子どもの能力は環境と習慣で決まる

子供はだれでも、本来、まじめな心、やさしい心,忍耐力などを持っています。ただ、子育て次第でこうした正しい心が歪められ、間違った方向に行ってしまうことがあります。「非行の火種は3歳に始まる」といわれるように、特に5歳までの子どもの育て方、接し方は、とても重要になってきます。

もっとも気をつけたいのはお母さんの溺愛です。かわいさあまり、溺愛してしまうのははっきいって子どものためになりません。むしろ、子どもの成長を阻害してしまうといっても過言ではないでしょう。特に母性を持たない男の子の場合、母の過度の愛情は逆効果となります。甘やかすのではなく、毅然とした態度で、むしろ体罰なども含め、厳しく接し、しつける必要があります。もともと、やさしい心、粘り強い心(母性) を持つ女子の場合は、それほど問題はないでしょう。お母さんの手伝いをさせることで、母性が順調に育っていきます。

自力で学ぼうとするか「自学自習」の力は、すべてのものごとの基本です。「学ぶ力」さえあれば、入試はおろか、スポーツであっても、研究であっても、目標は必ず達成できます。どんな仕事もうまくいくのです。学ぶ力は「読み書き·計算(そろばん)」で育てることができます。もっとも3歳、4歳で自学自習のスイッチが入り、「自学自習」の回路さえできてしまえば、子供は自発的に「読み書き·計算」するようになります。子供のスイッチを入れるのは親や私たち教育者の役割です。押しつけと感じたり苦痛であれば、子供は長続きしません。スイッチが入る前にやめてしまいます。

運動神経をつかさどるのは小脳。小脳は6歳までに100パーセントできあがるといわれています。つまり、運動神経の良し悪しは6歳までに決まってしまうのです。運動神経は遊びの中だけでは十分、育ちません。まして野山を駆けめぐる環境の乏しい都会の子どもたちは、遊びすら家の中なのですから、運動神経の育ちようがありません。子供の運動神経を伸ばすには体操が必要です。ストレッチ、ブリッジ、逆立ち歩き、マット運動、跳び箱、レスリング(男子のみ)などの体操を、バランスよく行うことで、自然に運動神経が発達します。また、将来、スポーツ選手にならないとしても、「体のかは大切です。体力がなければ健康な生活がおくれないからです。毎日、10分間の駆け足を行うことで、腰骨が立って姿勢がよくなり、また体力がついて、かぜなどの病気になる子供も減りました。