マーシャルワールドがアーティストの BAKIBAKI とボクシンググローブをコラボレーション。
大阪の十三にあるプライベートスタジオ〝十三光〟にプロモーション用の壁画を制作した BAKIBAKI に、シグネチャーパターン〝BAKI柄〟や今回のコラボについて話を訊いた。
ー今回このモチーフを選んだきっかけは何ですか?

グローブにちなんだモチーフということで思いついたのが、ウォーホルとバスキアがグローブを持って写真に映っている展覧会のポスターです。この 2 人は自分が 20 年前の美大生時代に影響を受けたアーティストです。

彼らはアートの住人で、スポーツや格闘技の人間ではないけど、自分もアーティストなんで、グローブとアーティストの組み合わせというってところでピンときました。

ーそもそもウォーホルとバスキアのポートレートの元ネタは何のために作られたのでしょうか?

1985年にTony Shafrazi Galleryで開催された二人の絵画展のポスター用に、写真家マイケル・ハルスバンドが撮影したものですね。今回のグローブのモチーフは、自分にとって初期衝動というか、原点回帰のような意味合いが強い。そういやこういうのに憧れてたな、と。実際に美大の卒業制作で彼らをモチーフに選んだこともあり、感慨深かったです。

絵作りでも、壁画でも、最近はずっと BAKI 柄だけやってたけど、ポートレートとかプロジェクターを使って書く手法も試したいタイミングでちょうど良かった。結果、カッコいいのが出来たと思ってます。
高さ 4.5m 幅 2m のパネルが 2 面。実際に目の当たりにする と圧倒されるサイズ感。
下書きをプロジェクターで投影し描いていく、細部はステンシルやポスカを使っ て仕上げる。
ー BAKI 柄が生まれたきっかけや BAKI 柄の意味を教えてください。

BAKI 柄が生まれたきっかけは、DOPPEL(ドッペル=BAKIBAKI( 山尾光平 ) と MON( 大山康太郎 )によるライブペインティングデュオ。)をやり始めた 20 歳位の時、原形は古着屋のバイト中にレジで落書きしていて生まれました。自分は元々デザイナー気質で、いわゆる作家性のある、このアーティストと言えばこれ、みたいなシンボリックなものがなくて悩んでいて。
柄が出来た時は、確かにピンとくるものがあって、これをずっと書き続けていくんやろうなとか、初めて自分で自分の絵をぎりぎりコントロールできるというような、実感がありました。初めは今より細かくてガタガタしてて、AKIRA の放射線状に広がっているレリーフみたいな感じで。大学が京都だったので和の文化の影響とか、友達から麻の葉模様みたいだと言われることが多くなって、自分でも意識するようになりました。
一口に BAKI 柄といっても、今や様々なスタイルのものが存在する。
初期の BAKI 柄。進化の過程が窺える。
ー様々な影響経て今の形になっていったんですね。

麻の葉っぽいなって自覚したところから、伝統工芸とコラボレーションすることも多くなって。海外に向けてブランディングしていく上で、和のテイストを含んだ日本のストリートアートは好まれるし求められるだろうなというのもあった。和とストリートに意識的に寄せていったのはここ数年です。

ー BAKI 柄の和柄とストリートのマッチングはすごくしっくりきます。

元々はアニメや漫画の影響で生まれたものが、和柄やアイヌの文様を取り込んで出来てきた。和の魂みたいなところを摘出して、フィットさせるという意味では、結構モダンな感じにもアレンジできるし、元々自分が持ってるデザイナー気質が効いてて、紆余曲折はあったけど、形自体はオリジナルで、自分の持っている特性は活かせたのかな。BAKI 柄は京都で生まれたけど、東京に出たことで模様自体も洗練された気がもするし、野暮ったさがちょっとなくなって、全国的な認知にも繋がった。
渋谷 MAGNET にペイントされた月光波金龍図(げっこうばきりゅうず) BAKIBAKI と Yasunori Kimata のコラボ作品
KABUKI をテーマにした作品。PULLMAN TOKYO(東京都田町)
ー全国の色々な場所で BAKI 柄は見られますが、どのくらい広がっている実感がありますか。

結婚して子供が出来たので今は控えてますが、フットワークが軽くて、呼ばれたらどこにでも行ってました。都道府県では 30 以上は行ってたのかな、色々なところに足跡や自分の分身を残していく活動を地道にやってる。東京からメディアや SNS を使って届けることもあれば、自分の足を使って実際に現場に行って描くことをずっと続けてる。ここ数年は色々な製品に落とし込んだり、アレンジする作業をやったり、立体化してたり 3D 的なアプローチもやっています。

ーその一環でマーシャルワールドとのコラボレートが実現した?

そうですね。今までは衣食住をテーマにマーチャンダイズを制作してきて、感染症でこれだけ社会が止まってしまう世の中なんで、衣食住を支える意味でも健康っていう自己防衛も必要だなと。DO THE RIGHT THING ですね。自分もそうだし、アートを提供することで興味がなかった人がワークアウトに目覚めたりだとか、そういう風になれば嬉しいです。
堺Fandango(大阪府堺市)
RENOWISE BLD(兵庫県姫路市)
メルボルンにある backwoods.gallery 前に描かれた BAKI 柄。 国内はもとより海外を舞台にも BAKI 柄は展開されている。
BAKIBAKI / KOHEI YAMAO
1978 年生まれ。 日本古来の文様をアップデートといわれる『BAKI 柄』は伝統とストリートカルチャーの融合を体現。その活動は壁画を軸に国内外でライブペインティングやワークショップを展開しており、2015 年より大阪・十三を拠点に世界中に足跡を残している。
BAKIBAKIオフィシャルサイト

1978  大阪生まれ
2003  京都市立芸術大学卒業
2018    壁画 "POW!WOW!HAWAII , カカアコ, ハワイ
         参加型壁画 ”大阪国際空港" 大阪
         参加型壁画 ”GRAN ART FES" グランフロント大阪
         壁画 "KAI PROJECT" 大山, 鳥取
         壁画 "BACKWOODS GALLERY" メルボルン, オーストラリア
         キャンバス ”PULLMAN TOKYO” 田町, 東京
         壁画 "さきしまコスモタワーホテル"咲洲, 大阪
         壁画 "FACEBOOK TOKYO"六本木, 東京
2019    講義 "Today at Apple" Apple 京都
         壁画 "WeWork" なんば, 大阪
         ライブペインティング "Monstar Energy" 福岡
         プロダクト "WIND AND SEA"
         壁画 "The Wallriors" 高雄, 台湾
         展示 "DRIP and LINE" y.gion, 京都
         壁画 "Varanasi Art Project" ヴァラナシ, インド
         壁画 "The Unity Patong" プーケット, タイ
2020    壁画 "SEMBA MURAL PROJECT"
         壁画 "sequence KYOTO GOJO"
         壁画 "東京ベイ潮見プリンスホテル"
         壁画 "十三市民病院"
         個展 "BAKIBAKI EXPO 2020" Pine Brooklyn 大阪

【製品情報】アーティスト BAKIBAKI とのコラボボクシンググローブ。
BAKIBAKI のシグネイチャーパターン〝バキ柄〟を大胆い落とし込んだデザイン。ワークアウトはもちろんミット打ちやスパーリング用としての機能性も十分に備え、8oz、14oz と用途に合わせて選べます。
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