フジ住宅の訴訟・裁判に関する情報をお届けします。
今回はフジ住宅の裁判・訴訟の内容から、最新情報をご紹介します。

4 教科書採択への「動員」
 当社会長の今井は、祖国に誇りと愛情を持つ健全な精神をもった子どもたちの育成のためには、いわゆる自虐史観を克服する歴史教科書が採用されるべきところ、市民の関心があまりに低いことから、当社の従業員に対して、可能であれば教科書展示会などにおける市民アンケートに答えることを呼びかけました。しかし、呼びかけと合わせてこれは任意の協力のお願いであり、参加不参加は各自の自由であることはそのたびに周知しておりました。また、報告についても一切強制はしておりません。それらは勧告が指摘する資料上にすべて表れています。
 にもかかわらず、勧告は、特に根拠事実や資料を示すことなく、使用者側は従業員の参加や報告を自由に使える立場にあり、運動に従事したかどうかによってその待遇において差別的取扱いを受ける可能性が高いと、一方的に断じています。
 しかし、当社においても教科書採択市民アンケートに参加しなかった従業員は多数おり、その従業員らを特定してその理由を問いただしたという事実も、そのことをもって不利益な扱いを行ったという事実も、申立人からも指摘されておりませんし、現実に一切ありません。
 なお、当社としては、平成27年以後、教科書採択に関する従業員への協力依頼は行っておりません。この点、勧告はそもそもその必要性を欠いているものです。
 
5 最後に
 当社は、社員全員が経営理念や社訓を十分に理解し、お客様に満足をもたらし、社会に貢献することを日々真剣に追求しています。経営理念の実践として、全従業員に親孝行手当を年1回給付する制度や従業員の福利厚生の充実も常に図っております。創業者会長の今井は、祖先や父母に対する感謝の念を忘れず、祖国に誇りを持つことが個人の自己実現の大きなエネルギー源になると確信しています。それに対立する特定の歴史観、国家観から当社の社会的信用を落とそうとする運動には毅然と対峙しつつ、多様なお客様から愛され、家族を大切にし社会と国に貢献する会社づくりを今後も続けてまいります。

次回はこの続きから紹介したいと思います。

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” 3 当社の基本姿勢~政治的文書について

 当社は「社員のため 社員の家族のため 顧客・取引先のため 株主のため 地域社会のため ひいては国家のために当社を経営する」ことを長らく経営理念としております。当社にとって「家」とは「家族をはぐくむゆりかご」であり、家庭における家族の幸せが地域社会そして国に、富士山の裾野のように広がっていくことを願って、その基盤となる住宅をお客様にお届けしております。また「顧客満足度日本一」を標榜して全社員が日々お客様に真心を込めた対応を行うよう日々研鑽しております。

 その目標を担う人財育成のため、創業者である会長今井光郎より、社員の一般的啓発を目的として、ビジネス書にとどまらず、道徳、歴史、教育や子育て、政治・経済問題、健康、医療などに関する多岐にわたるテーマの一般的な書籍や文書等が参考資料として配布されております。

 それらの中に勧告が対象とする日韓や日中の歴史認識論争をテーマとするものが含まれていました。ご承知のとおり、現在の国際情勢のもと、主として中国や韓国からの日本や日本人への政治的批判や反日的政策が問題となっています。配布した記事等は、著名な政治家や評論家、全国紙や雑誌の記者等がそれらの動きに反論し、日本人としての誇りと日本の国益を守ろうとする政治的主張を展開しているもので、その一部に中韓国民の国民性等を批判した表現が含まれていました。会長による資料配布の趣旨はそれら保守的政治主張の紹介にあり、社内における特定の民族・人種の侮蔑や差別的意識の醸成などを意図したことは全くございません。

 また、社内では一定の資料配布を望まない者はその旨を申告すれば配布対象から除かれる扱いをとっていますし、全員配布の参考資料については読まずに廃棄することも自由としております。申立人は自ら申告して一定資料の配布除外となっておりましたが、積極的に配布資料を社内で収集したうえで人権侵害を主張しているものです。

 勧告も認めるとおり、当社は、国籍等を理由とする申立人の排除などの人権侵害など行っておりませんし、社員が配布資料を受領しないことやそのまま廃棄することに対して不利益扱いもしておりません。

 当社は、私企業においては、会社のDNAともいうべき創業者の思想信条を反映した個性ある経営方針が広く認められるべきだと考えます。また、このような参考資料の配布は、社員にそれを読まない自由を確保してそれに対する不利益扱いを行わない以上、申立人の人権を侵害しているとは考えておりません。勧告は「社会的に許容される合理的範囲を超えて他人の法的利益を侵害していると認められるときは人権侵害にあたる」としています。しかし、他国の政府やマスコミや市民等が日本や日本人に対する執拗な批判や侮辱を繰り返しているとき、それに対する政治的批判や反論であって特定の個人に向けられていない言論が、批判された民族にルーツをもつ個人に不快感をもたらしたからといって、その人権まで侵害しているといえるのか、勧告はきちんと説明していません。

 当社は引き続き原著作者等の表現や社員の読まない自由について配慮しつつ、当社の経営理念に沿って啓発活動に努める所存です。”

 

次回も続きから紹介していきます。

フジ住宅の訴訟と裁判 最新情報

今回もフジ住宅の訴訟・裁判に関する情報をお届けします。
今回はフジ住宅の裁判・訴訟の内容から、最新情報をご紹介します。

大阪弁護士会(人権擁護委員会)「勧告書」への反論

フジ住宅株式会社
                              代表取締役 宮脇宣綱

1 勧告手続について
 2019年7月11日、大阪弁護士会(会長今川忠)は、当社に対して、人権擁護委員会の審査を経て、「当社は当社従業員に対して、1 大韓民国等本邦外出身者の国民性を侮蔑する文書を配布しないこと、2 中学校の歴史および公民教科書の採択に際し、特定の教科書を採択させるための運動に従事させ、その報告を当社にするよう求めないこと。」との勧告(以下「勧告」といいます)を送付し、その旨報道がなされました。
 この勧告の申立人は大阪地方裁判所堺支部において、当社に対して損害賠償訴訟を提起しています。当該訴訟は双方の証人調べが予定されている段階です。
 ところが、大阪弁護士会の人権擁護委員会は、裁判所で係争中の案件について、当社側に一度文書照会しただけで、申立人からの申告に基づいて一方的に判断を下しました。このように勧告はその手続に関して公平性を欠いているもので到底承服できません。
 
2 「人権侵害」についての基本的見解
 当社は、外国出身者の国民性を侮蔑する意図をもって社内文書の配布を行ったことはありません。当社には幹部社員も含めて日本以外をルーツとする方が相当数おられ、また顧客の皆様にもさまざまな国籍の方がおられます。当社は外国籍の方を労働条件面でも販売方針においても一切差別しておりません。当社にとってすべての方々が大切な従業員であり、重要なお客様です。
 また、当社の従業員に対して、中学校の歴史および公民教科書の採択運動への従事や会社への報告を業務命令等として強制し、あるいはそれへの不参加に対して業務上不利益な扱いをしたことは一切ございません。

次回も続きから紹介していきます。

フジ住宅の訴訟と裁判 最新情報

今回もフジ住宅の訴訟・裁判に関する情報をお届けします。

” 今回はフジ住宅の裁判・訴訟の内容から、最新情報をご紹介します。

7月18日に開かれた第15回目の当裁判に、前回に引き続き、70名を優に超える、弊社を応援してくださる皆様が、傍聴券獲得の抽選に駆けつけてくださいました。本当に有り難うございます。
今回の抽選券の最終番号は141でしたので、
当方、原告側とも、当方が少し多い程度で、ほぼ拮抗していたと、連絡を受けています。
おかげさまで、今回も、前回に引き続き、法廷傍聴席の過半を当方が確保でき、弊社代理人弁護士も心強かった事と思います。
 
この場をお借りして、皆様に心より御礼申し上げます。
 
今回の法廷では当方弁護士の口頭弁論が際立って優れていたと、入廷してくださった複数の方々よりお褒めの言葉をいただいております。
裁判終了後の「報告会」にも多くの方が御越しくださり、当方弁護士2名の、この日の「準備書面要旨朗読」が素晴らしかったと、たくさんの賞賛と、拍手をいただいたと伺っております。皆様、本当に有り難うございます。
今回原告側代理人は1名、当方は2名の代理人弁護士が「準備書面要旨朗読」を法廷でしましたが、その法廷内での弁論と、事前に裁判所に提出した準備書面を、以下に公開していますので、皆様のご参考になさってください。”

次回も続きから紹介していきます。

フジ住宅の訴訟と裁判 第10準備書面

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” 平成27年(ワ)第1061号 

損害賠償請求事件

 

準備書面10要旨

 

令和元年7月18日

 

フジ住宅株式会社訴訟代理人

弁 護 士  益  田  哲  生

 

  同    勝  井  良  光

 

  同    中  井     崇

                         

 

1 被告会社においては、社員が「質問表」に質問事項を記入し、上司に提出するという制度を実施している。この「質問表」の制度は、社員が「明るく元気にイキイキ・のびのびと仕事上も人生上もやってもらう」ことを目的としており、業務上の悩み等はもちろんのこと、個人的な悩み等を書いてもらって構わないということになっている。

そのような中、原告が直属の上司である植木副部長に、2019年5月7日付けで提出した質問表には、次のように書かれている。

 

 

「ドキュメンタリー映画『主戦場』をご存知ですか?こっそりと見に行かれてはどうでしょうか」

「副部長は、上の人が言うことに疑問や矛盾を感じていないのでしょうか?そのとおりにしていたら、みんな幸せになれると本気で思っていますか?」

 

この原告自身が提出した「質問表」の内容がいみじくも示しているように、被告会社においては、ある政治的立場・見解が一方的に強制されてそれに反する見解の表明ができないような環境にはなく、社内で配布される資料等における見解と対立する意見であっても、自由に表明することができる環境なのである。

そして、原告からの質問表に対し、植木副部長は、「主戦場」の評価について自らの見解は原告の見解とは異なる旨表明しているものの、原告による見解の表明自体については一切批判等を行っていない。

このように、政治的問題について異なる見解を表明しあえる職場環境において、法が介入して一方の見解の表明を規制する必要はないものであり、またそのような介入は結果として一方の見解に与することとなる危険なものであって厳に慎むべきである。

 

2 被告会社においては、「明るく元気にイキイキ・のびのびと仕事上も人生上もやってもらう」ことが何より大事で、それがひいては会社の発展につながるという考え方を強く持ってそのための施策を種種実施しているのであり、それが被告会社を大きく成長させた源であり、被告会社の大きな特徴でもある。だからこそ、被告会社においては日々の業務と直接は関係しない資料が配付されることもあるし、「質問表」においても、業務上の悩み等だけでなく、個人的なことでも書いて貰って良いとされているのである。そして、原告自身も、上記質問表において、慰安婦問題を扱ったドキュメンタリー映画に触れてその視聴を勧めるという、日々の業務とは直接関係しない記載をしているのである。原告自身、被告会社の姿勢を理解し、その理解に基づき被告会社の制度を利用していると言える。

 

                                    以 上”

 

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フジ住宅の訴訟と裁判 第10準備書面

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” 4 顕わになった本件訴訟の本質、原告の目的
原告側と異なり、被告らは思想そのものの当否を議論したいわけではありません。思想や信念の違いが埋まらないのは、やむを得ないことです。
被告らとして指摘したいのは、今回の原告の主張により、本件訴訟の本質や原告の目的が、「特定の思想に対する抑圧」であることが顕わになったという点です。
原告が述べるところは、「被告今井は『大日本帝国』の思想を信奉する者」で、「被告今井が信奉する思想は非常に危険なもの」であり(原告第19準備書面10、12頁等)、そういった危険思想に基づく資料を自ら経営する職場内で多数配布することは職場環境を悪化させるもので違法だというものです。
その主張の本質は、「今井の思想が危険だから広めるな」というものであり、職場環境云々は、実は従たる要素に過ぎません。
もし仮に、今井が配布していた資料が、左派とか革新の思想傾向のものであったならば、原告は決して違法だとは主張しないでしょう。原告の言う「正しい」歴史認識というものに則った資料は、職場環境を悪化させないからです。
しかし、それは露骨なダブルスタンダードであり、フェアな法律論とは言えません。特定の思想表現に対する、訴訟を利用した抑圧です。
政治的な意見や言論に対し、危険思想などとレッテルを貼って弾圧するようなことは決して許さないというのが、現行憲法の表現の自由のはずです。
 
5 大阪弁護士会の勧告について
原告のなした人権救済申立に対して今般大阪弁護士会がなした勧告の内容には、被告らは承服できません。人権侵害があったかどうかは、今後この裁判で判断されることです。
ただ、弁護士会の今回の勧告書においても、「確かに、被申立人による上記資料配布は、申立人を被申立人の職場から排除することや申立人の人格権を侵害することを直接の目的とするものではなく、また、配布された文書を申立人が受領することが強制されていた事実は認められない。」と事実認定がされている点は正当かつ重要ですので、ここで付言しておきます。

                                    以 上”

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” 3 今井の有する思想そのものに対する非難に対して

今回の原告準備書面で書きぶりが最も激烈なのは、今井の意図する「自虐史観の払拭」というものに対する思想的な面からの非難です。

原告は、「世界の歴史学の認識」だとか「日本及び世界の歴史学者が認める歴史的事実」として、典型的な東京裁判史観にそのまま則った戦前の日本に対する批判をなしていますが(原告第19準備書面8頁以下)、「世界の歴史学」とか「日本及び世界の歴史学者」とは一体何を指しているのでしょうか。世界と日本のスタンダードとなっているそのような史観や歴史的事実が、本当にあるのでしょうか。

太平洋戦争の評価に関して言いますと、戦勝国が敗戦国日本の戦争犯罪を国際法を無視して一方的に裁いた東京裁判においても、判事の中で唯一国際法の専門家だったインドのパール判事が、開戦に至るまでの経緯を仔細に検討し、「ハルノートのようなものつきつけられたら、モナコやルクセンブルクでも戈をとってアメリカに立ち向かうだろう」と述べて、A級戦犯の被告人全員に対する無罪判決を出し、後世においても評価されています。そのパール判事も歴史修正主義者なのでしょうか。

また、原告は、大日本帝国と戦後の日本国は別であるという前提で、今井の思想を弾劾しますが、今井としては、戦前の日本と戦後の日本の同一性も否定するような議論には全く同意できません。江戸時代以前から、明治期、大正期、戦前、戦中も含めて、我が国の父祖が必死に築いてきたものの積み重ねの上に今の日本の繁栄と平和があると謙虚に受け止め、感謝すべきというのが今井の考えです。”

 

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” 平成27年(ワ)第1061号 損害賠償請求事件

 

令和元年7月18日

 

大阪地方裁判所堺支部第1民事部合議C係 御中

 

被告今井光郎訴訟代理人

弁護士         中  村  正  彦

 

被告今井の方から、今回原告が出されました第19準備書面への今後の反論内容として予定しているところを簡単に述べさせていただきます。

 

1 問題ある文書が半年間で約400個も存在するとの主張に対して

原告は、2013年の2月から8月と10月に配布されただけで、385個のヘイトスピーチないし人種的民族的差別を助長する記載のある問題文書が存在したと主張しますが(原告第19準備書面3頁)、「問題がある」というのは原告が一方的に決めつけて数えあげた結果に過ぎません。原告が指摘する記述は、国家間の歴史的政治的課題や、現代韓国の実情やエピソードを題材とした政治的意見論評であり、差別言論ではありません。言葉狩りをするのではなく、一つ一つの記述の文脈と真意が丁寧に吟味されるべきです。

 

2  教科書展示会への参加の「勧奨」が違法評価される基準

原告は、本件での教科書展示会への参加の「勧奨」について、退職勧奨が違法となる場合を「せいぜい態様等において、社会的相当性を逸脱した態様での半強制的ないし執拗な勧奨行為があったような例外的な場合にのみ」と限定的に判断した下関商業高校事件の最高裁判例の基準を用いて評価することは、場面が違うのだから不当であると主張します(原告第19準備書面7頁)。

しかし、「退職」という労働者にとってその地位を失う最も重大な行為に関する勧奨ですら、違法とされる場面はそのように限定されるのです。

「教科書展示会への参加」を「退職」と比べたとき、前者の方が重大性は低いことは明らかですから、教科書展示会への参加勧奨が違法とされるのは、下関商業高校事件の基準よりもさらにいっそう狭く限定されるのではないでしょうか。”

 

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” なお、日本経済新聞の記事(丙33)によれば、ハーバードの研究者が唱えた「心理的安全性」、すなわち「この職場なら何を言っても安全」という感覚を構成員が共有することにより、職場としてより高い成果をあげ続けることが研究により判明しているとのことである。また、同記事によれば、カリフォルニア大学の研究で、「自分は幸福だ」と感じている人はそうでない人より仕事の生産性が31%高く創造性は3倍になることが分かったとのことである。被告会社は、まさに「心理的安全性」を高めること、社員が「自分は幸福だ」と感じられることを根本において経営を行っており、被告会社がこれまで受けた表彰の数々からすれば、まさに日本におけるこの点のリーディングカンパニーと言うことができる。本件資料配付も上記基本方針の中で行われているのであり、「業務に直接関係がない」として法が資料配付を規制するようなことになれば、従業員の幸福感を高めようとする企業に対する萎縮効果を生むことになり、ただでさえ世界の中で低いと言われる我が国における従業員の幸福感を高めようとする動きを阻害することになりかねないのである。

 

                                    以 上”

 

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” そして、かかる原告からの指摘および質問に対し、植木副部長は「主戦場」に対する否定的評価が書かれた論説文を資料として送ることによって答えている(丙30の1~2 植木副部長のメール及び添付資料)。このように、植木副部長は、「主戦場」の評価について自らの見解は原告の見解とは異なる旨表明しているものの、原告による見解の表明自体については一切批判等を行っていない。

このように、政治的問題について異なる見解を表明しあえる職場環境において、法が介入して一方の見解の表明を規制する必要はないものであり、またそのような介入は結果として一方の見解に与することとなる危険なものであって厳に慎むべきである。

 

3 日々の業務と直接関わらないことを理由に違法とはなり得ないこと

これまで繰り返し主張してきたとおり、被告会社においては、「明るく元気にイキイキ・のびのびと仕事上も人生上もやってもらう」ことが何より大事で、それがひいては会社の発展につながるという考え方を強く持ってそのための施策を種種実施しているのであり、それが被告会社を大きく成長させた源であり、被告会社の大きな特徴でもある。だからこそ、被告会社においては日々の業務と直接は関係しない資料が配付されることもあるし、「質問表」においても、業務上の悩み等だけでなく、個人的なことでも書いて貰って良いとされているのである。日々の業務とは直接関係がないという理由で資料配付等が違法となってしまえば、それは被告会社の存在自体を法が否定することに等しいのである。

この点、原告自身が、上記質問表において、慰安婦問題を扱ったドキュメンタリー映画に触れてその視聴を勧めるという、日々の業務とは直接関係しない記載をしているのである。これは、自ら好ましいと考える政治的見解から作成された映画を他者に視聴してもらい、理解してもらうことにより、自らのストレスや不安を軽減しようとするものに他ならず、その意味では原告も、日々の業務に直接関わらないことであっても自由に相談してもらえば良いという被告会社の姿勢を理解し、その理解に基づき被告会社の制度を利用しているのである(丙31 植木副部長からの回答に対する原告からのメール)”

 

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” 平成27年(ワ)第1061号 

損害賠償請求事件

 

準備書面10

 

令和元年  7月  4日

 

フジ住宅株式会社訴訟代理人

弁 護 士  益  田  哲  生

 

  同    勝  井  良  光

 

      同    中  井     崇

                         

 

1 被告会社における「質問表」の制度

被告会社においては、社員が「質問表」に質問事項を記入し、上司に提出するという制度を実施している。この「質問表」の制度は、社員が「明るく元気にイキイキ・のびのびと仕事上も人生上もやってもらう」ことを目的としており、業務上の悩み等はもちろんのこと、個人的なことで困っていること、悩み、ストレス、不安等を書いてもらって構わないということになっている。

 

2 自由に自らの政治的見解を表明できる職場環境

原告は、2019年5月7日付けの質問表(丙29)を、直属の上司である植木副部長に提出したが、その中で「主戦場」というドキュメンタリー映画の視聴を勧めた上で、「副部長は、上の人が言うことに疑問や矛盾を感じていないのでしょうか?そのとおりにしていたら、みんな幸せになれると本気で思っていますか?」と問いかけている。

この「主戦場」というドキュメンタリー映画は、慰安婦問題等の政治問題を扱っており、原告の認識では被告会社における「上の人」の見解と対立する立場から描かれたもののようであり、恐らくは原告の見解と親和的な作品であると考えられる。原告は、そのような作品の視聴を上司である植木副部長に勧めた上で、被告会社における「上の人」の見解には疑問や矛盾があると指摘しているものである。

この原告自身が提出した「質問表」の内容がいみじくも示しているように、被告会社においては、ある政治的立場・見解が一方的に強制されてそれに反する見解の表明ができないような環境にはなく、社内で配布される資料等における見解と対立する意見であっても、自由に表明することができる環境なのである。”

 

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フジ住宅の訴訟と裁判 第9準備書面

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”  2 また、被告会社においては、人事評価システムは社員個人の成長を促すシステムであると考え、成長が著しく、意欲・熱意のある社員を正しく査定できるよう制度設計している。

具体的には、上司からの評価だけでなく、同僚や部下からの評価も取り入れる「360度評価制度」を導入し(丙26)、また定期的に役職者を集めて査定会議を行い、公正な査定ができるよう査定評価の在り方について話し合う機会を設けている(丙27 樺山副部長査定会議感想文)。

そして、そのような慎重な評価を経て役職者となった者は、さらに広い視野と見聞が求められ、昇格に伴い教育書籍が配布されている(丙28の1~2 連絡文書)。

 

                                      以 上”

 

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”  3 経営理念感想文の内容については多岐にわたっており、例えば丙21の1の1通目(松山陽一取締役作成)は視察研修会の感想が中心である。その中で、被告今井が配布した「日本で一番大切にしたい会社」について一部言及がある。
2通目(内田裕二社員)は、銀行から被告会社に出向していた内田社員から見た被告会社の特徴であり、その中で「何のために働くか?どういう子供に育てたいか?等は漠然としか考えておりませんでしたし、日本人として誇りを持つという価値観はほとんどゼロに等しかったので、配布いただいた書籍やDVDで一つ一つ勉強させていただきました」との言及がある。
3通目(上野真嗣社員)は、営業を担当して初めて契約に至るまでの経緯が示されており、被告今井が配布した資料についての言及はない。
このように、全社員宛に配布されている経営理念感想文においては、被告今井が配布する資料について言及する記載があってもごく一部であり、その内容を見ても何らかの問題があるようにはおよそ思えない。
 
第7 被告会社における教育制度・社員教育制度について
 1 被告会社においては、社員に「仕事に遣り甲斐、生き甲斐を持ち、プラス思考で明るく元気にイキイキと仕事」をしてもらうことを第一に教育制度を用意している。具体的内容としては、研修制度、会長・社長への質問会、通信教育制度等があり、そういった教育制度の一環として、教育書籍の配布がある(丙26 ホームページ抜粋)。
原告は盛んに配布文書の大部分が「業務と関係のない資料」である旨主張するが、社員が人生のあらゆる場面において自信を持ち、自己肯定感を持つようになってもらう事が国家に貢献できる仕事につながり、ひいては会社の発展につながるという観点からすれば、すべて業務とつながっている。このような形で育成された社員の総合的な力によって、被告会社は現在の成功を見ているのである。”

