「操縦ライセンス制度」は、国が新たに設立するいわゆる国家ライセンス制度です。これまでのドローン関連資格・ライセンスは民間管理団体が設立したものでしたが、自動車の運転免許のように国が設立・管理していくものとなります。
かねてより2022年の実現を目指している「レベル4飛行(都市部などの有人地帯における補助者なし目視外飛行)」の実施にあたり安全性を担保するためや、現状では飛行の許可・承認が必要な飛行ルールについても合理化・簡略化することを目的に同じく新設される「機体認証制度(機体の安全性を認証、第三者上空飛行が可能な第一種と第三者上空を飛行しない機体の安全を認証する第二種がある)」「運航管理要件(運航ルール)」とともスタートしました。
操縦ライセンス制度の種類操縦ライセンスには、これまで原則飛行禁止としてきた"第三者上空の(目視外)飛行" を可能とする「一等無人航空機操縦士(以下:一等資格)」と、"第三者上空の飛行"はできないものの、これまで飛行許可・承認が必要だった飛行空域や飛行法が手続き不要で可能になる「二等無人航空機操縦士(以下:二等資格)」の二種類があります。取得は16歳以上、有効期限は3年間です。
一等資格は、現場の航空法では飛行が禁止されているレベル4飛行を実施するにあたり必要になる技能証明ライセンスです。一等資格を持ったパイロットが、第一種機体認証を受けた機体で、適切な運航管理体制を設けた上で飛行許可・承認申請を行い、許可・承認が得られればレベル4飛行が可能になります。
二等資格は、第三者上空を飛行させないものの、これまで飛行許可・承認が必要だった空域「人口集中地区上空」での飛行や、「夜間」「目視外(補助者あり)」「人・物件との距離30m以内」の飛行について、飛行許可・承認申請を不要とすることができる技能証明ライセンスです。二等資格を持ったパイロットが、第二種の機体認証を受けた機体で、飛行ルートの立入管理措置や安全確保措置などの運航ルールを守ることが前提となります。
操縦ライセンスがないとドローンを飛ばせない…というわけではありません。レベル4飛行には必要であったり(一等資格)、一定の飛行において飛行許可・承認が不要になったり(二等資格)するというものです。例えば、人口集中地区上空で飛行させる場合、二等資格があれば一定の運航ルール内で申請不要で飛行ができますし、二等資格がなくても、これまで通りですが飛ばす度に毎回、飛行許可・承認申請を行い、飛行許可のもとで飛行すれば問題ありません。しかしながら今後(2025年12月以降)は国家資格のみになりますので必ず必要となるでしょう。
ただし、ビジネスで荷物空輸とか緊急血液空輸での飛行等を行うには、一等資格の取得は必須となっていますので、ドローンを活用した物流、遠隔地の点検、警備などに携わる人には重要な資格となるでしょう。