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特別なニーズのある子どもたちに読書の喜びを

左上の写真は「りんごの棚」というコーナーです。
アクセシブルな本に対する認識を高めるためにスウェーデンでうまれた取り組みです。
この棚には、布の絵本、点字図書、拡大図書、録音図書(音声デイジー)、マルチメディアデイジーなどが置かれています。

ディスレクシアや視覚障害のある人、知的障害のある人など紙に印刷された文字を読むことが難しい人も利用することができます。

この棚が図書館の一番目立つ場所に設置されることで、読書はすべての人の喜びであるということが感じられます。

「りんごの棚」シンボルマーク
世界図書館情報会議(WLIC)2010年イェーテボリィ
スウェーデン国立録音点字図書館(TPB)
ジェニー・ニルソン(Jenny Nilsson)
  • シンボルマークをクリック後に「画像を保存」を選択することで保存が可能です。
    下記の「使用上の注意点」をご覧いただき適切にご使用ください。
  • ここをクリックして表示したいテキストを入力してください。

「りんごの棚」シンボルマーク使用上の注意点

以下の注意事項に従ってご使用ください。
・非営利であること
・教育目的の使用であること
・改変しないこと

りんごプロジェクトについて

文字が読めない、本の内容が理解できない障害者に読書は必要なの?と思う人がいるかもしれません。
あるいは、障害がある子どもが自立するためにはいろいろな訓練が必要で、本を読んでいる時間がとれず、素敵な本の出会いが失われてしまっているかもしれません。

障害のある子どもも、さまざまなツールを使って読書に触れるなかで、想像力や言語力を培ったり知的好奇心が芽生えたりします。また将来、自分で情報を収集し活用する力が育ったり、余暇の充実につながったりすれば、より豊かな生活を送ることが出来るようになるでしょう。

私たちはアクセシブルな本がすでに世の中にあるのに、多くの人が知らない、多くの障害当事者も使ったことがないという事実に着目しました。
そこで実際にDAISYなど、さまざまな機器を一度に体験できる場を作るプロジェクトを立ち上げました。
名付けて、りんごプロジェクト!
ちなみにDAISYはDigital Accesible Informaition Systemの略です。

そして、障害の有無に関係なく、すべての人に、この体験会に参加してほしいと思っています。
なぜなら、みなさんが体験会に参加し、よりよい図書館のあり方を考えることこそがインクルーシブな社会を実現する一歩となるからです。

小中学校、高校・大学、特別支援学校のほか、放課後等デイサービス、親の会や図書館など、さまざまな場所で出前授業や体験会を行います。

また、このりんごプロジェクトでは、単なる疑似体験に終わらせず、日本中の図書館をよりよくするアクションにつなげること、障害の社会モデルについて皆さんと共に考える機会を持つことを通じて、誰一人取り残さない情報社会の実現をめざしています。

 

手でめくらない、文字を読まない、図書体験会
〜アクセシブルな読書法を体験しませんか?〜

体験内容について

(1)
読むことの”障害”を体験(視覚障害、発達障害、肢体不自由)
(2)
アクセシブルな本の説明
(3)
アクセシブルな本の体験
(4)
いろんな教科書の体験
(5)
質問コーナー
体験の流れや時間は調整可能です。事前にご相談ください。
見出し ここをクリックして表示したいテキストを入力してください。テキストは「右寄せ」「中央寄せ」「左寄せ」といった整列方向、「太字」「斜体」「下線」「取り消し線」、「文字サイズ」「文字色」「文字の背景色」など細かく編集することができます。

体験できるもの

大きな文字の図書
①大活字本、拡大写本  ②拡大読書器
耳で聴く図書
①デジタル録音図書デイジー  ②音声パソコン
触る図書
①点字、点字付き絵本  ②ユニバーサル絵本  ③布の絵本
耳と目で読む図書
①マルチメディアデイジー ②音声解説や字幕の入った映像資料
優しくわかりやすい内容の本
①LLブック  ②ピクトグラム
見出し ここをクリックして表示したいテキストを入力してください。テキストは「右寄せ」「中央寄せ」「左寄せ」といった整列方向、「太字」「斜体」「下線」「取り消し線」、「文字サイズ」「文字色」「文字の背景色」など細かく編集することができます。

アクセシブルな図書について

本プロジェクト賛同団体

パンフレットはこちら

下記のボタンをクリックするとパンフレットを開くことができます。
どなたでもダウンロードしてお使いください。(PDFデータです。)

図書体験会を開催してみませんか?

お気軽にお問合せください!
 ※活動地域は東京・埼玉・神奈川となっております。その他はご相談ください。

活動報告

横浜市立杉田小学校での体験会

J R新杉田駅から徒歩5分というとてもアクセスのいい横浜市立杉田小学校6年生のクラスで体験会を行いました。杉田小学校は、今年度150周年を迎える歴史ある大きな学校です。図書館も広く入室には上履きを脱ぎます。光がさす窓側には小上がりがあったり、隠れ家的な手作りの小屋があったりとても贅沢なつくりになっています。体験会はその図書館で行いました。
 6年のクラスの子どもたちは、総合の授業でSDGsについて勉強はしてきたけれど、「人権」についてもっと理解を深めたい、過去にシトラスリボンプロジェクト*についても学習したことがあるというので、今回りんごプロジェクトが呼ばれることになりました。
 
 「なんだろう?」という表情で、講師の佐藤さんのお話しを聞いていた子どもたちも、実際に本を手に取るとLLブックや点訳絵本、大活字本、布絵本やマルチメディアデイジーとの出会いに目を輝かせていました。質問コーナーでは、布絵本の作り方について教えて欲しいというのがありました。自分たちでできることを探している姿があってとても素晴らしいと思いました。杉田小学校にも「りんごの棚」ができた際には、ぜひ子どもたちの手作り布絵本を置いて欲しいと思いました。
 