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” 第5 資料配布や教科書展示会への参加を希望しないと表明した者の数

 1 資料配布を希望しないと表明した者の数

全社員宛の資料については、配布を辞退する旨の申し出を行っている社員は存在しない。

被告今井が部門長・所属長宛に配布した文書について、各部門長・所属長が担当部署において配布する際、どれくらいの数の社員が配布を辞退する旨の申し出を行っているかは、会社としては把握していない。

ただし、原告が所属する設計部においては、平成25年11月時点で95人の社員のうち原告を含む12人が配布を辞退している。

 

 2 教科書展示会への参加を希望しないと表明した者の数

会社としては、何名が参加を希望しない旨表明しているかは把握していない。しかしながら、相当数の社員が参加を希望しない旨表明しており、実際多数の社員が参加していない。

 

第6 経営理念感想文の配布の方法等について

 1 経理理念感想文は、全社員個別に対し、110名分の文書合計2分冊を毎月配布している。

 

 2 全社員に配布する経営理念感想文の選定は、被告会社の現代表取締役社長である宮脇宣綱が代表取締役社長に就任した平成21年以降は同人が行っている。選定の基準は、①「真似・イズ・マネー」(良い先達のしていることを真似ることで、自分も立派な人間に近づくことができ、それが業務上の業績向上につながるという意味)、②「活用できる」(書かれていることが、具体性があり、実地に有効に活用できる内容であること)、③「モチベーションアップ」(読んだ人の業務や日常生活におけるモチベーションが上がるような、前向きな内容であること)というものがあり、社内では、3つの観点を「マ・カツ・モ」と呼称している。

原告が本件訴訟で問題としている経営理念感想文も、これを読んだ者が、自身も真似や活用ができたり、モチベーション(そこには会社の名誉を背景とした愛社精神も含まれる)を高めたりできるといった効能が期待できると宮脇社長が考えて選ばれたものなのである。”

 

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”  2 教科書展示会への参加の促しを開始したのは、平成25年である。

教科書展示会への参加促しも、個々の社員によってはその信条に反する可能性があることは会社として認識しており、そのため強制ではないということを繰り返し繰り返し周知している。

原告から甲11の申入れがなされた際は、検討の結果、すでに原告は平成26年以降教科書展示会に参加していないので、特段対応は必要ないと判断している。

 

第4 資料配付のシステム

 1 被告会社内で配布する資料のうち、経営理念感想文については、全社員に毎月提出させて、後述するように社長が110名分を抜粋して毎月全社員宛に配布している。

 

 2 また、部門長・所属長を対象に被告今井が配布している資料があり、これについては専ら被告今井が配布する資料を決定している。

そして、部門長・所属長の中では、被告今井から配布された資料を自ら担当する部署で配布する者があり、原告が所属する設計部においても植木副部長の判断で配布している。もっとも、原告については平成23年10月に配布不要との申し出があったため、それ以降は原告を配布対象から除外している。

 

 3 なお、それ以外にも被告今井が全社員宛に配布する資料があるが、これについては専ら被告今井が配布する資料を決定している。”

 

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”  3 確かに、被告会社が全社員宛に配布した経営理念感想文等の中には、原告にとっては意に沿わない内容があったかもしれないが、それは自らが愛着を持っている勤務先会社が訴えられたことに対する意見・感想という性質上、やむを得ないことである。そもそも、原告も、その支援団体と共に会社が社員と共に長年にわたり築き上げてきた資産である会社イメージを毀損しかねない運動を大々的に展開しているのであるから、これに対する自衛措置によって不快感を持つことがあっても一定程度受忍すべきである。

そして、本件において配布された経営理念感想文等においても、原告は一度も名指して批判を受けたことはなく、裁判を起こしてからも、関係する部署にいる者以外、未だに誰が原告なのか、大多数の社員は知らない。

以上のことからすると、本件において提訴に関する意見が記載された他の社員の感想文等を社内配布したことは、原告にとって受忍限度内にとどまり、相当性が認められると言うべきである。

 

第3 資料配布開始の時期等

 1 社員に対して公私の充実や成長につながると思われる資料を配布することを開始した時期やきっかけは、被告今井が主張するとおりである。

なお、配布する文書は、個々の社員からすればその信条や嗜好と合致しないものが含まれていることは被告会社としても認識しており、そのため、配布文書を読むのは強制ではなく、読みたい者だけ読めば良いということを繰り返し周知し、配布を希望しない旨の申し出があれば配布対象から外すという配慮を行っている。

原告から甲11の申入れがなされた際は、検討の結果、配布文書を読むのは強制ではないことを再度原告に伝えることとしている。この点、原告の主張からすれば配布そのものをやめるべきということになるのであろうが、多くの社員は文書の配布が自らの成長等につながっていると感謝しているのであり(丙25 行動日誌)、原告のみからの申入れを受けて配布をとりやめることなどできないものである。”

 

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” 第2 提訴に関する意見が記載された他の社員の感想文等を社内配布したことの必要性・相当性について

 1 この点については、被告準備書面5・14~15頁において詳細に主張しているが、あらためて再度主張しておく。

 

 2 被告会社社員から提出される経営理念感想文等のうち、他の社員の参考になったり、有益であったりと被告会社が判断したものについて、全社員宛に配布するということは、従前から行われていたことである。

そのような中、特に本件訴訟が提起された直後と、被告会社が対外的に本件訴訟についての見解を発した直後は、社員にとって大きな関心事であったこともあり、本件訴訟についての感想・意見が書かれた経営理念感想文等が数多く提出された。被告会社としては、このように数多く提出されている本件訴訟に関する記載をあえて全社員配布の対象から外すこともかえって不適当であるし、本件訴訟提起の報道および原告側支援者の活動によって社員に不安と動揺が広がる中(原告側支援者が行った「ヘイト企業」などのレッテル貼り・印象操作によって、これに対抗しなければ社員の士気が大幅に低下し、企業として存続することすらできなくなる可能性があった)、他の社員が本件訴訟について考えていることを伝えることは社員を元気づけるものであるし、被告会社にとっても社員に誇りをもって仕事をしてもらい、士気の低下を抑えるという観点から有益であると考え、その一部を全社員配布の対象としたものである。したがって、本件においては、提訴に関する意見が記載された他の社員の感想文等を社内配布する高度の必要性が存したものである。”

 

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”  2 被告の主張

判例上、退職勧奨そのものは違法ではなく、例外的に社会的相当性を逸脱した態様での半強制的ないし執拗な退職勧奨行為について不法行為が成立しうるとされている(下関商業高校事件-最判昭55.7.10判タ434号172頁、日本アイ・ビー・エム事件-東京高判平24.10.31労経速2172号3頁等)。

この点、当該退職勧奨を違法とする多数意見と適法とする反対意見が3対2で分かれた上記下関商業高校事件は、社会的相当性の逸脱の有無に係る限界事例と考えられるが、同事件は、地方公務員である市立高等学校の教員に対する市教育委員会による退職勧奨が、4か月間に11回あるいは5か月間に13回にわたり、1回あたり20分から2時間強に及んだという事案であった。また、上記日本アイ・ビー・エム事件では、「具体的な退職勧奨の態様の相当性」について、「退職勧奨の期間、回数等」が相当であったか否かに加え、各回における退職勧奨の際のやりとりや、退職勧奨がなされて以降の電子メールでのやりとり等を個別に検討し、相当性の有無を検討するという手法が用いられており、結果として、すべての原告についてその相当性を肯定し、退職勧奨に違法性は無いと結論づけているところである。

この点、本件においては、上記のとおり被告会社は原告に対し300万円の支払いと引き換えに退職するという選択肢を提示したに過ぎず、一度も退職を求めるようなことはしていない。また、植木副部長とのやりとりは1回に過ぎず、これに要した時間も僅か18分程度のことであった。しかも、原告が勤務を継続する意思を表示して以降は一切上記選択肢について言及していないのであって、およそ被告会社の行為が違法とされる余地はないものである。”

 

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” (5)「2(2)原告には退職すべき理由がなく、本件退職勧奨は申入れをしたことに基づいていること」と題する項について

否認する。

原告の勤務態度に特段問題がなかったことは被告会社も同じ認識であり、したがって被告会社として原告に退職して欲しいなどという考えは一切なかった。しかしながら、原告から甲11による申入れがなされ、そこにおいて被告会社で勤務することが精神的に大変苦痛であるとの訴えがあったが、社員が公私共に充実感をもって働けることを何よりも重視している被告会社にとっては、そのように苦痛を感じている社員がいること自体看過できない問題であった。しかしながら、原告が訴える内容からすると、原告自身が被告会社から直接何らかの攻撃を受けているということではなく、会社の社風自体がストレスになっているという趣旨と理解できたため、そうであれば原告に充実感をもって生きてもらうためには、社風が原告にとってストレスとならない他の会社に移籍することも選択肢の一つではないかと考えたものである。ただ、すぐに他の勤務先が見つかるかどうかも分からないため、生活保障の観点から300万円の支払いを提案したものである。

これまで具体的証拠をもって示してきたとおり、被告会社は社員の幸せを何よりも重視し、そのためにあらゆる努力を惜しまないところが非常に特徴的な会社である(丙24の1~3 ヘルスマネジメント格付最高ランク、テレワーク先駆者百選総理大臣賞、健康経営銘柄2019、健康経営優良法人・ホワイト500)。このため、原告から申入れがあった際も、社員である原告のことを親身に考えた結果、原告の年間給与を超える300万円という破格の金額を提案したものであるが、その提案をもって被告会社が原告の退職を望んでいるように受け取られたのであれば、被告会社にとってまことに心外である。

なお、既述のとおり原告が大阪弁護士会に行ったという人権救済申立ての事実を被告会社が初めて知ったのは2015年10月9日のことであり、それより前に行われたやり取りが「大阪弁護士会へ人権救済申立てをしたことを理由して行われたもの」であるはずがない。”

 

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” 記

 誤: 原告 びっくりもですけど

    植木 しんどいなあと     (原告書面83頁)

 正: 原告 びっくりもですけど

    植木 びっくりもですけど?

    原告 しんどいなあと

    植木 しんどいなあと

 

(3)「1(3)小括」と題する項について

否認する。

まず、そもそも原告が大阪弁護士会に申立てを行った事実を被告会社が初めて知ったのは、2015年10月9日に大阪弁護士会から書面で通知が届いた時である。したがって、「原告の直属の上司たる植木氏を利用して、原告に圧力を加え、人権救済申立てを取り下げるよう原告に求めるなどした」などというのは、全く事実に反する。

電話面談における具体的やり取りから明らかなように、植木副部長は、原告が行った甲11の申入れを受けて、管理職として原告の悩みやストレスの具体的内容を把握して必要な対応をとりたいとの想いから原告に電話したものである。しかるに、原告は電話をかけてこられることにプレッシャーを感じるなどと述べ、植木副部長の想いと平行線をたどっていることが見て取れる。

 

(4)「2(1)植木氏による電話面談での退職勧奨」               

2015年8月10日に植木副部長と原告とが内線電話で話したこと、そのやり取りの具体的内容が概ね原告書面88頁後ろから10行目~93頁4行目のとおりであることは認め、原告がやり取りの内容を要約した部分については否認する。

原告は「申入書についてのやりとりをやめたい旨訴えたにもかかわらず」と主張するが、具体的やり取りのうちどの部分がそれに該当するのか不明である。

この日のやりとりは、全社員が年2回提出する評価表のコメントにおいて、原告が「しんどいです」と述べていることを受けて、このままであれば原告は精神的につらい状況が続くのではないかとの配慮から、会社から300万円を受け取って退職するという選択肢を示したものである。そして、「別にやめてほしいんじゃなくて、根本解決しようと思ったら」という植木副部長の発言からもうかがえるように、会社として積極的に退職して欲しいとの意思を示したものではないし、「一つは現状のままこのまま勤められると」として、このまま勤務を継続するという選択肢も示している。したがって、「原告に対し、退職を求め促す行為に及んだ」というのは事実に反する。”

 

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” 平成27年(ワ)第1061号 

損害賠償請求事件

 

準備書面9

 

平成31年 4月 26日

 

フジ住宅株式会社訴訟代理人

弁 護 士  益  田  哲  生

  同    勝  井  良  光

  同    中  井     崇

                         

 

第1 退職勧奨についての認否・反論

原告第6準備書面の「第3 原告に対して申入れ等に対する圧力がかかったこと及び退職勧奨がされたこと」と題する項(82~93頁)において、原告が「退職勧奨」を受けたとの主張がなされている。かかる主張が、当該「退職勧奨」を請求原因事実に追加する趣旨であるかどうかは不明であるが、以下、念のため認否・反論しておく。

 1 認否

(1)「1(1)社内改善申し入れ及び人権救済申立ての経緯」と題する項について

原告が甲11による申入れを行い、被告会社が甲57の回答を行ったことは認め、その余は不知ないし否認する。

 

(2)「1(2)植木氏との電話面談」と題する項について

2015年3月20日に原告が所属する設計部における上司にあたる植木副部長と原告とが電話面談を行ったことは認め、「植木氏に呼び出される形で」というのは趣旨が不明のため認否を保留する。

原告が主張するような具体的やり取りがあったことは概ね事実であるが、下記のとおり反訳が不正確な部分もある。”

 

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フジ住宅の訴訟と裁判 第8準備書面

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”4 代表取締役社長宮脇が選択する経営理念感想文の選定基準について

本件訴訟で一部問題とされている経営理念感想文は、被告今井ではなく、被告フジ住宅の代表取締役社長である宮脇宣綱が、ここ10年近く選定している。

その選定基準については、被告フジ住宅準備書面9に譲る。

なお、経営理念感想文の意義については、被告今井第5準備書面5頁以下でも詳論したところであるが、被告フジ住宅における非常に重要な経営のツールであり、経営文化の具体化の一つである。ごく部分的な感想文や、その断片的な記載を拾って当否が評価されるのではなく、被告フジ住宅が丙第21号証の1ないし12で平成26年9月分以降の1年分を全て証拠提出しているので、全体像が正しく理解されたうえで法的評価の対象としていただきたいと被告らとしては考えている。

                                  

                                    以 上”

 

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”2  公益性と両立している社員個人や会社にとっての意義
上記のような公益性や公益目的が資料配布にはある一方で、社員や会社の側にスポットを当ててみても、業務そのものに限らず、社会で問題となっている事象について、社員に正確な知識や、偏りのない見識をもってもらうことは、社員自身のためにも、その家族のためにも、そして会社のためにもなる、というのが被告今井の信念である。すなわち、真実の歴史を知り、日本人としての誇りを取り戻すことは、個々の社員の自信や能力を高めることにつながり、さらには愛社精神を高めることにも直結し、社としての業績も上がると被告今井は確信している。実際、そのような確信を実践することで、被告フジ住宅は成長してきたのである。
そして、社員やその家族、関係者、顧客、地域を大切にしそれらの利益になるような経営をすることが、社会や国のためにもなるというのが、被告フジ住宅の理念であり、それら多層多様な要素が全てリンクしているというのが被告今井の経営思想である。そういった考えの総体を分かり易く述べると「世のため、人のための働き」ということになるが、被告今井による資料配布や教科書関係の活動もそういった一心から出たものなのである。

3 客観的な評価として
前記1及び2は被告今井の主観的な思いを基礎にしてなした説明であるが、そういった思いに対しては、そういった思考方法や経営手法には共感できない、同意できないといった批判が原告側からなされるのではないかと思われる。しかし、それは好き嫌いの次元の問題であって、違法適法などと線引きするべきものではないと考えられるという点は、被告今井第7準備書面9頁以下で述べたところである。
また、被告今井の資料配布とか教科書関係の活動は、客観的、憲法論的に考えても、重要な意義がある。国、社会、国際関係などの情勢の動きや変化を受けて、随時、民間のさまざまな場所で政治的、社会的な意見発信がなされるのは、民主国家において極めて健全かつ必要なことであり、まさしく表現の自由の意義の根幹であるといえるからである。
原告は、自身が入社してから数年間経った後、被告らが変わってしまったというような指摘をなすが、社会情勢の変化も踏まえたうえで、被告今井のそのときどきの関心事項も反映しつつ、社員への啓発のテーマが変わっていくのも自然なことである。一貫していないことが問題とされるとすれば、それも妥当とはいえない。
そもそも原点に帰ると、民間会社において、思想的なものを伝播しようとしてはいけないというのは、間違った考えであると思われる。なぜならあらゆる経営理念は一つの思想だからである。社員教育や啓発については当然、経営者の裁量もあるし、柔軟に変化し発展していくのが私企業の生命である。「態様」が過度であったときに問題となりうるとしても、本件ではそのような事情はない。”

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”第2  資料配布の意思決定の仕組み等(事務連絡2(4)の点)
1 被告今井が選択する配布資料について-社会情勢の反映であること-
被告今井が配布する資料の選択基準については、被告今井第7準備書面11頁以下で述べたが、その決定の仕組みとしては、被告今井が熟慮のうえで選択し配布を決定して指示するというのが基本であり、特に、合議して意思決定する等の複雑な手続があるわけではない。
被告今井がどのような考えや契機から配布する資料を選択、決定するのかという点について補足すると、被告今井は、都度都度思い立って独自の思想や教養を社員に伝達しようとしているというよりは、むしろ、その時期ごとの国レベルで注目されている課題、国際情勢、社会の関心などを反映しながらテーマを選択して、社員に確かな情報や知見を伝え、その啓発の機会を提供しているというのが正確である。
例えば、従軍慰安婦に関する資料を被告今井が配布したのも、その時期にそのテーマが、対韓国情勢の中で展開を見せ、非常に我が国の内外で大きな話題になっていたからであって、被告今井が独自にその問題を長年追究してきたからではない。被告今井としては、「日本国に強制連行された少女らが慰安婦という性奴隷にさせられ、天皇に贈呈された」などという虚構がいまだに韓国により国際社会に喧伝され、アメリカの高校の教科書にも事実のように書かれている現状があり、そのことが理由になって在米日本人の子女がいじめられているというような報道を目にして、「自分たち日本人にふりかかっている火の粉を払うような思い」で、せめて自分の身近な人たちに真実の歴史を伝えようとしたのである。従軍慰安婦以外のさまざまなテーマについても、同様である。
原告側には大いなる誤解があると思われるが、被告今井は、本来的に反中反韓などではないし、近年、急に右傾化したということでもない。自身の変化というよりも、社会情勢の変遷を受けて、例えば、尖閣問題などの国内外の出来事の展開などにより、国の将来を憂うべき社会状況が近年生じていたため、「国がおかしくなっているぞ」とか「不当に貶められている日本を何とかしないと(放っておけない)」という思いから、意見や情報の発信が増えたのである。”

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”3  原告の申し出を受けた際の検討
事務連絡記載の「原告の申し出」とは、2015(平成27)年1月6日付で原告代理人から被告らに送付された申入書(甲11)による申入れのことと思われる。
この申入れは、①ヘイトスピーチと評される文書の配布、②社員に対し配布物に関する意見を聞き回答を求める等の行為、③教科書アンケートへの参加の促し等の労働契約上の指揮命令権限を越えた指示命令を行うこと、④種々の署名活動、意見表明活動の促し、その結果の公表等、⑤以上に類する一切の行為の停止を求めるものであった。
被告らにおいてはこの申入れを検討したが、①については、社としてヘイトスピーチを許容、促進する方針もその事実もなく、社内でそういった表現活動がなされているとの認識はない、②については、業務命令を通じて社員の精神的自由に違法に干渉する方針もその事実もなく、業務命令によって業務と直接関連性のない配布物に対して社員の意見を強いることもない、③については、社会的な活動への参加についてはあくまでも社員の自由意思に委ねられており、業務命令や強制はない、④については、署名活動等についても、参加や署名の公表については、個人の自由と同意に委ねられており、業務命令や強制はないという結論であった(その個々の理由は、この訴訟におけるこれまでの被告らの主張と同じである)。
被告フジ住宅は、上記の検討結果と、申入れの趣旨に応えることはいたしかねるという回答を、代理人弁護士による平成27年1月21日付回答書をもって原告に対してなした(乙21)。”

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”呼びかけ文書には、
○「念の為ですが、本件、決して強制ではありません。業務との兼ね合いもあると思いますし、希望される方のみで結構ですので、『是非の日本の教育の為にやってあげよう!』と思われる方は、宜しくお願い致します。」(乙20の1)
○「今回参加のご意向が無い方については、ご返信は不要です。念の為ですが、本件、強制等では全くございません。あくまでもこの取り組みにご賛同頂ける方のみへのお話です。」(乙20の2)
といったアナウンスが繰り返されている(証拠提出したのは一部に過ぎない)。
 経営理念感想文としても、社員から、
○「決して強制されることなく、『自分自身も何かできることをしたい!』と思う人には具体的で効果的な取り組み方法を教えてくださいます。」(乙20の3)
○「本件に関しましては全く強制ではなく、本年で協力したいと思う方だけで行うことが重要であり、業務が忙しい中、無理して参加するものではありません。」(乙20の4)、
○「会長のご指導のもと(決して強制ではなく自由意志でということを何度も仰ってくだった上で!)、当社からたくさんの社員の方がアンケート記入に行っておられました。」(乙20の5)
といった自由参加が大前提であったことを明言した感想が寄せられ、感想文集に収録されて配布されている。
さらに、被告今井は、配布書類では呼びかけはなすものの、直接個々の従業員に接して、協力するよう説得などを行ったこともない。”

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”(3)従業員に対する影響の検討
被告今井は前記のような純粋な思いから社内で教科書展示会への参加の呼びかけを開始したが、その参加自体は業務ではなく、また社員個々人の思想信条もあるのは当然のことであるので、社員に業務として参加を命じたり強いたりできるものではないことも十分に認識していた。
そのため、呼びかけと合わせて、あくまでそれは任意の協力要請であり、応じる応じないは各人の自由であることも、都度都度で周知していた。
たとえば、甲第9号証の呼びかけ文書(平成27年)を見ても「念のため強制ではありませんので、、、」と示され、従業員の任意であることが明示されているし、甲第27号証の呼びかけ文書(平成25年)を見ても、「『育鵬社』の教科書が採択されるように、是非アンケートにご記入いただければと思います。」というように、業務命令ではなく「お願い」という形で伝達されている。
平成25年は、原告も含めた設計監理課の社員に対し、植木副部長から展示会への参加を呼びかけていたが、その中では参加したくない場合は不参加の意思を表明してくださいと伝えられている(甲55、被告フジ住宅準備書面2・11頁以下参照)。
今回新たに提出する平成27年の参加呼びかけ文書や参加した社員の経営理念感想文を見ても、任意であることがよく分かる。”

