学校へ行かずにいると、将来どうなるの?
学校に行かなくてほんとうに大丈夫なの?
もちろん、そこに正解はありません。
世の中の多くのものごとと同じように。
でも、いろんな例を見聞きし、知ることができれば、悩みの渦中にいる人の不安を和らげるのにきっと役立つのではないか。
そんな思いから、このインタビュー事例集を制作しています。
その名も『雲の向こうはいつも青空』。
不登校・ひきこもりを経験した人、
その保護者、子どもたちに寄り添う人、
そして自分の学びを実践した人。
そんな7人へのインタビュー集です。
書き起こした文字数は7名合計で388,218字、録音した時間の総合計は24時間26分19秒……。
もちろん、取材にかけた時間が長ければ良い、というわけではありません。
一人ひとり、時間をかけて取材する中で出てきた、その人にしか言えない言葉。
振り返ってみての、それぞれの思い。
今になってみて改めて言える、それぞれの経験。
それらをできる限り丁寧に、話し手の経験の奥にある本当の気持ちに寄り添うように、まとめました。
申し遅れました。びーんずネットと申します。
私たち夫婦は神奈川県川崎市で、お子さんの不登校に悩んでいる親御さんを対象とした様々な活動(セミナーやイベント、出版など)をしています。
私たち自身も2013年に息子の不登校を経験した親です。
息子の不登校という予期せぬ事態を目の前にして、迷い、悩みました。
そして今、振り返ってみて思うのは、悩みの渦中にあるときに私たちが知りたかったことは、誰かのお説ごもっともなアドバイスではありませんでした。
安全地帯から無責任に同情してもらうことでもありませんでした。
私たちが本当に知りたかったのは、見えない将来の不安や迷いの中から”抜けていった人たちの事例”でした。
悩みの中にいたときに読みたかったもの、あのころ自分たちが本当に欲しかったものを作りたい。
きっとそこにヒントや安心を見出して、勇気づけられる人がいるはずだから…。
その思いからこの事例集を作っています。
ここには、明確なメッセージはありません。
具体的なアドバイスもありません。
ここにあるのは、この事例集に登場してくださった7人の、リアルで等身大の言葉と、思いです。
悩みの渦中にいる人も、そうでない人にも、きっと沢山の気づきにつながる素晴らしい言葉に出会えるはずです。
ページを繰って、ぜひあなた自身でそれを確かめてみてください。
だったらその重荷を下ろしたほうがいい
「将来の夢はプロ野球選手」——父親の影響で小学生のころからそう宣言していた木村篤志さん。ただ理想の自分と現実とのギャップも感じていました。そして中学二年のとき、「ポキッと心が折れる音がした」という経験から学校に行くこと自体がつらくなり、冬休み明けから完全不登校になります。
転機になったのは担任の先生の異動を知ったことでした。当時の苦しさと、そこから抜け出すことになったきっかけ。そして過去の自分とあらためて向き合う木村さんの今をお聞きしました。
理想と現実のギャプに壊される……p.6
僕の気持ちはあなたにはわかりません……p.8
けっこうイバラの道だと思うよ……p.10
よかったやん。いい道みつかってな
滋賀県長浜市でお米づくりを基盤に、里山での体験イベントなどもおこなっている小障子正喜さん。中学3年生のときに完全に不登校になり、15歳から部屋にひきこもる毎日を過ごします。
「なんでこうなったんや?」――ただひたすら部屋の中で自問自答する日々。
そんな小障子さんが社会につながるきっかけとなった定時制高校での出会いのこと。そして大学院を経て思いもしなかった農業の道へ歩まれるまでをうかがいました。
まさか農業に従事するとは……p.14
ものの二日で行けなくなる……p.17
なんでこうなったんや?……p.18
ああ、やっぱりちゃんと生きていきたい……p.20
愛はいつだって身近にある
江口早紀
子どもの自分軸とスキをサポートする先生
小学生のころからずっと「これは私じゃない」という違和感を抱えてきたという江口早紀さん。少食を男子たちにからかわれて給食がまったく食べられなくなったことと、中学二年のクラス替えにうまくなじめなかったことが重なり不登校になりました。
