96になる母はお洒落で、病室でも化粧水を欠かさないような人でしたが、
最後は黄疸が酷く、
本人は気になるだろうという顔色になっていました。
元の色白な顔に戻していただき、
用意した藤紫色の着物が良く似合っていました。
お寺さんには、
「今まで会った故人で一番綺麗だ」とまで言って頂き、
誉められるのが好きなばあさんだったから喜んでいるだろう、
と夫婦で笑って見送ることができました。
亡くなる三週間ほど前から急に面変わりした父。
尿が排せつできなくなってから変化が進みました。
母は認知症の傾向が始まっており、
理解できるかどうか、
ショックを受けないかと
私たち兄弟で話し合いました。
会ってもわかるのか、
会わせられるのか、が焦点でした。
葬儀社から紹介されたものの、
正直、あまり期待することなく頼みましたが、
予想以上に良かった。
復元が終わるまでキッチンで待たせておき
呼んだところ、
拍子抜けする程あっさりと、
「あら、お父さん」
と言ったのでホッとしました。
修復したことを何も気づかれることなく、
二日後の葬儀が済むまで過ごすことができました。