学校へ行かずにいると、将来どうなるの?
学校に行かなくてほんとうに大丈夫なの?
もちろん、そこに正解はありません。
世の中の多くのものごとと同じように。
でも、いろんな例を見聞きし、知ることができれば、悩みの渦中にいる人の不安を和らげるのにきっと役立つのではないか。
そんな思いから、このインタビュー事例集を制作しています。
その名も『雲の向こうはいつも青空』。
不登校・ひきこもりを経験した人、
その保護者、子どもたちに寄り添う人、
そして自分の学びを実践した人。
そんな7人へのインタビュー集です。
書き起こした文字数は7名合計で337,163字、録音した時間の総合計は19時間36分43秒……。
もちろん、取材にかけた時間が長ければ良い、というわけではありません。
一人ひとり、時間をかけて取材する中で出てきた、その人にしか言えない言葉。
振り返ってみての、それぞれの思い。
今になってみて改めて言える、それぞれの経験。
それらをできる限り丁寧に、話し手の経験の奥にある本当の気持ちに寄り添うように、まとめました。
申し遅れました。びーんずネットと申します。
私たち夫婦は神奈川県川崎市で、お子さんの不登校に悩んでいる親御さんを対象とした様々な活動(セミナーやイベント、出版など)をしています。
私たち自身も2013年に息子の不登校を経験した親です。
息子の不登校という予期せぬ事態を目の前にして、迷い、悩みました。
そして今、振り返ってみて思うのは、悩みの渦中にあるときに私たちが知りたかったことは、誰かのお説ごもっともなアドバイスではありませんでした。
安全地帯から無責任に同情してもらうことでもありませんでした。
私たちが本当に知りたかったのは、見えない将来の不安や迷いの中から”抜けていった人たちの事例”でした。
悩みの中にいたときに読みたかったもの、あのころ自分たちが本当に欲しかったものを作りたい。
きっとそこにヒントや安心を見出して、勇気づけられる人がいるはずだから…。
その思いからこの事例集を作っています。
ここには、明確なメッセージはありません。
具体的なアドバイスもありません。
ここにあるのは、この事例集に登場してくださった7人の、リアルで等身大の言葉と、思いです。
悩みの渦中にいる人も、そうでない人にも、きっと沢山の気づきにつながる素晴らしい言葉に出会えるはずです。
ページを繰って、ぜひあなた自身でそれを確かめてみてください。
普通の人にならなれると伝えたい
宗俊貴恵
会社員
現在、人材派遣会社の営業担当として多忙な日々を送っている宗俊貴恵さん。
不登校になった中学二年生のとき、母親に連れられて適応指導教室やフリースクールを巡りますが、出会う大人たちはいつも貴恵さんを質問攻めにしてきました。
そんな中で、栃木県高根沢町のフリースペース「ひよこの家」の芳村さんだけはまったく違っていました。ターニングポイントになった「信頼できる他人の大人」と「心地よい居場所」との出会い――貴恵さんのこれまでの道のりをうかがいました。
ただ息をするだけでも大変だった……p.6
信頼できる他人の大人……p.8
私、絶対キエちゃんみたいになる……p.11
未来の自分が救ってくれた
木野村聡
不登校サポーター
インスタグラムで「元不登校の僕が幸せな大人になった考え方」を発信している「きのっち」こと木野村聡さん。現在、携帯電話ショップの店長として充実した毎日を送っている木野村さんは、「不登校を経験したからこそできることで、社会に恩送りしたい」と言います。
不登校のときは「学校に行けなかったら仕事にも就けない」と思っていたというきのっちさんに、葛藤の日々をうかが
恩返しする側に回りたい……p.14
羅針盤を見失った感じ……p.17
もう死にたい……p.18
不登校でも幸せにしてていいんだ……p.20
軽い一歩が自分の居場所につながった
石川龍樹
オーガニック茶農家
愛知県豊田市の下山地区で、農薬を使用していない有機栽培のお茶作りに家族で取り組まれている石川龍樹さん。豊田のお茶を知ってもらいたいと海外へのPR、輸出なども積極的に進めています。
そんな石川さんには何かがプツリと切れたように中学校に行かなくなり、居場所を失ってしまった日々がありました。
軽い気持ちで踏み出した一歩。それが思いがけず良い循環につながったという石川さんのこれまでの歩みと、若い人たちに伝えたい思いをうかがいました。
負のスパイラルが始まってしまう……p.24
適当に選んで入り直した高校で……p.27
日本人を振り向かせたい……p.29
可能性はどこで見つかるかわからない……p.30
お母さん、そんな生き方じゃ辛いんじゃない?
