保育現場でのおもちゃ遊びや遊び環境について
実際におもちゃや遊んでいる写真を持ち寄ったり、
経験やエピソードを伝えあったりしながら、
共に考えていきます。
前回は、保育者が作った「手作りおもちゃ」を持ち寄りましたが、今回は、「子どもがつくる、あそぶ 手作りおもちゃ」をテーマに、保育現場で人気の実践について語り合いました。
おもちゃコンサルタントの中でも、保育者の方や、現役の子育て世代の方など、様々な立場で子どもと関わる方々にご参加いただきました。手作りおもちゃを基本に、遊びの広がる楽しさ、材料を集める難しさなどを共有しました。自分の周りでは当たり前のおもちゃが、思いもよらないものと絶賛されるなど、参加者の引き出しが増えたことと思います。
また、当協会 子育て支援部の石井から、自身の実践とともに、病児支援の観点から見た手作りおもちゃの魅力など、別の視点からの話もありました。
善本眞弓先生からは「作っているときの楽しさを大切にすること。作ったものへの愛着をつぶしてしまわないような工夫をすること。」と、子どもの創作意欲の重要性に対するお話をいただきました。
前回、保育現場で使用している市販のおもちゃの魅力に触れ合い語り合い、今回は、保育者が作った「手作りおもちゃ」を持ち寄って、子どもとの遊びの様子などを紹介し合いました。
参加者は15名で、保育園の低年齢クラス担当、延長保育担当、子育て支援を仲間と運営されている方、講師、手作りが苦手な方、得意な方等々、微妙に立場が異なりますがおもちゃへの“篤い気持ち”が交差する2時間となりました。
「スナップやマジックテープでつなげる○○」「ぽっとん落とし」などの定番のおもちゃにもそれぞれの工夫があり、ペーパー芯やペットボトル、洗濯バサミ、CDなどの身近な素材の活用アイデアもたくさん紹介されました。
最後は、善本眞弓先生からのレクチャーで、「保育者や保護者から子どもに手渡される手作りおもちゃの魅力は、作り手の得手不得手に関わらず個性が出るところや、愛情をこめてつくれるところ」などの言葉があたたかく、参加者ひとりひとりの胸に響きました。
今年度2回目の研究会は、「保育にオススメのおもちゃを紹介しよう!」をテーマに、参加者が実際に保育の場で使用しているおもちゃを持ち寄り、その活かし方、魅力を紹介しました。コーディネーターは、善本眞弓先生に務めていただきました。
紹介された実践の中では、「サボテンバランスゲーム」の積み上げたサボテンを、すぐ片付けてしまうのではなく、作った子どもの名前を添えて“作品”として玄関や目立つところに飾っておくと、作った子どもが喜びを感じたり、他の子どもたちにもよい刺激になったという実践例は、構成遊び全般にも応用できる活用例だと思いました。また、「ポポちゃん」のためにお手製のおむつを作り、さらに、中身を出して遊べる布製お尻ふきも自作したという実践も、善本先生の「お人形遊びは、これまで世話をされる側だった子どもが、世話をする側になる遊び」という言葉と共に印象的でした。そのほか「シフォンスカーフ」の素敵な遊び方や、「アナログゲーム」を保育に導入する方法など、様々な活用例が紹介されました。
会の最後には、皆さんが持ち寄ったおもちゃを手にする時間も設けられ、盛況のうちに閉会となりました。
今年度初の研究会は、善本眞弓先生が登壇されました。日本保育学会第で行われたシンポジウム『木育・木製玩具がもたらすもの』での発表内容を要約してお話いただきました。
グリーンヒル幼稚園での事例紹介(園内にログハウスを設け、レストラン(食堂)の木質化、林業の伐採現場見学など、保育に積極的に木育・自然体験を取り入れている)。『木育』発祥の地・北海道で木の魅力を発信する企画・運営を行う木育マイスター菊地三奈さんの活動報告。岐阜県立森林文化アカデミー講師・元おもちゃ作家でもある前野健さんの、”木そのもの”の特性を考え、木製玩具の意味と意義を考える木育論。など、全国で取り組まれる木育の実践を学ぶ、濃密な時間となりました。
後半、参加者からの実践報告では、手作り木のおもちゃの簡単オイルフィニッシュ法といった話題から、木育に適した木のおもちゃの条件とは?木のおもちゃをどのように現場に取り入れるか?などに関して活発に意見が交わされました。ベテランおもちゃコンサルタントの方々はもちろん、現在おもちゃコンサルト養成講座を受講中の61期生も多数参加され、互いに刺激を与えあう会となりました。