実技セミナーでは、

1.腹式呼吸の感覚を取り戻す その1
2.腹式呼吸の感覚を取り戻す その2
3.腹圧の最高レベルの状態の確認
4.その維持のトレーニング

こういう順序で呼吸をトレーニングしたので、
この記事でもそれに沿って解説したいと思います。



1.腹式呼吸の感覚を取り戻す


まずは正しい腹式呼吸を取り戻すエクササイズです。

必要なのは椅子です。

椅子を用意して
こんな体勢を取ってください。


これは腹筋トレーニング用の画像なので
上体が起き上がりかけてますが、
リラックスして寝転がっていいです。

手も自然な状態で床にだらーっと
置いておいてください。


その状態で大きく腹式呼吸をします。


ポイントは3つあって

1.鼻から吸って、口から吐くこと
2.おへその下がしっかり膨らむこと
3.胸(アバラ)が動かないこと

これがしっかり行えるように
意識して行ってください。


自分ではなかなか確認しづらいので、
誰かに見てもらうか、ビデオ等で撮影して
確認してみるのもいいと思います。

特に胸が動いてしまうのはよくなくて、
これができないと今後のエクササイズにも
支障が出ます。


木坂さんはこれ以降のすべてのエクササイズで

「アバラをしっかり抜いてください」

ということを繰り返し言っていました。


ちなみにこのアバラを抜く、というのは
恐らく胸式呼吸に使う「肋間筋」がリラックスし、
「横隔膜」が下がった状態を指します。

つまり、アバラが抜けない人は
胸式呼吸を常にやる癖がついているか、
そこが常に発火状態にあるということではないかと。

まあ以上に関しては詳しく説明がなかったので
私の推測なんですが、いずれにせよ腹式呼吸をする際には
胸に注意してほしいということです。


1.鼻から吸って、口から吐くこと
2.おへその下がしっかり膨らむこと
3.胸(アバラ)が動かないこと


この3つが満たせた状態で
自然と腹式呼吸を維持できれば
このエクササイズはクリアとなります。



2.腹式呼吸の感覚を取り戻す その2


ではステップ2です。


今度は床に正座します。
その状態で腹式呼吸をします。


これは何のためにやるのかって言うと、
実は腹式呼吸ってお腹が膨らめばOK
ってわけじゃない、という理由から行います。

正確には、お腹だけでなく、横腹、背中など、
お腹まわり360度満遍なく膨らむのが
正しい腹式呼吸です。


この姿勢を取るとお腹が圧迫されるため、
お腹が膨らみにくくなり、
その分横腹や背中が膨らみやすくなります。

このエクササイズはその感覚を取り戻すための
エクササイズです。

「おー、背中や横腹が膨らんでるわー」

って感覚が掴めればOKです。


で、それができたらもう1回1と同じように
椅子に足を載せて呼吸を行ってください。

そのときに360度満遍なくお腹が膨らんでいれば
腹式呼吸のトレーニングの準備ができた、
という指標になります。

これに関しては膨らませたい場所に
手を当てればすぐわかると思うので、
ご自身でいろいろ確認してみてください。


膨らませる場所は「おへそより下」です。


横腹も背中もその付近になりますので、
そこが動いてない場合は
しばらくそこを膨らませるよう訓練してください。



3.腹圧の最高レベルの状態の確認


ではステップ3にいきましょう。

ここから少ししんどくなります。

椅子を用意して、1の姿勢を取ります。
この状態で腹式呼吸をするのですが、
一般的な呼吸だと

・吸うとお腹が膨らみ
・吐くとお腹が凹む

という状態になると思います。


ネット見てみても
こういう情報が多いですから、
腹式のトレーニングをしたことがある人も
こんな感じが多いと思います。


でも今回は違います。


1.吸うときにお腹を膨らませ
2.吐くときにもお腹を膨らませ
3.もう一度吸うときは更にお腹を膨らませ
4.以下エンドレス


というけっこう無茶に思える呼吸を行います。


吸ってー、吐いてー、吐いてー。


みたいな。


やってみるとわかると思いますが、
けっこう全身がプルプルします。

人によってはお腹が痛くなる場合もあると
思います。

それでもやり続けてください。


一瞬でも気を抜くと腹圧が抜けてしまいます。


一瞬たりとも気を抜かず、常にお腹の膨らみを維持し、
全身がプルプルしようが痛かろうが何だろうが
どんどんお腹に空気を入れていく。


そうやって腹圧をどんどん高めていくのが
今回のトレーニングです。


もうね、限界に挑戦してください。


そして、一瞬も気を抜かずそれが継続できたら
息を止めないままお腹をぐっと押してみてください。

驚くほど固くなっているはずです。

それこそが正しい「腹圧」です。


ちなみにパートナーがいる人は
お腹を常にぎゅーっと押してもらいながら
やるといいと思います。

押す人からすると腹圧が抜けた瞬間って
すぐわかります。

特に吸い終わった瞬間と吐くときに
腹圧が抜けやすいですので、
注意しながら行ってください。


そのときにも腹圧を抜けないようにするのは
本当にしんどいです。

ここまで全身に力が入ってていいのか、
