全国事業承継教育普及協議会
Business Succession Education promotion Council of Japan

全国事業承継教育普及協議会(BSEC)とは


全国事業承継教育普及協議会  設立趣意書

近年、中小企業経営者の高齢化が進展し、特に団塊世代の経営者が引退期を迎える本年(2020年)、経済産業省によると「後継者難を理由に廃業を余儀なくされる中小企業数が数十万単位で 見込まれる」とされており、円滑な事業承継支援が喫緊の課題となっています。

このような状況を踏まえ、経済産業省(中小企業庁)より、中小企業の事業承継に関する実施期間として「事業承継5カ年計画」が発表されました。そして、その為の関連法の改正、事業承継税制、IT化促進の補助など様々な支援体制が急速に整備されつつあります。

しかし、制度の支援体制が整備されても、経営者や後継者が事業承継の必要性を認識して具体的な行動に移さない事には、事業承継は進みません。

また、正しい知識やサポートが無いまま事業承継を試みた結果、 頓挫してしまうという問題も多発しております。

これは日本のみならずアジアにおいても大きな問題となっており、「事業承継教育」「後継者人材の育成」等の支援が求められています。

このような中で、大学・大学院といった教育機関や、地方自治体による経営者への人材育成研修などに「事業承継教育を取り入れる」という試みも始まりつつありますが、その具体的な教育内容は検討・模索が始まった段階で、発展途上の段階にあります。

そのような状況を踏まえ我々は、事業承継という課題に対して教育機関・企業・専門家・行政 機関が連携・協力して「事業承継教育や後継者人材の育成・キャリア開発等を支援する組織」 が必要であると考え、「全国事業承継教育普及協議会」(BSEC =Business Succession Education promotion Council of Japan )を設立いたします。

私たちは、「事業承継教育」が単なる職業訓練ではなく、思考力や問題解決力等の向上を図るも のであり、社会で活躍するすべての人、そして未来を担う若者に求められる必要不可欠なものでもあると確信し、事業承継教育の調査・研究・推進・普及と、産官学の連携・相互支援を通じて、社会の発展と公益に寄与してまいりたいと考えております。

皆様のご理解と、ご支援ご協力を賜りますようお願い申し上げます。

2020 年 3月25日

 

全国事業承継教育普及協議会

代表理事・理事長 
守屋貴司

 

組織の概要

 

(名 称) 
全国事業承継教育普及協議会

(英語名称) 
Business Succession Education promotion Council of Japan

(略 称) 
BSEC (ビーセック)

(事務局) 
〒567-8570
大阪府茨木市岩倉町2-150 (立命館大学経営学部守屋貴司研究室内)

(代理理事)
・守屋貴司 (立命館大学 経営学部 教授)

(執行理事)
・落合康裕(静岡県立大学 経営情報学部 教授)
・吉村正裕(吉村酒造株式会社 会長・6代目蔵元)
・中石好紀(中石経営教育研究所 代表)
・竇 少杰(立命館大学 経営学部 講師)

 <肩書は 2020年4月1日現在>

(設 立) 
2020年3月25日

(形 態) 
非営利組織


(主な活動内容)

 1.事業承継および事業承継教育に関する調査研究と研究の進化・向上

2.日本およびアジアの教育機関(大学等)における事業継承教育の普及・振興・向上

3.事業承継に関する研究者・教育者の育成とレベルの向上

4.経営者の事業承継に関する知識や意識の向上・人材育成

5.事業後継者(予定者を含む)への事業承継に関する知識や意識の向上・人材育成

6.事業承継教育を行う教育機関・教育者・行政・専門家・企業・経営者との連携と相互研鑽

7.上記に付随する人材育成、人生デザイン等の支援



役員
2020年4月1日現在


理事

代表理事・理事長
守屋貴司
●HP
・立命館大学 経営学部 教授
・立命館大学 事業継承塾 副塾長
・財団法人アジア太平洋研究所 上席研究員
・全国ビジネス系大学教育会議 常任理事
執行理事・副理事長
落合康裕
●HP

