2020年1月23日、静岡地方裁判所で、建設アスベスト被害について国を訴えていた方の事件について判決が言い渡されました。23日の判決でも国の責任が明快に認められました(建材メーカーは訴えていません)。
被害者の方が労働者として働いていた期間はもちろん、一人親方との関係でも、「警告表示を義務付ければ石綿の危険性やマスク使用の必要性を知らせることができた」と述べて国の責任を認めました。この判断は、私たちの取り組んでいる建設アスベスト訴訟で高等裁判所の判決の多数が採用している枠組みと同一です。一人親方との関係でも国の責任を認めるという流れは、ますます定着してきたといえるでしょう。
2020年1月23日、静岡地方裁判所で、建設アスベスト被害について国を訴えていた方の事件について判決が言い渡されました。23日の判決でも国の責任が明快に認められました(建材メーカーは訴えていません)。
被害者の方が労働者として働いていた期間はもちろん、一人親方との関係でも、「警告表示を義務付ければ石綿の危険性やマスク使用の必要性を知らせることができた」と述べて国の責任を認めました。この判断は、私たちの取り組んでいる建設アスベスト訴訟で高等裁判所の判決の多数が採用している枠組みと同一です。一人親方との関係でも国の責任を認めるという流れは、ますます定着してきたといえるでしょう。
アスベスト(石綿)工場の元労働者やそのご遺族の方々が、国に対して訴訟を提起し、一定の要件を満たすことが確認された場合には、和解によって、最大1300万円を損害賠償金として、受け取ることができます。
すでに事業場(会社)が倒産や閉鎖していても対象となります。
国から賠償金を受け取るための要件は、次の①~③のとおりです。
①昭和 33 年 5 月 26 日から昭和 46 年 4 月 28 日までの間に、アスベスト(石綿)を扱う工場で働いていたことがある、または、そのご遺族であること
※上記期間内で就労した事実があれば、一部の期間でも対象となります。
※労災保険や石綿健康被害救済法による給付を受けている方であって も、対象となります。
②その結果、石綿肺、肺がん、中皮腫、びまん性胸膜肥厚になった方。または、この病気により死亡した方のご遺族。
③提訴の時期が損害賠償請求権の期間内であること。 ※期間内であるかどうかについては、ご相談ください。
※期限が迫っておられる方もおられるため、早めにご相談ください。
先述の①~③の要件を満たすことについては、
・日本年金機構発行の「被保険者記録照会回答票」
・都道府県労働局長発行の「じん肺管理区分決定通知書」
・労働基準監督署長発行の「労災保険給付支給決定通知書」
・医師の発行する「診断書」
などが証拠となります。
中皮腫・・・1150万円
肺がん・・・1150万円
石綿肺・・・550~1150万円
びまん性胸膜肥厚・・・1150万円
これら病気による死亡・・・1200~1300万円
建設アスベスト訴訟では、労働者だけではなく、一人親方(個人事業主)からの請求もなされています。当該請求についても、いまだ最高裁の判断が出ていません。
しかし、東京高裁平成30年3月14日判決を始め、高裁において、一人親方からの請求を認める判決が出ています。高裁の判断(一人親方からの請求を認めたもの)
①東京高裁判決 平成30年3月14日
②大阪高裁判決 平成30年8月31日
③大阪高裁判決 平成30年9月20日
④福岡高裁判決 令和元年11月11日
建設アスベスト訴訟では、石綿含有建材を製造・販売していた建材メーカーに対する請求もなされています。
当該請求についても、いまだ最高裁の判断が出ていません。
しかし、東京高裁平成29年10月27日判決を始め、高裁において建材メーカーの責任を認める判決が出ています。
高裁の判断
①東京高裁(平成29年) 企業の責任を認める
②大阪高裁(平成30年) 企業の責任を認める
③大阪高裁(平成30年) 企業の責任を認める
④福岡高裁(令和元年) 企業の責任を認める
このように、建設アスベスト訴訟では、高裁段階ですが、国のみならず企業に対する請求が認められております。
※ 和解金を受け取ることにより労災保険金が停止されたり、減額されることもありません。
※ すでに事業場(会社)が倒産や閉鎖していても対象となります
国(厚生労働省)からアスベスト(石綿)に関するリーフレットが届いている方は、賠償金が支払われる可能性が非常に高いです。
また、リーフレットが届いておられなくとも、要件を満たしておられる場合には賠償金は受けられます。
賠償金を受けることが出来るかについて、少しでも疑問をお持ちの方は、ぜひご相談ください。
原発性肺がん(転移による肺がんではないもの)は気管支あるいは肺胞を覆う上皮に発生する悪性の腫瘍です。
アスベストを原因とした肺がんは、一般の肺がんの症状と同じであり、血痰、激しい咳、喘鳴、胸痛、息切れといった症状がよくみられますが、進行するまでは無症状であることが多く、胸部エックス線やCT 検査によって発見される例も存在します。 石綿肺を合併している場合には、放射線療法が制限される場合等があるため、アスベストによって生じる肺がんは一般の肺がんより治療方法が制限され、予後も不良であると言われています。
肺がんになられた方の中には、タバコが原因であると思い込んでおられる方もおられます。アスベストを扱っていた方は、ご自身の肺がんについてぜひアスベストを疑ってみて下さい。石綿肺は、アスベストを吸入することで肺が線維化する、いわゆる「じん肺」という病気の一種です。石綿肺は、ある程度以上高濃度のアスベストを吸入しないと発症しないと考えられています。
症状としては、労作時の息切れであり、階段や坂道、平地での急ぎ足の時に自覚されます。この自覚症状は、アスベストに触れなくなっても次第に進行し、呼吸困難をきたすようになることが多いと言われています。びまん性胸膜肥厚は、臓側胸膜(肺を覆う膜)に生じた病変であり、肺を覆う胸膜が線維化して暑くなっていく病気です。
症状としては、咳と淡、呼吸困難、喘鳴、反復性胸痛、反復性の呼吸器感染などがあり、病態は徐々に進行していきます。
比較的高濃度のアスベストの吸入により発症すると考えられています。子供の頃、大きな権力に立ち向かう法律家の姿にあこがれて法律家を目指しました。私の名前「輔」は、「そばによりそい助ける人」を意味します。私は困難に立ち向かう人のそばによりそい輔ける弁護士でありたいと思います。
私は西宮で育ちました。夙川の桜並木をみながら小学校・中学校に登校し、大学時代には、震災を体験しました。大学院では毎日のように関学に通い学友と勉強しました。私を育ててくれた故郷である西宮に貢献したい。それが私の気持ちです。