「学校へ行けないことより食べられないことのほうがつらかった」と言う江口さん。その後、進学した高校で人生を変えるきっかけとなる演劇と出会います。アートと自己表現に支えられてきた江口さんのこれまでをうかがいました。
今日はどれくらい食べたの?……p.24
あなたに何がわかるのよ?……p.27
ぜんぶ言って!それが親切だから……p.28
必要なものに導かれてきた人生……p.30
心の中のもう一人の小さな僕へ
礒野浩二
プロジェクト・マネージャー
台湾の企業でプロジェクト・マネージャーとして活躍している礒野浩二さん。家庭教師で不登校の子どもにかかわった経験もあり、不登校のことを理解していたつもりでした。でもいざ我が子の不登校に直面したとき、まったく違う感情が湧いたと言います。
自分の考えに疑問を持ったのは、長男の泳ぐように動く生気のない目を見たときでした。
変わりたい。でも気づけば家族に自分の価値観を押し付けてしまう。
そんな礒野さんが自身と向きあう中で見つけたのは、幼少期の小さな自分の姿でした。
不登校のイメージは変わっていたけれど……p.34
美談を語ってもしゃあないで……p.37
価値観の押し付けという虐待……p.38
本来の俺はどうなんや?……p.40
この子は自分の命を生きているだけ
寺前亜紀
cafe umi店主
北九州市門司区の路地裏に佇むcafe umi。「子育てで苦しい思いをしているお母さんのための場づくりをしたい」という店主の寺前亜紀さんの思いの源には、子育てで悩んだ自身の経験がありました。
人一倍繊細で赤ちゃんのころから育てづらかった娘を「私がちゃんとしつけないと」と躍起になっていたという寺前さん。
娘の不登校から始まった「自分を掘り返していく」作業の中で見えてきたものをうかがいました。
娘と一緒にいることがすごく切なかった……p.42
不登校はあなたの育て方のせい……p.44
死にたくなったらママも一緒にいくから……p.46
私が許せてなかっただけ……p.48
他のヒトと比べられないものを持っている
宮武将大
一般社団法人hito.toco代表
働くことに障害のある方を対象にした就労移行支援サービスや、不登校やひきこもりなどの相談支援、家族会などをおこなっている香川県高松市の「hito.toco」。代表の宮武将大さん自身も不登校とひきこもりを経験しています。
行政とも連携しながら事業を広げ精力的に活動している宮武さんですが、かつては「真っ暗な世界に一人だけ。目の前に道があるのかどうかもわからない」と振り返る絶望の日々がありました。
現在のご活動とこれまでをお聞きしました。
精算する必要がある、ある種の借金……p.52
納得させるためにうそをついた……p.55
親が死んだあとに死ねばいいや……p.56
40歳になったら人間やめる…p.58
選び続けてきたから、自信になってくる
Sarah
デモクラティックスクールまっくろくろすけ卒業生
小学一年生の年齢から高校卒業年齢までの一二年間、デモクラティックスクールで育ってきたSarahさん。教室に黒板があって先生の話を聞くスタイルの日本の一般的な学校に通ったことは一度もありませんでした。
ただそれぞれが“自由”に過ごすことは、身勝手でいいこととはまったく違う。スクールではときに、苦しくなるほど粘り強く対話することや自分を見つめ直すことが求められました。
ルールや基準がない中で価値観が違う人どうし、個性を尊重しあって共存してきた日々のことをお聞きしました。
まだ今日はここまでしか進んでない……p.62
このルール、本当にいる?……p.65
やり尽くすことってすごく大事……p.66
びーんずネット代表。
2018年春より、親子関係をよくするためのコミュニケーション講座や不登校に関するセミナーを開催する「びーんずネット」の活動を始めました。
小学3年生のときに不登校になり、デモクラティックスクール・通信制高校を経て現在大学生の息子と夫の三人家族です。
川崎市子どもの権利委員会委員、親業インストラクター、産業カウンセラー、国家資格 キャリアコンサルタント。
びーんずネット事務局担当として制作、運営などマーケティング全般を担当。息子の不登校を経験する前は、中学の「お受験」を考えるようないわゆる一般的な教育観を持つ父親でした。
とにかく一人でも多くの方にお読みいただきたい!