・静岡県立大学 経営情報学部 教授
・事業承継学会 常務理事
・ファミリービジネス学会 常任理事

執行理事・副理事長
吉村正裕
●HP
・吉村酒造株式会社 代表取締役会長(6代目蔵元)
・株式会社サイバーアシスト 代表取締役社長
・FBAAファミリービジネスアドバイザー資格認定証保持者

執行理事
中石好紀

・中石経営教育研究所 代表
・事業承継及び事業再生コンサルタント
・㈲カギヤマ会計センター 経営開発室長
・市原会計エスエムエス㈱ 顧問

執行理事
竇少杰
●HP

・立命館大学 経営学部 講師
立命館大学  事業継承塾 副塾長
・元 事業承継学会 理事

理事
西村隆志
●HP
・西村隆志法律事務所 代表
・弁護士 
・税理士
・事業承継士
理事
行真紀子
・アセットライフコンサルティング株式会社 代表取締役
・1級ファイナンシャルプランニング技能士、CFP(R)
理事
岩﨑崇
●HP
・未来創造弁護士法人
・弁護士
・神奈川県弁護士会 就業問題対策委員
理事
清水康子
●HP
・桜丘行政書士事務所 代表行政書士
・いさや株式会社代表取締役
理事
清水康子
●HP
・桜丘行政書士事務所 代表行政書士
・いさや株式会社代表取締役

顧問・相談役

相談役
林廣茂

・西安交通大学管理大学院客員教授
・同志社大学名誉教授
・事業承継学会理事(前代表理事)

相談役
横澤利昌

・ハリウッド大学院大学教授
・事業承継学会代表理事
・老舗承継経営研究所所長

顧問
塚本喜左衛門

・ツカキグループ 代表
・ツカキ株式会社 代表取締役社長
・塚喜商事株式会社 代表取締役社長
・マリエクラッセ株式会社 代表取締役社長
・京都和装株式会社 代表取締役社長
・株式会社タムラ 代表取締役社長
・NPO三方よし研究所 理事長
・京都・国登録文化財所有者の会 会長

顧問
塚本喜左衛門

・ツカキグループ 代表
・ツカキ株式会社 代表取締役社長
・塚喜商事株式会社 代表取締役社長
・マリエクラッセ株式会社 代表取締役社長
・京都和装株式会社 代表取締役社長
・株式会社タムラ 代表取締役社長
・NPO三方よし研究所 理事長
・京都・国登録文化財所有者の会 会長

評議員

評議員
林伸光
・シダックスビューティーケアマネジメント株式会社  社長
・一般社団法人 国際アロマセラピー研究所 専務理事
・アロマスタッフ有限会社 社長
評議員 打診中
評議員 打診中
評議員 打診中
評議員
水野勝也
社会保険労務士
評議員 打診中
評議員 打診中
評議員 打診中

事業承継を取り巻く環境

中小企業白書より

近い将来、経営者の平均引退年齢である70歳を超える中小企業経営者は約245万人に到達し、そのうち約半数の127万人は後継者が決まっておらず、利益が出ていても廃業するというような大廃業時代が到来するといわれています。

その影響により、2025年までの10年の累計では、約650万人の雇用が失われ、さらには約22兆円のGDPが失われる可能性があるとみられています。

また、日本政策金融公庫総合研究所が2016年に行った調査によると、60歳以上の経営者の約半数が廃業を予定していると回答。

回答結果は

「当初から自分の代でやめようと思っていた」38%
「親族に後継者が不在」29%
「事業に将来性がない」28%

となっています。

しかし、これらの企業のうち3割は「同業他社よりもよい業績を上げている」と回答しており、さらには今後10年の業績見通しについて4割は「少なくとも現状維持が可能」と回答しているなど、業績が良好な状態にもかかわらず廃業を選択する傾向にあります。


