私は以前、某月刊少女漫画雑誌で漫画を描いてました。
連載して単行本を出したこともあります。
このことを人に話すと、
「なんで今描いてないの?もったいないね」
と言われちゃいます。
私は、漫画家になりたくて高校生の時に漫画家になりました。
でも人生経験が浅く若かったせいか、わりとすぐに描きたいものがなくなっちゃって、すぐネタに枯渇しちゃったんですね。
漫画家さんやイラストレーターさんの中には、仕事中の息抜きに
「らくがき」する人が、けっこうたくさんいらっしゃいます。
(※その「らくがき」とは、「らくがき」と呼ぶにはとても恐れ多い、高レベルで美しい大作です 笑)
私からすると、仕事で一日中絵を描いてるのに、趣味で絵を描くなんて信じられないんですね。
理由を聞くと、「頭からっぽにして、ただ手を動かしたい」とか
「二次創作したい」とか、「愛するペットを描きたい」とか、あるんですね。
………すごい。
わたしには、ないです。
なので、正直うらやましい。(笑)
私は、「自分のため」に、絵を描けないんです。
なので、実は「才能あふれる実力派アーティスト」というタイプの方が苦手だったりもします。
コンプレックスなんでしょうね。
私はイラストや漫画を描くことはもちろん大好きですが、
それはたんなるツールにしかすぎなくて。
私が「描きたい」意欲が湧き出る原動力は、
「私が描いたもので喜んでもらいたい。笑顔が見たい」
そういうものが、強くあります。
もちろん商業漫画だってそこは大前提なんですが、
その前にゼロからテーマを考え、個性を出さないといけないわけで(笑)
広告漫画だと、お客様の解決したい悩み(テーマ)がすでにある状態でくるので、
笑顔の相手が見えれば、もうどんどこ内側からアドレナリンが出てくるし、
「よりいいものを」「どうしたら笑顔が見れるか」
というプロ根性も出て、
食事する時間も惜しんでしまうくらい、
時間がたつのを忘れちゃいます(笑)
人のために描くことが、めちゃめちゃ楽しい!
今は商業誌では描かなくなりましたが、
以前、漫画の担当編集者さんから言われたことがあります。
「チハラさんって、生涯漫画描いてる気がする」
その言葉から15年ほど経ち、
今は違う形で継続している自分を振り返ると、
間違ってないな
と、思ったりするんです(笑)
やっぱり漫画が好きだから。
そして、私は2児の母でもありますが、
子供たちに「好きなことをして、人に感謝されている母の姿」を見せれることに誇りを持っておりますし、子供たちが「大人って楽しそう!」と思ってくれる大人になりたいと思って日々過ごしております。
プロとはメジャーで活躍している方だけではない。
自分なりの「大好き」と共に、プライドと熱意を持って活動しています。