黒にんにくってご存知ですか?
近年、メディアで話題になり、注目を集めつつある自然食品です。
サプリメントと違って、甘酸っぱくてフルーティなことから【元気グルメ】とも呼ばれます。
炊飯器などでつくる簡易な方法(?)も紹介され、個人商店の方々もこの人気ぶりにのっかろうとつくるようになり、道の駅や物産館、スーパーなど、いろんなところで黒いニンニク(?)を見かけるようになりました。
値段はほんと安いものから高価なものまで幅があります。それもそのハズ。この先のことを読んでいただくと価格がこんなに違う理由がよく分かっていただけるかと思います。
ここでは、本当の黒にんにくのつくり方を紹介します。
スタミナ補給の元気食材として知られるニンニク。
この生のニンニクを発酵・熟成によりパワーアップした
自然食品が黒にんにくです。
気になるニオイはやわらぎ、甘酸っぱくてフルーティ♪
しっかり長期熟成されたものは、
まるでプルーンのようだと例えられることもあります。
外の皮はキツネ色、皮を剥いた中身が真っ黒になっていることから「黒にんにく」と呼ばれています。
通常の生のニンニク(画像左)をサウナ風呂のようなところにおくと
発酵がはじまります。
発酵後が進むにつれて、徐々に褐変し、約1か月もすると黒く変化
します(上部画像のとおり)。
本格的な設備から炊飯器までニンニクを黒くする設備器具はいろいろ
知られてます。「黒いニンニク」ではなく、本当の黒にんにくを
つくるにはちゃんとした設備と手間をかけてあげることが不可欠です。
その理由はこれから先を読み進めてくださいませ。
発酵とは
『発酵とは、微生物の働きによって 物質が変化し、人間にとって有益に作用することをいいます』((社)日本発酵文化協会)。
納豆、味噌、ヨーグルト、チーズなど発酵食品としてよく知られています。パンもイースト菌が働いた発酵食品です。
黒にんにくも発酵食品です。
黒にんにくで注目のSアリルシステインやポリフェノール、からだに大事なアミノ酸が増加するのは『発酵』のおかげ。
ゆえに、きちんと『発酵』させることが大事なのです。
発酵は酵母や乳酸菌などの微生物の働きがあってこそのものです。
微生物も生き物。
高温下では死滅してしまうので発酵しません。
黒にんにくを炊飯器でつくる方法が紹介されています。
でも、炊飯器って何度まであがるのでしょうか?
炊飯器は沸騰するので100度になってるんでしょう。
圧力釜なら100度を超えることもあるでしょう。
タンパク質の変性温度は60度。
100度になって、いったいどれだけの微生物が生きていられるのでしょうか???
では、どうしたらこの大事な発酵をさせることができるのでしょうか?
そうです。微生物を死滅させないように、その働きを助けるぐらいの温度に抑えることが大事です。
温度をあげない分、黒くなるまで時間がかかりますが、じっくり低温発酵させることが大事なのです。
本来の黒にんにくにするにはこの【低温発酵法】でつくることが大事なのです。
高温で10日~2週間程度で黒いニンニクを
つくる方法。
「炊飯器 黒にんにく」で検索するといろんな
サイトがリストにでてきます。
短期間なので安く大量につくれる。
『発酵』は不十分なので中身は本来の黒にんにく
とはほど遠い代物といえます。
温度は発酵を助長する程度に抑えて、1か月ぐらいの時間をかけて黒にんにくをつくる方法。
黒蒸し法の2~3倍の時間がかかり、その分 コストも高い。
しっかり発酵させるのを重視した製造方法。乳酸菌もしっかり働いたことによる酸味があるのが特徴。
実際にどのぐらいの温度にするのかは、企業秘密のようで公開されてる情報がないのが実情です。
きちんと発酵させるには、微生物にしっかり働いてもらうことです。
高熱では死滅する、さりとて常温では発酵しない。
だから、
発酵を助けるぐらいの温度にとどめて、じっくり時間をかけることが大事。
炊飯器で仕込むと10日や2週間ぐらいで黒くなります。
でも、しっかり発酵させるために温度をおさえると1か月ぐらいかかります。
条件さえ備えていれば、不要です。
条件??? 簡単です。
そう、元となる生のニンニクの品質です。
ニンニクはもともと糖度も高く、畑のミネラルなど栄養をたくさーん吸い尽くして栄養満点と言われるぐらいです。
ですが・・・
品質に問題がある場合は、何らかの手段で不足するものを補わいといけません。
青森産など有名産地のニンニクを使ってる場合にありがちなのですが、市場に流通できる有名産地のニンニクは値段が高いので、市場で流通できないような品質のものを使っている場合があります。
海洋深層水はミネラルを、玄米液は糖度を補います。
逆にいうとそのような製法を採用してるのは、使っている元の生ニンニクの品質に何かあるのかも知れません。
遠赤外線も不要です。
先に説明したように温度を無理に高熱にするのは逆効果。
そして、つくっているときに手入れするので遠赤外線で熱を回遊させる必要もありません。
良い品質のニンニクを使っていれば、余計なものは使う必要はないのです。
海洋深層水とは水深200m以深の海水のこと。ただ、これは日本の定義で海外ではグリーンランド沖と南極海で形成される2か所の深層水(北大西洋深層水と南極底層水)のみを指すようです。
本来的な海洋深層水はミネラルが豊富なのが特徴。それにニンニクを漬け込む方法。
海水に漬け込みますが塩味はあまり感じず、マグネシウムなど深層水の特徴である希少ミネラル分もよくわからない。
水が高いところから低いところへ流れるように、濃度が高い方から低い方へ浸み込んでいくのが自然の摂理。ニンニクのように濃いものに、海水が浸み込んでいくもんなんでしょうかね?
