ビーへの愛の詩
《不眠夜にスルメあぶって酒を呑む。Beeの寝息も肴のひとつ。》トラさんの短歌。さのし「トラさん Beeは元気ですか」トラ「Beeは今日も寝ております よく寝る子です」儚く、切ない静かな夜。音立てず流れていく。時はゆっくり。寝たきりの脳性マヒの我が子。愛し子へ向ける暖かい眼差し。胸に溢れる愛惜に触れながら、掛け替えのない生命を慈しむ。思いの深遠に想いを巡らす。心の深海から泡の様。浮かび上がる哀惜。胸に去来する思い。情感の波紋を手繰り、短歌の言葉がギリギリに短く定着する一瞬。短歌の魔法の不思議。言葉の水源に思いを寄せよう。詩の誕生に立ち会う感動。《桜花びら。盃に浮かべ。春の美酒堪能せん。桜酒重ね弾む会話。春爛漫の日長1日。友と愉しむ。花の宴。手合わせの四月。卯月の幸せ日和。》父親の子供に向けた愛を詠う詩は少ないです。谷川俊太郎さんの「地球へのピクニック」が有名です。書かれても親の気持ちを表現するか、子供の気持ちを表現する。どちらかが詩に描かれてお仕舞いでした。大阪の短歌仲間、トラさんの車椅子に寝たきりの息子との何とも切なく優しい共生の情感を詩に描きました。子供に寄り添い見守る暖かい視線。愛する意味に触れる感動。詩でどんな風に表現できるか? 君たちのお父ちゃんならこんな時間を共生したい。こんな風に愛したい。父の愛の讃歌です。
ボタン