CGL
誰かに任せる民主主義から、自分で決める民主主義へ
クラウドガバメントラボ
参加型民主主義を提唱する研究所
未来の社会を考えます

次回予告

09月22日(金) 19時~21時 @LIFULL HUB 東京都千代田区麹町1-4-4 

「豊かさ」とは何でしょうか?お金をたくさん持っているという経済的豊かさ、繋がりやゆとりといった精神的豊かさなど、様々な考え方があると思います。近年ではGDPや国民経済計算などの経済的豊かさに偏った考え方によって作られた指標が、私たちの生活の幸福感と上手く繋がっていないのではないかと感じる人も増えています。

2015年国連総会では、持続可能な開発目標「SDGs( Sustainable Development Goals)」が採択されました。このSDGsでは、具体的な17の目標と169のターゲットが設定され、持続可能な社会実現のための世界的な共通認識として、近年国際的な取り決めや企業経営においても注目され始めています。

今回の革命のレシピは、このSDGsに基づいた「新国富指標」を地方自治体などの政策意思決定の評価軸にすることを提唱している、九州大学都市研究センター主幹教授であり、『新国富論』著者である馬奈木俊介さんをゲストにお迎えします。

2012年6月に開かれた、国連持続可能な開発会議(リオ+20)の報告書で、持続可能性の判断基準となり得る経済的な富を表す指標、「新国富指標」が世界に提示されました。

SDGsで掲げられているアジェンダには、教育、健康、自然など、次元の異なるものを多く扱っています。そこで、わかりやすく金銭単位で図ることができるようにしたものが、「新国富指標」です。これは、「人工資本(道路、建物、機械等)」「人的資本(教育、健康等)」「自然資本(土地、漁業、気候、鉱物資源等)」、三つの資本を軸として数値化し、合計したものを指標としています。

馬奈木さんには、この「新国富指標」についてや、私たちの住む地域における活用方法についてのお話を伺いながら、これら多様な指標による豊かさがどのように私たちの幸福感に繋がるかを話し合います。これからの地域づくりに必要なものとは何かを一緒に考えていきましょう。


第9回 未来のお金

 7/21(金)LIFULL本社にある「LIFULL HUB」にて、安部芳裕さんと佐々木重人さんをゲストにお招きし、「第9回 革命のレシピ」を開催しました。
 
 今回のテーマは「そもそもお金とは何か?」。もともと環境問題に関心があった安部さんは、小さなコミュニティで経済を回すことが環境問題の解決へと繋がるということに気づき、お金の原理や仕組みについて追求し始めます。

 そのきっかけは、「地域通貨」との出会いからでした。お金には、法律で効力が決められている「国家通貨(=円)」と、ある特定の地域で信頼に基づいて発行されている「地域通貨」があります。地域通貨には利子が付かないため、地域経済を活性させるとも言われおり、現在日本の至るところ(http://cc-pr.net/list/)で実践されています。安部さんは、地域通貨の先駆けとなった「レインボーリング」をつくり、そのノウハウを持って日本各地で地域通貨づくりのサポートをしてきました。

 お金とは何か?まずは安部さんに、お金の成り立ちからお話いただきました。お金の定義づけは、具体的にはされていないと安部さんは話します。しかし、機能として「交換の媒介物」「価値の貯蔵手段」「価値の尺度」「投機的な利益の道具」「支配の道具」という五大機能を持っています。そもそもの起源をたどっていくと、お米や野菜など日用品との交換の媒介物となる「商品貨幣」から始まっています。そこから、銅などでできた「金属貨幣」、一定の重量と品質を証明するために鋳造した「鋳造貨幣」へと変わっていき、価値の尺度を計る手段や、価値を貯蔵する手段となっていきました。さらに、時の権力者がお金の価値を付加する役目を担うようになったことで、お金は権力者の支配の道具となってしまいます。そして、ヨーロッパを中心に、お金を取り締まる「銀行家」を名乗る人が増えていきました。そういった人々が無からお金をつくり出し、信用創造をする中心的役割を担っていったのです。その一方でイギリスでは、国がお金をコントロールしやすくするため、国債と等価分の紙幣であれば発行して良いという決まりをつくり、銀行家と協定を結びます。ここから中央銀行制度が定着していきました。さらに、貨幣のやり取りを簡略化する流れから、銀行で発行する希少金属の代わりに、貨幣預かり証を作成するようになります。これが今のお金の原型となっています。

 ”借金に基づいた貨幣”から”公共貨幣”へこのような歴史から、銀行が国からの債務を受けることでお金が生まれるということがわかります。私たちは、銀行からの借用証書のような形でお金を受け取っているのです。「”借金に基づいた貨幣”から”公共貨幣”へ移行していくことが、持続可能な社会の実現に繋がる」と安部さんは話します。かつては、経済が成長すればみんなが豊かになっていくと信じられていました。しかし、成長が前提である資本主義は、効率化を推し進め、人々の精神的なゆとりを喪失させたり、人との繋がりを軽薄なものにしていきました。そして、大量生産・大量消費を推し進め、数多くの環境問題も引き起こしています。さらには、人々の生活に格差を生み出し、消費が減退することで、経済が停滞するという悪循環が生まれていきました。そこで過去の国の先導者たちは、多額のお金が流通する武器産業を活性化させるために戦争を起こし、それによって経済を回そうとしてきたのです。