ニンニクを玄米発酵液に漬けてから発酵させようとする方法。
遠赤外線とセットすることも少なからずあるようです。
不自然な甘さが特徴で、乳酸菌が働いた証(あかし)である酸味は薄い傾向にあるように思います。
にんにくが本来持っている力を活かし、玄米発酵液や海洋深層水など何かに漬け込むことはありません。
温度と湿度でにんにく自身が発酵するのを助けます。
まさに「何も足さない、何も引かない」・・・自然なつくりかたです。
これも不要です。
お茶の葉やヨモギを使うのはニオイをごまかすために使います。
きちんと発酵を終えればニオイはずいぶんやわらぐので、本来は不要です。
発酵をきちんと終えてない場合に、ニオイをごまかすために違うニオイづけをすることが必要になります。
これも不要です。
お茶の葉やヨモギを使うのはニオイをごまかすために使います。
きちんと発酵を終えればニオイはずいぶんやわらぐので、本来は不要です。
発酵をきちんと終えてない場合に、ニオイをごまかすために違うニオイづけをすることが必要になります。
ご存知ですか?生のにんにくの水分はヒトと同じ3分の2を占めてます。
ですので、発酵をおえたばかりの黒にんにくはべちゃべちゃです。
それだけでなく食感もモソモソっとした感じで、手にべちゃべちゃと汁がつきます。これで黒にんにくに嫌な印象をもってしまった気の毒な方も少なくないほどです。
お取り寄せしたら、袋になにやら液漏れのような汁がでていたことはないですか?それは乾燥不足だからです。
プルーンのような食感で、おいしさギュっと凝縮したものに仕上げるには、発酵後の熟成乾燥工程が欠かせません。
しかも、時間をかけないと表面だけ乾いてプルーンの食感になりません。
そして、しっかり乾燥したものは皮と実の間にスキ間ができているのが証拠です。
原料となるにんにく。
どんなのを選べばいいのでしょうか?
まず気になるのが産地。
日本では青森産が有名です。国内では青森が一番の産地。次いで香川県です。
日本では国産が重宝されてます。特に青森産が異常なほどの高値で取引されてます。
この国産志向は安全・安心な食材を重視していることに根差してます。
ですが、残念なことに国産でも作り手によって農薬や化学肥料の使用や育て方が違います。
「国産」というだけでは「安全・安心」であるということの証(あかし)には不足です。
中には市場に出せないものを使って国産にんにく仕様の黒にんにくとして販売する業者もいないとは限りません。
ですので、原料にんにくの選択において産地はあまり重要でなく、むしろ有名産地であることを盲目的に信じてしまう方が危険ともいえます。
国産ブランドの象徴的存在です。
国産の青森県産だけがホワイト六片で、それ以外は海外産とまで紹介するサイトも散見されます。
ですが、ホワイト六片は青森県産だけではありません。海外産でも存在しています。
青森県産は何がいいんでしょうか?美味しさ ? 安全性 ?
美味しさは育て方にも大きく依存しており、同じ青森県産でも生産者次第。
安全面で特に怖いのは残留農薬。検疫が義務の輸入品と違って国産は残留農薬検査の義務がありません。
それは真っ赤なウソ。そんなことを書いてるサイトに書いてあることは疑ってみざるをえません。
香川県は日本国内で2番目のニンニク生産地です。ここのニンニクは、ホワイト六片以外のニンニクがつくられてます。
とても不思議ですが、ホワイト六片以外を海外産とするサイトはどう考えてるのでしょうかね?