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”(2)開始の時期ときっかけ
被告今井が被告フジ住宅内で、教科書展示会への参加の促しを行ったのは、平成25年、平成26年、平成27年の3年間であった。
平成25年は小中学校の教科書採択の年ではなかったが、平成26年は4年に1度の小学校の教科書採択の年で、平成27年は4年に1度の中学校の教科書採択の年であった。
平成25年6月後半の教科書展示会への参加の促しを被告今井が開始したきっかけは、記憶を辿ると、その年の春ころかと思われるが、知人の教示や文献などから、中学校や高等学校の歴史教科書における南京事件の記載の有り様を知ったことであった。検定に通った教科書の多くは、「日本軍が、南京において、女子、子どもを含む多数の人を殺害した」というような書きぶりであり、戦後のプロパガンダで喧伝されてきたいわゆる南京大虐殺が歴史研究により否定されていることを知っていた被告今井としては、史実に反することが教科書に書かれていることに驚くとともに、こういった教科書を使って教育された日本の子どもたちは自国や自分たちに誇りも持てなくなり、その健全な成長に悪影響を及ぼすだろうと、愕然とし、かつ深く憂慮した。
教科書展示会という制度があることも知った被告今井は、史実の曲げられた教科書により子どもたちが自虐史観を植え付けられて誇りや自信を失うことにならぬようにという思いから、平成25年の教科書展示会の時期に向けて、同年5月ころから、教科書展示会への参加の呼びかけを社内で開始したのであった。被告今井は、自身でも、同年6月14日ころ、岸和田市と泉佐野市に会場があった教科書展示会に行ってみたところ、そのあまりの閑散ぶりに困惑し、大切な教科書の問題についての、市民・府民の関心の低さや、行政の周知の意欲の乏しさを何とかしたいという思いをいっそう強め、社内での呼びかけを継続した。
被告今井の教科書に関するこうした活動は、資料配布でも述べたところであるが、特定の政党支持を求めるような政治活動などではなく、むしろ「社会活動」や「社員の啓発」と呼ぶべき公益的な試みである。”

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”2  教科書展示会への参加の促し
(1)教科書展示会制度
 改めて説明すると、教科書展示会は、昭和23年の検定教科書制度の実施に伴い、教科書の適正な採択に資するため、教科書の発行に関する臨時措置法(教科書発行法)により設けられた制度である(同法5条等)。
各都道府県の教育委員会が実施主体となって、例年、6月後半の2週間程度を中心にして、全国1200か所以上で開催されており、前年度の教科書検定に合格し翌年度に使用される教科書などが展示されている。
小学校、中学校、高等学校、特別支援学校の教科書が展示対象となるが、どの程度の教科書が展示されるかは、展示会ごとにさまざまなようである。
公立小中学校では各教育委員会が複数社の教科書から採択した1冊が教科ごとに児童生徒に配布されるが、教科書展示会では、同じ教科でも何種類かある教科書を見比べることができる。
義務教育課程である小学校及び中学校については、都道府県教育委員会が設定した教科書採択区域ごとに、4年ごとに教科書採択が行われ、一度採択された教科書は4年間同じ種類のものが使用される。高等学校においては、そのような広域採択制のようなシステムはなく、各学校ごとに、各年度ごとに教科書が採択されている。”

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”(3)開始のきっかけと従業員に対する影響の検討
前記のとおり、問題とされる資料配布の開始時期は特定することは困難であるし、被告今井の主観としても、何かしら特定のきっかけがあって、ある時期から急に踏み込んで一定の内容の資料の配付を開始したというわけではなく、そのときどきの社会情勢を踏まえた気づきや問題意識、社員の啓発と社会貢献の意欲などにも応じて、配布する資料を選択してきた(後記第2の1、及び、被告今井第7準備書面11頁等参照)。
従業員に対する影響の検討の点も、会社の中枢の取締役5人のうち2名がもと在日韓国人で、うち1人は部長昇進後に帰化している事実からも分かるとおり、もとより被告らには、在日韓国人を批判したり排除したりする意図はないため、文書配布の「マイナスの効果」として社員の誰かを傷付けるという認識はない(被告フジ住宅準備書面8・5頁等)一方、業務と直接関連しない資料や情報については、閲読や感想の叙述はあくまで任意ということを周知徹底している(被告今井第7準備書面9頁等参照)。
被告今井は、「社員がその見識や人間としての器量を高めるきっかけになれば」という思いで資料を配布しているが、その提供の態様は「よければ、1行でも2行でも読んでもらって、もしピンとくることがあれば」というレベルのもので、閲読の義務などは課していないし、閲読したかのチェックや、共感の強制なども全くないのである。
なお、付言すると、被告フジ住宅をいわゆる「傾向企業」(思想的なものを打ち出してそれに賛同することを前提として従業員を採用する企業)のようにとらえることも、実情に沿わない。被告フジ住宅は、本業の不動産事業に日々邁進している普通の企業である。その事業運営の中で、資料配布等を通じて、社員に啓発や社会参加の機会をときに提供する場面があるというだけであって、一定の思想傾向を全面的に打ち出しているというような理解がされているとすれば、大きな誤解である。”

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”2 配布している文書のうち、「中国・韓国の批判を主たる内容とする文書」の量的割合について
 
(1)まず前提として、被告会社には、「中国・韓国の批判を主たる内容とする文書」を配布しているという認識はまったくない。そのような発想を持ったこともない。
被告会社会長である被告今井の信念として、戦後の日本人が自らの国に誇りを持てないことが社会に大きなひずみを生みだしているところ、それは東京裁判に象徴される第二次世界大戦戦勝国の措置によって日本人に植え付けられたいわゆる「自虐史観」が主な原因であるから、自らの国に誇りを持つためには「自虐史観」を払拭する必要がある。被告会社としても、社員の人間的成長を最も重要なことと考えており、それなくして会社の発展は無いというのが基本認識である。社員が人生のあらゆる場面において自信を持ち、自己肯定感を持つようになってもらう事が何よりも重要である。自らが住む日本という国を愛さず、国に対する否定的な感情を強く持ちながら、最終的に被告会社の目指すところの一つである国家に貢献できる仕事が出来るとは思えない。この観点から、戦後日本において多くの国民の自己肯定感情の障害となってきたと考える「自虐史観」の払拭に役立つと思われる文書を配布している。このため、日本人がどういう歴史的経緯で「自虐史観」に捉われることになったかを指摘したり、日本が戦前近隣諸国に対して行った行為に関して、「自虐史観」においては語られなかった事実や評価を記載したりした文書が配布されているのである。”

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フジ住宅の訴訟と裁判 第8準備書面

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”平成27年(ワ)第1061号 

損害賠償請求事件
原 告  
被 告  フジ住宅株式会社 外1名
 
準 備 書 面 8
 
平成30年 9月 28日
大阪地方裁判所堺支部第1民事部合議C係 御中
 
 上記当事者間の頭書事件について、被告フジ住宅株式会社は、次のとおり弁論の準備をする。
 
被告フジ住宅株式会社訴訟代理人
弁 護 士   益 田 哲 生
  同     勝 井 良 光  
  同     中 井   崇
                        
1 採用時における「社風」の説明
 
準備書面6においても述べたとおり、被告会社は「社員のため、社員の家族のため、顧客・取引先のため、株主のため、地域社会のため、ひいては国家のために当社を経営する」ということを経営理念としており、被告会社の「社風」を説明するとすれば、上記経営理念にしたがって、営利のみを追求するのではなくより大きな視野において貢献しようとする姿勢に尽きる。そして、この経営理念については社員の採用時に説明している(丙20 教材リスト)。
 なお、誤解のないよう念のため述べておくが、被告会社において「日本民族重視」などという社風は存在しない。実際、すでに述べているとおり、被告会社の取締役には在日コリアンであった者が2名含まれているところである。”

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フジ住宅の訴訟と裁判 第7準備書面

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”第3 「本件訴訟提起後の、被告らによる原告に対する報復的非難、社内疎外」について
原告が指摘するところの本件訴訟提起後の資料配付行為は、被告会社準備書面5において詳細に述べたとおり、本件訴訟提起後にこれを伝える報道がなされたり、原告の支援団体によって被告会社が「ヘイトハラスメント」を行っているなどという喧伝が繰り返しなされたりしたことにより、被告会社の対外的イメージが悪化し、社員に動揺が走って士気が低下する現実的危険が生じたため、その対処としてなされたものであって、「報復的非難、社内疎外」ではない。
被告会社が主張しているのは、「被告会社が表明した見解の内容や、社内配布された経営理念感想文等に書かれた本件訴訟に関する社員の意見の中に、原告の意に沿わないところがあったとしても、訴訟の対立当事者である以上、立場や見解が異なるのはむしろ当然のことである。」「原告も、その支援団体(原告自身も集会に参加し、会報に自己の主張を掲載するなど一体となって活動している)と共に会社が社員と共に長年にわたり築き上げてきた資産である会社イメージを毀損しかねない運動を大々的に展開しているのであるから、これに対する被告会社の自衛措置によって仮に不快感を持ったとしても、一定程度受忍すべきである。」ということである。
しかるに、原告は被告会社の行為が「報復的非難、社内疎外」であると決めつけ、そのことを前提に「被告らは、原告がこうした非難にさらされ、社内で孤立することも『甘受すべき』、『当然』、『受任すべき』などと開き直っているのであって、極めて悪質をいわざるを得ない」(68頁)などと被告会社を非難しているのであり、それこそ「かみ合っていない議論」と言わざるを得ない。
 
                                以 上”

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”「被告今井の指示する政治的文書により、原告の属性に対し敵対的環境が形成され、原告の人格権やプライバシーが侵害されていれば」という記述からすると、前記「人種差別・民族差別を助長する文書の配布行為」の主張と同様、被告らの文書配布行為によって原告の在日コリアンという属性に対する差別的言動が蔓延する職場環境が形成され、それによって原告の人格権やプライバシー権が侵害されたという趣旨のようにも読めるが、政治的文書の配布によってなぜ在日コリアンに対する差別的言動が蔓延することになるのかの説明がない。
また、「労使関係等不均等な力関係における一方的かつ継続的に配布される評論を受領しないという対応は不可能であるから、業務とは関係のない政治的文書を職場において配布する行為自体、労働者の自由な人格権を侵害する」という記述からすると、見たくもない政治的見解の閲読を事実上強制されることが原告の人格権を侵害するという趣旨にも読めるが、被告会社準備書面3の10~11頁に述べたとおり、被告らの配布する文書を閲読するかどうかは各従業員の自由であることは周知されており、原告自身、自らを配布対象から外すことを申し出て、それ以降文書を受領していないのである。原告はこの点について何の反論も行わないまま、依然として閲読を強制されたかのような主張を繰り返しているのである。
 
4 「教科書アンケートへの動員行為」について
原告は、「原告が、その活動に参加を拒否したことを理由とする不利益処分等を受けることがない場合でも、事実上政治動員することに等しい方法で教科書アンケートへの参加を動員する行為は、労働契約上の義務を超えた行為への動員であり、それ自体で違法性を帯びる」と主張するが(原告第14準備書面63~64頁)、結局のところ被告会社の具体的にいつ、いかなる行為をとらえて違法であると主張しているのか今に至るも定かでない。
これも被告会社準備書面3の12~13頁に詳しく述べているとおり、原告は平成26年以降教科書アンケートへの参加をしていないのであり、自ら参加をするかどうかは自由であることを認識していたものである。原告の主張によれば、参加自体は自由であっても誘いかけること自体が違法であるという趣旨にも読めるが、それがなぜ違法になるのかの説明はない。"

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”   被告会社は、「本件文書配布行為により在日コリアンに対する差別的言動が職場内に蔓延するというようなことがあれば、『在日コリアンとして人種差別・民族差別的言動にさらされずに就労する権利』が侵害されたということもあり得るが、かかる事実はないし、原告からもそのような主張はされていない」とする(被告会社準備書面4の12頁)。しかし、本件文書配布行為により被告会長・被告会社・同僚等による人種差別・民族差別を助長する言論が職場に蔓延していたことについては、すでに原告第11準備書面25頁以下で述べたとおりである(また、この点については、板垣意見書6頁でも触れられており、「職場環境の醸成効果」と表現されている)。また、原告自身も、「韓国」「韓国人」に対する攻撃が一緒に働く人々によって次々に表明されることで、ストレスを感じさせられており、明らかに原告にとって敵対的な職場環境が形成されていた(板垣意見書20頁)。以上のように、本件資料配布行為により人種差別・民族差別を助長する言論を職場に蔓延するという効果を有していたものである。」
 
3 「政治的見解等の配布行為」について
原告は、「政治的文書の配布対象が、配布に反対する特定の個人に向けられたものではなくとも、被告今井の指示する政治的文書により、原告の属性に対し敵対的環境が形成され、原告の人格権やプライバシーが侵害されていれば、配布対象が誰か無関係であり、配布態様が強制の要素が存在しなくても、労使関係等不均等な力関係における一方的かつ継続的に配布される評論を受領しないという対応は不可能であるから、業務とは関係のない政治的文書を職場において配布する行為自体、労働者の自由な人格権を侵害するから、大多数の労働者が、同意していても特定の個人に対する人格権侵害が成立すれば、違法と評価される」(60頁)と主張するが、その意味するところを読み解くのが非常に困難な記述であり、今もって何がどういう理由で違法であると主張するのかを明らかにできていない。”

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”そして、被告会社の従業員が提出した経営理念感想文等において、一部に必ずしも適切とは言い難い表現が含まれていたとしても、当該文書全体の文脈もあわせて考慮すれば人種差別的とまでは言えないものがほとんどであり、少なくとも職場に「人種・民族差別を助長する言動が蔓延」しているとまではおよそ言い難い。
被告会社には、既に述べたとおり役員に元在日韓国人が複数存在しており、被告らの人種差別を許さないという姿勢は常日頃から職場内にも浸透しており、従業員らもこの点は十分理解していた。したがって、被告らが配布する文書のごく一部に原告が指摘するところの人種差別的表現が仮に含まれていたとしても、それによって人種差別・民族差別が助長され、職場内に「人種差別・民族差別を助長する言論が蔓延」するような効果が発生するような結果にはならないのである。その意味で、被告らに差別意図がないこと、そのことを普段の姿勢から従業員も理解していたことは、職場環境配慮義務違反が認められるかどうかの判断において重要な考慮要素となり得るのである。
(4)なお、原告の損害賠償請求が認められるためには、被告らによる文書配布行為によって職場内に「人種差別・民族差別を助長する言論が蔓延」することになった結果、原告個人が損害を被ったということが必要になる。この点、原告自身、「人種民族差別的な職場環境」が、すなわち「原告に対する敵対的な職場環境」であると主張している(原告第14準備書面20頁)ことからすると、原告は、やはり自らの属性である在日コリアンを差別するような表現が蔓延する職場環境が形成されたことによって損害を受け、その賠償を請求しているということになる。
この点について被告会社は繰り返し指摘してきたが、原告からは今に至っても、どの表現が在日コリアンに対する人種民族差別的言動にあたるかについて具体的特定がない。原告第14準備書面においても、原告はこの点に関する被告会社の指摘に対し、下記のとおり「かみ合わない」主張を行うのみで、被告会社の問いに正面から回答していないものである(原告第14準備書面45頁)。
記”

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”2 「人種差別・民族差別を助長する文書の配布行為」について
(1)原告は、被告らが配布した資料の中に「韓国人や中国人の民族性を直接非難する差別文書、人種差別・民族差別を助長する言論が多く含まれていた」ことにより、「人種差別・民族差別的な言論が記載された感想文等を提出する従業員が現れるなど、職場の中で人種差別・民族差別を助長する言論が蔓延するという効果が生じていた」と主張する(40頁)。
(2)しかしながら、原告が「人種差別・民族差別的言論」であると主張する表現のうち、韓国に言及した表現のほとんどは、従軍慰安婦問題等日本・韓国の両国間に横たわる問題の対応をめぐって、韓国という国家を批判したり、韓国人の国民性を批判したりするものであり、「人種差別・民族差別的言論」とは言えない。
原告は、韓国という国家や韓国人の国民性についての話を、民族性に対する非難と混同し、同列に論じようとして躍起になっているが(その目的は、前述のとおり従軍慰安婦問題等について、自らの信条と対立する見解の表明を萎縮させようとするところにあると考えざるを得ない)、民族性に対する非難と、国家や国民性に対する批判とは、当然のことながら明確に線引きされるべきである。
(3)また、被告会社において、少なくともそこで就労する従業員の法的権利を侵害するほどに、「人種差別・民族差別を助長する言論が蔓延」していたとは到底言えない。
原告は、被告らによる文書配布行為によって「職場の中で人種差別・民族差別を助長する言論が蔓延するという効果が生じていた」と主張するが、被告会社内で実際に生じた「効果」として挙げているのは、被告会社の従業員が提出した感想文等に、韓国・中国についての言及があるということのみである。例えば、職場における従業員同士の会話において人種差別的内容が日常的にあらわれるようになった、というような主張はなされていない。”

次回も第7準備書面について続きから紹介していきます。

フジ住宅の訴訟と裁判 第7準備書面

フジ住宅の訴訟と裁判に関する書面を、公式ブログから紹介しています。

”4 このように、原告の主張は本件裁判における勝訴判決を目指す目的と、運動論としての目的とがない混ぜとなっているためか、いたずらに稿数と頁数を重ねるばかりで一向に法的な整理がなされずに来たが、この度原告第14準備書面において職場環境の問題として一定の整理がなされたことを受けて(今もなお具体的にどの点が違法であると主張するのか理解が難しい点もあるが)、被告会社としてこれに対応した反論を行う次第である。
 
第2 「職場環境配慮義務違反」の主張に対する反論
1 「ヘイトスピーチに当たる文書の配布行為」について
(1)原告は、「原告が主張しているのは、優越的な立場にある使用者である被告らが職場において多数の従業員に対しヘイトスピーチに該当することが明らかな文書を配布したことによって、職場で人種差別的言動が大きく助長されるという点である。したがって、使用者たる被告らが職場で配布した文書の内容が問題なのである」と主張する(原告第14準備書面21頁)。
(2)しかしながら、まず被告らが職場において配布した文書が「ヘイトスピーチに該当することが明らかな文書」であるということ自体、被告会社としてはこれを争うものである。
(3)また、原告の上記主張をあえて善解すると、「優越的な立場にある使用者」が職場で「ヘイトスピーチ」に該当する文書を配布したことにより、職場で人種差別的言動が大きく助長され、その結果原告個人が損害をこうむったため、その賠償を求めるという立論になるはずである。
   しかしながら、原告が「ヘイトスピーチに該当する」と指摘する表現の配布行為によって、具体的に被告会社においてどのような人種差別的言動が発生するようになったのか、それによってなぜ原告個人が損害をこうむったと言えるのかが今もって明確な主張がないのである。”

次回も第6準備書面について続きから紹介していきます。

フジ住宅の訴訟と裁判 第7準備書面

フジ住宅の訴訟と裁判に関する書面を、公式ブログから紹介しています。

”  そのような中、被告会社としてもその時々の原告主張を善解しながら反論を行ってきたものであるが、原告第14準備書面においては原告の主張について「被告らは正しく理解できていない」であるとか、「原告の主張とかみ合わない反論となっている」とか述べられているのは、まことに心外である。被告らとしては、変遷と混乱を重ねる原告の主張を何とか理解してかみ合った反論をすべく努力してきたし、今後も努力を続ける所存である。
2 原告は、「本件が表現の自由一般の議論ではなく、労働契約が個人の人格支配を目的とする契約ではないという労働契約の本質から生じる制約であり、同時に労働者に対する保護義務(人格権保障)のために使用者による指揮命令を制約する原理であり、労働者の人格権保障のための職場環境配慮義務違反が問題となる」と主張し(13頁)、原告第14準備書面においては被告らの行為の違法性が、専ら職場環境配慮義務違反の点にあるというような方向で整理している。
  原告はこれまで、「国際社会だけでなく、国内においても違法とされているものを、会社代表者たる被告今井が従業員らに対し大々的に拡散することなど決してあってはならないのである」(訴状6頁)として、被告ら配布文書における表現そのものが違法であって規制されるべきという主張を行っていたが、この度そのような主張をいったん脇に置いて、職場環境の問題に絞ったようである。
3 もっとも、その一方で、原告第14準備書面においても従軍慰安婦についての被告今井の見解について「歴史修正主義」とのレッテルを貼り、「歴史修正主義者たちはデマを広げることを目的としているため、論破されても従前の主張を改めることもなく、ただひたすら同じ主張をくり返すだけである。従軍『慰安婦』に関する被告今井の主張もこれと全く同じである」(49頁)、「歴史修正主義は、ヘイトスピーチ・ヘイトクライム、虐殺、戦争へと人を誘導するものなのである」(51頁)などとして、常軌を逸した激しい表現で、被告今井の見解を一方的に非難している。
  また、被告今井による従軍慰安婦の記述がある文書の配布について、『特に「慰安婦」に関しては、原告もそのような売春を厭わない女性の一員であるといわれ続けているのに等しい』(51頁)などと、あまりに論理の飛躍がある突飛な主張を行っている。
  このような原告の主張態度からして、形式上は職場環境の問題であるかのような外観をとりつつ、本件訴訟の実際の狙いは、自らと相いれない歴史観や政治的見解を萎縮させるところにあるのではないかと考えざるを得ない。 ”

次回も第6準備書面について続きから紹介していきます。

フジ住宅の訴訟と裁判 第7準備書面

フジ住宅の訴訟と裁判に関する書面を、公式ブログから紹介しています。

” 第1 はじめに
1 原告は、訴状において「職場環境配慮義務」「職場環境保持義務」に言及する一方、被告今井が配布する文書が「ヘイトスピーチ」にあたるという点を強調していた。そして、「国際人権法上、ヘイトスピーチは法律で規制すべき罪と考えられている」(5頁)、「国際社会だけでなく、国内においても違法とされているものを、会社代表者たる被告今井が従業員らに対し大々的に拡散することなど決してあってはならないのである」(6頁)などとして、被告今井の文書配布行為そのものを、職場で従業員に対して行うかどうかを問わず、どこで配布してもそれ自体違法であるかのような主張を行っているのである。
  原告は、訴状において、具体的にどの行為が不法行為にあたるのかについて特定していなかった。そこで被告らから特定を求めたところ、原告は第3準備書面~第5準備書面において、具体的表現を「ヘイトハラスメント一覧表」「ヘイトハラスメント(教科書関係)一覧表」という、訴状とは異なる類型で分類しながら列挙し、これらが「原告に対する債務不履行ないし不法行為を構成する違法行為」であるとしたのである。原告によればこの「ヘイトハラスメント一覧表」に列挙されている配布行為は「ヘイトスピーチないしヘイトスピーチに類する文書の配布行為に該当し、また同時に会長が信奉する政治的見解の配布行為にも該当する」(原告第7準備書面1頁)とのことであり、訴状で原告が行った類型との関係がますます混乱した。このような原告主張の変遷と混乱は、被告会社準備書面3の2~5頁において述べたとおりである。
  その後、裁判所による主張整理の努力もあって、文書配布行為は「ヘイトスピーチに当たる文書の配布行為」「人種差別・民族差別を助長する文書の配布行為」「政治的見解等の配布行為」の3類型に整理されるに至ったが、原告第12準備書面について複数回にわたり陳述留保・差し替えが行われるなど、依然として原告主張の変遷と混乱は続いている。”

次回も第6準備書面について続きから紹介していきます。

フジ住宅の訴訟と裁判 最新情報

今回はフジ住宅の公式ブログに掲載されていた最新情報をご紹介します。
以下、ブログから引用した文章です。

”弊社裁判を応援下さる皆様、いつも有り難うございます。
新しい年が始まり、既に3月に入りましたが、皆様におかれましては益々ご健勝の事とお喜び申し上げます。
さて、中断していた裁判ですが、裁判所より連絡があり、ようやく次の期日が決まりました。
次回裁判期日は、本年5月16日(木)14時。場所はこれまでと同様、大阪地裁堺支部です。
 
 
裁判開始当初は弊社を応援してくださる方が傍聴席に一人もいない状態から始まった当裁判ですが、おかげさまで、最近の期日では傍聴席の過半を弊社支援者で占める事ができているとの報告を受けており、本当に有り難く、皆様に深く感謝致します。裁判は皆様のおかげで、確実に、当方有利に進みつつあることを確信しています。
 
