森友嵐士の作品は黒い紙に
赤、蒼、金の墨で描かれています
「森友嵐士の墨象版画」は一見
原画同様の黒い用紙に、ジクレー版画の
高度で緻密な模写を施し、赤や蒼や金のインクを
吹き付けて制作されたように見えますが
実はちょっとした工夫の上に制作されました
版画制作に用いられている一般的な
インクというのは、
白い紙やキャンバスの上で発色することを
前提として作られているので
黒い紙などの特殊紙では原画に
近い色を出すことが非常に困難になります
そこで今回、森友嵐士の版画作品を制作する上で
最も注意しなければならない箇所に
黒の用紙に色づく色墨の絶妙な
色彩感・タッチをどう模写するかで
版画作品としてのポテンシャルも
問われると言えることです
原画の用紙に用いられている背景の黒を版画では
※白いキャンバスに背景の黒と墨象部分の
赤や蒼や金を同様に、インクで描写を
することで色づけて制作されました
色についてですが、通常私たちが
当たり前のように見ている色と言うのは
光の加減で全く違ったものに変わります
版画を作る際には
原画を平均的な室内の明るさで見るということを
想定した上で色の調整を行っています
森友嵐士の墨象は、筆のかすれた部分など
背景部分を細かく表現しなければいけない
箇所がいくつもあり これを再現するのは
非常に高い技術が必要となります
黒い地に描かれたような仕上がりは
版画制作のプロフェッショナルとして
様々な作品を世に送り出してきた
ガレリア・プロバならではの
仕上がりと言えるものであります