生井由起子
家族関係リフォームカウンセラー
子どもの不登校という状況をまったく受け入れられず、世間から「母親失格」の太鼓判を押された気がしたと言う「ゆっこ」さんこと生井由起子さん。
ことあるごとにゆっこさんの「心の地雷」を踏み続けた長男には「なんでこんなに私を怒らせるの?」と毎日のように心の中で叫んでいました。
子どもたちの不登校を通じて、自分が抱えていた苦しさを見つめ直し、向き合う中でたどり着いた答え――。それはパートナーシップの中にありました。
私の中には何が埋まってるんだろう?……p.34
息子が鬼門だった……p.36
出て行く前に話があります……p.38
自分がどういう初期設定をしているか……p.40
好きなように生きればいい
高島智
児童クラブ支援員
児童クラブ支援員・保育士として二十年近い経験をお持ちの「さとさん」こと高島智さん。
島根県松江市を拠点に、バルーンアートパフォーマンスや、子育て講演会、不登校の子を持つ親のためのオンラインサロン「不登校の先にあるもの」を主宰されるなど、さまざまな活動を精力的に続けています。
好きなだけ遊んだ子は必ず元気になる――それは子ども時代のご自身の経験や、三人のお子さんの子育て、そしてたくさんの子どもたちと過ごす中でさとさん自身が実感してきたことでした。
こんな夫婦で育てたらどうなる?……p.42
びっくりするくらい矢印の向きが変わる……p.45
自分ができてないから言ってる……p.46
こっちが変わるのが親の務め……p.49
大人も子どもも、もっと混ざりあえたら
青山雄太
オルタナティブスクール グループリーダー
オルタナティブスクールのグループリーダーとして働く前は、公立小学校の先生だった青山雄太さん。ご自身が小学生のころ、学校に行けなかった時期もありました。
ご自身の体験から教室の中にも複数のコミュニティーが生まれるよう、さまざまな工夫を重ねてきたという青山さんが公教育の現場を離れ、新たな環境にチャレンジした理由。そして今、子どもたちとの関わりの中で大切にしている思いをうかがいました。
満遍なくそうさせたくはない……p.52
コミュニティーが増えて窮屈さが取れた……p.55
こんな先生で申し訳ない……p.56
一人あたりの体積を広げる…p.58
大人も一緒に話しあう仲間
畠山あさひ
大学生
小学生のころから、学校を舞台にしたミステリー仕立てのお話をノートに書き綴っていた畠山あさひさん。
そのお話の犯人はいつも、嫌いだった学校の先生たちでした。
小学四年生で転校した「北九州子どもの村学園」の自由で主体的に学べる校風が肌に合ったあさひさんは、中学卒業後は系列のきのくに国際高等専修学校に進学。
フィールドワークや海外研修にも積極的に参加して、さまざまな経験を重ねていきます。大学生になったあさひさんに、これまでを振り返っていただきました。
大変だった。でも楽しかった……p.62
笑顔が消え、体が拒否反応を示す……p.64
原因はストローが落ちてたから……p.67
びーんずネット代表。
2018年春より、親子関係をよくするためのコミュニケーション講座やセミナー、カウンセリングを提供する「びーんずネット」の活動を始めました。
小学3年生のときに不登校になり、デモクラティックスクールを経て現在、通信制高校に在籍する17歳の息子と夫の三人家族です。
川崎市子どもの権利委員会 第7期委員、親業インストラクター、産業カウンセラー、国家資格 キャリアコンサルタント、編集者(季刊誌『青少年問題』)。
びーんずネット事務局担当として制作、運営などマーケティング全般を担当。息子の不登校を経験する前は、中学の「お受験」を考えるようないわゆる一般的な教育観を持つ父親でした。
とにかく一人でも多くの方にお読みいただきたい!
その思いから、送料については無料とさせていただきます。
※宅配便ではなく、ポストに直接投函される「クリックポスト便」でお届けします。
日時の心配なくお受け取りいただけます。
びーんずネットの金子純一が息子の不登校に悩む間、自分の両親に送り続けたメールをまとめた『不登校日記|僕らの場合』。
計18通のメールは、当時の状況と心境を率直に綴った生々しい記録になっています。
WEBで公開した内容を読みやすいA5版サイズの冊子にまとめ、書き下ろしの前書きと後書きを加えた「非売品」です。
『不登校日記|僕らの場合』金子純一:著
◆A5版 全62ページ(表紙/中面モノクロ)。附録「不登校について語るときに私が語ること」収録。
その場合には遠慮なく、90日以内にお知らせください。
全額、無条件で返金いたします。
本を送り返す手間も費用もかかりません。安心してお試しください(ただし複数冊セット購入の場合は除外となります)。
温かい励ましを感じました
漫画家
棚園正一
読んでみたいと思ったキッカケは、Vol.6に掲載されている谷川明子さんの記事でした (講演会を主催してくださったりとお世話になっています)。
みなさんの言葉に沢山のことを勉強させて頂きました。
正直、自分はまだ”親”という立場ではないので、両親の気持ちは全て理解できる訳ではないと思っています。
ただ、この本に綴られているみなさんの等身大の言葉が、今まで遠くに感じていた両親の気持ちと、幼かったころの自分の気持ちをつないでくれた感じがします。自分の思い出と重なる部分も沢山あって、あのとき母や父はこんな気持ちだったのかも……と感慨深くなりました。