念のため、今回も以下に同じ事を繰り返しますが、弊社は今も社員である原告が毎回出廷していることを勘案して、裁判傍聴に弊社社員を一人も派遣せずにこれまで裁判を進めてまいりました。
裁判の状況を聞かれた皆様の中で、当方を支援してくださる機運が高まり、こうして多くの皆様が傍聴に来てくださるようになったことは本当に有り難く、社員一同心より感謝、感激しております。
 
弊社が当裁判に負けることは、原告を除くほぼ全ての、外国籍の方を含む社員全体が支持してくれている弊社の仕事の進め方、それを通じて広く社員が見識を高めてくれることを期待する社員育成の方法が採れなくなることを意味しており、弊社としましては、この点で、妥協できる余地は一切なく、弊社の存立に深く関わるこの経営のあり方を続けたいと思っております。
 
また、当方を応援して下さる方の中には、当裁判の帰趨が非常に重要な歴史的意味を持っており、日本国民として絶対に負けられない裁判であると言ってくださる方も多くおられます。
弊社と致しましても、万が一当裁判に負けるような事があれば、日本人全体の人権や、言論の自由が大きく毀損される事になるとの危機感を共有しており、弊社経営理念「社員のため、社員の家族のため、顧客・取引先のため、株主のため、地域社会のため、ひいては国家のために当社を経営する」をしっかりと守り、「ひいては国家の為に当社を経営する。」と述べている事に、嘘、偽りの無い姿勢を貫きたいと思っています。
また、更に、同様に、弊社がこのような、到底承服できない訴えによって当裁判に負ける事があれば、  
「健康経営銘柄2019選定企業」
「健康経営優良法人 2019(大規模法人部門)~ホワイト 500~ 認定法人」
「テレワーク先駆者百選 総務大臣賞受賞」
「DBJ健康経営格付最高ランク格付(2018年取得)」等、
多くの認定をいただき、『社員や、家族を何よりも大切にしている企業』との評価を国家、社会から頂いている弊社として、その評価を頂いている国家、社会に対して、まことに申しわけが立たない事になります。弊社は、当裁判に完全勝訴するまで争うつもりでおります。
どうぞ、皆様、引き続きご支援、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。
裁判期日までに皆様にご連絡すべき事項が生じた時は速やかにここに掲載してご連絡いたします。
皆様、本当に有難うございます。この場をお借りして、重ねて、心より御礼申し上げます。
 
次回第14回目の裁判は新元号元年5月16日(木)大阪地方裁判所堺支部。
時間は午後2時開廷、30分前の午後1時30分より傍聴券の抽選があります。
傍聴券獲得には、必ず午後1時30分までにお越しください。
どうぞ、皆様、引き続きご支援、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。
 
(編集責任 フジ住宅株式会社)”

次回は前回の続きから裁判関係の文書を紹介してきます。

フジ住宅の訴訟と裁判 第6準備書面

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”6 「原告に対する報復的非難・社内疎外を内容とする資料の配付」との主張について
  原告は、訴訟提起後の資料配布について、「原告に対する報復的非難・社内疎外を内容とする」ものであり、原告の「人格的自律権」と「職場において自由な人間関係を形成する権利」を侵害するものであると主張する。
 この点、「原告に対する報復的非難・社内疎外を内容とする」行為であり違法であるとの趣旨に対しては、被告今井第5準備書面7頁以下と被告会社第5準備書面1頁以下でも述べたとおり、本件は被告らにも十分に言い分もある事案であり、原告側の被告らに対する激しいネガティブキャンペーンにより被告会社のイメージやその従業員の心情が傷つけられている実情にも照らすと、社内にも被告らの言い分を伝達すべき正当性と必要性も認められることを改めて強調したい(なお、訴訟に関する会社の姿勢や従業員らの会社支持の意見を、被告会社が従業員らに伝えようとすれば、そこに原告も含まれることは避けられない。全社員配布の資料について、原告だけ配布対象から外せば、それはそれで差別的取扱いや疎外として非難を受けるように思われる)。
また、原告の行為を対象とした意見論評であるとしても、実名や所属部署などの個人を特定する情報が記されていないとか、過度に侮辱的ないしは人格攻撃的な書きぶりがされていないなどの表現態様にも鑑みれば、十分に法的に許容されうる内容と考えられる。よって、被告今井としては、引き続き強く争う。
 繰り返しとなるが、「世間での、提訴を支持し会社を批判してくれる報道や支援運動については、盛大にせよ。しかし、提訴に反発する声や会社を擁護する意見については、社内で従業員らに示したり自分に聞かせたりもするな。それは法的に許されない」というのは、あまりに一方的な主張ではなかろうか。
 原告の主張する被侵害利益のうち「人格的自律権」という点は、前記5でも述べたとおり自己決定が害されたという事実が認められないため、その主張は失当である。
  「職場において自由な人間関係を形成する権利」が侵害されたとの点については、原告に「職場において自由な人間関係の形成が阻害された」という具体的事実がないことは前記5で述べたところと同様である。
                                                                   以 上”

次回も第6準備書面について続きから紹介していきます。

フジ住宅の訴訟と裁判 第6準備書面

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”5 原告の主張する被侵害利益への疑念
 被告今井は、前記3(1)において、被告会社の職場環境配慮義務違反という形で原告が訴えている被害の実体は、感情的反感や政治思想的反発であると指摘した。
  かかる被害の内実は、原告の主張する「差別的な言動にさらされずに就労する権利、人格的自律権、職場において自由な人間関係を形成する権利」という被侵害利益とは異なるものである。つまり、原告に対しては、「差別的な言動にさらされずに就労する権利、人格的自律権、職場において自由な人間関係を形成する権利」の侵害はない。
 具体的に述べると、一般論として、1つめの「差別的な言動にさらされずに就労する権利」というものは「権利」という位置づけや呼び方が妥当なものかはさておいても、そのような法的保護に値する切実な利益が憲法13条の幸福追求権を根拠として認められうることは、被告今井も争うところではない。しかし、前記2で述べたように、被告らが社内配布した資料はヘイトスピーチでも差別助長文書でもなく、法的に許容される政治的意見論評ばかりであり、かつ、原告個人に向けた言論でもなく(但し、「原告に対する報復的非難・社内疎外を内容とする資料の配付」という行為類型に、実名は記されていないものの原告個人を念頭に置いたものが含まれるが、それについては後記6で述べる)、原告が就労の場面において「差別的な言動にさらされた」とは評価できない。
 2つ目の「人格的自律権」の侵害という点については、原告主張は、配布文書を閲覧したり、それに文書作成で応答したりすることが、「人格的自律を害する」というものであるが(原告第11準備書面7頁以下)、被告今井としては理解できない。人格的自律権というのは、言い換えると自己決定権であるが、配布文書の記載という他人の表現に触れただけで、仮にその者が不快感を感じたとしても、何ら自己決定が侵されたわけではない。もし、無理矢理に特定の思想内容の文書の作成と発表を強制されたら、自己決定権の侵害が生じるということは考えられるが、原告からはそのようなエピソードは主張されていない。むしろ逆に、原告は自己決定を貫き、例えば、1年目の教科書採択の際は、1か所目のアンケート会場には他の従業員に同行したがアンケートは書かず、さらに2か所目の会場には同行せず離脱している(被告会社準備書面3・11頁以下)。また、「部門長会議資料」については、原告はその所属部署の長である植木副部長に申し出をして配布対象から外してもらっている(被告会社答弁書3頁、被告会社第1準備書面別紙、被告今井第2準備書面7頁、被告会社準備書面3・10頁等)。それらの事実は原告も争っていない。
 3つ目の「職場において自由な人間関係を形成する権利」というものも、一般論として、「権利」という位置づけや呼び方が妥当かはともかく、幸福追求権の一環としてその種の法的保護に値する利益があることは被告今井も認める。しかし、本件では、原告に「職場において自由な人間関係の形成が阻害された」という具体的事実は見当たらない。
 結局のところ、原告が人格権の侵害という中で主張する3種の被侵害利益は、原告の主観における感情的な不快感、政治思想的な反発の域を超えていないといわざるをえない。”

次回も第6準備書面について続きから紹介していきます。

フジ住宅の訴訟と裁判 第6準備書面

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”(4)創業者や企業トップが従業員を全人格的に育成しようとすることの必然性
 パナソニックの創業者の松下幸之助は「松下電器は人をつくるところです。併せて電気器具も作っております」という名言を残している。
 そのように、日本の実業界には、経営における従業員育成にあたり、「人をつくる」つまり全人格的に立派な人を育て上げようとするとか、「心の持ちようや生き方を指南する」ということが、重要視される風土がある。
  被告今井第5準備書面3頁以下でも述べたが、「人格的な面も含めて、人を育てる」という企業での営為においては、内容や程度はさまざまであろうが、一定の思想信条や価値観も含めて伝達するという要素も排することはできない。
 本件の配布資料は、一定の思想や政治的見解を内容とするものであるが、企業理念を背景とした従業員の人格面の教育という目的からは、それも許容されると考えられる。
(5)従業員の多くから被告らの企業理念や従業員教育が支持されていること
  被告らの示す企業理念や行っている従業員教育は、被告会社内で従業員の多くから支持され、それが従業員の意欲や活力、自社への誇り、会社メンバーの一体感、社風の確立とその対外アピールなどの各方面で、実際に大きな成果を生んでいる。
  それを示す一例として、被告会社が全従業員に毎月配布している経営理念感想文から、従業員の「会社からの配布物への感謝」が示されたものを抜粋したものを、証拠として提出する。本件訴訟開始以前の平成26年2月度から平成27年8月度までの19か月分(乙17)と、本件訴訟開始以降の平成27年9月度から同年12月度までの4か月分(乙18)である。
 それらを一読すると、被告らの打ち出すメッセージが従業員にも共有され、個々人にとっても被告会社の事業にとっても各側面で好影響をもたらしていることが分かる。そこにも見られる被告今井の経営手法が、現在被告会社が企業として成功を収めている重要な一つの理由なのである。”

次回も第6準備書面について続きから紹介していきます。

フジ住宅の訴訟と裁判 第6準備書面

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”  かかる被告今井の考え方からすると、当然、保守的な論調の公刊物上の各種言論に親和性が生じる。それが、被告今井によるそういった内容の資料配布への動機となっている。
 留意いただきたいのは、その資料配布も、個人的な主義信条の押し付けというではなく、「顧客を家族同様に考え、品質保障などの顧客サービスを徹底する」という企業理念に密接関連しているという点である。
 また、資料配布や福利厚生施策を通じて従業員に働きかける被告会社の諸々の行為も、従業員を家族や同朋として認識し一体感を持ち、ともにこの国で生きていこうという被告今井の思いに由来している。
 そのような在り方は、「価値観の伝達」という意味で見方によっては「お節介」と評されるかもしれないが、そういった特色や独自性は、「(従業員との関係における)家族的経営」や「徹底的な顧客本位」という、フジ住宅という企業の特質、強みと不可分一体なのである。
(3)被告会社が取り扱う商品と企業理念の関係
  補足的に述べると、被告会社の上記のような企業理念や社風は、被告今井の心情や理想に由来するというだけでなく、被告会社が企業として扱う商品の性質とも必然的な関連性がある。
 被告会社は、分かり易く言うと、岸和田というローカルな町で創業した「地場の住宅メーカー」であり、民間住宅すなわち「地域の人々の家」がその基本的な商品である。
 その商品の特質としては、被告今井の表現によれば「家族をはぐくむ揺りかご」であり、長いスパンで何代もの家族を支える長期的な資産であり、地域で口コミを中心に支持を広げることが事業展開において重要ということが指摘できる。
  転売利益を追求する証券会社や、都市部中心の不動産会社、大規模な土木建築案件を主とするゼネコンなどと比較したときに、取り扱う商品や、関わる顧客層(営業基盤)、視野に入れている時間感覚、アピールポイントなどが全く異なるのである。
  被告会社の取り扱う商品のそのような特質からは、短期的な利益重視の姿勢とか、中央や国際重視の巨大ビジネス志向などとは対極の、伝統的、地域密着的な価値観や身近な人々を大事にする姿勢のようなものが重視される傾向が生まれやすい。少なくとも被告今井の中では、そういう自社の事業内容と先述の企業理念は固く結びついている。
 そして、そういった被告らの伝統的で土着的な価値観というのは、保守思想と通底するものである。
  その意味でも、被告今井がなしている資料配布は、単に個人的な思想信条の喧伝ではなく、企業理念と結びついた従業員教育として評価されねばならない。”

次回も第6準備書面について続きから紹介していきます。

フジ住宅の訴訟と裁判 第6準備書面

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”4 被告今井及び被告会社の企業理念の独自性と資料配布の関係-職場環境に関連して-
(1)創業者の思想と不可分な企業理念や従業員教育
  職場環境への配慮が強調されすぎると民間会社の経営や事業展開への重い足枷になるということは先述したが、それは要するに、創業者の思想に由来する各企業の独自の企業理念やそれを背景とした従業員教育のあり方が、ニュートラルな職場環境との間で、深刻な葛藤を生じうるからである。
 本件はそういう問題が顕在化している事案でもあることは被告今井第5準備書面でも記したが、以下、より具体的に、被告今井の起業の思想と被告会社の企業理念が、従業員教育としての本件資料配布にどう関連するのかを述べる。
(2)被告今井の起業の思想
  被告今井の基本的な思いは、その第2準備書面1頁以下でも詳述したが、書証のうちでそれを具体的に確認いただくのに最も適当なのは、従業員向け冊子「家族から始まる物語」(丙11)である。
 その冊子の内容の要点は、次のようなものである。
 ・戦後の日本の混乱と、被告今井が育った家の困窮。
  ・父母、兄、そして被告今井自身の家族への献身。
  ・勤め先での営業の努力と妻の支え。
 ・勤め人時代の悔しさから生まれた「品質責任」というフジ住宅創業の理念。
 ・その背景にあるのは、「家とは家族をはぐくむ揺りかごなのだと思います。」、「家族をはぐくむ家を届けたくて、私は会社をつくりました。」という思い。
 ・「まず社員であるあなたから幸せになってください。」
 ・「富士山みたいに愛される会社にしたい。」
 ・「もしも、お客様があなたの家族だとしたら。もしも、同僚があなたの家族だとしたら。自分さえよければいいなんて薄っぺらな発想は生まれない。そこにあるのは、心から相手を思いやる気持ちではないでしょうか。」
 ・「人はみんな、ひとつ屋根の下で暮らす家族なのだ。どうかそう思いながら、一緒に働きませんか。それをフジ住宅の働くルールにしませんか。」
  上記内容に、被告今井の起業の思想の本質が端的に現れている。
  家族愛、従業員や顧客も含めた同朋への献身、地域や共同体との一体感、日本という国への愛着等の強い心情を揺るぎない基盤として、家族を育む揺りかごとしての「家」(民間住宅)を高品質で届けるという決意がそれである。
 かかる被告今井の起業の思想は、被告会社の企業理念そのものであり、それらの背景である上記のような心情は、「保守の思想」と非常に通じる内容である。
 「営々と繋がれてきた市井の人々の暮らしに根ざし、そこでの家族愛を核にした他者への思いやりが、日頃接する人々(会社の仲間や顧客など)、地域、そして国にも同心円的に広がっていくことで、共同体意識が広く形成されるとともに倫理道徳が社会で共有され、その結果、個々人にも国にも進むべき道が見出せる」というような思考は、保守思想の典型的なものなのである。”

次回も第6準備書面について続きから紹介していきます。

フジ住宅の訴訟と裁判 第6準備書面

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”4 被告今井及び被告会社の企業理念の独自性と資料配布の関係-職場環境に関連して-
(1)創業者の思想と不可分な企業理念や従業員教育
  職場環境への配慮が強調されすぎると民間会社の経営や事業展開への重い足枷になるということは先述したが、それは要するに、創業者の思想に由来する各企業の独自の企業理念やそれを背景とした従業員教育のあり方が、ニュートラルな職場環境との間で、深刻な葛藤を生じうるからである。
 本件はそういう問題が顕在化している事案でもあることは被告今井第5準備書面でも記したが、以下、より具体的に、被告今井の起業の思想と被告会社の企業理念が、従業員教育としての本件資料配布にどう関連するのかを述べる。
(2)被告今井の起業の思想
  被告今井の基本的な思いは、その第2準備書面1頁以下でも詳述したが、書証のうちでそれを具体的に確認いただくのに最も適当なのは、従業員向け冊子「家族から始まる物語」(丙11)である。
 その冊子の内容の要点は、次のようなものである。
 ・戦後の日本の混乱と、被告今井が育った家の困窮。
  ・父母、兄、そして被告今井自身の家族への献身。
  ・勤め先での営業の努力と妻の支え。
 ・勤め人時代の悔しさから生まれた「品質責任」というフジ住宅創業の理念。
 ・その背景にあるのは、「家とは家族をはぐくむ揺りかごなのだと思います。」、「家族をはぐくむ家を届けたくて、私は会社をつくりました。」という思い。
 ・「まず社員であるあなたから幸せになってください。」
 ・「富士山みたいに愛される会社にしたい。」
 ・「もしも、お客様があなたの家族だとしたら。もしも、同僚があなたの家族だとしたら。自分さえよければいいなんて薄っぺらな発想は生まれない。そこにあるのは、心から相手を思いやる気持ちではないでしょうか。」
 ・「人はみんな、ひとつ屋根の下で暮らす家族なのだ。どうかそう思いながら、一緒に働きませんか。それをフジ住宅の働くルールにしませんか。」”

次回も第6準備書面について続きから紹介していきます。

フジ住宅の訴訟と裁判 第6準備書面

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”  加えて、この福岡事件では、配慮義務が「被用者の労務提供に重大な支障を来す事由」の発生防止の責任という形で、義務の発生について「重大な支障」という場面限定(要件)が付されていることも重要である。
  結局原告は、福岡事件判決の「職場」、「働きやすい環境を保つ」、「配慮する注意義務」といった単語の表面的な意味だけを取り出して、本件の先例であるかのような我田引水の議論をしているに過ぎない。
  もう1件の日本土建事件は、原告が特定の作業所に配属後、上司から極めて不当な肉体的精神的苦痛を与えられ続けていたのに、会社が原告に対する上司の嫌がらせを解消するベき措置をとらなかったことをもって、「被告の社員が養成社員に対して被告の下請会社に対する優越的立場を利用して養成社員に対する職場内の人権侵害が生じないように配慮する義務(パワーハラスメント防止義務)としての安全配慮義務に違反」していたと認定した事案である。ここでは、「職場環境」という言葉も使われていない。また、「職場内の人権侵害が生じないように配慮する義務」というのも、上司のパワーハラスメントや嫌がらせ行為を「人権侵害」として設定した議論であり、かつ、3者関係の紛争でもあり、前記事件同様、本件と類似性はほとんどない。
(5)ヌードポスターの職場掲示などの性的表現と、政治的言論の違い
  原告は、職場環境配慮義務違反の典型例として、社内でヌードポスターを貼る行為を挙げ、本件と環境型ハラスメントという点で共通である旨主張する(原告第2準備書面7頁、原告第14準備書面6頁以下等)。しかし、ヌードポスターの職場掲示などの性的表現と、政治的言論が、同列で議論されることにも疑問が大きい。
 性的な言動が職場に蔓延することの抑止という点で職場環境配慮の必要性が語られることは十分理解できるが、それは、そもそも性的な言動は純粋に私的なものであって職場に持ち込むべきでないことが倫理的に明らかということが背景にある。すなわち、環境配慮懈怠により被る労働者の「不快感」は、「性」という「私的・非公的」なテーマを、職場という一種「公的」な空間で露わにすることが職場環境にはマイナスであることについて異論がないことが、大前提になっているのである。
  しかし、本件で問題とされているような道徳感とも結びついた社会的、政治的な発言については、公的な側面があり、また、後述4のように企業理念や事業活動の目的とも結びつく場合があるために、職場に持ち込むことが一切禁じられるべき「負の要素」とは言い難いという、性的表現との大きな性質の違いがある。
  繰り返すが、政治的文脈における言論の自由は最大限尊重されるべきであり、違法となりうるのは、集団に対する表現であっても実際上は目の前の特定人に対して向けられたものであって、きわめて煽動的、攻撃的、侮辱的な用語をもってなされ、その属性を持つ人々が現実の迫害の危険を感じるもので、政治的意思決定プロセスにおける保護に値しない言論の場合に限られると考えられる。本件の配布資料は、そのような種類の表現では全くない。”

次回も第6準備書面について続きから紹介していきます。

フジ住宅の最新情報

今回は、フジ住宅の公式ブログから裁判の最新情報を紹介したいと思います。
以下、ブログからの引用です。

”皆様、いつも弊社を応援してくださり、有り難うございます。
裁判所よりの「和解」のお勧めもあり、中断していた裁判ですが、「和解不成立」により、裁判継続が決まりました。
今後の日程ですが、3月1日に裁判官と双方弁護士でおこなう「進行協議」で、次回の裁判期日が決まる事になりますので、裁判再開はそれ以降という事になります。
 
おかげさまで、ここ何回かの期日は、傍聴席の過半を弊社支援者で占める事ができているとの報告を受けており、本当に有り難く、皆様に深く感謝致します。裁判は皆様のおかげで、確実に、当方有利に進みつつあることを確信しています。
 
念のため、同じ事の繰り返しになりますが、弊社は今も社員である原告が毎回出廷していることを勘案して、裁判傍聴に当社社員を一人も派遣せずにこれまで裁判を進めてまいりました。
裁判の状況を聞かれた皆様の中で、当方を支援してくださる機運が高まり、こうして多くの皆様が傍聴に来てくださるようになって、傍聴席の確保は毎回当方有利な状況が益々はっきりしてきていると感じています。
本当に有り難く、社員一同心より感謝、感激しております。
 
弊社が当裁判に負けることは、原告を除くほぼ全ての、外国籍の方を含む社員全体が支持してくれている弊社の仕事の進め方、それを通じて広く社員が見識を高めてくれることを期待する社員育成の方法が採れなくなることを意味しており、弊社としましては、この点で、妥協できる余地は一切なく、弊社の存立に深く関わるこの経営のあり方を続けたいと思っております。
 
また、当方を応援して下さる方の中には、当裁判の帰趨が非常に重要な歴史的意味を持っており、日本国民として絶対に負けられない裁判であると言ってくださる方も多くおられます。
弊社と致しましても、万が一当裁判に負けるような事があれば、日本人全体の人権や、言論の自由が大きく毀損される事になるとの危機感を共有しており、当社経営理念「社員のため、社員の家族のため、顧客・取引先のため、株主のため、地域社会のため、ひいては国家のために当社を経営する」をしっかりと守り、「ひいては国家の為に当社を経営する。」と述べている事に、嘘、偽りの無い姿勢を貫きたいと思っています。
 
なお、次回裁判期日についてですが、上記お伝えしましたように、裁判所が原告、被告双方に「和解」の打診をして下さっていましたが、結局「和解」は不成立となりました。
次回期日が決まり次第、このブログで速やかに皆様にお知らせいたします。どうぞ、皆様、引き続きご支援、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。
 
皆様、本当に有難うございます。この場をお借りして、重ねて、心より御礼申し上げます。
皆様、どうぞ良い御年をお迎えください。      (編集責任 フジ住宅株式会社)”