ってくらい力がかかります。


でも慣れてくると普通にできるようになります。


それをやってみてください。


ともかく、

1.吸うときも吐くときもお腹を凹ませない
2.一瞬たりとも気を抜かず膨らませ続ける
3.ビビるほどお腹が固くなる

というのが確認できたらクリアとなります。


まあこれに関しては自分では判別しにくいですが、
次のステップでたぶんわかると思うので
そんなに気にしなくていいです。

とにかく腹式呼吸で腹圧を高めていくと
びっくりするくらい固くなるってことが
わかってもらえればOK。


確認できたら次に進みましょう。



4.腹圧の維持のトレーニング


では最後のステップです。

最後はできれば誰かと一緒にやりたいトレーニングです。

1人でも大丈夫ですけどね。


では説明をします。


まあやることは3番とほぼ同じです。

「腹圧の維持」

そんだけです。


目標は3分です。


この間一瞬も腹圧を抜くことなく
最高レベルの腹圧を維持し続けたまま
腹式呼吸をしてください。


パートナーがいる場合は
その間ヘソの右下か左下を
かなり強い力で指で押してもらいます。

体重乗せてもらって構いません。

そんくらいの強い力でやります。


1人の場合は自分で押してください。


で、あなたはその指を跳ね返すつもりで
腹圧をぎゅっと高めます。


一瞬でも腹圧が抜けたらやり直しです。

パートナーに厳しく指摘してもらってください。

抜けたら自分でもわかると思いますが。

指がめり込んでくるので・・・。


腹圧が高まってくるほど呼吸がしづらく
なってくると思います。

これは全身に力が入っているからですが、
それでもやり続けてください。

慣れればその辺も徐々に楽になってきます。


んで。


それをずっとやっていると、
そのうちすっごく固い瞬間というか、
「おっ?」ってなるタイミングがあると思います。

(たぶんそれを感じる余裕はあなたにはなくて笑、
 押してる側はわかると思います)

そのすっごく硬い状態に一瞬でもなったら、
それを教えてもらってください。


・・・


え?


もしそれが見つかったらなんだって?


・・・


「まだまだ余力があるということです」


素敵な笑顔で指摘してもらってください。


「おい、まだまだいけるじゃねえか」


と。


そしたらそのすっごく固い状態を維持して
もう一度チャレンジです。


まあこの辺は腹圧を維持するのに慣れてくると
どんどん腹圧も高くなってくるので、
別にあなたがサボってるわけではないです。

でもこれは「最高度の腹圧の維持」ですから、
最高度のレベルが上がったのなら、
その腹圧を維持しないと意味ありません。

もしあなたの腹圧のレベルが上がったのなら
素直に喜んでください。


もちろんしんどさも上がりますけどね。


はい。


今後皆さんに継続的にやってほしいのは
この4番のエクササイズです。

今までの1〜3のステップはこの4番の準備なので、
腹式呼吸ができるようになったなら
特に意識してやる必要はありません。


とにかく腹圧を維持できるようにすること。


それを継続して練習していただければ。


で、こっからは補足というか、
私なりのアレンジを紹介しておきます。

押してもらう場所は基本的には
ヘソの右下や左下になるんですけど、
同じように

・脇腹
・背中の少し脇腹よりの柔らかい部分

も押してもらってトレーニングをすると
いいと思います。


自分がやってみると分かるんですが、
お腹はだいぶ固くなっていても
脇腹がまだ柔らかいことがあります。

そこに指を当ててもらって
指を跳ね返すつもりで腹式呼吸をすると
そっちも固くできるんです。


理想は

「360度満遍なく」

ですから、それも合わせてやるとより良いか思います。


どっかだけ固いってのは普通に考えれば
バランスが悪いですからね。


360度固い状態を維持して3分間。


これができれば腹式呼吸の第一段階はクリアです。


・・・第一段階?



はい。


まだまだ続きます。


ただこれはステップ3の身体操作にも
関わるのでそっちでお話します。

要は身体操作にも呼吸が関わるんだよ
ってことだけご理解くださいませ。





P.S.


少し補足を。

この「腹圧」は腹筋とはまったく違います。

確認すればすぐわかると思います。


腹筋に力を入れてみてください。


・・・一瞬息が止まったと思います。


それに対して腹圧は呼吸をすることによって
高めます。


息を止まる腹筋と、息を吸う事で高める腹圧、
これだけでもだいぶ違いますが、
そもそもの違いは

「腹筋に力が入っていると腹圧は上がらない」

というある種のトレードオフにあります。


まあ正確には完全なトレードオフではないんですが、
腹筋ガチガチだとそもそもお腹が膨らまないので
腹圧トレーニング中には腹筋がリラックスしてないと
ダメなんですよ。

だからあくまでも息を止めることなく、
呼吸によって腹圧を高め、押してくる指を跳ね返す、
そういうトレーニングを行うようにしてください。

息が止まると腹筋とかに余計な力が入っちゃいますので。