私は現在、精神保健福祉士として、心の不調や生きづらさを抱える方の相談に携わり、グリーフケア（大切な人を失った方への寄り添い）の活動も行っています。
けれども、ここに至るまでの道のりは決して平坦なものではありませんでした。
私自身、長い年月の中で、心が折れそうになるような経験をいくつもしてきました。

■小学生■
下校時に同級生からいじめを受け、「自分なんて…」と感じる日々。小さな心には、深くて長い傷が残りました。

■中学生■
今では考えられないことですが、当時は部活動中に水分補給が許されない時代でした。「どうしても飲みたいのなら」と言われ、田んぼの水を口にせざるを得ない状況に追い込まれることもあり、不当で屈辱的な経験として今も心に強く残っています。

■高校生■
自分に自信が持てず、ただ周囲に埋もれるようにして過ごす毎日。「自分には何の価値もない」と感じる時間が続きました。

■20代■
大切な母と祖母を相次いで失い、心に大きな穴が空きました。前を向く力さえ見失いそうになるほどの喪失感と向き合う日々だったと思います。

■30代■
職場でのストレスから感情が不安定になり、「自分を保つこと」がどれほど難しいかを痛感しました。心のバランスを崩す怖さと、人の心がどれほど繊細で壊れやすいものかを、身をもって知った時期です。

■40代■
親しい友人の自死を経験し、「命の重さ」や「生きるということ」について深く考えるようになりました。この出来事は、今の私の活動の原点となっています。

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今の私だからこそ伝えられることこうした数々の経験が、今の私を形づくってくれました。
どん底のような苦しさの中にいても、人は少しずつ回復していける。そのことを私は自分の歩みを通して知っています。だからこそ、同じように悩みや悲しみを抱える方に伝えたいです。

🌱愚痴は弱さじゃない。生きるための出口
🌱ひとりで抱え込まなくていい

どんな小さなことでも大丈夫です。心の奥にある思いを、安心してお聞かせください。

私自身も、生きづらさと向き合ってきました。

幼いころから、私は「つらくても我慢すればやり過ごせる」と自分に言い聞かせて生きてきました。

気がつけば、常に自分よりも他者の気持ちを優先し、「自分の気持ち」は後回しにするのが当たり前になっていたのです。

母との関係にはずっと“満たされないもの”があり、母が亡くなるまで葛藤が続いていました。
「理想の母親像」から外れている母を、私はなかなか認めることができず、心の奥で反発を抱えていたのです。

30代になって心理学と出会い、自分の内側を深く見つめるようになります。 そこで初めて気づいたのは、私の中に「こうあるべき」「いい人でいなければならない」という強い信念が根づいていたということでした。

それはいつしか自分自身を追い込み、心が静かに悲鳴をあげていたのです。 私は医学的な知識よりも、「なぜこんなにも苦しいのか」を知りたくて心理学を学びました。

そして、母もまた私と同じように“完璧ではない一人の人間”なのだと理解できるようになったのです。

その瞬間、長年胸の奥にあった重たいものが、少しずつほどけていくのを感じました。
同じ頃、傾聴の資格を取得し、「人が安心して話せる場」をつくるための技術を徹底的に身につけていきます。

転職を繰り返す中で、「自分の経験を活かして、生きづらさを抱える人の支えになりたい」という思いが強くなり、精神的な支援に関わる国家資格も手にしました。

「ここからが新しい一歩」と感じていた矢先、共に学んでいた友人が自ら命を絶ったという知らせが届きます。深い悲しみの中で、「一人でも多くの命に寄り添いたい」という強い使命感が心の奥に芽生えました。

今、私は精神疾患を抱える方々の相談員として日々お話を聴かせていただいています。
かつての私のように苦しさを抱えている方が、少しでも心を解きほぐせるように――
その人の「ありのまま」に寄り添える存在でありたいと思っています。