シトラスリボンプロジェクト:コロナ禍で生まれた偏見・差別をなくし、誰もが地域の中で笑顔のある暮らしを取り戻せる社会にしようと、愛媛県の有志によって始められた。

横浜市 読書バリアフリー情報サイトに動画掲載

 横浜市読書バリアフリー情報サイト「読書バリアフリー啓発動画」に本プロジェクトメンバーが出演し、バリアフリー図書について説明しております。各動画10分以内の短い動画となっております。ぜひご覧になってみてください。
 サイト下部には読書バリアフリー啓発リーフレットのダウンロードリンクが掲載されております。「バリアフリー図書」や「読書を支援する道具や機器」が紹介されております。ぜひ、ご覧になり活用してみてください。
また、 横浜市教育委員会から2023年9月19日に発表された「「みる 、さわる 、きく」いろんなカタチの読書方法 があります~読書バリアフリーの理解促進に取り組みます~」の記者発表資料に、読書バリアフリー啓発動画の協力団体として記載していただきました。

横浜市立本牧南小学校での読書体験会

 2023年5月10日(水)横浜市立本牧南(ほんもくみなみ)小学校の3・4年生に向けて、読書の体験会を行いました。

 本牧南小学校は、この春、子どもの読書活動優秀実践校として文部科学大臣表彰を受賞しました。同校は、SDGsの活動も盛んで1日1SDGsを合言葉にいろいろな観点からSDGsに繋がることについて学習アプリを通じて意見交換しているそうです。そしてコロナ禍より「シトラスリボンプロジェクト」という活動も続けてきました。これは、シトラス色のリボンやロゴを身につけて、「一人ひとりがそれぞれの暮らしの中で「ただいま」「おかえり」を温かく受け入れる気持ちを表し、思いやりと温もりのある地域づくりを進める」愛媛県発のプロジェクトだそうです。今回、本牧南小さんが推進しているこの活動と私どもの「りんごプロジェクト」をかけ合わせて「シトりんプロジェクト」を学校司書の方が図書委員会の子どもたちと一緒に立ち上げてくれました。「本を通じて人とのふれあいを〜本を通じて自分たちにできることを考える」という1年かけてのプロジェクトです。

 体育館に集まった3・4年生(約90名)はアクセシブルな本のお話しのあと、用意された80冊におよぶアクセシブルな本を体験しました。本好きの多い子どもたちは、好奇心の眼差しで普段読んでいる本とは違ったものが並ぶテーブルの前に殺到しました。LLブック「わたしのかぞく」(樹村房)を開いて写真を見ながらストーリーを説明する子ども床で「めいろ」の本を広げて指で一所懸命なぞる子どもマルチメディアデイジーに釘付けになる子どもなど、どの子どもも目を輝かせていました。

 体験会後の子どもたちの振り返りカードでは、「点字を読んでみたい。」「今日学んだことを家族に話します。」「シトりんプロジェクトをやっている人と協力をしたいです。目が見えない人でも目が見える人も読める本を作りたいです。」など他にもたくさんアクセシブルな本への理解を示す言葉がありました。

 学校図書館には、子どもたちのアイドルである最先端テクノロジー搭載の人工生命体LAVOTのチョコちゃんが学校司書さんと働いています。赤い服を着たチョコちゃんはまるでりんごのようです。今後どのように「シトりんプロジェクト」、そして「りんごの棚」が本牧南小にできていくのかとても楽しみです。

よこはま読書パーク

 2023年3月18日(土)(10時〜17時)横浜市庁舎にて横浜市教育委員会主催の読書活動推進ネットワークフォーラム「よこはま読書パーク」にブース出展をしました。3年ぶりの新市庁舎での開催とあって、当日は雨天にもかかわらずたくさんの人出となりました。アトリウムには大手の出版社、小学館・講談社・福音館書店・Gakken…など13社がそれぞれ絵本や図鑑を販売し、りんごプロジェクトも同じようにブースを並べました。本の販売は無いのにも拘らず、ブース前で足を止めてくれた人がアクセシブルな本を手に取ってくれました。今まで全く知らなかったという人が多くいる中で、これを目当てに来た学校司書、教員、学校・地域コーディネーター、音訳に携わっている方などがおり今までにない感じも受けました。
「SDGsや多様性が言われている世の中で、これはみんなが知っておくべきことですね」
「学校の先生に知らせたい。学校図書に入れたいです。」
「学校の図書館をもっとアクセシブルにしたいのでアドバイスをください。」
マルチメディアデイジーのタブレットを体験した小学生男児は、
「カッケェ〜、マジすごい!」と素直に反応してくれました!
お足元の悪い中、ブースに立ち寄っていただいた方々ありがとうございました。

 また、横浜市中央図書館とも連携して、移動図書館の「はまかぜ号」がアクセシブルな本を積んできて貸し出しをしてくれました。体験会を見てすぐに「はまかぜ号」で本が借りられる流れを作ったのがよかったのかもしれません。多数貸し出しがあったようです。またユニバーサル絵本などを出版社さんがブースに貸し出しもしてくれました。さらに、福音館書店さんからてんじつきさわるえほん『ぐりとぐら』と『ぞうくんのさんぽ』、小学館さんから『かぞえるえほん』と『おかしのどうぶつえん』『ともだち』をお貸しいただきました。本当にありがとうございました。これらの本は、本を読むことを通して子どもたちの多様性の理解を深めていくきっかけにもなっていくと思います。ぜひ、書店でご覧の際はお手に取ってみてください。
 
 午後は、講師の佐藤による「よむ、みる、さわる、きく。いろんなカタチの読書方法」のセミナーが2回行われました。質疑応答・感想コーナーでは、「どうやって学校関係にはアプローチしたら良いのか」「音声デイジーとマルチメディアデイジーの違いは何か?」「今日は新潟から来た。本当に来た甲斐があった。」など積極的な意見交換がされました。最後に、横浜市教育委員会による「視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する法律(読書バリアフリー法)に基づく取り組みの方向性について」という提言書の報告がありました。今後も横浜市教育委員会と連携してアクセシブルな図書の普及をしていきたいと思います。

 今回のフォーラムを通して、多くの方に「りんごプロジェクト」を知ってもらうきっかけにもなりました。また、急速にアクセシブルな図書への関心が高まっているのを感じました。
 横浜市教育員会の皆様ご参加させていただきありがとうございました。
 