活動について

中小企業を対象にした
事業承継教育カリキュラム
の作成とセミナーの実施

大学生を対象にした
事業承継教育カリキュラム
の作成およびセミナーの実施
事業承継のケーススタディ
に関する調査・研究・検証
事業承継のケーススタディ
に関する調査・研究・検証

NEWS

2020年3月25日    
立命館大学 茨木キャンパスにおいて、設立理事会を開催いたしました。
・組織の基本骨格と方針を決定
・今後の運営方法について決定
・2020年の活動方針概要について決定

メッセージ
<肩書は2020年4月1日現在>

理事長 守屋貴司
・立命館大学 経営学部 教授
・立命館大学 事業継承塾 副塾長
・財団法人アジア太平洋研究所 上席研究員
・全国ビジネス系大学教育会議 常任理事
日本の教育において、ごく自然にあった社会が子供を育成する社会資本が痩せ細り、家庭教育も、核家族化が進行し、家庭教育も厳しさを増しています。

そうした社会的な状況と同時に、第四次産業革命が到来し、ものづくり資本主義である日本は、大変、国際競争の中、経済的にも厳しい状況となっています。

そうした社会的、経済的な変容を背景として、日本の経済と社会を支えてきた日本の中小企業や農業、漁業、医療機関などの事業承継が大きな問題を抱えることとなりました。

私の所属する立命館学園では、大学、附属高校、中学、小学校を含めて沢山の事業承継者が学んでいます。教育者として、彼らの未来に幸多きことを、日々、祈っておりますがこれまでにない、日本の社会的、経済的変容を背景として、従来のように、自然に任せることでは、事業承継者の未来が豊かになることは厳しいと認識しています。

これは、立命館学園のみならず、日本のあらゆる事業承継者にもあてはまることだと思います。

幸い日本は、世界に誇れる老舗大国であり、良き先例に恵まれた国でもあります。

日本の事業承継者が、老舗経営の秘訣や不易流行の思想などに学びつつも、第4次産業革命に適合したダイバシティマネジメントやタレントマネジメントなどの先進的管理技法を学びつつ、新時代に適応した次世代の未来を担うリーダーとなることを心より祈っています。また、事業承継者のマインドセット教育も大切であると認識しています。

このような事業承継教育を研究し、そのエッセンスに磨きをかけて、その教育野普及をおこなうことは、日本人のみならず、事業承継に悩むアジア全体の皆さんにもご貢献出来ることだと信じております。

また、事業承継教育研究とその教育には、学者、教育者のみならず、中小企業経営者、弁護士、中小企業経営コンサルタント、社会保険労務士、税理士、行政書士などなど様々な方々のご協力が必要です。どうか、お力添えとご協力のほどをよろしくお願い申し上げます。

副理事長  落合康裕

・静岡県立大学 経営情報学部 教授
・事業承継学会 常務理事
・ファミリービジネス学会 常任理事

事業承継とは、企業にとってイノベーション(経営革新)のチャンスです。事業承継の成否が、今後の日本経済に大きな影響を与えるといっても過言ではありません。しかし、現代日本においては、中小事業者の廃業や地域経済の衰退が技術や雇用の喪失をもたらすなど、事業承継の不全が大きな課題となっています。

私は、長らく企業の事業承継を経営学の観点から研究してきました。多くの事例を研究する中で、事業承継において不可欠なポイントが二つあると考えています。第一が現経営者の経営戦略の優劣であり、第二が後継者の育成に関わるものです。第一の経営戦略の優劣は、新商品サービスの開発や新しい顧客の開拓、新しいビジネスモデルの構築などを示し、企業の長期的な収益性に影響を与えます。しかし、優れた経営戦略を実践できる経営者でも、永遠に経営の任を担い続けることはできません。