 そういった資本主義は、人々を平和から遠ざけてしまうのかもしれません。イベント後半は、資本主義からの脱却や、今後起こりうる社会問題の解決策として注目されている「ベーシックインカム」について、佐々木重人さんにお話いただきました。ベーシックインカムとは、国民の生活を保障するために、一律の現金を配る制度のことです。近年のテクノロジーとAIの発展で、労働の自動化が進み、将来的に人の仕事を奪ってしまうことが懸念されていますが、その対策として世界では検討され始めています。導入による人々の労働意欲低下や、国の財源をどうするかが議論されていますが、実現できれば、貧困層を減少させ、それによって犯罪率や医療費を減らすことも期待されています。

 また、ブラック企業の減少や労働環境の向上で、少子化対策に繋がるとも言われています。佐々木さんによると、いち早く国民投票を実施したスイスでは、ベーシックインカムを推奨する有志が、移行方法まで書いた憲法改定案の文章と10万人の署名を集め、政府に提出をしたそうです。

動画  https://www.youtube.com/watch?v=1NpPh4BjMYE&feature=youtu.be
憲法全文訳 http://natural-world.info/blog-entry-2.html

 他にも、フィンランドが国家レベルで試験的に導入したり、カナダのオンタリオ州が今年4月に貧困層4,000人を対象に、3年間ベーシックインカムを導入していたりと、様々な国でベーシックインカムが検討されています。私たちが住む日本ではどうでしょうか?ゲスト登壇者たちは、ベーシックインカムが実現することで、実態経済や個人の生活を守ることができると熱く議論しました。

 「財政破綻」「政界再編」「自然災害」「天皇生前退位」「人口減少」「AI+ロボ」といった、大きな社会変革が起ころうとしている日本。お金のあり方、経済のあり方について、今一度考えるときが来ていると言えそうです。

 CGLでは、引き続き「地域通貨」や「ベーシクインカム」などについて扱っていく予定です。どうぞ今後もお楽しみに!

主任研究員

クラウドガバメントラボ 代表 
一般社団法人村楽理事
茨城大学社会連携センター顧問
一般社団法人リバースプロジェクト 地域再生 プロデューサー
 地方創生総合戦略づくりを進めながら、地域の民間企業を中心とした足腰の強い地域経済活性化を志向し様々な地域の地域おこし協力隊マネジメントや計画策定に関わっている。
東 大史
俳優 / 映画監督 / 実業家
株式会社リバースプロジェクト代表
伊勢谷 友介
ソーシャルプランナー /作家 / 構成作家 / 小説家 / 音楽プロデユーサー/ 環境&メディアコンサルタント

 多数の TV、ラジオ番組、出版を企画・構成するかたわら、 環境、社会貢献、ソーシャルメディアのハブとして活動。 新しい価値観(パラダイムシフト)や、持続可能な社会への転換(ワールドシフト)の 発信者&コーディネーターとして活動中。
谷崎 テトラ
掲載準備中
上保 大輔
掲載準備中
上保 大輔

設立趣意書

誰かに任せる民主主義から、自分で決める民主主義へ。
 
 人類が70億人を超え、人間のつくった「社会」は、地球本来の自然循環による回復能力を大きく超えてしまいました。同時に、本来は単なる道具であったお金という存在が、いつの間にか巨大な力となり、それこそが人類の最大価値であるかのように世界を支配しています。資源の奪い合いが起こり、戦争が発生し、経済という価値観がすべてに優先されるかのように扱われ、国家の対立や紛争はますます広がる予感さえしています。 
 
 人類は、本来、誰もが、幸せに生きたいと願い、争いを好んでいません。誰もが、未来への大きな負担になるような負の遺産や自然破壊の連鎖を止めたいと考えています。誰もが、人類が地球とバランスをとり、子孫が美しい地球に住み続けられることを望んでいます。

 しかし、私たち人類が生きている現代という場所には、多くの矛盾が存在し、その解決策は未だ見出されていません。こうした矛盾への挑戦は、単なる理想なのでしょうか。社会構造の中では、その多くが要悪と割り切るべきなのでしょうか。
 
 現実を変えられるのは、今を生きる私たちです。そして、社会は、個人の自由と責任のある行動において、理想を現実に近づける努力を続けて、変えられるものです。
 
 自由=個人が自ら考え、変化を提案し、議論し、全員で結論づけ、変化を実行できる力。責任=実行された現実を受け止め、さらに変革を繰り返し、よりよい結論を求める行動。 
 
 自由と責任を担うことが個人を成長させ、次の進化と呼ばれるべき意識の変革に結びついていきます。成長した個人の善意が、人間社会の倫理観となり、人類の未来を創造することができるのではないでしょうか。

  いま、私たちの手元には、インターネットも、スマートフォンもあり、世界の多くの人と英知が瞬時につながるという時代を迎えています。たった1人のツィートから古い体制が終わり、国境を越えた多くの意思が大国の政府に影響を与えるという、かつては想像もできなかったことも起こりました。個人同士のつながりが既存の枠組みを根本から変えるという現実を見れば、社会システムの再構築は時代の要請であり、その先にこそ、人類の新しい可能性が広がっていくのです。 

 私たちリバースプロジェクトは、人類が地球に生き残るための進化を支える基盤として、人々がより深く話し合い、議論を重ね、意見をまとめ、新しい時代の社会システムをつくる発想や提言を行っていこうと思います。政治や行政システムなど、これまでの常識にとらわれることなく、発想、議論、意思決定、実行の各プロセスにナレッジを提供することを目的に、特定の政治活動からは中立した、市民の英知を束ねる機関として活動します。

  誰かに任せる民主主義から、自分で決める民主主義へ。リバースプロジェクトは大きな挑戦を始めます。 

2012年10月1日
一般社団法人リバースプロジェクトクラウドガバメントラボ