 りんごプロジェクトは2023年で3年目の春を迎えます。「いろんなカタチの図書で誰もが楽しめる読書を日常へ。」をさらに前進させたいです。

横浜和泉小学校 総合的な学習 出前授業

2022年12月22日(木)の5・6時間目に、4年生27名のクラスの総合的な学習の時間に佐藤講師が伺い出前授業を行いました。横浜市立和泉小学校は、全校児童375人、横浜市の西部に位置する泉区の田園風景の中にあります。
子どもたちは、「視覚障害」「聴覚障害」「肢体不自由者」「パラリンピック」をテーマに調べ学習を行っていました。その中で「視覚障害」について学習している児童のグループから、「視覚障害の方がどのような生活を送っているのか」「視覚障害の方に対してできることはないのか」「点字の本にはどのようなものがあるのか」などの疑問がわき、さらに和泉小の学校・地域コーディネーターの方から「りんごプロジェクト」というものがあるという話しを聞いて、子どもたちが「りんごの棚」に興味をもったこと、以上の2点から、今回の出前授業につながりました。 
学校に到着して温かい歓迎を受け、校長室に案内されて挨拶をした後、元気な子どもたち数人が4Fの教室まで佐藤講師を介助して案内してくれました。教室の中に入って教卓の前に座って白杖を置くまで、「気をつけてください!」という子どもたちの声が飛び交います。 

今回の出前授業は、いつものりんごプロジェクトの「アクセシブルな本の紹介」だけでなく「視覚障害とは」「視覚障害者の生活」などにもふれ、子どもたちの興味関心を大変惹きつけたと思います。 
「どうやってご飯は食べますか」「お風呂はどうやって入りますか」「お金はどうやって払いますか」
「どうして白杖というのですか」「白杖が折れたらどうしますか」「どんな感じで見えなくなったのですか」
「不安じゃないですか」など、日常生活のことから核心をつくような様々な質問が出ました。
佐藤講師は、子どもたちの質問に丁寧に答えていきました。
“白杖はちょっと先がわかる程度のもので折れにくいカーボン製のものを、携帯用の折りたたみ式の白状も持っている”
“目が見えなくなってからはリハビリテーションセンターに行って訓練を受けた。点字は誰でも読めるというわけではなく、読むには指先の感覚を鍛える必要がある。自立するためには、視覚以外の感覚(聴覚・触覚・嗅覚・味覚)をスーパーに鍛えなくてはならない。人間はどこかに障害があると、それ以外の部分が発達して補おうとする。だから障害者はスーパーマン!”
“ただし、スーパーになれない障害者も多い。ありのままの自分を認めて自分の能力の中で生きていくことができるか、それが大事。”という深いお話しもしてくれました。

後半はアクセシブルな本の紹介です。大活字本や拡大図書、LLブック、ユニバーサル絵本、そして佐藤講師のプレクストークで録音図書の『ぐりとぐら』を、皆、目を瞑って聞きました。表紙の絵の様子を耳で聴くという体験が子どもたちの想像力をかき立てたかもしれません。その後LLブックやユニバーサル絵本、布の絵本も読んだり触ったりしてもらいました。私もデイジーが欲しいという子どもいました。

最後は、点字の体験で「点字を目で読んでみよう」です。
一人ずつ点字シートが渡され、まず、「読み」と「書き」の説明。そして6点で表されるひらがなの規則性の発見など、子どもたちは小さな指で一生懸命点字をなぞっていました。
多いに盛り上がっていたところで時間となり、あっという間の出前授業が終わりとなりました。子どもたちに「視覚障害者について」「アクセシブルな本」「りんごの棚」「点字」について、大変駆け足でしたがたくさんお話しをすることができました。

以下、担任の先生より送られてきた子どもたちの感想の一部です。

・昨日、佐藤さんの話を聞いて、佐藤さんは自分で服を着たり、ごはんを食べたりできるのを知り、驚きました。私は、視覚障害の方はほとんど助けてもらっていると思っていたけれど、自分で工夫したりして、自分でもできることを知って、佐藤さんの言っていたとおり、スーパーマンだと思いました。
 
・自分は、目が見えない人と関わるのが少し怖かったけれど、佐藤さんに会って、目が見えない人と少し関わって、困っている人を助けてあげたいと思いました。目が見えなくても、ものすごく速いスピードで点字を触って、言葉を話しているのがすごいなと思いました。また機会があったら、点字や佐藤さんのお話を聞かせてください。
 
視覚障害者はすごいなと思いました。理由は、白杖も使いこなせるし、聴覚もするどいからです。布の本があることを佐藤さんや佐伯さんが来て初めて知りました。
 
・昨日は、点字のことをいろいろ教えてくださり、ありがとうございました。私は佐藤さんの話を聞いた後、図書館へ行き、点字の本を2冊借りました。私は、その点字を覚えようとしましたが、少し難しかったので、5こぐらいしか覚えられませんでした。佐藤さんのくれた点字の紙でも練習しています。佐藤さんの話を聞いて、佐藤さんはすごいなと思いました。
 
素直で物怖じしない可愛らしい子どもたちでした。この授業を通して、彼らの生きる力の一役になれば幸いです。
12月のお忙しい中、授業作りのために何回もやりとりしてくださった担任の先生、本を揃えてくださった学校司書の方、温かく迎えてくださった校長先生・副校長先生、見学に来てくださった横浜市いずみ中央地域ケアプラザの3名の方、そして今回「りんごプロジェクト」を理解してずっと応援してくださっている学校・地域コーディネーターさん、本当にありがとうございました。
和泉小学校の学校図書に、子どもたちの呼びかけで「りんごの棚」ができたらぜひご連絡ください。

多賀城市立図書館での体験会

2022年12月11日(日)宮城県の多賀城市立図書館で体験会を行いました。
 
図書館主催の体験会は今回で4回目です。
2019年に読書バリアフリー法が施行されて以降、公共図書館では読書へのアクセシビリティを課題に掲げているところが増えてきました。障害者サービスの充実や障害者や本の読みづらい人に配慮された蔵書が増えてきています。しかしながら、それを必要な人に届けることがなかなかできていないのが現状です。
 
今回は多賀城市立図書館の担当者からお声がけいただき、りんごの棚の設置と体験会の開催に協力させていただきました。
 仙台駅から仙石線で20分ほどのところにある多賀城駅。その駅前におしゃれな公共図書館「多賀城市立図書館」があります。
こちらの図書館は指定管理者のカルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社によって運営されています。建物に入ると、北側は一部吹き抜けとなっていて、蔦屋書店とスターバックス、3階にはレストランが入っています。棟の南側は3階建の図書館部分で、きめ細かいサービスと居心地の良さがバツグンでした。
人口6万人の多賀城市で、来館数が年間140万人と聞いて驚きました
日曜日の午後、若者や高齢者、赤ちゃん連れの家族など多くの人で賑わっていました。
 