そこで、第二のポイントである、次の経営戦略を担える後継者を育てることが重要となってくるのです。事業承継は、単なる経営権のバトンタッチではありません。私は、あえて「事業承継とは新たな時代の環境変化に適応してイノベーションにおこす経営者を育成すること」と定義しています。しかし、優れた後継者を一朝一夕で育成することはできません。家業入社前の段階に始まり経営のバトンタッチに至るまでの長期的なプロセスと各段階に応じた、事業承継教育が求められます。


本協議会の大きな特徴は、多様な承継事例の分析などに裏付けられた教育を目指していることです。事業承継では、唯一のベストプラクティスが存在するわけではありません。企業がおかれる環境やライフサイクルによって、事業承継のあり方も変わってきます。しかし、先人たちの経験(承継事例における成功や失敗など)から学ぶことは、事業承継の当事者たちが日々の実践を振り返り、将来の展望を考える上で大きな意味があります。

事業承継の研究者の一人として、本協議会が日本の事業承継教育の中心的役割を果たすことを期待しています。

副理事長  吉村正裕
・吉村酒造株式会社 代表取締役会長(6代目蔵元)
・株式会社サイバーアシスト 代表取締役社長
・FBAAファミリービジネスアドバイザー資格認定証保持者


日本の企業の9割以上は中小企業であり、個人事業主も合わせると約381万の事業者が存在しています。そして、その多くが同族会社、つまり特定の親族などが経営する会社(ファミリー企業・ファミリービジネス)であると言われています。

2016年の中小企業庁 報告によると、2025年の中小企業・小規模事業者の経営者数は「70歳以上が約245万人」「70歳未満は約136万人」「このうち70歳以上の約半数にあたる127万人が、後継者が決まっていない」と言われています。

仮に、127万社の後継者が見つからずに廃業したり倒産したりしてしまった場合、約650万人の雇用が失われ、約22兆円ものGDPの消失につながるという試算がでており、「事業承継」はわが国の国益を左右するものであり、喫緊の課題となっています。

最近は「事業承継」といえば、第三者事業承継(つまりは M&A)の話題ばかりクローズアップされがちですが、「同族間の事業承継」という問題こそ、課題が複雑であるが故に重要であると考えています。

「経営権や所有権の承継」や、それに伴う「事業資産や自社を取り巻く環境の棚卸し」「オーナー家の親族間の合意形成」「後継者の教育」「権限委譲の時期と方法」「先代社長への配慮」「古参幹部・社員との付き合い方」「取引先や得意先との付き合い方」など、様々な事を認識し、考え、行う必要があるからです。

日本は世界一の老舗大国です。

日本の老舗は「商売のあり方・信用」や「伝統・家風」「家訓・経営理念」「わが社らしさ(個性・強み)」「危機を乗り越える知恵」といった目に見えない経営資源(私は“のれん経営”と呼んでいます)を如何に上手に引き継いでいくことができるか? が事業承継における大きなポイントとして捉えています。

老舗企業は、次世代へより良い形で事業を承継していくために、「“のれん”を踏襲しつつも、時代の変化に対応しながら事業を展開していく」という、いわゆる「伝統」と「イノベーション」のバランスを取りながら事業を次世代に引継いでいます。

そんな世界に誇れる日本の老舗企業において実践されている取り組みなどを、中小企業の経営者さんや 学生さんに対する教育分野へ落とし込んでいくことが、今後のわが国の国益にとっても重要であると考えています。

執行理事  中石好紀
・中石経営教育研究所 代表
・事業承継及び事業再生コンサルタント
・㈲カギヤマ会計センター 経営開発室長
・市原会計エスエムエス㈱ 顧問

事業を引き継ぐ者はその企業の強みと弱みすべてを引き継がなければなりません。いいとこ取りは出来ません。強みが多いほど承継する価値があると言えますが、弱みが多い企業は価値がないのかと言えばそうとは言い切れません。人間は逆境の環境にあればある程パワーが発揮されるからです。問題だらけの企業ほど再生する可能性があるのです。即ち問題が多いほどV字回復できる可能性を秘めています。