そして海外にもホワイト六片は存在しています。
国産は大粒で海外は小粒というのも偏った言い方です。ニンニク全体の玉の大きさでは海外に大きいものが珍しくないようです。
東京都中央卸売市場の統計でにんにくの産地別取り扱い実績2016年(1~12月)をみると海外産は次のとおりです(%は卸売り市場全体の中での構成比)。
中国 1,773トン 47%
スペイン 36トン 1%
圧倒的に中国産が多いです。それは安いからです。
ちなみに国産はこんな状況です。
青森県1,717トン46%
香川県 151トン 4%
和歌山 15トン 0.4
茨城県 13トン 0.4
日本の生産規模は世界的にみると30位半ばぐらいで、中国の1%はおろか1000分の1程度です。
そしてGAPやオーガニックなど客観的な基準で安全を確保する欧米と異なり、日本は「国産」なら安全という傾向があります。
特にヨーロッパはオーガニックに対して非常に厳格なことで知られています。
既にオリンピックの世界では選手村の食材調達基準にオーガニックが重視され、東京オリンピックでは日本の野菜が採用されないことも懸念されているようです。
それは違います。
海外産でもホワイト六片があり、国産にもたくさん片数があるものもあります。
にんにくの種類の違いで、暖かい地方ではたくさん片数をつけるものが多く、日本で2番目の香川産もたくさん片数をつけます。
青森産・国産を強調する大手販売サイトで間違った情報が流されてるのは嘆かわしいことですが、それにつられて不勉強なまま紹介しているのも困ったものです。
それも違います。
海外産でもホワイト六片があります。
それも違います。
海外でもヨーロッパのようにGAPやオーガニックなど食品の安全性に厳しい国もあります。そんなヨーロッパに認められてオーガニックの野菜を輸出している国もあります。
オーガニックは世界的な潮流ともなってきています。
オリンピックの選手村では食材選びの重要な基準として「オーガニックであること」が重視され、たとえ開催国であってもオーガニックでない食材は採用されないのが基本になっているようです。
オーガニックは日本では農林水産省の有機JAS規格があり、これに準拠していることが第三者機関の審査で認められると「有機JASマーク」がもらえます。
日本の有機JAS規格と同等以上と認められた国の有機認証も基本的に有機JASマークをもらえます。
たとえば、中国は同等以上とは認められておらず、中国の有機認証をもっていても日本の有機JASマークはもらえず、日本国内で「有機」「オーガニック」と名乗ることができません。
こうした客観的な基準に準拠しているかどうかは安全性を判断するうえで重要な判断基準といえます。
それは違います。
海外産でもホワイト六片があり、国産にもたくさん片数があるものもあります。
にんにくの種類の違いで、暖かい地方ではたくさん片数をつけるものが多く、日本で2番目の香川産もたくさん片数をつけます。
青森産・国産を強調する大手販売サイトで間違った情報が流されてるのは嘆かわしいことですが、それにつられて不勉強なまま紹介しているのも困ったものです。
怖いのは農薬、化学薬品の使用です。
健康に過ごしたいと思っているのに、危険な農薬など化学薬品が残留していては本末転倒です。
オーガニックの認証をもっているものは第三者機関の審査があるので信用性は高いですが、そうでない場合は何も保証はありません。
国産といっても必ずしも安全ということではありません。
有機JAS認証のように客観的な基準と審査をクリアしていないものは、国産であっても気をつけないといけません。
特に土と接していた皮の部分は農薬を使っている場合はそこに付着している懸念が高いです。高温多湿な日本では病虫害を防ぐのに強い農薬を使わざるをえない傾向にあります。
ですので、何も認証のない国産の黒にんにくは、少なくとも皮をしっかりキレイにとりさって食べるようにしたいものです。
炊飯器はお米を炊くという本来の機能があるので、沸騰させるために100度の高温になる仕様になってます。ですので、発酵は不十分な黒にんにくもどきにならざるをえません。
「それでもいいよ」って方は「炊飯器 黒にんにく」で検索するとたくさんのサイトがヒットしますのでつくりかた自体はそちらのサイトを参考にしてください。
それらのサイトにはあまり注意事項が書かれてないか、書いてあったとしてもとてもマイルドな書き方がされています。
ほんと困るのは
「(つくる過程で出る)ニオイがすごいよー」
ってことです。
室内でつくった場合、にんにくが好きな人でも大変なことになります。
ニオイが部屋中に充満し、ちょっとやそっとファブリースするぐらいではとれません。
染みついたニオイに頑張って馴らしたとしても、ヒトに近づいたときに衣服やカラダにも染みついたニオイに気がつかないヒトは稀(まれ)なことかと思います。
炊飯器もすごいニオイ、部屋もすごいニオイになります。
じゃあ・・・炊飯器をあきらめて、室外でつくればいいんでしょ?
ところがどっこい!
外でつくった場合はご近所さまの苦情は覚悟しないといけません。
半径1kmぐらいに何もないなら、ひょっとして大丈夫かも知れませんが、そういうところに暮らしている方は稀(まれ)なのではないでしょうか。
黒にんにくの製造工程の写真でガスマスクのようなものをつけて作業しているヒトをみたことがないですか?
それほどつくっているときに出るニオイはすごいということです。