椎間板ヘルニアが疑われる場合は、レントゲンやMRIといった画像検査を行いますが、実は確実に診断が出来る訳ではありません。

整形外科を受診する場合にレントゲンを撮影する意味は「骨に異常があるのか？」「内臓疾患や病気、命の危険性がないか？」を判断するために行ないます。

もし問診や簡易的な検査を行って疑わしくない場合は必ずしも画像を撮影する必要はないのです。

椎間板ヘルニアで併発する症状が足にしびれを来す坐骨神経痛ですが、病名ではなく症状名なのです。

簡単に言うと、「足がしびれます」と伝えて「それは坐骨神経痛です」と言っているようなものなのです。

中には悪性腫瘍や内臓疾患によって坐骨神経痛も引き起こされますが、レントゲンなどの検査で異常が見つからなかった場合は心配ありません。では何が原因となるのでしょうか？

厚生労働省も85％の腰痛は原因不明と言われています。15％の中に椎間板ヘルニアが含まれるとされていますが、手術をしなければいけない方の割合は、椎間板ヘルニアの中の約２％ほどと言われています。

ちなみに手術が適応となる場合は以下の２つになります。

• 膀胱直腸障害(尿や便が出ない・出にくい)
• 筋力低下(何もないところでつまずく、転ぶ)

これらが見られた場合は当院では適応外となるので早急に病院へ行くようにしましょう。

反対にこのような症状が無かった場合は改善する可能性があるということです。それは何故なのか？

ヘルニアは「飛び出す」という意味がありますが、実は飛び出たヘルニア部分が体内では「異物」と認識されて、白血球の一種でもあるマクロファージが食べてしまって自然と無くなってしまうことが分かっています。

マクロファージは、免疫細胞の一つで、体内の細菌や古くなった細胞、腫瘍細胞に働きをかける役割があります。

ですからほとんどのヘルニアは保存治療が一般的なのです。
さらに、血流を良くすることで免疫機能が高まりマクロファージの働きも活性化すると言われています。

「ヘルニア」は腰の痛みや足のしびれと認識されている方も多いと思いますが、全く腰痛の症状が無い方でもヘルニアが損沿いすることが判明しています。

アメリカの大学の研究では、60歳以下の人の痛みのない人のうち!/5に、60歳以上では1/3の方に椎間板ヘルニアが見つかったとされています。

ですから、必ずしもヘルニアが痛みやしびれの原因とは言えないという訳です。

日本整形外科学会監修の腰椎椎間板ヘルニア診療ガイドラインにはこのようなことが書かれています。

〇保存療法と手術療法を比べると、症状に関しては手術療法の方が長期的に良好を保てるが、10年後にはその差が減少する

〇数週間痛みが継続した症例を対象として、保存療法を継続してみたグループと早期手術をしたグループを比べたところ、長期的な差が認められなかった。

ただし、先ほどもお伝えしたように膀胱直腸障害や、筋力低下が見られる場合は病院をオススメします。
こちらは、問診やカウンセリングでしっかり診させていただきます。

答えは２つあります。１つ目は「正しい診断を受けていなかった」ことが考えられます。
正しい診断と言うのは「何が原因となって腰の痛みや足のしびれが出ているのか？」ということです。

ヘルニア、病気、関節、筋肉、日常生活の負担、姿勢など原因は沢山あるのです。
問診やカウンセリングであなたの悩みや症状以外に何か聞かれましたか？
生活習慣や運動習慣なども聞かれましたか？

画像上であなたの原因を診ようと思っても、ホントの原因を見つけるのは難しいです。

２つ目は「正しい治療を受けてこなかった」ということが考えれます。
ヘルニアや坐骨神経痛の治療法は世の中に沢山あります。

素晴らしい治療法ばかりです。しかし

整形外科、整骨院、整体、鍼灸…
真面目に通い続けたのに良くならない。
あれだけ素晴らしい治療を受けているのに…と落ち込んでしまうのではないでしょうか？

ただ、「原因に対してのアプローチがされていない施術を受けていた」ことが考えられます。
整形外科では痛み止めや湿布、整骨院では電気治療や骨盤矯正、整体院ではマッサージ・・・
これらは方法であって、原因に対してアプローチ出来ていれば改善しないということはないのです。

あなたが本気で良くしたいと思って真面目に通い続けたのに、このような結果を望んでいるわけではないですよね？

原因を見つけ出せずに漠然とした治療を受け続けていても改善が見られない場合は、あなたにとって貴重な時間やお金を無駄に費やすだけになってしまいます。