その思いから、送料については無料とさせていただきます。
※宅配便ではなく、ポストに直接投函される「クリックポスト便」でお届けします。
日時の心配なくお受け取りいただけます。
びーんずネットの金子純一が息子の不登校に悩む間、自分の両親に送り続けたメールをまとめた『不登校日記|僕らの場合』。
計18通のメールは、当時の状況と心境を率直に綴った生々しい記録になっています。
WEBで公開した内容を読みやすいA5版サイズの冊子にまとめ、書き下ろしの前書きと後書きを加えた「非売品」です。
『不登校日記|僕らの場合』金子純一:著
◆A5版 全62ページ(表紙/中面モノクロ)。附録「不登校について語るときに私が語ること」収録。
その場合には遠慮なく、90日以内にお知らせください。
全額、無条件で返金いたします。
本を送り返す手間も費用もかかりません。安心してお試しください(ただし複数冊セット購入の場合は除外となります)。
お一人目、木村篤志さんのインタビューの余韻がとてもよかったです。
お父さんの野球の夢の重さに苦しみながら、出口が見つかったようで、まだ見つかっていない。めでたしめでたしでは全然ない。
それでも婚約されたりして、日々の時間は悩みや迷いばかりではなく喜びやときめきもあるのだとあらためてわかる。これからも話は続いていく感じがして終わっているのがとてもいい。
礒野浩二さんの話にも自分を重ねて共感しました。
僕も子どもに厳しかった。よその子にはやさしくできるのに、自分の子どもにはなんでそんなに厳しくできるのだろうと自分でも不思議だった。
「虐待です」
とカウンセラーから言われて。それで小さな自分が傷ついていたことに気がつけたというところ。小さなコウジくんが心の奥で泣いている。泣くことも許されずじっとしていた。
礒野さんも息子さんに救われたのだと思う。
寺前亜紀さんの娘さんとの連想ゲーム。
これはほんまにもう。
「世界で一番かわいいもの」
「ママの大好きなもの」
「銀河一かわいいもの」
この部分の数百文字の文章だけで、小説も合わせても過去に読んだすべての文章の中でも屈指の名文だと思いました。ここでしばらく読むのを止めたほどに。
他の方のインタビューもどれも味わい深いです。繊細であればこそ苦しい時間を過ごされている。それでも生きて進んでいく。
インタビューの時間も、編集のスタイルも、ますます洗練されているようです。生の声の迫力や、話し手聞き手の心の動きまでも、伝わってくる感じがします。
温かい励ましを感じました
漫画家
棚園正一
読んでみたいと思ったキッカケは、Vol.6に掲載されている谷川明子さんの記事でした (講演会を主催してくださったりとお世話になっています)。
みなさんの言葉に沢山のことを勉強させて頂きました。
正直、自分はまだ”親”という立場ではないので、両親の気持ちは全て理解できる訳ではないと思っています。
ただ、この本に綴られているみなさんの等身大の言葉が、今まで遠くに感じていた両親の気持ちと、幼かったころの自分の気持ちをつないでくれた感じがします。自分の思い出と重なる部分も沢山あって、あのとき母や父はこんな気持ちだったのかも……と感慨深くなりました。
はじめてこの本を手に取られる方の中には、お子さんへの対応や自身の行動の「正解」が分からず、八方塞がりになって苦しんでおられる方も多いと思います。
しかし金子さんご夫妻の道のりや、経験者のみなさんのインタビュー記事を読んでいると、そんな「正解」なんてないことに改めて気づかされます。
「ずっと試行錯誤の道は続いていて、それで良いんじゃないのかな?」って横に並んで声を掛けてくれているような、そんな温かい励ましを感じました。
大人になった自分は今、不登校やひきこもりで苦しんでいる時間は過ぎましたが、学校へ行けない苦しみに関わらず、とても勇気づけられる経験談ばかりでした。
きっと、それぞれの形で幸せは続いていくんですね。
素敵なお話の数々、貴重な出会いをありがとうございました。