今回も最初にレクチャーをして、その後に会場に設置された体験コーナーで図書に触ることができました。1階中央にある"住まいの部屋"というオープンスペースで、マイクを使って話していると、事前予約の人だけでなく、図書館に来た人も、「何をやっているのかな?」とふらっと立ち見する人も多くいました。
普段は静寂を保つために別室で行うのですが、このようにオープンなスペースで市民に発信するのも良い取り組みだと感じました。
 
館内は間接照明やBGMもあり、ソファや観葉植物など、まるでホテルのラウンジのようです。なるほど多くの人がわざわざ来たくなる図書館だなと納得。
多賀城市立図書館は次々と魅力的なイベントを企画している素敵な公立図書館でした。

デモクラシーフェスティバル2022

2022年11月25日(金)〜27日(日)に開催されたオンラインイベント『デモクラシーフェスティバル2022』は、幸福の国、福祉の国などと呼ばれている北欧諸国で、毎年夏に開催されているコミュニケーションのお祭りです。日本ではコロナ禍の2020年にオンラインで初上陸し、今回のイベントで3回目となりました。「社会をつくる大切な一人として、あなたが好きなこと、気になっていることを他の誰かと共有しましょう。その会話一つ一つが、社会を作ります」(「デモクラシーフェスティバルジャパン」ホームページより)となっていて、まさに人の話しを聞き、自分の考えを話し、対話を思いっきり楽しむという新しい分野のフェスです。
 
りんごプロジェクトは、スウェーデンの公共図書館の「りんごの棚」に由来するものでもあり北欧と無関係ではありません。北欧好きや対話に興味のあるひと、社会課題に関心がある人が多く集まるこのオンラインイベントに初参加させてもらいました。
発表内容は「アクセシブルな図書の説明」と「主な活動内容」です。
第一日目の最初の枠とあって、参加者は少数でしたが、初めてきくアクセシブルな図書に深く興味を持ってくれて、「こんな本があるんですね。今度自分の近所の図書館に行った時にしれっと『りんごの棚はありますか?』と聞いてみます。」と言ってくれました。他に、「どうしてこのプロジェクトを始めることになったのか」「公共図書館は普段どのくらい使っているのか」などの対話があり、最後は、図書館は好きだという意見が多い中で、もっと市民の憩いの場になるような図書館があってもいいのにね、という話しになりました。45分ほどのオンラインという空間でしたが、発表と初めて会ったもの同士の対話がコンパクトにまとめられた時間を過ごすことができました。お声掛けしてくださったデモクラシーフェスティバルジャパン2022開催委員会さまありがとうございました。

超福祉の学校2022@SHIBUYA

~成果報告会~

2022年11月4日(金)から6日(日)まで渋谷ヒカリエ8F「8/」courtで開催された「超福祉の学校2022@SHIBUYA 」(主催:NPO法人ピープルデザイン研究所)に参加しました。「超福祉の学校@SHIBUYA」とは、障害の有無にかかわらず、共に学び生きる共生社会の実現を目指して、ピープルデザイン研究所主催、文部科学省、渋谷区共催で開催されているイベントです。(HPはこちら)
 従来の障害福祉や教育の枠に収まらない多様な方々がシンポジウムに登壇。全国各地の具体的なアクション、生涯学習や教育に関する最新事例を、渋谷から全国に発信しています。今年は初めての試みとして、会場に「超福祉の図書館」が設置され、"読書"や"学び"を通じたダイバーシティ&インクルージョンな公共空間のあり方も発信されました。 

11月5日(土)は、超福祉の学校プロジェクトから生まれた「トリセツプロジェクト」と並んで「りんごプロジェクト」の最終成果報告会が行われました。「アクセシブルな図書とは?」「活動内容/体験会・展示会」「これからのりんごプロジェクト」の3部構成で、最後に株式会社MUZIKAさんプロデュースのキャッチコピー『よむ、みる、さわる、きく。いろんなカタチの図書を、誰もが楽しめる日常へ。』 とオリジナルのロゴを発表させていただきました。
当日の様子はYoutube (「りんごプロジェクト」33分過ぎより)をご覧ください。

11月6日(日)はシンポジウム読書支援の最先端~よむことが困難な人のために~の司会進行を担当させていただきました。この分野の最先端で実践研究をされている東京大学先端科学技術研究センター教授の近藤武夫先生専修大学文学部教授の野口武悟先生埼玉県立久喜図書館でバリアフリー読書推進担当の佐藤聖一さんにご登壇いただき、まだまだ広く知られていない技術やサービスについてお話していただきました。(アーカイブ動画はこちら)

先生方の話を伺いながら、 “本が読めない、読みづらい”という理由で子どもたちの学びの機会が失われてしまうのはとてももったいないことですし、今はそれを補う技術やサービスがあるのでもっと知ってほしいと改めて感じました。障害のある子どもも本を通じて生涯の学びにつながるよう、りんごプロジェクトの活動を広げていきたいと思います。

会場で開催された「超福祉の図書館」は大好評でした。多様性を象徴する本が130冊用意され、本棚ではなくカーペットの上に広げられていて、リラックスできるビーズソファに座って自由に本が読めます。また幕で囲われた一人用のスペースは外部からの視点は遮りつつ、完全な個室ではない空間でとても居心地よく設計されていました。図書館というと、静寂と整理整頓がイメージされますが、時にはこのようなリラックスできる公共空間もいいなと思いました。会場はオープンなスペースなので、誰でもふらっと立ち寄れる気楽さもあり3日間で1300人あまりが会場を訪れました。

最後に嬉しいお知らせです。
昨年、私たちの活動がきっかけで渋谷区立中央図書館に初めて『りんごの棚』が設置されました。そして現在、区内全館にりんごの棚が設置されています。(HPはこちら)



横浜市立新井中学校文化祭

2022年10月21日、横浜市立新井中学校文化祭に出展しました。

秋晴れの朝、中学校の門をくぐると「おはようございます」と元気のいい挨拶が聞こえてきました・
今日は横浜市立新井中学校で2年ぶりの文化祭です。(横浜市立新井中学校)
 