次回はまたかこの書面の内容を紹介したいと思います。

フジ住宅の訴訟と裁判 第6準備書面

フジ住宅の訴訟と裁判に関する書面を、公式ブログから紹介しています。

” 福岡事件は、部下の女性との対立関係に関連してその女性の異性関係をめぐる行状や性向についての悪評を流す等した上司の行為に対する適切な対処を怠った会社幹部について、被用者のために働きやすい職場環境を維持するよう調整する義務への違反が存するとして、会社の使用者責任が認められた事例である。
 この件では、使用者には「労務遂行に関連して被用者の人格的尊厳を侵しその労務提供に重大な支障を来す事由が発生することを防ぎ、又はこれに適切に対処して、職場が被用者にとって働きやすい環境を保つよう配慮する注意義務もある」と判示されているものの、ここでいう「被用者の人格的尊厳を侵しその労務提供に重大な支障を来す事由」というのは、上司のセクシュアルハラスメントや嫌がらせ行為が念頭に置かれての議論であり、「働きやすい環境」というのも、そういった悪質行為がないといった程度の意味で論じられている。
 「会社の政治的中立性」や「職場の思想的(保守的)な雰囲気」が「環境」として争点となっている本件とは、相当事案の種類が異なる。
 また、この福岡事件は、上司のセクハラという「原告女性にとって良くない環境」を会社が調整しなかったという3者構造の紛争であり、会社が第三者的立場で職場環境配慮義務を負うとしたものである。しかし本件は、原告の主張によれば、原告が被害者、被告らが一体の加害者という2者間の利害の衝突であり、福岡事件と紛争構造が全く相違している。その点でも、福岡事件判決がいう職場環境配慮義務という概念を、本件に適用しようということには無理が感じられる。”

次回も第6準備書面について続きから紹介していきます。

フジ住宅の訴訟と裁判 第6準備書面

フジ住宅の訴訟と裁判に関する書面を、公式ブログから紹介しています。

”(3)「職場環境配慮義務」を根拠とした表現規制の民間企業への悪影響
  もし、原告が言うところの「職場環境配慮義務」を十分に遵守しようとすれば、職場は思想的に左右のいずれにも偏ってはいけないし、さらには、左派・右派の対立軸に集約されない多様なテーマに関するさまざな意見も「政治的な見解」であれば、繰り返し資料配布することは法的に問題ということになろう。
  しかし、その結果として、社内では「全方面ノンポリ」な資料しか配れない、思想的に無味中立な社員教育しかできないというような企業社会が出現した場合、そこは、おそらく、別の意味で非常に息苦しい環境に違いないであろう。民間企業が全て、公務員のような政治的中立性に縛られるようなことになると、会社にとってだけでなく、労働者にとっても不自由で活気を欠く職場になるのではなかろうか。
 そういった状況下では、民間企業のエネルギーや、自由で多様なビジネスアイディアなどが、欠乏していくことも必然である。被告今井第5準備書面1頁以下にも記したが、「特色を出す」というのが私企業発展の生命線であり、各企業にさまざまな在り方が認められることが資本主義社会の大前提なのである。その在り方の一つとして、一企業が思想的に一定のカラーを帯びることも許容されて当然のように思われる。
  そして、本件に即して言えば、被告今井が保守、愛国の思想信条を事業と無関係に従業員に喧伝しているのではなく、被告会社の企業理念や営業施策とも必然的に結びついているということも重要である。それについては、後記4で詳述する。
(4)原告が主張する内容の「職場環境配慮義務」が認められた例は裁判例上存在しない
  原告は、福岡セクシュアルハラスメント事件判決(福岡地裁平成4年4月16日。以下「福岡事件」という。)や日本土建事件判決(津地裁平成21年2月19日)において、職場環境配慮義務の存在が肯定されていると主張するが(原告第14準備書面17頁)、本件訴訟で原告が主張するような内容の職場環境配慮義務が、それらの判決で認められているわけではない。”

次回も第6準備書面について続きから紹介していきます。

フジ住宅の訴訟と裁判 第6準備書面

フジ住宅の訴訟と裁判に関する書面を、公式ブログから紹介しています。

” 「環境」というのは、ニュートラルな概念である。保守的な言論は環境を害するが、リベラルな言論は環境を害さない、というものではない。もし、原告の言うように「職場環境への配慮」を強調し、「政治的主張の記された表現に曝されると、異なる思想を有する者の人格的自律が脅かされたり私的な領域への介入になるので、配布すべきでない」とするならば、いずれ、そういった組合ビラの類も、「その内容に不快を感ずる者がいる」という理由で、賃上げ要求等の労働組合の本来的活動以外のものは、その配布が、使用者との施設管理権や職場秩序維持との関係ではなく、労働者個々人の人格的利益との関係で、規制されかねない。つまり、会社が配布を許容しているとしても、個々の労働者が、職場環境配慮義務を理由に、会社や組合に損害賠償や差止の請求をなすというようなことも考えられる。
 原告は、「労働者に対して優位に立つ会社や経営者が配布するのが問題なのだ。使用者側ではない労働組合が配布する場合は、抑圧的に働かないから問題はない」と反論するのであろうが、本当にそういう議論にとどまるものなのであろうか。
 会社や経営者が、雇用する労働者の環境に配慮する義務があるという立論ならば、その延長上で、組合も、その職場で働く組合員以外の労働者の環境の維持に一定は協力せねばならないという帰結になりうるように思われる。
 職場環境には、会社だけでなく、組合も各労働者も影響を与えうる。会社側は職場環境を整えなくてはならないが、組合は会社が整えた職場環境を乱しても構わないというのは、無理があるのではないか。職場環境配慮義務そのものの主体は会社であるとしても、「会社が整えた職場環境の維持」には、組合も個々の労働者も協力すべきという解釈に発展しうる。
 つまり、「職場環境配慮」という論は、組合あるいは個々の労働者の表現の自由への規制を正当化する理屈にもなりうるように思われる。
  そのような点で、本件訴訟における原告主張も、「気に入らない内容の表現を違法と指弾し、黙らせることができて、良かった」ということで終わるのかというと、そういう保障はまるでなく、ブーメランのようにたちまち自らに返ってくる危険を孕んでいる。それが、表現の自由の規制拡大の、誰にとっても怖いところである。そういった「職場環境配慮義務」を根拠とした表現規制の危険性も踏まえて、本件においては慎重に法的な評価が加えなければならない。”

次回も第6準備書面について続きから紹介していきます。

フジ住宅の訴訟と裁判 第6準備書面

フジ住宅の訴訟と裁判に関する書面を、公式ブログから紹介しています。

” 「自分にとって不快、反感が湧く」という非常に主観的な感覚が、「職場環境配慮」という一見客観化した呼び方にすり替えられ、いかにも客観的な規範らしく語られているだけなのである。
(2)「職場環境」によりリベラルな言論も社内で制約される危険あり
 仮に原告が「主観ではない。好き嫌いではない。内容に関係なく政治的な資料が配布されることが問題なのだ」と主張を貫くのならば、思想的な左右に関係なく、およそ政治性や政治性を帯びた資料は社内配布できないということになろう。しかし、それが本当に良いことなのであろうか。
 例えば、官民問わず、労働組合が、労働条件改善要求等の本来的な活動にとどまらない内容の、思想的主張(「安保法制反対!」等)や政治的活動(イベント等への動員への協力要請も含まれる)を記したビラ等をかなりの頻度で配布している職場は存在する。使用者側がそういったビラ配布行為も許容ないし黙認し、施設管理権により禁止はしていない場面も多い。
 しかし、職場には多様な思想の労働者がいて当然であるから、そういったビラ等の内容に感情的反発や政治思想的反感を抱く個々の労働者も、一定割合は存在しているであろう。”

次回も第6準備書面について続きから紹介していきます。

フジ住宅の訴訟と裁判 第6準備書面

フジ住宅の訴訟と裁判に関する書面を、公式ブログから紹介しています。

”3 「職場環境配慮義務」との主張に対して
(1)「職場環境配慮」というのは感情的反発の言い換えに過ぎない
  原告は「職場環境配慮義務」を会社が労働者に対して負うと主張し、逃げられない環境である職場で優位な立場にある会社が労働者に対して政治的な内容を含む資料を多量に配布することは労働者の人格や自由への配慮を欠き違法である旨主張する(原告第14準備書面13頁以下等)。
 しかし、本件で、原告の人格や自由への配慮を欠いている資料配布であると主張されているものは、被告らが縷々述べているとおり、ヘイトスピーチでもなく、人種や民族への差別(助長)を内容とするものでもなく、政治的見解や歴史認識が内容となっているものである。「教科書動員」と分類される資料もそうである。
 そして、資料の内容が、保守的な論調であるがゆえに原告から問題にされていることも明白である。もし社内配布資料が、リベラルあるいは左派的な内容であるとすれば、それと親和性のある思想を有する原告は全く問題視しないのであろう。 
 つまり、原告の本件の損害賠償請求は、「資料の記載が、異なる思想を有する自分にとって、内容的に不快」というところを実質的理由としている。
 結局のところ、原告が受けたという被害の実体は、表現内容に対する感情的反発や政治思想的反感なのである(「差別的な言動にさらされずに就労する権利、人格的自律権、職場において自由な人間関係を形成する権利」という被侵害利益の主張への疑問については後述)。”

次回も第6準備書面について続きから紹介していきます。

フジ住宅の訴訟と裁判 第6準備書面

フジ住宅の訴訟と裁判に関する書面を、公式ブログから紹介しています。

”  上記の論述は、政府(国)が国民の表現行為を直接に規制しうるかという議論に関するものであり、被告らの表現行為が原告に対して不法行為となるかという私人間の問題である本件とは、想定する局面が若干異なる。
 しかし、仮に本件訴訟で被告らの資料配布が不法行為や債務不履行等に該当すると判決で認定された場合、同種の表現の自由の行使は、違法性のある行為として間接的にではあるが法的に禁じられた状況となる(判決理由が尽くされたとしても、適法な資料配布と違法なそれの境界を明確に示すことは非常に困難であろうから、企業社会での類似の言論行為にも、多大な萎縮的効果をもたらすと予想されることも付言しておきたい)。
さらに、次の段階では同種の「違法」表現行為の差止請求訴訟という形で、裁判所という国家機関の助力をもって私人の表現活動が事前に直接規制される事態に発展する。
 表現の自由と名誉やプライバシーの関係が問題となった「北方ジャーナル」事件や「エロス+虐殺」事件も、民民の紛争ではあるが、表現の自由への国家規制とイコールの問題として憲法論の観点から極めて慎重な考慮がなされたことに留意されねばならない。”

次回も第6準備書面について続きから紹介していきます。

フジ住宅の訴訟と裁判 最新情報

今回は、フジ住宅の裁判に関する最新情報を紹介します。
以下内容はフジ住宅の公式ブログからの引用です。

”11月1日に開かれた第13回目の当裁判に、前回に引き続き、約70名の、弊社を応援してくださる皆様が、傍聴券獲得の抽選にお越しくださいました。
今回、抽選の最終番号(125)から判断して、原告側を超える人数の皆様が、弊社応援に駆けつけてくださっている情況が、前回よりも顕著になっている事が分かり、大変心強く思っております。
おかげさまで、前回に引き続き、傍聴席の過半を弊社支援者で占める事ができたと報告を受けています。
皆様、本当に有難うございます。この場をお借りして、心より御礼申し上げます。
 
前回の繰り返しになりますが、弊社は今も社員である原告が毎回出廷していることを勘案して、裁判傍聴に当社社員を一人も派遣せずにこれまで裁判を進めてまいりました。今回も同様で、傍聴席に弊社社員は一人もおりません。
裁判の状況を聞かれた皆様の中で、当方を支援してくださる機運が高まり、こうして多くの皆様が傍聴に来てくださるようになって、前々回、前回、今回と、
三度続けて、傍聴席の過半を確保してくださいました。本当に有り難く、社員一同心より感謝、感激しております。
 
今回の期日に、当方弁護士が提出した『フジ住宅 第8準備書面』、『今井会長 第7準備書面』及び、法廷で弁護士が朗読したその『要旨』を以下に掲示しています。
どうぞご一読いただけますと幸いです。
 
今回、当方弁護士は、会社が裁判開始前1年間に、全社員対象に配布した「経営理念感想文」の分厚い束2662ページを、2つのファイルに綴じて机上に置き、原告側が「膨大な量のヘイト文書」などと喧伝している「中韓」への批判的な文章は、何と全体の0.03パーセント、その『分厚い2662ページの束』の1ページにも満たないことを、法廷で、傍聴人の皆様によく分かるように示してくれたと報告を受けています。
これまで、何度か原告側弁護士は、法廷で同様に文書の束を積み上げ、その大半が彼らが言う「ヘイトハラスメント文書」であるかのような印象操作をしてきた事は明らかで、今回、当方弁護士によって、起こされている裁判の本質が、象徴的に示された瞬間であったと思います。
「御社がおかれている情況がよく分かった。」と、多くの支援してくださる皆様からの声が会社に届き、嬉しく思っています。
 
弁護士の朗読内容のその部分は、以下の通り「フジ住宅 第8準備書面 要旨」にあります。ぜひ本文全体をご覧下さい。
「被告会社が配布している経営理念感想文等の中には、確かに中国・韓国を批判する表現が含まれていることはあるが、それは全体の中のごくごく一部である。例えば原告の訴訟提起前1年間に配布された経営理念感想文のうち、中国・韓国を批判する内容を含むものが3通あるが、その3通も全文が中国・韓国の批判というわけではない。頁数的に言えば、中国・韓国の批判は全体の中のごくごく一部に過ぎず、全てあわせてせいぜい1頁にも満たないのであり、全ページに占める割合は2662頁中のうち1頁、わずか0.03パーセントである。」
 
また、今回、当方弁護士は、原告弁護団が弊社について「ヘイト行為を繰り返している」と訴えている、弊社社員対象の無償の書籍、及び各種資料の配布(ただし読むことを強制していない。)の内容、方法について、原告や、原告弁護団の訴えとは正反対に、どれほど多くの社員がそれを支持し、感謝の気持ちを表明してくれているか、裁判官に正確に状況を把握していただきたく、弊社社員が、弊社配布資料に感謝してくれている内容の「経営理念感想文」を裁判が始まる前、裁判開始以後併せて250名以上分を、前々回の期日に、裁判所に「証拠」として提出していることについて、再度の正確な認識を裁判官に求めてくれています。
 
弊社が当裁判に負けることは、これほど多くの社員が支持してくれている弊社の仕事の進め方、それを通じて広く社員が見識を高めてくれることを期待する社員育成の方法が採れなくなることを意味しており、弊社としましては、妥協できる余地は一切なく、弊社の存立に深く関わるこの経営のあり方を続けたいと思っております。
 
また、当方を応援して下さる方の中には、当裁判の帰趨が非常に重要な歴史的意味を持っており、日本国民として絶対に負けられない裁判であると言ってくださる方も多くおられます。
弊社と致しましても、万が一当裁判に負けるような事があれば、日本人全体の人権や、言論の自由が大きく毀損される事になるとの危機感を共有しており、当社経営理念「社員のため、社員の家族のため、顧客・取引先のため、株主のため、地域社会のため、ひいては国家のために当社を経営する」をしっかりと守り、「ひいては国家の為に当社を経営する。」と述べている事に、嘘、偽りの無い姿勢を貫きたいと思っています。
 
なお、次回裁判期日についてですが、現在、裁判所が原告、被告双方に「和解」の打診をしておられ、まだ決まっていません。次回期日が決まり次第、このブログで速やかに皆様にお知らせいたします。どうぞ、皆様、引き続きご支援、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。

(編集責任 フジ住宅株式会社)”

フジ住宅の訴訟と裁判 第6準備書面

フジ住宅の訴訟と裁判に関する書面を、公式ブログから紹介しています。

”  カ 市川正人教授の論考より
  上記のような被告今井の主張の正当性は、表現の自由と人権の関係について述べた市川正人教授の論考「表現の自由②-表現の自由と「人権」-」(判例時報社『法曹実務にとっての近代立憲主義』47頁以下)中の、人種差別や人種等を異にする集団に対する暴力行為の煽動を処罰する法律(ヘイトスピーチ規制法)の合憲性に関する下記のような論述(同書61頁以下)によっても裏付けられる。
「『思想の自由市場』論からすれば、言論には言論で対抗するのが原則であり、言論で対抗する余裕がないような緊急の場合にのみ言論が禁止できるのが原則である。そうすると、差別や暴力行為の煽動についても、少なくとも言論が重大な害悪を発生させる蓋然性が明らかであり、かつ、害悪の発生が差し迫っている場合にのみ言論を処罰しうるという『明白かつ現在の危険』の基準が妥当すべきであるということとなろう。」
「ヘイトスピーチについては、『思想の自由市場』論、対抗言論の原則は妥当しない、あるいは、限定的にしか妥当しないという批判がある。(…中略…)しかし、人種差別の煽動に対しても、基本的に差別の不当性を主張する言論によって対抗することが可能である。」
「また、そもそも『思想の自由市場』論においては、本来、だれでもが思想の自由市場に登場することを禁止されていなければいいのであって、表現行為のしやすさや思想内容の受け入れやすさは問題とならない。それゆえ、実際に反論することが困難であるとか、反論が有効性をもたないがゆえに『思想の自由市場』論は十分には機能しないので、当該表現を禁止すべきだという主張は、『国家の規制によってこそ健全な思想の自由市場が確保されるという理解』をとるものであって、『思想の自由市場』論に立つ表現の自由論に大きな修正を加えようとするものである。しかし、こうした立論を安易に認めれば、『〈思想の自由市場〉の実質的な保障』、『表現の自由を守るため』といった名目で、国家による広い範囲の表現行為の禁止が認められることになり、表現の自由の保障は大きく損なわれることになるであろう。」”

次回も第6準備書面について続きから紹介していきます。

フジ住宅の訴訟と裁判 第6準備書面

フジ住宅の訴訟と裁判に関する書面を、公式ブログから紹介しています。

”  オ 思想内容を否定することへの違和感
 さらに指摘すると、原告の被告らへの批判の中には、表現の許容性を超えて、「そういう思想や考え方、歴史観自体がけしからん。間違っている」というような主張すら散見される。例えば、原告第14準備書面49頁以下では、被告らの配布資料に見られる歴史認識について、原告は、「歴史修正主義」とレッテルを貼り、「ヘイトスピーチ、ヘイトクライム、虐殺、戦争へと人を誘導するもの」等と断罪している。また、原告第14準備書面55頁以下や、原告第6準備書面22頁以下では、日本人の美点や日本の歴史の誇るべき点を語ることも、人種差別的思想のあらわれであり不当なメッセージとなるかのように主張されている。そして、それらの主張は実質的に、被告らの資料配布が内容的に違法な表現であるという理由の一つの支えとされている。
 原告のそういった考え方自体が被告今井には到底理解、共有できないが、何より、訴訟という法的な議論の中で、かように思想信条の内容そのものにまで否定的評価が強調され違法評価の理由とされることに、被告今井としては、強い違和感を抱く。
 そういった原告主張の特徴からすると、本件訴訟の実情は、ヘイトスピーチ論や職場環境配慮義務という理論に名を借りた一種の思想的政治的闘争であるとみなさざるをえない。
  被告今井としては、本件訴訟において、思想や歴史認識自体の当否に立ち入って闘争するつもりもない。それらは、裁判所に持ち込まれるのが相当なものでは全くなく、「思想の自由市場」に委ねられるべき次元の事柄である。
 被告今井としては、指摘されている資料の記載が、配布すること自体が許されないような類のものか、そして原告個人の権利利益を侵害するものであるのかを、文脈も踏まえて冷静に評価いただくことを求めるのみである。”

次回も第6準備書面について続きから紹介していきます。

フジ住宅の訴訟と裁判 最新情報

フジ住宅の訴訟と裁判に関する書面を、公式ブログから紹介していますが、今回は裁判に関する最新情報をご紹介します。
以下、引用した部分です。

”皆様いつも弊社を力強く応援してくださり、有難うございます。
皆様のご支援のおかげで、裁判は当方に有利に進展しているとの感触を持っています。
皆様のご期待を裏切る事の無い様、弊社は全社一丸となって、今後も高い倫理観を保って仕事に邁進したいと思っております。

さて、裁判所より連絡があり、集合時間を10分早めたいとの事です。
次回第13回目の裁判は11月1日(木)大阪地方裁判所堺支部で開かれます。
開廷時間は前回と同じで 午前11時開廷ですが、開廷40分前の午前10時20分より傍聴券の抽選をはじめるとの事です。

皆様。傍聴券獲得には午前10時20分までにお越しください。
 
前回も、おかげさまで傍聴席の過半を弊社支援者で占める事ができました。
本当に有難うございます。この場をお借りして、心より御礼申し上げます。
皆様、どうぞ、引き続きご支援、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。
 
(編集責任 フジ住宅株式会社)”

次回から、また裁判の文書の内容を紹介したいと思います。

フジ住宅の訴訟と裁判 第6準備書面


フジ住宅の訴訟と裁判に関する書面を、公式ブログから紹介しています。

”エ 言葉狩り/国家による言論統制の危険
  原告は、被告会社の社内で配布された資料について、ヘイトスピーチに該当する、あるいは差別的で法的にも許容され難い内容であると繰り返し主張し、その第14準備書面(21頁以下)では、文脈を一切無視して「こういう言葉を述べること自体許されない」旨の指摘を重ねる。また、その第15準備書面(7頁)では、表現自体がヘイトスピーチや人種差別に該当すれば、状況や文脈に関係なく違法であるとの暴論まで述べているが、それらはもはや、表現の自由の意義を無視した「言葉狩り」である。
 仮に被告らが配布した資料が、もしリベラルとか革新的とか左派色といわれるような論調のものであれば、いかに苛烈な表現であっても量的に多いものであっても、原告は問題視はしないのであろう。とすれば、原告は、自身の政治思想や歴史観に相容れないものについて、ヘイトスピーチ、差別表現だとレッテルを貼っているものと被告今井とすれば受け止めざるを得ない。
 しかし、「こんなことは言ってはならない。そんなきつい言い方はしてはいけない」などということが道徳やマナーの次元を超えて、法律上打ち出されるということは、極めて危険なことである。「ヘイト表現は許さない」という理屈は、一歩間違えば、「日本(人)一般に対するヘイト表現も不可」というように、国家による言論統制を正当化する方便に使われかねない。”

次回も第6準備書面について続きから紹介していきます。

フジ住宅の訴訟と裁判 第6準備書面

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” 本件の資料に見られる例えば従軍慰安婦問題をめぐる韓国や韓国人への批判は、かつて韓国を植民地としていた日本との歴史的な関係を背景にした韓国(人)からの日本(人)に対する批判に対するリアクションであり、仮に嫌悪感情がそこに含まれていたとしても、政治的言動としての性質上、その問題に直接関連していない特定の個人に対する攻撃ではないことは明らかであって、それによって「韓国民族」に属する「在日」の人物(たとえば原告)が不快感を感じたとしても、不法行為にいう違法な侵害行為が存在しないのである。
 上記の本質的な疑問については、実質的に原告は反論できていない。あえて言えば、「職場環境配慮義務」という論理をもってその難点を糊塗しようとしているようであるが、かかる論理の問題点については後記3で述べる。
  ウ 違法性阻却事由を被告らが主張しているわけではない 
  原告第14準備書面では、原告は、「被告らは、意見・論評なので、人種差別・ヘイトスピーチであったとしても違法性が阻却されると主張している」というようなまとめがされているが(5頁以下)、被告らはそのような主張はしていない。
 内容や文脈からして法的に許容される意見論評であり、かつ、人種差別表現にもヘイトスピーチにも該当しないため、そもそも違法な行為ではないというのが被告らの主張である。
  被告今井が第4準備書面の2頁以下で、「意見・論評の表明による名誉毀損の成否」に関する「公正な論評の法理」を参考にした議論はしたが、名誉毀損表現と人種差別表現が同一の枠組みで違法性やその阻却が判断されるとは被告今井も考えていない。
 被告今井は上記議論において、意見・論評による名誉毀損表現においては、「人身攻撃に及ぶなど意見ないし論評の域を逸脱したもの」かどうかが問われるのであるから、人種差別表現の法的評価においてもかかる要素が吟味されるのが相当であろうということを述べたに過ぎない。”