先入観を変えるきっかけにも
親業訓練インストラクター
村林さえ
この冊子には「やさしさ」や「おおらかさ」「多様性」を感じるんですね。
「こうすべき」ではなくて、“こういう人のこういう生き方もあるよ”という例をたくさん見せてくれるというか。
不登校になると、私もそうだったんですけど、親はどうしても煮詰まってしまうことが多いと思うんです。
そういうとき身近に理解者がいれば一番いいんでしょうけど、身近に理解者がいなかったとしても、ここに出ている人の様々な経験とその後を読むことで、「不登校も人それぞれ」ということがスッと入ってくる。もうこの冊子自体が「理解者」になってくれるというか。
活字になっているっていうのも大きいですよね。
私自身、びーんずネットさんのインタビューを受けたとき、娘の不登校の経験は本当に「かなり前のこと」だなって感じてたんです。「そんなこともあったよね」ぐらいの。
記憶の中で薄れちゃってた気がするんですけど、やっぱり人生の様々な経験のひとつのパーツとして、親の中にも子どもの中にもしっかり埋め込まれて、根付いている。それが今に連なっていて、この先の未来にも続いている。
読み返すことで、改めてそんな気持ちにもなりました。
この冊子が不登校に対する、いろんな世の中の先入観をじわじわと変えていく――そんなきっかけにもなるんじゃないかな、とすごく思っています。
これこそが私が求めていた本でした
考える余裕が少し生まれました
キレイごとではない生の体験
心がずんとします
期待ではなく大丈夫という安心感
空を見上げるちあきさん
迷いが出るたびに読み返したい
話を直接聞いている感じ
みき子さん
根底にある「生きる力」を信頼して
子どもの自分軸とスキをサポートする先生
自分に必要なものは目の前に現れてくるから、あまり思い詰めず自分自身の根底にある「生きる力」を信頼して歩んでいってほしいと強く思っています。
必要な出会いとか、エッセンスが必ず表れてくる。それは自分の人生を通して実感してるので。
心配せずに、そのままの自分でいることを許してほしいなと思ってます。
むしろ楽しく生きられるよ
デモクラティックスクールまっくろくろすけ卒業生
Sarah
「こういう生き方、こういう選択肢もあるんだよ」と知ってほしいなと。それでも不自由なく、むしろ楽しく生きられるよと伝えたいと思ってます。
人と違う道を行くのは怖いと思うんですけど、まずは漠然とした不安の原因をしっかり明確にして向きあう。それはいつやっても遅くないと思うので、どの親子も一度やってみたらいいかなと思います。
米農家
小障子正喜
「こんなやつおんねんな」ぐらいの感じで見てもらえたら。こんなやつでもちゃんとなんとか飯食って生きとるわっていう(笑)。それぐらいの一事例になればいいかなとは自分では思いますね。
楽しんでください
プロジェクト・マネージャー
今の自分を楽しんでくださいと言いたいですね。努力がいることですけど、楽しむと笑顔になるし、周りにもいい影響と循環が出てくる。楽しんでください。
今は立ち止まっていてもいい
一般社団法人hito.toco代表
宮武将大
「自分だけじゃないんだな」と知る機会になったらとは思いますね。
しんどいときってどうしても自分だけこうなんじゃないかと思ってしまう。けれど、同じように悩みや迷いを抱えてきた人の存在に触れることで、少しでも気持ちが軽くなったり、今は立ち止まっていてもいいんだと思えるきっかけになってくれたらいいですね。
本当に視野が広がる
寺前亜紀
「生きてたらこんなこともあってもいいよ」かな。
渦中にいるときはきついけれど、でもそこから抜けた後の世界の広さ。本当に視野が広がるって思いますね。
過去の自分も想像できるから
木村篤志
今ある幸せを噛みしめるのが一番大事な気がするんです。
でも「いや、お前は不登校を脱したからそう言えるんだろ?」と言う過去の自分も想像できるんですよね。だから「無理に聞かなくていい。聞きたくなったら、聞けばいいよ」ですね。