蚕は、一般的にネクタイや着物に使われているつるつるとして光沢がある「マルベリーシルク」と呼ばれる「家蚕」と、「ワイルドシルク」と呼ばれる「野蚕」に分けられます。「エリシルク」は「野蚕」のひとつである「エリ蚕」からとれるシルクです。「エリシルク」は、ふんわりとした柔らかさと優しい光沢があり、別名「カシミヤシルク」と呼ばれています。「エリシルク」はとても面白い機能性を持っています。肉眼でみることは出来ませんが、繊維の中にたくさんの穴があいていることが分かっています。ですから軽く吸水性に富み柔らかな感触になります。更にUVカット率が高いのも特徴です。「野蚕」の特徴として抗菌作用があります。野蚕は抗菌性が高いものが多くありますがシャリ感があり感触は硬くなります。「エリシルク」は抗菌性も持ちながらカシミヤのような特徴も持った優れものの素材と言えます。

元々「シルク」や「カシミヤ」などの天然素材が好きでした。「カシミヤ」などの獣毛は良い素材と悪い素材では肌触りが全く違うこと、良い素材は肌触りが凄くよいが、良い素材のものほど虫に食われやすいことがネックだと思っていました。カシミヤとシルク両方の特徴を持つ「エリシルク」に出会って調べていくうちに、どんどん好きになりました。抗菌性が高いと聞いて靴下を作ったこともありました。梅雨時、湿度の高くじめじめした日、屋外に干したのにタオルのにおいが気になりました。その時、「タオルを作ろう」と思いました。昔からシルクは美容に良いと言われており、身体を洗うための「浴用ボディタオル」を使ったこともありました。顔や身体を拭くタオルが美容にも良く、お肌の弱い人にも優しく、且つ、抗菌性が高く清潔に保てるタオルがあれば最高だと思って作りました。繊維に沢山の穴がある中空糸なので乾きが早く、衣類であれば、「夏涼しく冬温かい」素材です。

マルベリー繭に比べると大きめで表面が毛羽立っています。形は、マルベリー繭は俵・楕円ですが、エリ蚕は長細く先が少しとがっています。

このように細かい孔（あな）が空いているのが特徴です。