次回も第6準備書面について続きから紹介していきます。

フジ住宅の訴訟と裁判 第6準備書面

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”(2)原告の各種主張に対する個別の反論
  ア はじめに
    原告は、ヘイトスピーチないし人種・民族への差別助長を内容とする資料を被告らが配布していると主張するが、被告らとしては、配布資料がヘイトスピーチでも差別助長文書でもないということは主張の大前提としたうえで、原告のかかる主張について、差別表現と表現の自由の観点から、反論をなす。
  イ 人種差別表現は名誉毀損表現・プライバシー侵害表現と同列の表現内容規制との主張に対して
 原告は、人種差別表現は、名誉毀損表現・プライバシー侵害表現と同列の表現内容規制だと主張するが(原告第14準備書面5頁)、少なくとも、本件のような私人間での損害賠償請求の局面において、それらを同列に位置づけるのはあまりに乱暴である。
 名誉毀損やプライバシー侵害は、個人の被害者が特定されており被侵害利益も明確であるが、人種差別表現は必ずしもそうではない。人種差別表現であるから、当然に不法行為の要件を満たすというものではない。むしろ、集団に対する表現それ自体は、仮にそれが人種差別的な表現を一部に含むものであったとしても、個人に対する不法行為は成立しないというのが先例である(被告今井第1準備書面1頁以下)。
 改めて整理して述べると、民族的集団に対する政治的な批判の言動(一部に侮蔑的な言葉や差別的な表現が一部含まれることはありうるが、迫害や排除の煽動という狭義での「ヘイトスピーチ」には至らないもの)は、不法行為や職場環境配慮義務における「違法性」の判断との関係では、原則として違法性を帯びない。理由は次のとおりである。
 不法行為においては、保護法益(人格権等)を持つ「個人」の「個別的権利や法的利益」に対する侵害であるときに違法性が認められるのであり、言論による「攻撃」(侵害行為)が特定の個人に向けられたものではないとき、そもそもその個人に対する違法な侵害自体がないと言える。”

次回も第6準備書面について続きから紹介していきます。

フジ住宅の訴訟と裁判 第6準備書面

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”カ  別表2「6」
 この部分の「韓国は永遠に捏造する国家」という部分も、「韓国の大統領がアメリカ議会で日本を『正しい歴史認識なければ明日はない』と批判して」いたことについての北本友一なりの意見論評である(甲22・1004頁)。
 他国とはいえ、政府の外交姿勢に批判を加える言論が許されないとされるのは、到底理解し難い。
  原告は、十把一絡げにした本質主義などと批判するが、反論になっていない。
  また、原告は、自らに対しても批判の矛先が向くと感じるのは、「こうした言説構造に起因する」などとも板垣意見書を援用して述べるが、他国の対外政策の批判をするにあたり、他者が独自に解釈する「言説構造」まで考えて表現を選ばなければ、個人への差別で違法などと指弾されるのは、恐ろしいことである。
  キ 別表2「7」ないし「16」
 別表2「7」ないし「16」についても、原告の反論内容は、長々とした修飾が施されているが、要は「『韓国は~だ』、『韓国人は~だ』と否定的な言葉を用いて叙述するのは差別だ」という一点を繰り返しているだけである。
 しかし、①国家間の歴史的政治的課題や、現代韓国の実情やエピソードを題材とした政治的意見論評であり、差別ではない、②韓国という国家の姿勢や施策に対する批判を個々の、あるいは全ての韓国人に対する批判と受け取るのはおかしい、③書きぶりや言葉も到底ヘイトスピーチとされるような表現ではないといった被告らの反論については、原告は何ら答えていないに等しい。
 個々の資料上の表現についての被告今井の反論は、被告今井第4準備書面7頁以下で述べたとおりである。”

次回も第6準備書面について続きから紹介していきます。

フジ住宅の訴訟と裁判 第6準備書面


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”オ 別表2「5」
  原告はここでも、「歴史を捏造してでも相手を謝罪させることによって、常に立場の優劣をはっきりさせねば気が済まない民族」等の記載をもって、十把一絡げの否定的評価、歴史否認などと論難する。
 しかし、ある民族の特定の側面について否定的な表現をしただけで、即ち差別だと断定するのは、あまりに単純にして極端な決めつけである。
  そもそも、問題とされる文章の筆者は、従軍慰安婦に「強制連行」はなかったにもかかわらずそれを認めず、日韓基本条約締結とそれによる賠償金支払いにより解決した問題についてさらに賠償金を要求する韓国の姿勢はおかしいという認識のもと、そのような姿勢に表れている民族としての特性について、自身なりの意見論評を述べているに過ぎない(甲24・97、98頁)。
 さらに、ここで論評されている民族や韓国人という概念も、「従軍慰安婦問題に関する韓国の国家的見解を支持する政治単位としての国民」が想定されているのであって、「個々の韓国人全て」とか「在日を含む全韓国人」という趣旨で書かれているものでもないことは、通常一般人の読解力をもって読めば理解できることである。”

次回も第6準備書面について続きから紹介していきます。

フジ住宅の訴訟と裁判 第6準備書面

フジ住宅の訴訟と裁判に関する書面を、公式ブログから紹介しています。

” イ  別表2「2」
  原告は、中宮崇氏が用いた「差別ニダ!」とか「在日朝鮮族」という言葉(甲3・132頁)が揶揄や「通例ではない表現」であるとか、金教授の出自に触れずに批判することが可能だったはずであるとか、「○○人はみんな○○だ」と決めつけるのは人種差別主義的表現だ等々述べている。しかし、それらの原告指摘は、ヘイトスピーチへのあてはめから大きく逸脱し、表現の質や、意見内容の当否に関する議論をなしているに過ぎない。
  原告が中宮氏の言論について、「不適当だ」「こう書くべきだろう」というような次元の主張をすることは自由であるが、ヘイトスピーチとして、そもそも法的に許容され難い人種差別言論なのかというのが、争点のはずではないのか。
  ウ 別表2「3」  
  原告は、「韓国のずるさ、卑劣や嘘つきぶりは世界でも類を見ないであろう」(甲24・105頁)との記載について、「国も国民も民族も一緒くたにして」韓国人などに対して否定的な性格づけがされていて、それと対をなすように日本人は善良な存在として語られているという言説構造があり、そのような言説がなされる理由は、日本の歴史の「負の部分」を消去ないし最小化しそれらの問題の源泉を「韓国(人)」に投影しているからだという板垣教授の解説を引用している。こういった主張にもいくつもの疑問がある。
  そのような独自の心理分析も一つの解釈として提示されることは構わないが、法律的なヘイトスピーチ該当性というのは、そのような踏み込んだ意味解釈を経なければ、あてはめができないものなのであろうか。深遠な分析を経て、「差別的心情」を無理に見いだし、違法言論というレッテルを貼る作業が、果たしてフェアなのであろうか。
 韓国や韓国人に関する表現にも、
① 国際政治や歴史に関する特定のテーマを題材とした差別とはいえない批判
② 読み手が深読みすれば、韓国への差別的な心情が潜んでいるとも解釈できるような意見や感想
③ 人種差別であることが言葉や表現として明らかな言論
④ 排除、害悪告知、著しい侮蔑などの要素を備えたヘイトスピーチ
というようなさまざまな段階があるはずである。しかし原告は、本件での配布資料を、実態は①のレベルの表現に過ぎないものを、独善的な解釈を施して②にあたると強弁し、さらに、特に理由付けもしないまま、それは差別である以上、すなわち③、さらには④にも該当し違法というような、理解し難い論理の飛躍を述べているといえる。
 そして何より、被告らが繰り返し述べている、当該記述は「従軍慰安婦強制連行問題」という重要な国際問題や政治的な課題についての意見等の論述であり、そういった政治的言論の表明は、単なる特定の民族に対する侮辱的表現とは別に、表現の自由により何よりも保障されねばならないのではないかという疑問には、原告は結局のところ答えられない。”

次回も第6準備書面について続きから紹介していきます。

フジ住宅の訴訟と裁判 第6準備書面

フジ住宅の訴訟と裁判に関する書面を、公式ブログから紹介しています。

”2 配布資料がヘイトスピーチないし差別助長文書であるとの主張に対して 
(1)ヘイトピーチにあたる文書の配布行為とされる点への再反論
 原告第14準備書面21頁以下では、被告らが配布した文書の表現(原告第11準備書面別表2)がヘイトスピーチに該当しないとの被告らの主張に対する原告の反論が述べられているので、以下再反論をなす。
  ア 別表2「1」
 原告は、被告今井が紹介した映像(甲23・75~85頁)は「排除を煽動するものではない」ことは認めている。その点は、被告今井の資料配布の意図が正しく理解されたものと考える。
 YouTubeの記事付随の第三者のコメントに「在日は死ねよ」という言葉が紛れ込んでいたことについて、「丹念にヘイトスピーチ、人種差別を探し、該当するものを削除、抹消しなければならなかった」と原告が指摘する点は、そのような処置が望ましかったというレベルの意見としては、被告今井としても特段に異を唱えるものでもない。
 しかし、「過失」でそのような処置を漏らしたことが、ヘイトスピーチとして法的に違法評価されるわけではない。ヘイトスピーチの定義は曖昧であるが、少なくとも、積極的な害意あるいは故意がなく、過失で配布資料の末端に差別的な言葉を混入させてしまったケースまで、「あなたがした行為はヘイトスピーチだ」として行為者を責めるのは、法的評価として不当である。
 本件においては、「在日は死ねよ」というのは、被告今井が述べたり記載した言葉ではないことにも留意が必要である。被告今井自身がそういう記述をしたものが、うっかり流出したというケースでもないのである。
 被告今井が日頃、「在日は死ねよ」とかそれに類する排除的、差別的メッセージを流布していたわけでもないことは、原告を含めた従業員らはよく承知している。そのため、「在日は死ねよ」という言葉が資料の末端に偶々載ったからといっても、読んだ者が、被告今井が在日韓国人について「排除を煽動している」と受け取るはずもない。”

次回も第6準備書面について続きから紹介していきます。

フジ住宅の訴訟と裁判 第6準備書面

フジ住宅の訴訟と裁判に関する書面を、公式ブログから紹介しています。
今回から、フジ住宅の公式ブログから第6準備書面を紹介します。

”1  はじめに
  原告は、その第13準備書面における整理により、(ア)「ヘイトスピーチないしこれに類する(人種的民族的差別を助長する)資料配布」が被告らの不法行為ないし債務不履行とされる「行為類型」の一つであり、その「違法性・責任根拠」が、被告会社については「職場環境配慮義務違反」で、被告今井については原告の人格権の侵害であり、原告の「被侵害利益」は、「差別的な言動にさらされずに就労する権利、人格的自律権、職場において自由な人間関係を形成する権利」であるとする。
 そして、(イ)「政治的見解等の配布」、(ウ)「教科書動員」、(エ)「原告に対する報復的非難・社内疎外を内容とする資料の配付」という各行為類型は、被告今井については、「人格的自律権、職場において自由な人間関係を形成する権利」という人格権の侵害であり、被告会社については「職場環境配慮義務違反」であるという。
 上記(ア)の主張については、実質的には、違法性の内容が、①配布資料がヘイトスピーチないし差別助長の内容であるという点と、②職場環境配慮義務という点と、③原告の人格権の侵害(被侵害利益)という点の3要素あり、それらが組み合わさって請求根拠とされているものと被告今井としては理解する。
 それらの各要素について、以下、反論と、被告今井としての主張の補充をなす。
  ②職場環境配慮義務と、③原告の人格権侵害(被侵害利益)という点は、上記(イ)、(ウ)、(エ)の原告主張の要素でもあるので、以下述べるところは、それらの主張への反論も含んでいる。”

次回も第6準備書面について続きから紹介していきます。

フジ住宅の訴訟と裁判 第5準備書面

フジ住宅の訴訟と裁判に関する書面を、公式ブログから紹介しています。
今回はフジ住宅の公式ブログから、第5準備書面を紹介します。

”第6 結論
以上のとおり、対外的イメージおよび高い意識を持って働く社員群という被告会社にとって最大の財産が、原告およびその支援団体の活動によって毀損される現実的危険が生じており、その対処として本件訴訟に対する被告会社の見解を対外的に発表し、対内的にも本件訴訟についての会社および社員達の見解・感想を伝達したものである。
したがって、被告らが本件訴訟提起後行った資料の配布行為はその目的においても正当であり、その手段・態様としても少なくとも違法性を帯びるようなものではなく、不法行為は成立しない。
                             以 上”

以上がフジ住宅の主張です。次回は続きの内容を紹介していきたいと思います。

フジ住宅の訴訟と裁判 最新情報について

フジ住宅の訴訟と裁判に関する書面を、公式ブログから紹介しています。
今回はフジ住宅の公式ブログに記載されていた、最新情報を紹介します。

”平成30年8月2日(木)第12回目の期日へのお礼。及び次回裁判期日のお知らせ。

8月2日に開かれた第12回目の当裁判に、前回に引き続き、約70名の、弊社を応援してくださる皆様が、傍聴券獲得の抽選にお越しくださいました。
今回、抽選の最終番号(131)から判断して、前回に引き続き、原告側を超える人数の皆様が、弊社応援に駆けつけてくださった事が分かりました。
 
おかげさまで、傍聴席の過半を弊社支援者で占める事ができたと報告を受けています。
皆様、本当に有難うございます。この場をお借りして、心より御礼申し上げます。
 
前回の繰り返しになりますが、弊社は今も社員である原告が毎回出廷していることを勘案して、裁判傍聴に当社社員を一人も派遣せずにこれまで裁判を進めてまいりました。今回も同様で、傍聴席に弊社社員は一人もおりません。
裁判の状況を聞かれた皆様の中で、当方を支援してくださる機運が高まり、こうして多くの皆様が傍聴に来てくださるようになって、前回、今回と、傍聴席の過半を確保してくださいました。本当に有り難く、社員一同心より感謝、感激しております。
 
今回は原告側弁護士が準備書面を朗読する順番でしたので、当方として今すぐここに裁判資料として掲載する文書はございませんが、必要が生じれば、各種文章、資料をここに掲載してゆきますので、時々このブログを見に来てくださいますと幸甚です。”

次回からまた第5準備書面の内容を引用して紹介していきます。

フジ住宅の訴訟と裁判 第5準備書面

フジ住宅の訴訟と裁判に関する書面を、公式ブログから紹介しています。
今回も第5準備書面の内容です。

”(2)経営理念感想文等の配布
ア 被告会社社員から提出される経営理念感想文等のうち、他の社員の参考になったり、有益であったりと被告会社が判断したものについて、全社員宛に配布するということは、従前から行われていたことである。
そのような中、特に本件訴訟が提起された直後と、被告会社が対外的に本件訴訟についての見解を発した直後は、社員にとって大きな関心事であったこともあり、本件訴訟についての感想・意見が書かれた経営理念感想文等が数多く提出された。被告会社としては、このように数多く提出されている本件訴訟に関する記載をあえて全社員配布の対象から外すことも不適当であるし、本件訴訟提起の報道および原告側支援者の活動によって社員に不安と動揺が広がる中、他の社員が本件訴訟について考えていることを伝えることは社員を元気づけるものであるし、被告会社にとっても社員に誇りをもって仕事をしてもらい、士気の低下を抑えるという観点から有益であると考え、その一部を全社員配布の対象としたものである。
本件訴訟についての意見や感想が書かれた経営理念感想文等を全社員宛に配布したのは以上のような経緯であり、被告に対する「報復的非難」や「社内疎外」を意図したものではない。
被告会社は、本件訴訟が提起された後も、従前と何ら変わらず原告を処遇している(もちろん、誕生日の花束や親孝行月間の寸志付与も変わらず行われている)。それどころか、本件訴訟提起後も被告会社に在籍している原告に配慮し、訴訟対応を担当する部署の社員ですら裁判傍聴に行かせないようにするなどの配慮を行っているものである。
イ なお、被告会社が全社員宛に配布した経営理念感想文等の内容は、原告にとっては意に沿わない内容かもしれないが、それは自らが愛着を持っている勤務先会社が訴えられたことに対する意見・感想という性質上、やむを得ないことである。
そもそも、原告も、その支援団体と共に会社が社員と共に長年にわたり築き上げてきた資産である会社イメージを毀損しかねない運動を大々的に展開しているのであるから、これに対する自衛措置によって不快感を持つことがあっても一定程度受忍すべきである。しかるに、原告の主張によれば、訴訟の提起によって動揺もあるが皆で団結していこうとの意見や(原告第12準備書面別表1の1・「1」「30」「32」「39」「53」「63」)、被告会社の立場に理解を示す顧客に対しての感謝(同「17」)を述べれば「社内疎外」、訴訟における原告の主張と異なる事実・主張を述べたり(同「14」「23」「55」「57」「59」「71」)、自らが勤務している会社が訴訟を起こされたことについて残念、腹立たしい、悲しい等の感想(同「8」「29」「33」「60」)を述べたりすれば「報復的非難」として許されず、その意見・感想が書かれた文書を配布すれば不法行為にあたるとのことであり、およそ理解しがたい。
なお、原告第12準備書面の別表においては、被告会社への批判記事に対して殴り倒してやりたい気持ちですと書かれているのに、「原告に対する報復的非難であり、加害行為の示唆まで行うもの」とまとめられ(同「11」)、報道内容について腹立たしいと書かれているのに、「原告に対して『腹立たしい』と報復的に非難し」とまとめられる(同「38」)など、そもそも経営理念感想文等における記述の趣旨そのものを捉え間違っているものが随所に見られる。”

次回もフジ住宅の裁判に関する情報を紹介したいと思います。

フジ住宅の訴訟と裁判 第5準備書面

フジ住宅の訴訟と裁判に関する書面を、公式ブログから紹介しています。
今回も第5準備書面の内容です。

”2 社員に対する伝達
(1) 社内での説明
上記のとおり、被告会社は、本件訴訟が提起されたことで社員に不安と動揺が広がる中、原告の立場を慮り、本件訴訟に関する見解を正式に発表することは控えていた。
そのような中、土地活用事業部の営業会議において担当役員から、被告会社は人種差別・民族差別を行った事実はないという説明を行ったことはあったが、それ自体何ら非難されるようなことではないことは当然である。ところが、原告はこの説明について「被告会社の一方的な意見」と断じた上で、上記説明を聞いて安心したとの被告社員の感想が書かれた経営理念感想文を社内配布したことについて「組織的な意思統一を図り、原告を社内疎外している」などとしてこれが不法行為にあたると主張するのであるが(原告第12準備書面別表1の1・「35」「42」「48」)、およそ理解しがたい。
また、本件訴訟についての被告会社の見解を公表後、その内容を社内に伝達することも何ら非難されるようなことではなく(民事訴訟は公開されている)、なぜこれが不法行為にあたるというのか、およそ理解しがたい。”

次回もフジ住宅の裁判に関する情報を紹介したいと思います。

フジ住宅の訴訟と裁判 第5準備書面

フジ住宅の訴訟と裁判に関する書面を、公式ブログから紹介しています。
今回も第5準備書面の内容です。

”記

「知らない方が見れば活字になっている以上、内容が虚偽であろうが、誤解であろうが、その内容だけが一人歩きしてしまっております。」(甲35の1・215頁)
「ネットのほとんどが悪く書いてるのが気に食わないです。」(甲35の1・227頁)
「社内に少なからず動揺の色が漂ったことが残念です」(甲35の1・343頁)
「フジ住宅に何かあったらどうしようという不安も感じ」(甲35の1・405頁)
 
また、被告会社の社員がマスメディアから取材を受け、被告会社を一方的に悪者と決めつけるような質問を受けたりもしていた(丙19 平成29年5月15日付け経営理念感想文)。こうしたことが、被告会社社員を大きく動揺させ、不安を感じさせていたことは容易に推認できる。
(4)以上のとおり、本件訴訟提起を伝える報道や原告側支援団体の活動により、被告会社の対外的イメージが悪化し、社員の士気が低下する危険が現実的に発生していたのである。
  
第5 対外的イメージ悪化、士気低下への対処として被告会社がとった措置
1 対外的メッセージ発信
被告会社としては、原告が裁判を行う一方で被告会社社員として勤務を続けていることを斟酌して、本件訴訟についての被告会社の見解を対外的に発信することは控えてきた。しかしながら、原告側支援団体の活動はますますエスカレートしていき、被告会社としても世間から「何も反論できることがないから黙っているのではないか」と受け止められかねないため(実際、被告会社に入社した者も、入社前に「やましい事があるからコメントできないんじゃないのか?」と感じたと述べている。甲96の4の25)、このまま何の反論もせずに放置することはできない状況となった。
そこで、被告会社は本件訴訟についての見解を対外的に発信することとし、被告会社ホームページにおいて平成29年4月から順次、「訴訟に関する弊社の考えと原告支援団体の主張に対する反論」「訴訟に関する基本的考え方」「平成29年6月29日の口頭弁論を経て、皆様に知っておいていただきたいこと」と題する文章を掲載したものである(丙2の5 被告会社ホームページ「訴訟・裁判に関する当社の主張」)。”

次回もフジ住宅の裁判に関する情報を紹介したいと思います。

フジ住宅の訴訟と裁判 第5準備書面

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今回も第5準備書面の内容です。

”(4)さらに、原告側支援団体は、大手企業の社内労働組合に協力を要請し、当該労働組合本部は、各支部に対し、ノルマつきで組合員や家族から署名をとることを求めているようである。また、原告側支援団体から個人に対し、署名を求めるダイレクトメールも送付されている(丙18 「ヘイトハラスメント裁判」の公正な審議・判決を求める署名)。
(5)これら、原告側支援団体によって大々的に行われている活動においては、常に被告会社が「ヘイトハラスメント」を行ったとの喧伝がなされているのであり、被告会社が長年築き上げた対外的イメージが悪化する現実的危険が生じていた。
3 被告会社が被った具体的影響
(1) 顧客に与える影響
上記のとおり原告側支援団体を中心に被告会社が在日コリアンを差別しているかのような喧伝がなされたことにより、それまで順調に進んでいた商談が破談するというような実害が生じている(甲95の3の10)。
また、被告会社の顧客である地主から被告会社担当者に対し、「『ヘイトハラスメント』裁判の公正な審議・判決を求める署名」がダイレクトメールで届いたとの連絡もあった。こうした原告支援団体による行動が、被告会社の顧客を動揺させるものであることは言うまでもない。
(2) 採用活動への悪影響
本件裁判のことが理由で内定辞退者が出るなど、被告会社の採用活動にも影響が出ている(甲94の4の2)。
被告会社に入社した社員が書いた経営理念感想文において、「ネットで調べていると裁判の話が上がっていて、正直に申し上げますと少し不安を持ってしまっていました」との記述があることからすると(甲96の4の25)、顕在化はしていないところでも採用活動には相当の悪影響が出ているものと推測される。
(3) 社員の動揺
本件訴訟が提起されたことを伝える報道は、被告会社社員に大きな不安・動揺を与えていた。このことは、例えば被告会社社員が書いた経営理念感想文における下記のような記述からもうかがえる。”