はじめてこの本を手に取られる方の中には、お子さんへの対応や自身の行動の「正解」が分からず、八方塞がりになって苦しんでおられる方も多いと思います。
しかし金子さんご夫妻の道のりや、経験者のみなさんのインタビュー記事を読んでいると、そんな「正解」なんてないことに改めて気づかされます。
「ずっと試行錯誤の道は続いていて、それで良いんじゃないのかな?」って横に並んで声を掛けてくれているような、そんな温かい励ましを感じました。
大人になった自分は今、不登校やひきこもりで苦しんでいる時間は過ぎましたが、学校へ行けない苦しみに関わらず、とても勇気づけられる経験談ばかりでした。
きっと、それぞれの形で幸せは続いていくんですね。
素敵なお話の数々、貴重な出会いをありがとうございました。
もはや裏切ることのない連作短編集のようで、何度も胸が熱くなるし、読み進むのがもったいなく感じるのも同じことで。
洗練度もましているようにおもえるし、多様性(と呼べばいいのでしょうか?)も良い意味で広がっていると思います。
Vol.6のp.10で村上雅郁さんが、「こんな暗い話になると思わなかったな自分でも」と呟いておられるのがいいですね。
人に聞いてもらえるから語れる、気づく、深く入っていけるところが心の中にはあるのだと思います。
読めば元気が出る、とても深いできばえだと思いました。
ありがとうございました。
先入観を変えるきっかけにも
親業訓練インストラクター
村林さえ
この冊子には「やさしさ」や「おおらかさ」「多様性」を感じるんですね。
「こうすべき」ではなくて、“こういう人のこういう生き方もあるよ”という例をたくさん見せてくれるというか。
不登校になると、私もそうだったんですけど、親はどうしても煮詰まってしまうことが多いと思うんです。
そういうとき身近に理解者がいれば一番いいんでしょうけど、身近に理解者がいなかったとしても、ここに出ている人の様々な経験とその後を読むことで、「不登校も人それぞれ」ということがスッと入ってくる。もうこの冊子自体が「理解者」になってくれるというか。
活字になっているっていうのも大きいですよね。
私自身、びーんずネットさんのインタビューを受けたとき、娘の不登校の経験は本当に「かなり前のこと」だなって感じてたんです。「そんなこともあったよね」ぐらいの。
記憶の中で薄れちゃってた気がするんですけど、やっぱり人生の様々な経験のひとつのパーツとして、親の中にも子どもの中にもしっかり埋め込まれて、根付いている。それが今に連なっていて、この先の未来にも続いている。
読み返すことで、改めてそんな気持ちにもなりました。
この冊子が不登校に対する、いろんな世の中の先入観をじわじわと変えていく――そんなきっかけにもなるんじゃないかな、とすごく思っています。
これこそが私が求めていた本でした
一筋の光を見た思いです
キレイごとではない生の体験
その先の希望が見える
期待ではなく大丈夫という安心感
空を見上げるちあきさん
濃いのにさらっと読める
話を直接聞いている感じ
みき子さん
休むことは悪いことではない
オーガニック茶農家
人間って無限に走り続けることはできないんですよね。
どこかで必ず休まないといけないじゃないですか?
今がその休むときなのかもしれない。別に休むことって全然悪いことではないですよと言いたいです。
学校に行かない選択をしたままでも
家族関係リフォームカウンセラー
生井由起子
親御さんに読んでほしいです。
子どもが学校に行かない選択をしたままでも楽しく生きることはできますよって伝えたいかな。人生で今が一番私、楽しいので。
きつかったら休んでほしい
大学生
畠山あさひ
無理してまで学校に行く必要はないです。
無理して行ってたら、本当に私もどっかで死んでたかもしれないと思うので。命が一番大事なので、きつかったら休んでほしいなと思います。まず休む。死んだら何もできないですからね。
子育てで苦しくなったら
児童クラブ支援員
我が子たちが子どもを持って、子育てで苦しくなったら読んでほしい。子育てに困ることはあると思うし、誰に聞こうかなって悩むこともあると思うけど、「わしのやつを先に読め」と(笑)。
いろんな道が今は開かれている
オルタナティブスクール グループリーダー
青山雄太
誰かを責めるんじゃなくて、自分を責めるんじゃなくて、ただ見つめる時間になるといいなと思いますね。
いろんな道が今は開かれていると思うので、ネガティブじゃなく、行き過ぎたポジティブでもなく(笑)。
受け入れられたらいいし、責めずに前を向けたらなって思いますね。
生きてることが頑張ってること
会社員
宗俊貴恵
生きてるだけでいいと思えるような環境になっていったらいいなって思ってます。
絶望することや失望することも絶対あるんですけど、生きてればなんとかなる。だから一旦死ぬのは待ってほしい。それだけです。
頑張らなくても大丈夫、生きてることが頑張ってることだから。
焦らず自分のペースで
不登校サポーター
木野村聡
世の中受験だったり就職だったり、いろんなタイミングがあって焦ってしまう気持ちもいっぱいあったりするんですけど、次のチャレンジは絶対あるので。
焦ってしまうのが一番苦しくなっちゃうので、自分のペースでやってほしいなと思います。落ち込んでもいいので、無理せず。辛くなったら立ち止まってもいい――そう気づくことも成長なので。