 この厳しい経営環境下においては、将来を保証された企業などどこにもありません。抱えた問題を価値に変換し続ける企業のみが生存を許されるのです。故に事業承継の成功のカギは、事業を引き継ぐ者の価値観やもの考え方に大きく左右されます。この価値観を自ら振り返る機会を私は大切にしながら事業承継支援をしていきます。

執行理事  竇少杰
・立命館大学 経営学部 講師
・立命館大学 事業継承塾 副塾長
・元 事業承継学会 理事
近年、日本では中小企業、とりわけ中小家族企業の事業承継問題が深刻な社会問題になりつつあり、注目を浴びています。

しかし事業継承問題は日本だけの問題ではありません。日本から物理的近い東アジアの主要な国や地域、例えば中国、韓国、台湾、香港などの状況は実に日本よりも厳しいかもしれません。

中国大陸においては、1978年に「改革・開放」政策が打ち出され、多くの民営(私営)企業が誕生しました。

これらの民営経済は中国の経済と社会に50%以上の税収、60%以上のGDPと80%以上の雇用創出に貢献しているとされていますが、現在、非常に深刻な事業承継問題に直面しており、中国企業発展研究院の調査報告(2014)によれば、約6割の民営企業がこれからの事業承継において大きな問題に直面するそうです。

また韓国の中小企業数は約360万社で、企業数全体の99.9%を占めていますが、その経営者たちの平均年齢も年々上昇しており、KBIZ韓国中小企業中央会が2017年に公表した「中小企業家業継承実態報告書」によれば、韓国の中小企業の67.8%はすでに事業承継時期を迎えており、そのうちの3割には後継者がいないという深刻な状況だそうです。台湾や香港も同じような状況です。

要するに、同じ東アジアに位置する日本、韓国、中国大陸、台湾、香港において、中小企業、とりわけ中小家族企業の事業承継問題はすでに深刻な社会問題となっており、この問題を解決しないと各国・地域の経済は大きなダメージを受ける可能性があります。

東アジアの各国・地域は儒教や仏教といった共通の社会文化を有していますが、「家族」や「家族企業」についてお互いに異なる考え方も多く持っています。

「似て非なる」東アジアにおいて、家族企業の事業承継に関する共通性と多様性を学び、それぞれの社会をより深く理解することができ、諸国・地域の事業承継問題の解決にも役立つと思います。本協議会もグローバル視野を持って事業承継教育を考えていくのです。

諸国の経済はすでに緊密に繋がっている今日のグローバル時代において、異文化交流は新たなイノベーションの発生も生み出してくれると信じています。
理事  行真紀子
・アセットライフコンサルティング株式会社 代表取締役
・1級ファイナンシャルプランニング技能士、CFP(R)
事業承継は、多くの企業にとって、オーナー社長の経営手腕や人脈等が、会社の強みになっていることが多く、後継者を誰にするかによって、企業の命運を左右することにもなるので、後継者の育成も含めて事業承継は非常に重要な課題といえます。
また、事業承継は「次の社長を誰にするか」という問題だけではなく、会社の経営権を「どのような方法で自社株を誰に引き継ぐか」、「後継者教育をどう行うか」という問題も重要となってきます。

親族や社員への後継者教育は様々な教育の面からみて、数年から約 10 年の時間を要すると言われています。後継者教育にしても手間と時間がかかりますので、より良い相手に良い条件で引き継ぐ上では時間的に余裕をもって取り組むのが望ましいとされています。

中小企業庁のデータによると、35 年以上前には親族内承継が約 93%、親族外承継は約 7%でした。しかし、最近では親族内承継が約 35%、親族外承継が約 65%と、親族内承継から親族外承継へと主流がシフトしつつあります。日本の企業が関係する企業の合併・M&A は近年、前年件数を上回る状態が続いており、2019 年まで 3 年連続で過去最多を更新しています。
しかし東京商工リサーチによると、2019 年 12 月時点では 100 年超となる老舗企業は、3 万 5,018 社あります。世界の老舗企業の約 80%が日本にあり、世界で 1 番多いといわれています。