次回もフジ住宅の裁判に関する情報を紹介したいと思います。

フジ住宅の訴訟と裁判 第5準備書面


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今回も第5準備書面の内容です。

”第4 本件提訴の報道や原告の支援者の活動によって、被告会社の対外的イメージが悪化し、社員の士気が低下する現実的危険にさらされたこと
1 本件提訴の報道
本件における原告の主張は、当初より「ヘイトスピーチ」「ヘイトハラスメント」などという極めてネガティブなイメージを想起させる言葉を用いて、被告会社が人種・民族差別を行う会社であるかのようなレッテルを貼ることに力点が置かれていた。このため、本件提訴を伝える報道も、一般人が見れば被告会社が人種・民族差別を行い、社員に特定の思想を強要している会社であるかのような印象を持ちかねない内容であった(丙15の1~5 朝日、毎日、日経、読売、産経記事)。
2 原告側支援団体の活動
(1) また、原告側支援団体は、「ヘイトハラスメント裁判を支える会ホームペー
ジ」を立ち上げて、原告側に立った主張を縷々展開している。
(2)上記ホームページにおいては、上記団体が作成した会報もアップされているが、そこには毎回「支援者集会参加者からのメッセージ」が多数掲載され、その中には「醜悪きわまりない。今井会長一派との闘いを心から支援」「ひどい会社」「社員たちを洗脳教育しヘイト的な活動に動員する会社」「とんでもない戦争実行の教科書を強要する経営者の蛮行」などとして、原告側の主張をもとに被告会社のイメージを悪化させるような数々の表現がなされている(丙16の1 ヘイトハラスメント裁判を支える会 会報vol.2)。
(3)また、原告側支援団体は街頭でも活動を展開しており、被告会社本社近くの南海電車岸和田駅前など複数の駅前で、横断幕を掲げて街宣・署名・チラシ(丙17)配布を行っている(丙16の2 ヘイトハラスメント裁判を支える会 会報vol.7)。平成29年9月28日発行のヘイトハラスメント裁判を支える会 会報vol.8(丙16の3)においては、鶴橋駅前で街頭宣伝とチラシ配布が行われたことが報告されているが、その報告文書においては、「フジ住宅は、生野区内でも分譲地を開発して販売を行っています。社内で在日コリアンに対するヘイトスピーチを文書で配布しながら、一方で在日コリアンを顧客として利益を得ている訳です」などと、被告会社が在日コリアンを差別しているなどという事実に反することを前提にした不当な喧伝がなされている。”

次回もフジ住宅の裁判に関する情報を紹介したいと思います。

フジ住宅の訴訟と裁判 第5準備書面


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今回も第5準備書面の内容です。

”エ さらに、社員が有給休暇をきちんととれるよう年5日分を計画付与し、法定の有給休暇とは別に社員の誕生日には誕生日休暇を付与しているのも、社員の家庭生活の充実を願ってのことである。
オ 本件において原告から非難されている社内での資料配布も、その目的は社員が私生活を含めて充実した、幸せな生活を送るために有益と思われる情報を提供することであり、その内容は自己啓発や健康や子育て等多岐にわたる。書籍そのものを配布することもあり、例えば「道は開ける」(丙12)「ツキの大原則」(丙13)といった自己啓発本や、「教師・親のためのこども相談機関利用ガイド」(丙14の1~2)などの子育て関係の本なども全社員に配布している。
(4)多様性の尊重
ア これまで述べてきたことからも分かるとおり、被告会社は社員自身に幸せになってもらうという目的において正社員とパート社員とを区別することは行っておらず、パート社員に対しても正社員と同程度の手厚い福利厚生が用意されている。
    勤続5年から5年ごとの節目に行われる永年勤続賞は、パート社員も対象となっており、原告も平成29年3月に勤続15年表彰を受けている。
イ また、被告会社においては、役職者に女性が多数登用されている。
ウ 被告会社内には原告の他にも外国籍の社員が多数いるが、その扱いにおいて差別されることは当然ない。そもそも、社内取締役5名のうち2名は、元在日コリアンなのであり、社内で国籍による差別など行われる土壌にないことは明らかである。
エ 以上のとおり、被告会社は他の会社に先駆けて多様性を尊重する姿勢を鮮明にし、実際そのとおりに取り組んでいるのであり、「差別」「ヘイト」とは対極にある会社なのである。
3 このように、明確な理念のもと、社員を徹底的に大事にし、その成長の手助けをすることにより、被告会社にとって最大の財産の一つである、意識の高い社員群が築かれたのである。
4 なお、本件において問題とされている歴史的認識に関する資料の配布についても、これまで述べた被告会社の理念・姿勢との関係で捉えると、その配布の趣旨が理解しやすい。
すなわち、長期視点から顧客のためになる仕事をし、顧客に幸せを与えるということを目的に動くことになるため、その担い手である社員一人一人が「自分のため」「会社のため」というような狭い視点ではなく、「世のため人のため」というような広い視野で動く必要がある。そのため、地域社会、ひいては被告会社やその社員が仕事をさせて頂いている日本という国家に対する貢献を意識すべきという発想が根底にある。
そして、社員を単なる労働者と見るのではなく、社員やその家族が私生活の充実も含めて幸せになることが、顧客のためにも会社のためにもなるという発想がベースになっているため、仕事とプライベートとでドライに線引きするのではなく、社員の幸せのためにプラスになりそうな措置を積極的に行っている。その一環として、健康や子育ての情報、歴史認識の問題に関する情報などを資料で提供しているが、もちろん読む・読まないは個人の自由であり、そのことは繰り返し社員に周知している。
なお、歴史認識については、自国の文化・歴史に対して誇りを持つことが、家族を含めた周囲の人たちへの感謝の気持ちにつながり、ひいては自分自身および周囲の人に幸せをもたらすという考え方に立っている。もちろんこの点について賛否両論があることは認識しており、会社としてその考えを社員に強制する意図はない。”

次回もフジ住宅の裁判に関する情報を紹介したいと思います。

フジ住宅の訴訟と裁判 第5準備書面

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今回も第5準備書面の内容です。

”被告会社は、この制度のために年間400万円以上の経費を投入しており、いかに社員の身体的・精神的健康の維持に力を注いでいるかがわかる。
エ それ以外にも、被告会社は全事業所に、健康に良いとされている電解還元水の整水器を設置するなど、他の会社にはあまり見られないようなきめ細やかな配慮がなされている。
オ こうした被告会社における社員に対する健康保持の意識の高さおよび取り組みが評価され、日本政策投資銀行による健康経営格付けにおいては最高ランクを取得している(丙10の1 日本政策投資銀行ホームページ)。
また、経済産業省が日本健康会議と共同で認定を行う「健康経営優良法人2017大規模法人部門(ホワイト500)」に認定され(丙10の2 経済産業省ホームページ)、経済産業省が東京証券取引所と共同で選定を行う「健康経営銘柄2016」にも選定されるなど(丙10の3 経済産業省ホームページ)、社員の健康増進に関して非常に高い社会的評価を得ている。
(3)社員の家庭・私生活の充実を企図した措置
ア 被告会社においては、社員が悩みやストレスなく明るく元気でいるためには、社員の私生活の充実、特に家族との良好な関係を保つことが大事であるとの考えから、社員がそれぞれの家族と豊かな私生活を過ごせるための配慮を数々行っている。これは、創業者である被告今井の「家とは、家族をはぐくむ揺りかご」であり(丙11 「家族からはじまる物語」)、顧客に家族との幸せな生活を育んでもらう住宅を提供するのが業務の目的である以上、それを扱う社員自身の家庭生活が豊かで充実したものでなければならないとの信念に基づくものである。
イ 具体的には、毎年4月を「親孝行月間」と位置づけ、全社員に親孝行のための寸志として1万円を支給している。もちろん、原告に対しても毎年支給されている(丙1の4、丙1の13)。
ウ また、結婚記念日等には会社から社員の自宅に花束が贈られており、原告についてもその義父と義母の結婚記念日に毎年会社から花束が届いており、原告もそのことについて感謝の念を述べている(丙1の12、丙1の24)。”

次回もフジ住宅の裁判に関する情報を紹介したいと思います。

フジ住宅の訴訟と裁判 第5準備書面

フジ住宅の訴訟と裁判に関する書面を、公式ブログから紹介しています。
この会は第5準備書面の内容です。

”(2)社員の健康に配慮した数々の措置
   被告会社においては、社員の健康に配慮した様々な措置を講じている。
ア まず、定期健康診断においては、法定内検査項目に加え、大腸ガン検査、乳ガンエコー検査、腫瘍マーカー、ピロリ菌検査等も検査費用は全額会社負担で実施している。
定期健康診断は、被告会社の事業所内で、勤務時間中に実施することにより、任意検査も含め100%の受診率を達成している。
また、健康維持の必要性に正規社員も非正規社員もないとの考え方から、健康保険組合未加入の短時間勤務者に対しても社員と同じ検査メニューの健康診断を実施している(丙2の4 会社HP「健康の保持・増進」)。
イ また、被告会社において酸素ボックス(定価1580万円)を2台購入し、平成27年5月18日より、派遣社員や出向社員も含む全社員が利用可能となっている(丙7の1 平成27年5月13日付け「酸素ボックスご利用開始の件」)。
被告会社の社員は、上記酸素ボックスを1回100円という安価で、業務時間内外問わず利用することができる(丙7の2 平成27年6月10日付け「酸素ボックス運用ルールの件」」)。このことからも、被告会社は社員の健康を何よりも優先していることがわかる。
ウ さらに、福利厚生の一環として、24時間受付体制が整っており、各分野の専門家に深夜でも電話相談できる「えらべる倶楽部」に被告会社の費用負担のもと全社員が加入しており、被告会社の社員は本人以外の2親等内の親族まで同サービスを利用することができる(丙8 平成24年10月31日付け回覧「えらべる倶楽部 無料相談サービスのご案内」)。この制度は、平成24年10月段階で、900名以上、延べ3000回以上利用しており、社員からも感謝の声が多数寄せられている(丙9の1 平成28年11月14日付け経営理念感想文、丙9の2 平成28年11月15日付け経営理念感想文、丙9の3 平成28年12月1日付け経営理念感想文)。”

次回もフジ住宅の裁判に関する情報を紹介したいと思います。

フジ住宅の最新情報

今回はフジ住宅の裁判に関する最新情報の紹介です。

”5月17日に開かれた第11回目の当裁判に、70名近い、弊社を応援してくださる皆様が傍聴券獲得の抽選にお越しくださり、抽選の最終の人数(135)から判断して、今回初めて原告側を超える人数の皆様が弊社応援に駆けつけてくださった事が分かりました。おかげさまで、傍聴席の過半を弊社を応援してくださる皆様が確保できたと報告を受けています。
皆様、本当に有難うございます。この場をお借りして、心より御礼申し上げます。
 
前回の繰り返しになりますが、弊社は今も社員である原告が毎回出廷していることを勘案して、裁判傍聴に当社社員を一人も派遣せずにこれまで裁判を進めてまいりました。今回も同様で、傍聴席に弊社社員は一人もおりません。
裁判の状況を聞かれた皆様の中から、自然発生的に当方を支援してくださる機運が高まり、皆様が傍聴に来てくださるようになり、その数は回を重ねるごとに増え続けていて、今回も前回を上回る多数の皆様がお越しくださった事を知りました。社員一同大変感謝、感激しております。
 
皆様、本当に有難うございます。重ねて御礼申し上げます。
 
今回の期日に提出した当方の『第6準備書面』、『第7準備書面』及び、当日法廷で当方弁護士が朗読したその『要旨』を以下に掲示しています。
どうぞご一読いただけますと幸いです。
 
なお、今回、原告弁護団が弊社について「ヘイト行為を繰り返している」と訴えておられる、弊社社員対象の無償の書籍、及び各種資料の配布(ただし読むことを強制していない。)の内容、方法について、原告や、原告弁護団の訴えとは正反対に、どれほど多くの社員がそれを支持し、感謝の気持ちを表明してくれているか、裁判官に正確に状況を把握していただきたく、弊社社員の「経営理念感想文」を裁判が始まる前、裁判開始以後併せて250名以上分を、「証拠」として、当方弁護士を通じて裁判所に提出いたしました。
 
弊社が当裁判に負けることは、これほど多くの社員が支持してくれている弊社の仕事の進め方、それを通じて広く社員が見識を高めてくれることを期待する社員育成の方法が採れなくなることを意味しており、弊社としましては、妥協できる余地は一切なく、弊社の存立に深く関わるこの経営のあり方を続けたいと思っております。
 
なお次回第12回目の裁判は8月2日(木)大阪地方裁判所堺支部 午前11時開廷、30分前の午前10時30分より傍聴券の抽選があります。傍聴券獲得には午前10時30分までにお越しください。
どうぞ、皆様、引き続きご支援、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。
(編集責任 フジ住宅株式会社)”

次回もフジ住宅の裁判に関する情報を紹介したいと思います。

フジ住宅の訴訟と裁判 第5準備書面

今回もフジ住宅の裁判に関する第5準備書面の紹介です。

”ウ また、この「聞けばいいだけ、言えばいいだけ」の考え方を周知徹底していることをあらわす一つの象徴的施策として、社員が直接会長・社長に質問できる機会が提供されている。
すなわち、事業部ごとに時期をわけて会長・社長による質問会が実施され、パート社員も含めた全社員が、年1回会長・社長に直接質問する機会がある(丙4の1 平成27年8月25日発信 今井会長「建設事業本部『私(会長)への質問会』開催ご案内と事前質問のご提出をお願いしたい件」、丙4の2 平成27年9月3日発信 宮脇社長「住宅流通事業部 ホームバンク事業部合同『私(社長)への質問会』開催ご案内と事前質問のご提出をお願いしたい件」)。 
さらに、質問表を提出した者に対して、会長・社長・専務等の経営者が直接内線で電話して回答し、雑談を交えながら1時間くらい話をする(丙5の1 平成28年12月1日付け経営理念感想文、丙5の2 平成29年4月15日付け経営理念感想文)
エ さらに、被告会社においては、パートを含めた全社員が会社に直接提案できる制度を設けている。提案は年間数千通におよび、被告今井はそのすべてに目をとおしている。
オ 以上のような風通しの良い社風により、会社勤めにありがちな悩みやストレスを感じなくて良いと述べる社員が多く存在するのである(丙6の1 平成26年9月13日付け経営理念感想文、丙6の2 平成28年3月16日付け経営理念感想文、丙6の3 平成28年9月15日付け経営理念感想文、)。”

フジ住宅の企業としての風通しの良さがわかる内容となっています。訴訟を起こされる原因はどこにもないように感じました。
次回もこの続きから紹介していきます。

フジ住宅の訴訟と裁判 第5準備書面

今回もフジ住宅の裁判に関する第5準備書面の紹介です。

”第3 意識の高い社員群がいかに築かれたか
1 社員を大切にする理念
被告会社は、「社員のため、社員の家族のため、顧客・取引先のため、株主のため、地域社会のため、ひいては国家のために当社を経営する」を経営理念としている(丙2の2 会社HP「CSR~当社創業の精神」)。第1を「社員のため」としているのは、顧客に心から幸せになってもらうという目的を達するため、まずは働く社員が幸せ~悩みやストレスなく明るく元気~でいることが何より重要だと考えているからである。
すなわち、被告会社にとって、対外的信用と、社員を大切にすることとは、密接不可分の関係にあるのである。
2 具体的実践
被告会社は、単に理念として掲げるだけでなく、以下のとおり実際に社員が悩みやストレスなく明るく元気でいるための様々な具体的実践を行っている。
(1)風通しの良い社風
ア 被告会社においては、悩みやミスを一人で抱え込んでしまうことが大きなストレスにつながるとの考えのもと、「聞けばいいだけ、言えばいいだけ」の理念を、常日頃から社員に周知徹底している。
イ この「聞けばいいだけ、言えばいいだけ」という考え方は、心につかえている事を上司にありのまま伝えてアドバイスを求めれば上司は適切にアドバイスし、ミスをしてもありのまま発信すれば手厚いフォローが得られるという前提の上に成り立っている。
すなわち、「聞けばいいだけ、言えばいいだけ」を社内で機能させるためには、上司の方にも適切なアドバイスをする能力と度量の広さが求められる。 
このため、被告会社においては役職者に対する教育も熱心に行い、人事評価においては上司からだけではなく、同僚・後輩・他部署から多面的に評価する「360度人事評価」を採用し、上司となるべき人材の選定、育成には非常に力を入れている。”

様々な企業がある中で、フジ住宅は企業の将来を見据えたうえで人材育成に力を入れているという印象を受けました。
次回もこの続きから紹介していきます。

フジ住宅の訴訟と裁判 第5準備書面

今回もフジ住宅の公式サイトから第5準備書面の内容を紹介していきます。

”第2 被告会社の対外的イメージがいかに築かれたか
1 被告会社は、昭和48年に、不動産会社の営業社員であった被告今井が独立して立ち上げた会社である。
被告今井は、不動産会社の営業社員時代、業界全体として目先の利益ばかり追求し、住宅を販売した後のアフターサービスへの関心が低いこと(いわば「売りっぱなし」)を非常に残念に思っていた。被告今井の信念としては、住宅は家族が幸せな生活を育む場所であり、そのためには販売後のケアも含めて顧客の幸せを追求しなければならないと考えていた。このため被告今井は自らの担当顧客に販売した住宅の補修を自腹で行ったりしたこともあったが、一営業社員の力では限界があった。被告会社の設立は、その悔しさが原動力となっており、このため創業以来「お客様に幸せになっていただくこと」を事業の目的として掲げ(丙2の1 会社ホームページ「ごあいさつ」)、顧客のために有益にならない仕事はたとえ「もうけ」につながったとしても受けないという理念を前面に押し出してきた。(丙2の2~3 会社ホームページ「CSR~当社創業の精神」「事業内容」)。また、暴力団・反社会的勢力排除活動にも積極的に取り組み、近畿管区警察局長等から暴力団追放功労表彰を受けるなど(丙3 平成28年11月16日プレスリリース)、コンプライアンス重視の姿勢も徹底してきた。
2 その結果、被告会社の事業は順調に拡大し、平成17年には東京証券取引所・大阪証券取引所1部上場を果たし、現在も成長を続けている。上記理念および実践の成果として顧客のリピート率が高いのが特徴であり、土地有効活用事業におけるリピート率は40%を超えることもある。
3 以上のとおり、被告会社が成長することができたのは、その掲げた理念を追求し、実践する姿勢が顧客の信頼を勝ち得たために他ならず、その対外的イメージは被告会社の存立を支えるかけがえのない資産なのである。”

前回と同様、今回の内容からもこの訴訟によるフジ住宅のイメージに関する情報を得ることができます。
次回もこの書面の続きから紹介します。

フジ住宅の訴訟と裁判 第5準備書面

今回もフジ住宅の公式サイトから第5準備書面の内容を紹介していきます。

”4 被告会社が表明した見解の内容や、社内配布された経営理念感想文等に書かれた本件訴訟に関する社員の意見の中に、原告の意に沿わないところがあったとしても、訴訟の対立当事者である以上、立場や見解が異なるのはむしろ当然のことである。
原告も、その支援団体(原告自身も集会に参加し、会報に自己の主張を掲載するなど一体となって活動している)と共に会社が社員と共に長年にわたり築き上げてきた資産である会社イメージを毀損しかねない運動を大々的に展開しているのであるから、これに対する被告会社の自衛措置によって仮に不快感を持ったとしても、一定程度受忍すべきである。
5 以下、被告会社にとって最大の財産であるところの、対外的イメージおよび高い意識を持って働く社員群がどのように築かれたかを第2項、第3項において説明したうえで、第4項において被告会社が築き上げた上記財産が、原告およびその支援団体の活動によって毀損される現実的危険が生じていたことを述べ、第5項において、その対処として本件訴訟に対する被告会社の見解を対外的に発表し、対内的にも本件訴訟についての会社および社員の見解・感想を伝達したことを論ずる。”

この訴訟によるフジ住宅のイメージに関する情報を得ることができます。次回もこの書面の続きから紹介します。

フジ住宅の訴訟と裁判 第5準備書面

前回まで、フジ住宅の公式ブログから第4準備書面後半を紹介しました。今回から第5準備書面の内容を紹介していきます。

”平成27年(ワ)第1061号 
損害賠償請求事件
原 告  
被 告  フジ住宅株式会社 外1名
 
準備書面5
 
平成29年11月28日
大阪地方裁判所堺支部
第1民事部合議C係 御中
 
 
 上記当事者間の頭書事件について、被告フジ住宅株式会社(以下「被告会社」という)は、次のとおり弁論の準備をする。
 
 
被告会社訴訟代理人
弁 護 士  益  田  哲  生
  同    勝  井  良  光
  同    中  井     崇
                         
 
第1 はじめに
1 原告は、2017年10月19日付「原告第12準備書面」において、被告らが本件訴訟提起後行った資料の配布行為が、原告に対する「報復的非難・社内疎外」であり、不法行為にあたると主張する。
2 しかしながら、原告が指摘するところの資料配布行為は、「報復的非難・社内疎外」にはあたらない。
本件訴訟提起後、これを伝える報道がなされたり、原告の支援団体によって被告会社が「ヘイトハラスメント」を行っているなどという喧伝が繰り返しなされたりしたことにより、被告会社の対外的イメージが悪化し、また社員に動揺が走ってその士気が低下する現実的危険が生じた。その対処として、対外的には平成29年4月以降本件訴訟に関する被告会社の見解をホームページに発表し、対内的にはその発表された見解を被告会社社員に伝えたり、被告会社社員が本件訴訟についての意見・感想を記述した経営理念感想文等を配布したりしたものである。
3 企業にとって、対外的イメージの悪化はその業績に直結するし、社員の士気低下もまた会社に甚大な悪影響を与える。特に、後に詳しく述べるように、被告会社は個々の社員のモチベーションを高め、そのことを通じて顧客のために奉仕するという理念・実践を徹底することによって成長してきた会社であり、対外的イメージや意識の高い社員群は、被告会社の事業にとって根幹をなす財産なのである。したがって、その根幹となる財産が毀損されれば会社としての存立そのものが危機に陥るのであり、被告会社は上記のような対外的イメージの毀損や社員の士気低下を放置することはできず、その対処は必須のものだったのである。”

原告の主張とフジ住宅の主張が食い違っていることが上記の内容からわかります。さらに具体的な主張の内容はまた次回引用して紹介します。

フジ住宅の訴訟と裁判 第4準備書面後半

今回もフジ住宅の裁判に関する第4準備書面後半を引用して紹介します。

”被告今井ないし被告会社が「人種差別・民族差別を助長する文書」について感想文を提出させていたという原告主張も事実に反する。
 その点、「経営理念感想文」に関する点は、被告会社の主張を援用するが、それ以外の業務日報等においても、従業員に、国際問題や歴史問題について感想を書くよう被告今井ないし被告会社が求めたことはなく、従業員が任意に配布資料の感想を記していたのである。また、そういった業務日報等については、原告は配布対象外であったことも、繰り返しとなるが付言しておく。
  原告は、「資料配布と業務との関連性がない」ということも指摘するが、民間企業において、会社側が従業員に配布する書類に業務と直接関係がないものが含まれていても、果たしてそれ自体が法的に問題と評価される要因になるものなのか、表現の自由や、従業員の育成や啓発等に関する私企業の裁量の観点からは、大いに疑問である。”