今の中学生はコロナ禍で3年間マスク生活を強いられ、さまざまな理不尽な環境におかれた子どもたち。以前の文化祭は合唱中心だったそうですが、思い切って内容を変えて動画を中心にした発表という形で開催されました。
伝統の合唱コンクールができなくなっても『新しい文化祭を作り出せるチャンス』と前向きにとらえ6ヶ月間準備をしてきたとのこと
みんなの想いが詰まった文化祭に、りんごプロジェクトを招待してくださり身が引き締まる思いがしました。
 
オープニングは各クラスの黒板アートを素晴らしい動画で紹介。そのあと各学年や部活動などの発表コンテンツをGoogle meetで各クラスに配信されました。
 
218名の生徒に向けて、りんごプロジェクトの活動を話しました。最後に「一人ひとり学び方は違っていい、自分の学び方を見つけてほしい」というメッセージを伝えてきました。
 
発表のあと図書室に行くと、そこには「りんごの棚」が作られていました。期間限定の展示ですが、昨今活字離れが課題の中学生にとっても、アクセシブルな図書は興味を引く展示だったようです。
 
後日、生徒さんたちから感想が届きました。
・世の中にこんなに見やすい本があることを全く知りませんでした。もっとたくさんの人が楽しく読書ができるよう、りんごプロジェクトのことを周りの人に伝えたいと思いました。
・今回の話を聞いて読んでみようかなと思いました。
・僕はとてもりんごプロジェクトの活動に対して感動しました。障害をもった人は普通とは違うイメージが強いけど、それを平等にするため目が見えなくても本が読めるようにして、この活動がとても良いと思いました。
・たくさんの本の紹介をありがとうございます。それによって、本に興味を持ちました。これからもたくさんの活動を頑張ってください
視覚障害者の方についてあまり知らなかったが細かく教えてくれてありがとうございました。
・このたびはわざわざ新井中学校まで来てくださりありがとうございました。私は小学校の時に点字のことを学んだことがあります。点字に興味はありましたが、今回点字の本があることを初めて知り、触って見たいと思いました。 
紙に書かれた本が読みづらい人がいて、そんな人たちにいろいろな取り組みが行われていることを知れてよかったです。
今まで知っていた障害のイメージが全く違っていて、いろいろと知れて良かったです。
 
今年の文化祭のテーマは「彩〜自分の色を見せつけろ〜」
生徒の皆さんの大切な文化祭の1ページにりんごプロジェクトが仲間入りできたことに感謝いたします。

ありがとうございました。

「東京都立久我山青光学園の”わいわまつり”に出張体験会!」

2022年10月15日、東京都立久我山青光学園PTA主催の”わいわまつり”で出張体験会を開催しました。
コロナ前は飲食の出店もあり大変な賑わいだったそうですが、コロナ禍で規模を縮小しての開催です。それでもPTAの皆様の熱意は高く、児童生徒やご家族が楽しめる工夫がいっぱい。いきいきとした子どもたちの笑顔が忘れられないひと時となりました。

書店や図書館でふだん見かけることがない本を実際に触っていただくりんごプロジェクトの出張体験会は11回目となりました。佐藤講師のレクチャーから始まりアクセシブルな図書を体験していただくプログラムは毎回同じように見えて、主催者や参加者が変われば毎回違う反応が生まれます。本日は200組ほど体験会に立ち寄っていただき大盛況でした。

ボランティアで参加していた学生さんたちもお仕事の合間に立ち寄ってくれました。「マルチメディアデイジーを初めて知りました。」という感想に、まだまだ通常の学校に浸透していないんだなと改めて実感しました。紙の教科書を使う子のとなりでマルチメディアデイジー教科書を使う子も一緒に勉強することが当たり前になる日はいつ来るのでしょうか?

紙に書かれた文字が読めない
理解できないということは、学習や生活に関わる情報が得られないというとても大きな問題です。周りが気づいて環境を整えることができればその人の人生は大きく変わっていきます。私たちの活動が、少しでもそんな困りごとのある人の助けになれば嬉しいです。

久我山青光学園のPTAの皆様、すばらしい機会をいただきありがとうございました。

「ダイバーシティパーク」

2022年10月2日、ダイバーシティパークin新宿区立中央公園のイベントに出展しました。
ダイバーシティパークは、年齢、性別、国籍、障害の有無、価値観などの多様性を受け入れて尊重し合うという基本概念をもとに、さまざまな立場や考え方を持つ人がさまざまなメッセージを発信していくイベントです。

3年ぶりの開催でお天気にも恵まれ、約80名の方に、りんごプロジェクトのブースに立ち寄っていただけました。
自然に囲まれた開放感な空間の中、来場者もファミリーから外国籍の方、学生さん、職業も様々な方で、出展者も来場者も自由に自分を表現し多様性を肌で感じることができました。

来場者の方から「布絵本...知っているけど触ったことがなかった。」「近くの図書館にないです。」「大活字本...知らなかったです!」「大きな文字でとても読みやすい!マルチメディアデイジー...スピードが変えられて聞きやすい!」「読んでいるとこの色が変わって見やすい!」「LLブックは内容が簡単でわかりやすい。」「友達に教えてあげたい。」などの感想をいただきました。沢山の方に色々な図書に触れていただき大好評でした。

今回は、はじめてメンバー以外にインターナショナルスクールの学生ボランティアさんも一緒に、本の紹介をしてもらいました。新しい雰囲気でより多くの方に立ち寄っていただけたように感じました。

ダイバーシティパークスタッフの皆様、ボランティアの学生さん、お立ち寄りいただいた方々、楽しい時間をありがとうございました。

「にぎやかな公共図書館」

2022年7月27日、28日の2日間、池袋あうるすぽっとで開催された豊島区制90周年「にぎやかな公共図書館フェスティバル」にブース出展させていただきました。

このイベントは「みんなおいでよ!豊島区立図書館」をキャッチフレーズに、多くの人に身近な場所で、多くの人に利用される「にぎやかな公共図書館」をみなさんと一緒につくりあげていくことを目的としています。図書館の「学ぶ」「楽しむ」「分かち合う」のワクワクな循環をひとつに集めたフェスティバルでした。 