老舗企業は、やはり他の企業にはない強みがあるからこそ長い期間の経営に成功しています。事業承継に対する意識が非常に高いことも特徴です。こちらの組織でも老舗企業の経営も学んでいただくことも力をいれていきますので、老舗企業の経営から、数多くのことを学び取って頂きたいと思います。

近年は事業承継税制の改正や補助金制度も整備されており、株式移転でも、タイミング・対策次第で税金が大きく変わります。税理事務所の経験から多くの成功例、失敗例をみてきました、事業承継を成功させるには、さまざまな選択肢の中から専門家と相談して知恵をつけていき、対策を進めていく事も重要です。

この組織が、後継者にとって、様々な分野でのリーダーや専門家から学ぶこと、相談することにより、課題解決に繋がり、新たな挑戦と円滑な事業承継となることを願っております。
理事  西村隆志
・西村隆志法律事務所 代表
・弁護士 
・税理士 

・事業承継士
事業承継問題は、これまでオーナー社長などが経営してきたノウハウなどをどのように後継者に承継させるかという「経営の問題」、どのような方法で誰にどのような形で承継をさせるのかなどの「法律の問題」、事業承継をするにあたって、どのような課税がなされるのかといった「税務の問題」などが複雑に絡み合った課題です。

このように様々な専門的な課題が複雑に絡み合っているため、ある専門家(例えば、税理士)が自身の専門領域(事業承継における課税問題)だけで最適な解(部分最適)を考えたとしても、それが事業承継問題全体を解決する全体最適になっていると限りません。

そのため、事業承継問題を考えるにあたっては、経営・法律・税務などの知識を幅広く学ぶ必要があります。もちろん、高度に専門的な分野については、専門家の協力を得る必要がありますが、事業承継に携わるためには、事業承継に関する経営・法律・税務などの知識を幅広く知っておく必要があります。

また、事業承継にあたっては、このような知識だけではなく、ソフトスキルも非常に重要になってきます。事業承継にあたっては、例えば、オーナー社長とその配偶者、後継予定者とその配偶者、後継予定者以外の親族、会社を長年勤めている番頭と呼ぶべき立場の方など、様々な「人」が登場してきます。仮に、経営・法律・税務などの知識で最適な解が出来たとしても、事業承継を考えている会社に絡んでいる「人」が腑に落ちなければ、事業承継は円滑に進まないでしょう。特に、事業承継にあたっては、通常の経営で考える人と組織の問題だけでなく、家族の問題も視野に入れて最適な解を考える必要があります。そうすると、経営・法律・税務などの知識だけでなく、家族の問題も含めた心理学の知識も必要になってきます。

このように、事業承継問題解決にあたっては、様々な専門分野の知識を学び、そこで得た知識を踏まえて提案を行い、解決に導くことが必要となります。

事業承継問題は、現在、我が国において喫緊の課題となっていますが、事業承継の知識を体系的に学べる機関は非常に少ないというのが現状です。

そのため、本協議会が、事業承継教育を普及させていくことには大きな意義があると考えております。
理事  清水康子
・桜丘行政書士事務所 代表行政書士
・いさや株式会社 代表取締役

立命館大学経営学部で学び、社会に出て法律を学び行政書士となりました。行政書士として、業務を行う上で、教育を受けること、正しい情報を知ること、法律や法令を踏まえての自由である事の大切さを感じています。