次回もフジ住宅の裁判に関する書面を紹介したいと思います。

フジ住宅の訴訟と裁判 第4準備書面後半

今回もフジ住宅の裁判に関する第4準備書面後半を引用して紹介します。

”確かに、全従業員配布資料は、受領しないというわけにはいかなかったとはいえるが、「精読せず」あるいは「ほとんど読まず」に廃棄するということも禁じられていたわけではなく、実際、業務に直接関係のない資料は、読む、読まないにかかわらず、従業員は社内で遠慮なく処分しているのが実態である。
 具体的には、原告所属の部署でもそうであるが、事務所内の各所に廃棄する書類を投入するボックスがあり、業務関係文書のうち、捨てるものは、その箱に次々と投入され、担当の従業員が定期的に回収して処分に回している。本件訴訟で取り上げられている配布資料も、各従業員が表紙から内容を確認したり読みたいところを一読して不要と判断すれば、業務関係文書と同様に次々と廃棄されていくのであり、手元に保管したり持ち帰らないと上司に叱責を受けるなどということも全くない。
 そのような扱いが許容されている理由は、被告今井第2準備書面6頁に記したとおり、被告今井及び被告会社が「配布された資料を読む、読まないは、従業員それぞれの自由である。資料を読まずに処分しても、全く差し支えないし、個々人の業務評価の対象とするものでもない」などと社内で十分に周知しているからである。
 よって、「閲読を余儀なくされていた」というような事実や状況はない。
 原告は「嫌でも目に触れる状態でなされた」と強調するが、資料を配布したこと自体が見落とされることがないよう机上に置くということはごく普通のことである。また、配布資料の概要が容易に分かるよう表紙に記載することも当然のことであり、表紙を見て読みたくなければ読まないという選択ができるという意味で、従業員にとって親切であるとも言える(そういう表紙がなければ、資料を自らざっと繰って見て、内容を確認せねばならない負担が生じるし、そこで内容に不快を感じる時間は表紙を一読する以上のものなるであろう)。
  「嫌でも目に触れる状態でなされた」との原告主張は、「穏当でかつ認識可能な方法で配布された」という以上の意味を有するものではない。”

次回もフジ住宅の裁判に関する書面を紹介したいと思います。

フジ住宅の訴訟と裁判 第4準備書面後半

今回もフジ住宅の裁判に関する第4準備書面後半を引用して紹介します。

”③ 「偏見に基づくデマ」とされるもの
 被告今井第3準備書面9頁以下において、反論を主張済みである。
 補足すると、在日外国人に公租公課等の経済的な面で制度的に有利な点があるのではないかという疑問を持ち、指摘することそのものが、ただちに差別であり許容されない言論であるとは言い難い。「デマ」なのかは内容の正確性を吟味する必要があるが、仮に不正確な部分があったとしても、それゆえに直ちに差別言論、違法表現として評価されるものでもない。
 なお、被告今井は、在特会の主張を支持したり、同会の資料を配付したこともないことは、念のためここで付言しておく。
 ④ 「日本人の優越性(国粋主義)の宣伝」とされるもの
 被告今井第3準備書面8頁以下において、反論を主張済みである。
 自分たちの国民性の良い部分を意識し叙述することが他民族への差別に当たるという感覚は、到底理解できない。
(5)資料配布の態様について
 資料配布が人種差別を助長する悪質な態様でなされていたと原告が主張する(原告第11準備書面22頁以下)点について、以下反論する。
 原告は、業務上の資料と同様の方法で就業時間内に配布されていたことを「受領と閲読を余儀なくされていた」理由に挙げるが、各従業員の机上に置くという配布方法は最も穏当なものであり、例えば朝礼や会合、あるいは社内アナウンスで配布資料内容について時間をとって被告今井や上長から解説されたりするような態様と比べて、受け取る側にとってはるかにソフトである。
 就業時間内に配布するというのもある意味妥当なことであり、仮に、就業時間後に従業員を残らせて配布し受け取らせると、配る側も受け取る側も従業員に時間的な拘束、負担が生じる。業務を終了して受け取る側が退社後に、配布者が各自の机上に置いて回るという配布方法も考えられるが、受け取る者は翌日の就業時間中に手に取るのだから、就業時間中に配布されるのと何ら変わらない。
  「受領と閲読を余儀なくされていた」というのも、特に「閲読」の点については実態に反する。”

次回もフジ住宅の裁判に関する書面を紹介したいと思います。

フジ住宅の訴訟と裁判 第4準備書面後半

今回はフジ住宅の裁判に関する第4準備書面後半を引用して紹介します。

”(4)資料の内容が人種差別・民族差別を助長するものとの主張に対して
 原告は、配布資料中に多数、内容的に「人種差別・民族差別を助長ないし下支えするもの」が存在すると主張し、別表4としてそれらを特定している。しかし、原告の指摘する資料は、表現の自由により十分に許容される事実の摘示ないし意見論評ばかりであり、「人種差別・民族差別を助長ないし下支えするもの」でもない。
  以下、原告が第11準備書面の本文中で例示しているもののうち、まだ触れていないものについて、反論する。
① 「特定の国の民族性を直接非難するもの」とされるもの
○ 甲22・1228頁
  これは筆者松木国俊が知るところの韓国人によく見られる喧嘩のスタイルを叙述している部分である。喧嘩のスタイルについても民族によりさまざまであり、「この国ではこうだ」と指摘することが、民族性への直接的非難や差別にあたるというのは、民族性についての意見論評を一切禁ずるに等しい。例えば、「日本人は周囲の目ばかり気にして、なかなか本心を言わない。付和雷同な人間ばかりで自主性、積極性に乏しい民族である」という意見が語られたとして、日本人に対する差別なのであろうか。
② 「歴史修正主義」とされるもの
○ 甲23・225~230頁
 女子挺身隊は、大日本帝国が第二次世界大戦中に創設した勤労奉仕団体のひとつで、主に未婚女性によって構成されており、戦時日本の労働力が逼迫する中で、強制的に職場を配置換えする国家総動員法下の国民総動員体制の補助として行われ、工場などでの勤労労働に従事した。
 女子挺身隊が慰安婦であるというのは全くの事実誤認であり、それを指摘することが「歴史修正主義」として非難されるのは、理不尽というしかない。
○ 甲24・104頁
 被告今井第3準備書面9頁に記載したとおり、日本軍や政府による慰安婦の強制連行がなかったことは、長年の研究により明らかにされており、現在の日本政府もそのような立場である。被告今井からすると、「慰安婦狩りがあった」と言い続けることこそ、歴史の真実から目を背ける「歴史修正主義」そのものだと感じられる。”

次回も公式ブログから準備書面の内容を引用して紹介していきます。

フジ住宅の訴訟・裁判 2018年3月の最新情報


フジ住宅の訴訟・裁判について情報を伝えている。
2018年3月に最新情報が更新されていたため、以下引用して紹介したいと思う。

『3月8日に開かれた第10回目の当裁判に、弊社を応援してくださる非常に多くの方々が傍聴券獲得の抽選にお越しくださり、おかげさまで傍聴席の半分近くが弊社を応援してくださる皆様であったとの報告をいただいています。
皆様本当に有難うございます。この場をお借りして、心より御礼申し上げます。
弊社は諸事情を勘案して、裁判に誰も当社社員を派遣せずにこれまで裁判を進めてまいりました。その中で自然発生的に当方を支援してくださる皆様が傍聴に来てくださるようになり、さらに今回は非常に多数の皆様がお越しくださった事を知り、社員一同大変感謝、感激しております。
皆様、本当に有難うございます。重ねて御礼申し上げます。
なお次回第11回目の裁判は5月17日(木)大阪地方裁判所堺支部 午前11時開廷、30分前の午前10時30分より傍聴券の抽選があります。
傍聴券獲得には午前10時30分までにお越しください。
どうぞ、皆様、引き続きご支援、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。』

傍聴を希望する方は、傍聴券の抽選までに裁判所まで。真実を明らかにするためにも、今後も裁判の行方を追っていきたいと思う。

2017年12月18日情報

フジ住宅が公式ブログに法廷で朗読した文書を掲載した。
フジ住宅が従業員とその家族の幸せのために、社会環境を整えていることがわかる書面である。

以下、公式ブログからの引用である。
https://www.fuji-jutaku.co.jp/blog/


フジ住宅 準備書面5 骨子(12月14日の法廷で朗読)


平成27年(ワ)第1061号 
損害賠償請求事件
 
準備書面5骨子
 
平成29年12月14日
 
フジ住宅株式会社訴訟代理人
弁 護 士  益  田  哲  生
  同    勝  井  良  光
  同    中  井     崇
                         


第1 はじめに
1 原告は、被告らが本件訴訟提起後行った資料の配布行為が、原告に対する「報復的非難・社内疎外」であり、不法行為にあたると主張するが、今回提出した準備書面5はこれに対する反論である。原告が指摘するところの資料配布行為は、「報復的非難・社内疎外」にはあたらない。
2 原告が指摘するところの資料配布行為は、原告およびその支援者の活動によってフジ住宅株式会社(以下「フジ住宅」と言います)が長年にわたり築き上げた財産が毀損される恐れが生じたため、その対処としてなされたものである。すなわち、本件訴訟提起後、これを伝える報道がなされたり、原告の支援団体によってフジ住宅が「ヘイトハラスメント」を行っているなどという喧伝が繰り返しなされたりしたことにより、フジ住宅の対外的イメージが悪化し、また社員に動揺が走ってその士気が低下する現実的危険が生じた。

その対処として、対外的には平成29年4月以降本件訴訟に関するフジ住宅の見解をホームページに発表し、対内的にはその発表された見解をフジ住宅社員に伝えたり、フジ住宅社員が本件訴訟についての意見・感想を記述した経営理念感想文等を配布したりしたものである。
以下、フジ住宅が上記対処を行わざるを得なくなった事情について詳しく説明する。
 
第2 フジ住宅が築き上げた対外的イメージ
1 会社にとって対外的イメージが極めて重要であり、それが著しく毀損されれば一気にその存立自体が危うくなることは言うまでもない。
2 この点、フジ住宅は、住宅は家族が幸せな生活を育む場所であり、そのためには販売後のケアも含めて顧客の幸せを追求しなければならないという創業時以来の信念に基づき、「お客様に幸せになっていただくこと」を事業の目的として掲げ、顧客のために有益にならない仕事はたとえ「もうけ」につながったとしても受けないという理念を前面に押し出し、これを実践してきたのである。
3 不動産会社の一営業社員であった今井会長が創業した小さな会社が、一部上場企業となり、その後も成長を続けているのは、掲げた理念を追求し、実践する姿勢が顧客の信頼を勝ち得たために他ならず、その築き上げた対外的イメージはフジ住宅の存立を支えるかけがえのない資産なのである。
 
第3 高い意識をもった社員群
1 また、フジ住宅の存立を支える大きな財産として、高い意識を持った社員群の存在が挙げられる。そして、そのような高い意識を持った社員群は、当然のことながら会社が何もせずに自然発生するというようなことはありえない。フジ住宅において、そのような高い意識を持った社員群は、フジ住宅による社員を徹底的に大事にする姿勢~社員が悩みやストレスなく明るく元気でいるために行っている数々の措置~によって築かれたものである。
2 フジ住宅は、社員が悩みやストレスなく明るく元気でいるために、数々の特色ある措置を行っている。
(1)まず、風通しの良い社風を重要視し、「言えばいいだけ、聞けばいいだけ」という独自の理念を前面に押し出し、これを徹底している。パート社員を含めた全社員に対して、会長・社長に直接質問する機会が年1回は与えられていることは、その象徴である。
(2)また、社員の健康に配慮し、充実した健康診断内容、酸素ボックスの設置や無料で専門家に電話相談できる制度など、他の会社にはあまり見られないような措置に、多額の予算をさいている。こうしたフジ住宅における社員に対する健康保持の意識の高さおよび取り組みは、経済産業省など複数の機関から高く評価されているところである。
(3)さらに、社員の私生活、特に家庭生活の充実にも気を配り、毎年4月を「親孝行月間」と位置づけ、全社員に親孝行のための寸志として1万円を支給したり、結婚記念日等には会社から社員の自宅に花束を贈るといったことが行われている。本件において原告から非難されている社内での資料配布も、その目的は社員が私生活を含めて充実した、幸せな生活を送るために有益と思われる情報を提供することであり、その内容は自己啓発や健康や子育て等多岐にわたる。書籍そのものを配布することもあり、例えば「道は開ける」(丙12)「ツキの大原則」(丙13)といった自己啓発本や、「教師・親のためのこども相談機関利用ガイド」(丙14の1~2)などの子育て関係の本なども全社員に配布している。
(4)また、パート社員の待遇や女性の登用等において、フジ住宅は他の会社と比べても積極的に取り組んでいると自負している。そして、社内取締役5名のうち2名は、元在日コリアンなのであり、社内で国籍による差別など行われる土壌はないことが明らかである。このようにフジ住宅は多様性を尊重する姿勢を鮮明にしており、「差別」「ヘイト」とは対極にある会社なのである。
3 このように、明確な理念のもと、社員を徹底的に大事にし、その成長の手助けをすることにより、フジ住宅にとって最大の財産の一つである、意識の高い社員群が築かれたのである。
 
第4 原告およびその支援者の活動
1 本件における原告の主張は、当初より「ヘイトスピーチ」「ヘイトハラスメント」などという極めてネガティブなイメージを想起させる言葉を用いて、フジ住宅が人種・民族差別を行う会社であるかのようなレッテルを貼ることに力点が置かれている。このため、本件提訴を伝える報道も、一般人が見ればフジ住宅が人種・民族差別を行い、社員に特定の思想を強要している会社であるかのような印象を持ちかねない内容であった。
2 また、原告側支援団体は、「ヘイトハラスメント裁判を支える会ホームページ」を立ち上げ、ホームページでの情報発信や、フジ住宅営業地域内での街宣、ビラまき等の活動を展開している。
これら、原告側支援団体によって大々的に行われている活動においては、常にフジ住宅が「ヘイトハラスメント」を行ったとの喧伝がなされている。
3 これら原告および原告側支援団体の活動により、フジ住宅が長年築き上げた対外的イメージが悪化する現実的危険が生じていた。また、実際問題として顧客、採用活動に具体的支障が生じ、フジ住宅の社員達に少なからず動揺が発生していたのである。
 
第5 フジ住宅が行った経営理念感想文等の配布について
1 フジ住宅社員から提出される経営理念感想文等のうち、他の社員の参考になったり、有益であったりとフジ住宅が判断したものについて、全社員宛に配布するということは、従前から行われていたことである。
そのような中、特に本件訴訟が提起された直後と、フジ住宅が対外的に本件訴訟についての見解を発した直後は、社員にとって大きな関心事であったこともあり、本件訴訟についての感想・意見が書かれた経営理念感想文等が数多く提出された。フジ住宅としては、このように数多く提出されている本件訴訟に関する記載をあえて全社員配布の対象から外すことも不適当であるし、本件訴訟提起の報道および原告側支援者の活動によって社員に不安と動揺が広がる中、他の社員が本件訴訟について考えていることを伝えることは社員を元気づけるものであるし、会社にとっても社員に誇りをもって仕事をしてもらい、士気の低下を抑えるという観点から有益であると考え、その一部を全社員配布の対象としたものである。
2 フジ住宅が全社員宛に配布した経営理念感想文等の内容は、原告にとっては意に沿わない内容が含まれることもあるかもしれないが、それは自らが愛着を持っている勤務先会社が訴えられたことに対する意見・感想という性質上、やむを得ないことである。そもそも、原告も、その支援団体と共に会社が社員と共に長年にわたり築き上げてきた資産である会社イメージを毀損しかねない運動を大々的に展開しているのであるから、これに対する会社の自衛措置については一定程度受忍すべきである。
3 また、個々に見ても、なぜこの表現が記載された文書を配布することが不法行為にあたるというのか理解しがたいものばかりである。

第6 結論
以上のことから、被告らが本件訴訟提起後行った資料の配布行為はその目的においても正当であり、その手段・態様としても少なくとも違法性を帯びるようなものではなく、不法行為は成立しない。

                             以 上

2017年9月4日情報

フジ住宅と元従業員のヘイト裁判は、長期戦になる兆しをみせている。

以下、公式ブログからの引用である。
https://www.fuji-jutaku.co.jp/blog/


次回裁判期日のお知らせ

次回の裁判は9月28日(木)大阪地方裁判所堺支部 午後2時30分からです。30分前に傍聴券の抽選があります。弊社の立場、見解をご理解くださり、応援してくださる皆様。いつも本当にありがとうございます。

フジ住宅で何が起こったの?訴訟・裁判の行方に迫る!

フジ住宅が元従業員から裁判を起こされている。
昨年から続くこの裁判について、このサイトを通じて、客観的な私見を述べさせて頂きたいと思う。

フジ住宅は『ホワイト企業』に選出されるような優良企業である、と思う。
今回の裁判は不当だと感じている。

フジ住宅は、ヘイト企業ではない。それは、裁判が終われば証明できるだろう。
このサイトでフジ住宅側の主張を掲載することで、陰ながらフジ住宅を応援したいと思う。


以下、フジ住宅の公式ブログからの引用である。
https://www.fuji-jutaku.co.jp/blog


平成29年6月29日の口頭弁論を経て、皆さまに、知っておいていただきたいこと。


先に『訴訟に関する弊社の考えと、原告支援団体の主張に対する反論』をネット上に掲載して以来、多くの方から激励のお言葉を頂けるようになりました。
皆さま、まことにありがとうございます。

さて、6月29日の口頭弁論を経て、弊社を支持してくださる皆様だけでなく、原告を応援しておられる皆様にも知っておいていただきたいことは以下の通りです。

① 弊社取締役(執行役員を除く)は、今井会長以下7名で、社外取締役2名と、社内取締役
  5名で構成されています。弊社の意思決定に最も関わる重要な5名の取締役中、2名につい
  て、1名の取締役は入社時には在日韓国人でしたが、入社後に、部長職に昇進後、自身の意
    思で日本に帰化しました。もう1名の取締役は、入社時には日本国籍を得ていましたが、も
    とは在日韓国人で中学生時代に両親の帰化に伴い、日本国籍を取得しました。二人とも弊社
    の社運がかかる要職にあります。
② ほかにも弊社には外国籍の社員がおり、日本国籍(日本人)で入社した社員と、在日韓国朝
   鮮人として入社した社員の昇進について比較すれば、上記取締役の例からも分かるとおり、
   在日韓国朝鮮人の社員が差別を受けているような事は全くありません。5名の取締役中の2
     名が韓国系日本人なのですから、在日韓国人や、韓国系の社員が「人種差別」「民族差別」
  「ヘイトスピーチ」などを受けているなどと言うことはありえません。もちろんだからと
     言って外国籍社員が優遇されるわけでもありません。

上記、弊社取締役の国籍としてのルーツなどは、社員でもご存知ない方が多かったのではないかと思いますし、プライバシーに大きく関わることでもあるので、あえて表明する必要は普通、全くないことなのですが、こうして訴訟で会社が被告席に立たされ、そこで取締役であるお二人が、共に上記の掲載を快諾してくださったので、ここに弊社の中枢の取締役の5分の2が韓国系の人物で、韓国系の方々が、ご自身の努力によって、良く昇進している会社であることを表明しておきたいと思います。

原告を支援する人々によって、弊社は「人種差別」、「民族差別」、「ヘイトスピーチ」を執拗に繰り返している企業と糾弾されているわけですが、そのような事が基本的にありえない事は弊社の上記人事によって、明瞭にどなたにもご高察いただける事と思います。またこの事は会社の代表取締役会長である今井光郎が、ここまで会社を大きく育てるに当たって、「人種差別」、「民族差別」、など全くしてこなかったことの証明にもなると思います。

さて、原告弁護団は6月29日の法廷で、「日本は良い国だ。」とか、「日本人は優れている。」という内容の書籍は「差別を助長する」と言い、結局それは「ヘイトスピーチ」だと決め付けています。

弊社が社員に(読むこと強制せず)配布した書物には「日本は良い国だ。」「日本人は優れている」という記載は確かにあるでしょうが、「世界の中で日本だけが良い国だ。」「日本人だけが優れており、他民族は皆劣等民族だ」と言うような主張をしている書籍はないと思います。また、社員の誰もそんな事はただの一度も、考えたことすらないでしょう。

それらの書籍は、本の読み方として常識的には、「ほかにもよい国はあり」、「他にも優れた民族や、国はあるが」、「日本は良い国で」「日本人は優れている」という、日本人の自覚と、プライドを取り戻すことを主たる目的とする本なのであって、このことは、ごく平均的な読解力のある人なら常識の範囲内のことではないでしょうか。

しかるに、原告弁護団は「日本だけが」「日本人だけが」とは、誰も言っていないのに、「日本は良い国で」「日本人は優れている」という普通の言葉を「日本人だけが優れており、他民族は皆劣等民族だ」と言うような「人種優越思想」「人種差別思想」だと捉え、そう主張しています。


ここに弊社が掲載しているこの反論も、全て「ヘイトスピーチ」だと原告弁護団は判断しているようです。

それならある子供が、自分の父母を「僕のお父さん、お母さんはとてもよいお父さん、お母さんだ。」と繰り返し自慢すれば、それだけでその話を聴かされた友人たちは「お前たちの父母は皆、悪い父母だ」と罵られたの同じであり、『ヘイトスピーチ』を受けた事になるのでしょうか。


本当に、率直に言って、弊社は訴えられている内容に困惑し、理解できないでいます。
そしてこの表現をまた「ヘイト」だと言われます。

日本人は「日本は良い国だ」と繰り返し言ってはいけないのでしょうか。
そう繰り返し言うと「ヘイト」になるのでしょうか。
全く理解できません。

もし、この裁判に弊社が負けて、日本中の企業が同じ立場に置かれれば、「日本製品は優れている」と言うような、我が国の優越性を表現するあらゆるコトバが、「ヘイト」と糾弾され、大変な気を使わねば口にできない『暗黒時代』になってゆくでしょう。

また、「日本は良い国だ。」と繰り返し言うだけで、社内の外国人社員から「差別だ。」と糾弾され、「違法」だと言う判断が裁判で定着するような事が万が一あれば、これまで全く外国人を平等に扱っていた日本人経営者が、それこそ逆に、誰も外国人を社員として雇いたくなくなるでしょう。それこそが差別を助長する事になると思います。

この裁判の結果、日本人の思想、言論、表現の自由が奪われる事に決してならないように、また、逆に、我々の社会の中で「差別」が助長されるような結果を導かないように、裁判所におかれましては適切な判断を下していただくことを祈っています。

念のために、また誤解を避けるために書いておきますが、弊社は何も日本中の企業が、「日本は良い国だ」と社員教育をしなければならないと主張しているのではありません。経営者のお考えによっては「日本は悪い国だ」と言う社員教育を常に行う会社があったとしても、それはその経営者の経営判断であって、その是非について弊社が何か言いたいのではありません。

ただ、弊社の経営者が、自身の経営哲学(そこには歴史認識も含まれる)を社員に伝え続けること(従えと言っているのではない)を「ヘイトスピーチ」、「ヘイト企業」だと糾弾され、訴訟を起こされているので、困惑しているだけです。

当裁判は原告に広範な支援団体が付いた事によって、既に、一従業員と、弊社との「労使間の裁判」を越えてしまっています。ネット上での情報拡散や、JP労組に依頼してまでの組織的署名運動、あるいは街頭で弊社を「ヘイト企業」と実質上の業務妨害をする情宣活動等には、弊社もこうして弊社の見解を最低限ネットに公表して、皆様にお伝えしなければなりません。

こうして弊社は、弊社と、弊社の社員、そして弊社を選んでくださった顧客、株主はじめ、全てのステークホルダーの皆様の尊厳を守りたいと願っています。
弊社は「ヘイト企業」ではありません。「ヘイトスピーチ」などしていません。

弊社の立場を理解し、応援してくださる皆様。今後も当裁判に勝訴できますよう微力を尽くしますので、何卒ご理解、ご支援を引き続き賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

皆さま、いつも、本当にありがとうございます。
(編集責任 フジ住宅株式会社)