今年の1月に巣鴨図書館に「りんごの棚」が開設され、りんごプロジェクトがインタビューさせていただいたご縁で今回のイベント出展につながりました。 ☞インタビュー記事はこちら

夏休みとはいえ平日の開催で、どれくらいの来場者だろうと心配していましたが、りんごプロジェクトのレクチャーはほぼ満席。他のワークショップや劇場でのおはなし会も大盛況。すべて手話通訳付きでとても充実した内容でした。

私も息子と一緒に、執事喫茶SwallowTailのおはなし会に参加させていただき、優雅な時間を楽しみました。

公共図書館は誰もが無料で利用できる市民の財産です。

単に本を貸し出すところではなく、さまざまなイベントを行い、情報を届けるサービス機関として日々工夫や努力をされています。コロナ禍で図書館の利用が制限されたとき、居場所をひとつ失ったような寂しさがありました。読書人口が減っているというニュースも聞きますが、デジタル技術が進化しても本を読む喜びはいつまでも残るのではないでしょうか。

今回ブース出展させていただき、さまざまな企業団体とのコラボ企画の面白さを体験し、公共図書館がまだまだ発展していく可能性を感じました。


放課後等デイサービス「エニィタイム」で体験会

2022年6月30日、横浜市内にある放課後等デイサービス「エニィタイム」で体験会を開催しました。エニィタイムでは今年3月以来2度目の訪問です。前回とは曜日が違うので初めて参加するお子さんも多く、いつもとは違う放課後の時間を過ごしてくれたのではと思います。
 
佐藤講師がオンラインで「こんにちは」と生徒さんたちに呼びかけると、元気よく「こんにちは」とあいさつをしてくれました。まずは20分程度のレクチャーです。真剣に耳を傾ける子もいれば20分間集中することが苦手な子もいます。私たちは一人ひとり違って当たり前だと思っているので、そのお子さんなりに参加してくれたら嬉しいです。
 
おやつタイムをはさんで、いよいよ実際にテーブルに並べられたいろいろな図書を手にとってみます。
実は、この日は「MINI BIG LOVE ACTION」という企画の撮影会も兼ねていたので、りんごプロジェクトのメンバー以外にも数名の撮影クルーがおじゃましました。
子ども達はいつもと違う雰囲気に最初は戸惑っているように見えましたが、本を通じてコミュニケーションをしていくうちに次第に笑顔になっていきました。
 
さわる本でデコボコした感触を楽しんだり、パソコンやタブレットで直感的に操作して読書を楽しんだり、文字が読めるお子さんは簡単に書かれたLLブックを手に取ってみたり、思い思いにアクセシブルな図書を楽しんでくれました。
 
特別なニーズのあるお子さんもいろいろな体験を重ねていくことで学びの蓄積をしていきます。自分に合う余暇や楽しみをもうすでに見つけている子もいますし、これから見つけていく子もいるでしょう。知らないことを知っていくことは障害の有無に関わらず人が成長していくために欠かせないことだと思います。

私たちは活動を通じて、そんな瞬間を届けていきたいと思います。
 
短い時間でしたがとても楽しい時間でした。
エニィタイムの職員の皆様にもご協力いただきありがとうございました。

「品川区立図書館での体験会」

2022年3月21日(月・祝)、品川区立図書館で体験会を実施しました。12月の上旬にお問い合わせをいただき、すぐに当館を訪れ打ち合わせをさせていただきました。その頃はコロナの状況も落ち着いていて3月開催に向けて順調かと思われましたが、年明けからオミクロン株の感染が拡大。中止にならないよう祈りながら準備を進めていきました。 

今回は区報にも体験会の案内を掲載してくださり広く一般市民の皆様に「りんごプロジェクト」の活動を周知いただくことが出来ました。1月半ばには区報原稿のチェック、そして2月までに同時手話通訳者向けの原稿を準備し、講義内容をわかりやすく伝えるためにスライド資料の制作にも取り掛かりました。 

品川区立図書館では現在「音訳ボランティア」「点訳ボランティア」「さわる絵本製作ボランティア」「児童サービスボランティア」の4種類のボランティア活動が行われています。なかでも「さわる絵本」の所蔵が多く、この活動を長年続けておられる「むつき会」の活動は大変貴重です。
また今回は図書館間貸し出し制度を利用して、練馬区立光が丘図書館布の絵本を会場に展示することができました。布の絵本は視覚でも触覚でも楽しめ、親子のコミュニケーションや手指の巧緻性も育めます。

通常私たちの体験会は講師によるレクチャーを聞いてから実際にアクセシブルな図書に触れていただきます。レクチャーではりんごプロジェクトの成り立ちや私たちの目指す社会についても触れ、アクセシブルな図書についての説明やどこで手に入るかなどの情報提供と質疑応答含め40分程度の内容です。
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(区報掲載内容)
〇共生社会をめざす図書館講座  
「誰でも読書!アクセシブルな図書の体験会 ~図書館からはじまるインクルーシブ社会~」  
読むことに困難さがあっても、さまざまな形で読書を楽しめるアクセシブルな本について学び、体験できる講座です。
・日時/3月21日(月・祝日)  
①講師によるレクチャーは、午後2時からと午後3時から(同内容で2回)  
レクチャー会場は、品川図書館4階・視聴覚ホール(各回先着30名)  
②体験コーナーは午後2時~4時 ・会場と定員  
体験コーナーは、品川図書館4階・第1会議室(自由に出入り可)
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2021年度最後の体験会当日は久しぶりにメンバー全員が集まりました。
のべ30名ほどの参加があり、質疑応答では
Q.コロナ禍で対面朗読はどのような工夫がされているのか
Q.視覚障害のある図書館司書は全国に何人いるのか?    などの質問や

音訳ボランティアをしている。なるべく早く視覚障害のある人たちに届けたいアクセシブルな図書は障害のある人だけではなく全ての人にとって必要だと思う         などの感想が述べられました。
 
今回は図書館関係者の参加も多く嬉しかった反面、子どもの頃に自分にあった読書(勉強方法)との出会いがとても大事なので、今後は教育関係者の参加がもっと増えてほしいと願わずにいられません。

共生社会を目指す図書館講座を開催してくださった品川図書館の皆様ありがとうございました。

「ノーマライゼーションという言葉のい・ら・な・いまちづくりの輪(和・話)」

 2022年3月13日(日)、岩手県陸前高田市が主宰するSDGsイベント「ノーマライゼーションという言葉がい・ら・な・いまちづくりの輪(和・話)」に参加してきました。会場はアバッセたかたという市内中心部にあるショッピングモールのパブリックスペースです。
 