また、クライアントの第二創業や相続の際にスムーズに事業を継承していく為に力を尽くされる様子を見ながら、お手伝いをさせていただいています。

今までの学びや経験をもとに貢献したいと思っています。
理事  岩﨑崇
・未来創造弁護士法人
・弁護士
・神奈川県弁護士会 就業問題対策委員

日本の企業の99.7%が中小企業です。ですから、中小企業が売上と利益を伸ばして納税していくこと、そして、経営者が築いてきた企業価値を次代に正しく引き継いでいくことが、危機的な状況にある日本を救い、未来の前向きで明るい社会をつくることに繋がっていきます。

私は日頃、中小企業の顧問弁護士業務、企業法務分野を取り扱っており、経営者のみなさんから様々なご相談をお受けしておりますが、その中でも事業承継に関するご相談は企業の未来に関わる大きな問題です。

事業承継には、法律、税務、経営など各分野の専門家による総合的なアドバイスが有益なことは間違いありません。しかし、もっとも重要なことは、事業承継の当事者が本気になることだと思います。

本協議会の先駆的な取り組みにより、事業承継教育が普及し、活力ある長寿企業が増え、明るい未来が築かれていくことを願っています。

執行理事  中石好紀
・中石経営教育研究所 代表
・事業承継及び事業再生コンサルタント
・㈲カギヤマ会計センター 経営開発室長
・市原会計エスエムエス㈱ 顧問

事業を引き継ぐ者はその企業の強みと弱みすべてを引き継がなければなりません。いいとこ取りは出来ません。強みが多いほど承継する価値があると言えますが、弱みが多い企業は価値がないのかと言えばそうとは言い切れません。人間は逆境の環境にあればある程パワーが発揮されるからです。問題だらけの企業ほど再生する可能性があるのです。即ち問題が多いほどV字回復できる可能性を秘めています。

 この厳しい経営環境下においては、将来を保証された企業などどこにもありません。抱えた問題を価値に変換し続ける企業のみが生存を許されるのです。故に事業承継の成功のカギは、事業を引き継ぐ者の価値観やもの考え方に大きく左右されます。この価値観を自ら振り返る機会を私は大切にしながら事業承継支援をしていきます。

よくあるご質問

  • Q
    全国事業承継教育普及協議会の目的は何ですか?
    A
    私たちは、「事業承継教育」が単なる職業訓練ではなく、思考力や問題解決力等の向上を図るも のであり、社会で活躍するすべての人、そして未来を担う若者に求められる必要不可欠なものでもあると確信し、事業承継教育の調査・研究・推進・普及と、産官学の連携・相互支援を通じて、社会の発展と公益に寄与してまいりたいと考えております。
  • Q
    全国事業承継教育普及協議会は、どんな活動をしていますか?
    A

    2020年3月25日に設立したため、現在は理事会を中心に組織固めを行っております。具体的な活動については、2020年5月以降に逐次開始します。

    当協議会では、2020年度は 「大学での事業承継教育に関するカリキュラムの進化向上」と、「中小企業への事業承継研修カリキュラムの進化向上」を重点課題として、以下の取り組みを行う予定です。

    (1)事業承継教育カリキュラムの策定

    (2)研修会・講演会・セミナーの開催

    (3)成功事例や失敗事例のケーススタディ調査

    (4)専門家による情報交換

    (5)各種団体や行政機関との連携

  • Q
    協議会に入会する方法を教えてください。
    A

    現在は、専門家を中心として 理事・評議員のみ募集をしており、一般会員の募集は未だ行っておりません。組織が固まり次第、入会方法などをお知らせします。

     

  • Q
    協議会に入会する方法を教えてください。
    A

    現在は、専門家を中心として 理事・評議員のみ募集をしており、一般会員の募集は未だ行っておりません。組織が固まり次第、入会方法などをお知らせします。

     

お問い合わせ

お問い合わせについては、折り返しのご連絡となります。

なお、設立趣意書および活動にご賛同いただける方の入会をお待ちしておりますが、
現在は、まだ組織固めの段階なので一般の会員募集は行っておりません。
フォームから送信された内容はマイページの「フォーム」ボタンから確認できます。
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