アメリカのビジネス教育を改革するという戦後の試みは、予期せぬ結果をもたらしました。
イギリスの哲学者、トーマス・ホッブス的な純粋な自己利益の追求という倫理観が勢いづきました。
経済学という極度に抽象的かつ体系的な「科学」の力を背景に、ビジネススクールがかつて教えようとしていた職業倫理は軽視されるようになりました。
経営者は他のどんな社会集団とも比較にならないほど、大量の物資や人材を支配しており、アメリカ社会において優勢な存在でしたあ。
さらに彼らは、その価値観や規範、さらには方法論を、法律や医療といった、より歴史が長く、かつ自律的な職業分野にも押しつけることができました。