 音声D A I S Y、マルチメディアD A I S Y、大活字本、L Lブック、ユニバーサル絵本、布の絵本、それからS D G s書籍などを展示し自由に体験してもらいました。

 佐藤聖一氏による「手でめくらない、文字を読まない本」についての30分のレクチャーも2回行いました。買い物客や隣接する市立図書館に来館した人、チラシを見て興味を持って来てくれた人が本を手に取ってくれました。
「今日参加して本当に良かった!見えなくても読書を楽しめることができるんですね。」「マルチメディアデイジーや LLブックを初めて知った。自分に合う読書方法を探していきたいです。」
 そのほかにも、弱視のお子さんを園で見ている保育園の先生が、今後どのようにしていったらよいのかの相談に乗る場面もありました。また、用意していたクイズに一生懸命答えてくれた子どもや家族連れもいました。クイズに答えてくれた人には、本の読みたい行に合わせて置くと集中して読むことができる道具、”リーディングトラッカー“を今回はプレゼントさせて頂きました。
 
 イベントの一環で、SDGsに関する本を紹介する「ブックトーク」も行いました。SDGs推進プラットフォームの方をはじめ5名の方にご登壇頂き、それぞれの視点からSDGsの本についてご紹介を頂きました。『頼るスキルの磨き方』(KADOKAWA)は、多様性を認め、個を尊重し、持続可能な地域社会を目指す道標となるような本だそうです。防災にまつわる本もご紹介頂きました。その他にも、『お笑い芸人と学ぶ13歳からのSDGs』(くもん出版)、『はじめて学ぶLGBT』(ナツメ社)『デブになってしまった男の話』(アドレナライズ)『ぼくがラーメンをたべているとき』(教育画劇)など12冊、幅広く老若男女に親しめる本を紹介して頂きました。

 三陸海岸にある陸前高田市は、先の大震災で多くのものを失ったのは周知の通りです。最後に立ち寄ってくださったお子さん連れのお母さまは、「本が好きで、たくさん持っていたんですが全部流されました。被災して視力も失いました。」と、子どもの指を布の絵本や点字付きさわる絵本に指をなぞならえさせながら話してくれました。「でもこんな本があるんですね!今日ここに来て良かったです!」と目をキラキラさせて言ってくださいました。そのお子さんが、再びユニバーサル絵本やDAISYを通して本の世界を楽しんでくれることを願わずにはいられません。
 

 6時間あまりの体験会イベントでしたが、私たちにとっても中身の濃い時間となりました。お世話になった陸前高田市の皆さまありがとうございます。SDGs未来都市に選定された陸前高田市が、りんごプロジェクトと同じミッションでもある「誰一人取り残さない」街になるように心より応援しています!

「インクルーシブ図書の体験会」 

 2022年3月4日(金) 15:30~17:00、横浜市内にある放課後等デイサービス“エニィタイム”さんで「インクルーシブ図書の体験会」を行いました。
 小学生から高校生の男女児が、放課後の時間を様々なプログラムで過ごす活動の場での体験会は、初めての試みでした。横浜市教育委員会事務局 障害学習文化財の方も見学にいらしてくださいました。
 テーブルの上に置かれた図書の数々、知らない人たちが来てる“なに?なに?”と遠巻きに見ている雰囲気の中始まり、リモートでメイン講師:佐藤聖一氏の話に耳をしっかりと傾け、おやつを挟んで“自由に触っていいよー”恐る恐る・・・“めくって”“さわって”“見て”と徐々に図書との距離が近づいてくる。マルチメディアデイジーなどは、ちょっと教えただけでスイスイ自操作できてしまう。さすが!!現代っ子(⌒∇⌒)


職員さんからも

リーディングトラッカーの色違いが視覚的に難しい子に対して有効だと思った。
LLブックがわかりやすい。・布の絵本が、印象的でファスナーを開ける練習にもなりそう。
デイジーがタブレットに入れられたら好きな時に読めそう。
迷路の本が難しすぎて興味が持てていないように見えた。
思ったよりもスペースを取らずに出来たので、スペースが取りづらい放デイでも体験会は可能と思った
・これらの図書はどこで入手できるかなど。    数々のご意見やご質問も頂きました。

 
 何より、こどもたちが“アクセシブルな図書”を体験し、体感してくれている姿を見て「知らない・・」を「知ってる・・・」に、「やらない・無理かも・・」を「やったら出来た、楽しい!!」に変わるきっかけになるお手伝いが出来たこと嬉しく思っています。

 今回の“アクセシブルな図書”との出会いときっかけの種が、誰かの楽しみにつながって広がっていくことを願って、今後も活動を続けていきたいと思います。

  エニィタイムの皆さん、楽しい時間を共有させて頂き、本当にありがとうございました。


渋谷の超福祉ラジオ📻

 11月18日、渋谷の超福祉ラジオでりんごプロジェクトの取り組みについて紹介させていただきました。
 これからも“すべての人々に読書の楽しみを伝えるため”アクセシブルな図書についての情報を発信していきます。

 また、体験会の申し込みやイベント等へのお誘いお待ちしております!

 そして、りんごプロジェクトについて知ってくださった皆様が一人でも多くの方へお伝えしていただきアクセシブルな図書の存在を広めていっていただけたら幸いです。
 当日のラジオは、下記のボタンをクリックしていただくと聞くことができます。(りんごプロジェクトについては、26:50~39:40でお話しさせていただいてます。)

超福祉の学校プロジェクトin陸前高田

 11月8日、陸前高田市高田町民の市民文化会館「奇跡の一本松ホール」での『超福祉の学校プロジェクトのシンポジウム』で、りんごプロジェクトの活動報告をさせていただきました。
 当日の様子はYoutubeから(りんごプロジェクトの報告は、22:00~34:15)ご覧いただくことができます。下記のボタンをクリックしてください。

『自費研フェスティバル 2021』

 2021年10月16・17日、五反田TOC Exhibition Hall にて開催された『自費研フェスティバル2021』マルシェコーナーに出展させていただきました。
 自費研とは、美容医療、再生医療、サプリメント療法など自費医療に関する展示ブースが200社以上出展する大規模なイベントです。医療関係者、カウンセラー、美容関係者の方などにブースに立ち寄っていただきました。LLブック音声デイジーを中心にアクセシブルな本に興味を持っていただきました。また、障害に関する相談も受けました。 ひとりでも多くの方に、りんごプロジェクトの活動やアクセシブルな本を知っていただける良い機会となりました!

 お立ちよりいただいたみなさん、主催の一般社団法人 日本顎顔面美容医療協会の担当者のみなさん、本当にありがとうございました。

『夏のおはなし祭り 2021』 

 2021 年8月 7 日(土)(11 時-14 時) 横浜市山内図書館(田園都市線あざみ野)の5日間に渡る『やまうちとしょかん夏のおはなし祭り2021』のイベントの一つとして「インクルーシブ図書の体験会」を行いました。神奈川県は緊急事態宣言下のため感染予防対策を徹底的しながらの開催となりました。

 オープンスペースでは、デイジー図書や LL ブックなどのアクセシブルな本の展示を行いました。お子様連れや学校関係者、図書関係者の方々に立ち寄っていただき、マルチメディアデイジーの体験や、ユニバーサル絵本を見たり、布の絵本に触ったりしていただきました。そして「おはなしのへや」では、メイン講師の佐藤聖一氏と限られた人数の参加者の方をZOOMで繋ぎ、アクセシブルな本についての説明を行いました。

 今年で横浜市立図書館は 100 周年を迎え、横浜中央図書館、山内図書館、南図書館「りんごの棚」が設置されています。今後は、まだまだ行き届いていない周知活動にも力を注いでいきたいとのことです。りんごプロジェクトの活動で一人でも多くの人に“アクセシブルな本の存在”と“誰もが読書をする楽しみ”に気がついてくれればと思います。
 
ご参加いただいたみなさん、横浜市山内図書館の職員のみなさん、本当にありがとうございました。

初のブース出展!リアルイベントで大盛況!

2021年4月24日(土)東京渋谷の代々木公園ケヤキ並木で開催された『バディウォーク東京2021for all』にブース出展させていただきました。

 このイベントはダウン症の啓発活動の一環として毎年都内で開催されているチャリティイベントです。
 昨年から新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、リアルイベントの開催が制限される中、こちらのイベントもギリギリまで予断を許さない状況にありました。東京は三度目の緊急事態宣言を25日からと決定したため、感染予防を徹底しながらの開催となりました。 

テーマは「今こそ共に歩こう、誰一人取り残さない世界へ」 
 ダウン症だけではなく、すべての人に向けたイベント。 その思いは私たち『りんごプロジェクト』も同じです。

 絶好のお天気に恵まれた朝10時少し前、メンバーが会場のテントに集合、入場制限をしているため比較的のんびりとした会場で、持参した図書をテーブルに並べ始めました。 本が並んでいると、それだけちょっと寄ってみたくなるようで、予想以上にたくさんの人が気軽に立ち寄ってくださいました。
 “アクセシブルな図書”との出会いは初めての方がほとんどで、どんな本なのか、どんな種類があるのか、どこで手に入るのか、など一人ひとりに説明しているとあっと間に時間がたってしまいます。
 
イベントで人気があったのは“LLブック” 
 これならうちの子どもでも読めそう、写真が多くて文章も簡単で分かりやすい、ピクトグラムが入っている本は初めて、子ども向けではなく大人向けもあるんですね、などなど好評です。
 マルチメディアデイジーや大活字本、布の絵本、ユニバーサル絵本など、普段手に取ることのない図書を実際に手に取って知ってもらう経験は貴重だと改めて感じました。    
 今後はレイアウトや説明資料など工夫を重ねて、よりよいブース出展ができるようにしていきたいと思います。

 お立ち寄りいただいたみなさん、ブースのお手伝をしていただいた方々、主催者のNPO法人サプライフさん、本当にありがとうございました。


筑波大学附属大塚特別支援学校「学校だより」に掲載

その他の活動


About us

<主催>

<協賛>

プロジェクトメンバー紹介

🍎りんごプロジェクトメンバーは、年齢、性別、仕事も違うごちゃまぜメンバー。ごちゃまぜだから楽しい!🍎

佐藤 聖一
(メインスピーカー)
公共図書館で働く視覚障害の図書館司書です。
図書館には障害者などに配慮されたさまざまな形式の図書があります。
また最近は、デイジーなどのデジタル形式のものもあり利用方法もいろいろです。
でも残念なことに、そのような資料や利用方法を知らない人がほとんどです。
ぜひ、皆さんに利用していただけるように、このプロジェクトに参加しました。
古市 理代
(ナビゲーター)
NPO法人アクセプションズでダウン症の啓発活動に取り組んでいます。
知的障害のある人にとっても読書との出会いは豊かな人生の一助になると信じ、りんごプロジェクトに参加しました。
アクセシブルな図書に出会える場所が日本中に広がっていきますように。
大島 啓輔
埼玉県の特別支援学校で働いています。
自分も学生時代にたくさん利用した図書館が、誰でもふらっとよれる場所になればと思いりんごプロジェクトに参加しました。
すべての人にとっての“図書館”や”読書”のイメージが、今まで以上に親しみやすいものに変えられるようにと思っています。
浅葉 紘子
障害をもつ子どもの親です。
障害のある方が学校卒業後も情報にアクセスでき、学習を続けられるようになること、どこの図書館もいつでもどこでも誰でも、ふらっと寄れる地域の図書館になったらいいなと思い参加しました。
文字を読まなくても、いろいろな読書の方法があることをお伝えしていきたいと思います!
足立 知穂
横浜市内で、障害児計画相談員をしています。日々、本人や親御さんを中心に学校や通所の方々とやり取りをする中で、どんな子も一緒に楽しく・安心して過ごせる居場所が少ないと感じています。
自分に合った洋服を着るように、自分に合った本がある場所、そんなところがあったら素敵だなと、このプロジェクトをお手伝いさせて頂いてます。
佐伯 美華
横浜の公立小学校で学校・地域コーディネーターをやっています。
縁あってこのプロジェクトに参加することになりました。
"図書館は自分とは関係のないところ"とは思えないような誰でも行きたくなる図書館を増やすことを目指したいと思っています。
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